356 :名無しさん@ピンキー:2006/09/15(金) 06:11:58 ID:I8LFTSMI 寝起きの「隣の部屋の魔女」プレイ。 ぶっ殺されてブチ切れ覚醒したので勢いで燃料投下しようと思う。 357 :名無しさん@ピンキー:2006/09/15(金) 10:05:58 ID:rcsOwaz/ 「…とこれこれそういうわけで我々の手にこうして小判の山があるわけで…」 「大胆な手を使うのぉ。横領させたらそちの右に出るものは無いわ…」 二人の男がろうそくの火の元で囁きあっている。傍には風呂敷で包まれた小判の塊… 「そちも…悪よのぉ」「いやいやぁ、代官さまほどでは…」 グッフッフ〜。下卑た笑いが二人の間でかわされる。絵に描いたような悪代官&越後屋コンビだ。 と、不意に障子が勢いよく開かれた。現れたのは…勘定奉行! 「貴様の悪事もこれまでだ!大人しく縛につけぃ!」 「な、なんだと!?」「ひ、ひえぇ!」 次々になだれ込んでくる岡っ引や御用聞きたち。 「御用だ!御用だ!」「御用だ!」「御用だぁ!」 "御用"の大合唱で代官は慌てていたが越後屋は冷や汗をかきながらも、取り乱してはいなかった。 闖入者どもの立てる騒音に紛れるようにこっそり手に持ったキセルで柱を3度叩いた。 それが"秘密の合図"だ。天井の板の一部が音も無く動く。 上方を目玉だけ動かして視認した越後屋は代官に囁いた。 『尾出忍軍の忍です…ここは逃げましょ…』 その言葉に代官は心の中で笑みを浮かべた。横領はバレたが捕まるのは免れるか? じりじりと後ずさりながら時を待つ。 板が開ききって、ポカンと天井に暗闇の穴が開く。何人かの岡っ引が天井の変化に気付いた。 勘定奉行は気づいていない。雑魚どもが知ったところで忍を仕留められるものか! やがて開いた空間から足先がヌッと出てきた。代官は多少焦らされた気分になったが耐えた。 そして―――上から忍の体が落ちてきた。 忍の身体はドスン!と畳の上に叩きつけられる。その場にいた皆が唖然として静まる。 そして沈黙が部屋を支配した。 358 :名無しさん@ピンキー:2006/09/15(金) 10:10:32 ID:rcsOwaz/ 呆然とする場内。沈黙を生んだ張本人の忍は部屋の中央で倒れたままピクリとも動かない。 代官も、忍を雇った越後屋自身も予想外の展開に思考が着いていかないでいる。 …最初に動いたには最も動揺の少なかった勘定奉行だ。 足先でうつ伏せの忍を蹴って身体を裏返す。 ゴロリと無抵抗に転がる忍―――女だ。短髪で後頭部では女と分からなかったが、 転がされて仰向けになったその身体の特徴はまさしく女のそれだった。代官は唾を飲む。 忍者らしい漆黒の衣装の胸の部分が膨らんでいる。少しはだけて鎖帷子が見えている。 だが注目すべきは左側の乳房…クナイが深々と刺さっていた。 代官は次に顔を見て、凍りついた。唖然とした表情で固まったそれは確かに死に顔であった。 「し、ししし、死んでるぅ?!」 誰が見ても死体だった。降ってきたとき、既に死んでいたのだ。 「貴殿らの悪あがきはお見通しだ!」 奉行が声高に宣言し、憎憎しげに天井を見上げた。 「もっとうまくやれんのか!たわけ!」 誰に向かってか?…代官はそう思ったがすぐに自分の馬鹿さ加減に気付いた。 奉行の叱咤に応じて忍が"二人"降りてきた。 一人は蹴落とされるかのごとく、一人はクモの如くするりと舞い降りた。 先に下りてきたのは目下に転がる物と同じ衣装の"ぽにぃてぃる"の忍。 恐らく仲間なのだろう…彼女は激しく臀部を打ったようだが、まだ生きている。 後から出たのが奉行の呼んだ忍らしい。紺色の忍装服を着た小柄な男だ。 「な、何奴!?」 聞かずにはいられない代官。男の代わりに女の忍――ーくの一が尻をさすりながら答える。 「え、炎魔忍軍の者みたいですぅ〜」などと緊張感のない甘ったるい声を出す。 奉行は男を睨んでぶつぶつ文句を言っていたが相手が取り合っている様子は無い。 まっすぐにこちらを見据えている。その瞳に隙は無く恐怖すら感じさせる。 359 :名無しさん@ピンキー:2006/09/15(金) 10:27:08 ID:rcsOwaz/ 「な、何をやっとるんじゃあ〜」 くの一以上に情けない声で越後屋が地団太を踏みながらぼやく。 くの一のほうも「すみませ〜ん」とまるで責任感が無い。 「おい越後屋!他に忍はおら…「もはやこれまでだな!」 男が見た目によらず威勢のいい言葉を放つ。代官は「うぐ」と息を詰まらせた。 「他の二人の忍も天井裏で果てている。もう手玉は残っていないぞ」 その言葉を裏づけるかのように天井から血がポタリと滴ってきた。 生き残りのくの一の背中に入り、彼女は「ひゃあ!」と悲鳴を上げて飛びのいた。 そして飛びのいた先にいた御用聞きの胸に飛び込んじゃって…そのまま捕まった。 彼女はそのまま「あれ〜?」などと腑抜けた表情で「御用だ!」合唱団の中に消えていった… その様子を奉行が顔の手を当てて見送る。泣きたいのは代官の方である。 「まったく戦力にもならん!阿呆が!」 行き場を無くした代官が越後屋に八つ当たりする。越後屋が「ひぇえ〜」としゃがみ込む。 「これまでか!かくなる上は若造を道連れにしてくれる!」 腰の刀を抜いて「えいや!」と躍り出る代官。咄嗟に反応した忍だったが、 代官も武士の端くれか、忍の一閃を見切り、かする程度で避けて奉行に斬りかかる! が、奉行も読んでいた!即座に抜刀し代官の腰をざくりと斬る! 「がはっ!」と血を吐く代官の背に忍の追撃。悪事を働いた報いを受けた瞬間だった。 「残るはお前一人!覚悟しろ越後屋!」 「ひ、ひぃ!」 観念したかのごとく両手を握り締めゆっくりと前に突き出す越後屋。 奉行が後ろの男二人に越後屋の連行を促そうとする刹那、忍と越後屋の双方が奔った! シュッと空を切る音が奉行の耳に届き、続け様に刀の擦れ合う音が弾け、二人の影が離れる。 「ちっ!しくじったか!」 先程までとは全く違う声音で越後屋が毒づいた。 360 :名無しさん@ピンキー:2006/09/15(金) 11:02:34 ID:rcsOwaz/ 「ぬっ!貴様、ただの越後屋ではないなっ!」 奉行の言葉でその場の空気が張り詰める。 忍も越後屋に向けてクナイを構えている。 「…ふっ」 越後屋が笑みを漏らす。おもむろに肩を掴んで衣服を脱ぎ放った。 バサッと閃く"越後屋こすちゅーむ"を「むん」と斬りさばいた忍と一行が目にしたのは、 それまでの中肉中背の風情とはかけ離れた"ぼでぃらいん"のくの一だった。 栗色の髪を後ろで結い上げて馬の尾のように垂らしている。 「この藩を腐敗させ内部を押さえる手筈が一瞬で水泡に帰したわ!」 キッとこちらを睨みながら力強く吐き捨てる。その声も親父声から女のそれに変わっている。 「尾出の手の者か!」 「如何にも…我が名は"うづき"。先の"あしも"や"かふか"とは一味もふた味も違うぞ」 「おのれぃ!」 憤慨した様子の奉行を忍が手で制す。「ここは拙者が」の意思表示だった。 うづきと名乗ったくの一が戦の姿勢をとる。 その"ぼでぃらいん"にぴったりと合っている忍装束は確かに先のくの一とは一線を画す姿だ。 胸の形や腰つきまでくっきりと浮き出ている姿は一見かなり危うげだが 衣服による干渉が極力抑えられた戦闘向けの衣装であることを忍は見抜いた。 ―――雑魚ではなさそうだな。 内心そう思った瞬間には相手が飛んできていた。奉行は部下に「下がれ!」と檄を飛ばす。 この場は忍同士の忍らしからぬ戦場と化した。巻き込まれぬようにと後方に注意を促す。 うづきは×(バツ)の字を描くように刃を走らせる。受けるより避ける方向で忍も対処する。 さらに一閃。部屋を照らしていた明かりのロウソクが絶たれる。 後方の岡っ引のもつ複数の堤燈が二人の姿を照らし出す。 もっとも、二人とも明かりに頼りはしない。相手の気配、そして繰り出される刃の瞬きを読む。 術など使わず真っ向から勝負する忍。 しばらくして「埒が明かぬ」と呟き、うづきがクナイを投げつつ後ろへ飛びのいた。 忍は避けようとしたがクナイを凝視し即座に叩き落す。 奉行が遅れて気付いた。「―――煙り弾が付いている!」 361 :名無しさん@ピンキー:2006/09/15(金) 11:18:29 ID:rcsOwaz/ ぼしゅううううう! 地面に刺さったクナイの柄から白煙が吹き上がる! 奉行たちは「おのれ!」と眼前を覆ったが、忍は躊躇わずに前方へ駆け出した。 見えぬ視界からキィン!キィン!と打ち合う音。 二人が斬り合っているのか!?…奉行はそう思ったが煙が晴れず、思うように動けずにいた。 そして数秒後に視界が開けた時―――部屋から双方の姿は消えていた。 「なっ、何処へ行った!」 驚いた奉行だったがすぐに脇から金属音が聴こえてきて、慌てて通りへ向かった。 「くっ!しつこいぞ!」 多少の焦りを見せるうづきと、無言で顔色一つ変えずに刃を交える忍。 打ち合う内に外に出てしまったのだ。 うづきは逃走を図れず、はたまた打ち勝つことも適わずに四苦八苦していた。 ならば―――"ある手"に思い立ったうづきはクナイを至近距離で放つ。 予想外の動きに防御で応じた忍に急接近して腕を掴む。グイと捻ってクナイを取り落とさせた。 「!?」 「ふふ…」 先程までの険しい表情から一転して妖艶な笑みを浮かべるうづき。 自ら忍の胸に飛び込み、胸が相手の胸板に押されて軽く潰れるほどにまで迫った。 あいての足に太腿を寄せ、片手を忍の股間に添える。 そして、唇を重ねた。忍は目を見開きはしたものの、戸惑いは感じられない。 「ん……っふ……」 口内に舌を絡ませて相手の股間に添えた手を前後させる。 やがて、忍の肉棒が硬さを持ち始めた。 これが彼女の"術"。忍を虜にせんがために淫らに蠢くくの一…。 忍の目が徐々に空ろになるのをうづきは確かに見た。 362 :名無しさん@ピンキー:2006/09/15(金) 11:37:25 ID:rcsOwaz/ 「ふてん丸…ッ!」 後方から奉行とその仲間達が駆けて来た。忍二人の姿を認めるや戸惑って足を止める。 "ふてん丸"というのがこの忍の名前らしい。 「んふふ…」 奉行を挑発するかのごとく、妖しげな笑みを浮かべるうづき。 ゆっくりと唇を離す。唾液が名残惜しげに短く糸を引いて、空間に溶けるように千切れた。 棒立ちになるふてん丸。力なく地に立つ姿はどこから見ても"傀儡"であった。 「くっ!くの一の術か!」奉行が刀を手に身構える。 「そう。もはやこの男は我が操り人形!……あしも!」 「はぁ〜い」 呼び声に応えて"あしも"と呼ばれた――あの軽い雰囲気のくの一が岡っ引の群れから抜け出した。 「し、しまった!逃げ出したか!」 「この娘は間抜けで阿呆だが愚図ではない。侮ったな」 「うづき、ひどぉいですぅ〜」 とても愚図じゃないとは思えない声に場の空気が砕けそうになる。 「さ、ふてん丸とやら。足止めは頼んだわよ」 そう言うとふてん丸の頬に両手を添えて再び口づけをするうづき。 が、その時、うづきが唇を離した瞬間に変化が起こった。 「――あっ」 うづきが、ビクリとした。ふてん丸の目に驚いたのだ。 先程のような呆けたものではなく、慄然とした意志が感じられる。 「まずい」と思ったときには遅かった。身体から急速に力が失われていく。 「う、うづき?」 あしもが異変に気付いたが最早その声に応えることは適わない。 「……」うづきは先程のふてん丸と全く同じようになった。 力無くその場に棒立ちになり、目はトロンとして虚ろになっている。 「―――敗れたり」ふてん丸はそう呟くと傀儡と化したうづきから離れた。 ふてん丸から離れてもうづきはその場に立ち尽くすだけだった。 363 :名無しさん@ピンキー:2006/09/15(金) 11:54:22 ID:rcsOwaz/ 「あわわ…うづき…」 あしもが取り乱す。うづきは完全に"あっち"に旅立っちゃってる。 一番頼りになるコが一番カッコ悪い姿になっちゃってどーすんのよー。 「残るはお前一人だな。大人しく、再び捕まるんだな」 「あひゃ!?」 びくーん。あしもはその場で固まった。自慢できることではないが近接戦はからっきし駄目だ。 術はあることはある…というかそれだけが唯一の取り得なのだが、はたしてどうしたものか!? その場でふるふるとかぶりを振ってうづきと同じ"ぽにぃてぃる"の尻尾を左右に揺らす。 「神妙にしろォ!」 「は、はひぃっ!(汗)」 ようやく前に出ることが出来た奉行とその他大勢があしもたちに迫る。 もーやるっきゃないよー!ヤケクソになったあしもは凄い速さで足元に多量の爆弾を投げる! 「に、忍法・微塵〜!」  どか〜〜〜ん!! ショボイ響きとともに閃光が辺りを包む!煙り玉と焼夷弾と爆弾だ! ふてん丸ら三人はまともに巻き込まれ、その他大勢は悲鳴を上げて逃げ出した。 「わっぷ!自爆技か!?……ん?」 凄まじい爆炎と爆風の中で怯んだ奉行は脇を通り過ぎる影を無意識に引っ掴んだ! 「あひゃあ!?」 掴んだのはあしも!その場につんのめってビッタ〜〜ンとカエルのように引っくり返った。 「…ただのくらまし、か」ふてん丸が冷静に分析した。 「紛らわしいんじゃ阿呆!」奉行は捕まえたあしもをしっかり組み伏して縄で縛った。 「ご、ゴメンナサ〜イ」あしもは縄で"スマキ"状態にされ、今度こそ敗れた。 一方、術を返されたうづきは爆風で飛ばされて地面に刺さっていた。 「はっ!あ、あたしとしたことが………カクッ」正気に戻ったのも束の間、あっさり気絶した。 「えー、うむ。これにて一段落だな」奉行が捕り物の終焉を告げた。 〜…オチなし。しかも唐突に終わる。ぬるぽ 〜 364 :名無しさん@ピンキー:2006/09/15(金) 11:55:28 ID:rcsOwaz/ うはwwww時間かかりまくりんぐwwwwふひひ!スンマセン! 365 :名無しさん@ピンキー:2006/09/15(金) 13:39:13 ID:LiFfP08N >>364 GJ、実にGJwww 出てきた時には既に死んでるのって新鮮。 死ぬ必要のまったくなかったかふか他が哀れだw ふてん丸の淫術がえしはマジで自衛官にも習得させといた方がいいな。 366 :名無しさん@ピンキー:2006/09/15(金) 15:15:34 ID:TIqRXYBZ GJ! モデルはライブアライブのくノ一かな? だったら俺はお持ち帰り派w 367 :名無しさん@ピンキー:2006/09/15(金) 20:07:15 ID:I8LFTSMI GJ!最初から読んでいくと時間がかかってるのが分かるな。 ひょっとしてリアルタイムで書き進めたのかな? 368 :名無しさん@ピンキー:2006/09/16(土) 19:25:11 ID:HacSWOuY GJ!なんか捕縛で終わるってのは新鮮だな。 こういう時代劇ものって、捕まえられて、その時は命を長らえても 結局は拷問・打ち首あたりで屠られるのかなと想像してしまう。 369 :名無しさん@ピンキー:2006/09/16(土) 20:54:12 ID:aaw4ErJs ども。続きも模索中。モデルは>>366さんの言うとおりLALです。 最初はかふか同様に屠る展開のつもりだったが書き進めるうちにいつものアホな方向に… さらに「時代劇モノの知識が足りないな」と思い始めて…('A`) ヒャア もうがまんできねぇ 鬱だ! 370 :名無しさん@ピンキー:2006/09/17(日) 10:59:30 ID:UohVreee 「く、あたしがこんなことで捕まるなんて…」 くの一の"うづき"は牢屋で反省していた。自身の術が敗れ、醜態を晒したことを悔いていた。 操ろうとして逆に操られ、あげく仲間の術で吹っ飛ばされて気絶。気付いた時には拘留の身。 どこの下忍ヤラレだ。などと自嘲する。もっとも自分も隣の牢のあしもも下っ端ではないのだが位は低い。 捕まったと気付いた時に即座に脱出を目論んだが四方を石に囲まれては対処が難しい。 ここは地下だろうか。普通の座敷牢などでは不安だと判断されたか、ふてん丸とやらの入れ知恵か。 とにかくこのまま打ち首なんぞになる気は全くない。うづきは悩んでいた。 …と、外から人の気配がした。うづきの思考は一時中断される。 ヒタヒタと粗雑な石畳の上を歩く足音。この音の軽さは、女か子供か。 「うづき様」 「! おうま!?」 牢の前に立ったのは見知った顔であった。くの一の"おうま"…部下だった"かふか"等と同じ位の忍である。 うづきにとって部下にあたる娘だ。特徴として青い髪を左右でくくって垂らしている("ついんている"だ…) 女中の姿のなっているが、うづきには一目でわかる。彼女は「しっ」と人差し指を立てる。 「―――助けに、来たわけではないな」 「はい。掟に則り、うづき様を始末せよと命ぜられ、はせ参じました…」 少し残念そうに言うおうま。騒がしい"あしも"と違い、この娘は内向的で大人しい。 純朴でとてもくの一らしく見えず、ただの街娘よりもよほど頼りなく見えるために潜入に向いている。 そんなおうまが…適材適所とも思うが、うづきは少し腹が立った。 この娘にあたしを殺させようだと!お頭め!ふざけおって! 371 :名無しさん@ピンキー:2006/09/17(日) 11:00:25 ID:UohVreee おうまはあっさりと錠を外し、中に入ってきて丁寧に戸を閉めた。 「入り込むのは簡単でした。でも内側からは難しそうですね」 牢の中を見渡しながらそんなことを呟く。うづきは自力で縄を解いて立ち上がった。 その様子におうまは感心ながらも任務遂行のために速やかに太刀を握る。 「言っておくが、ただで殺されるつもりはないぞ」 「え?」 あうまはうづきの一言で一気に狼狽した。うづきはますます腹が立った。 「掟は分かる。あたしもかつて仲間を裁いたことがある。だが…」 「逆の立場になるとやはり嫌なんですか?」 「それもある。死にたくない。それもあるんだが――相手がお前じゃなぁ」 うづきのため息におうまは「はぁ?」と首を傾げた。理解に苦しむといった風だ。 「格下であることが問題なのではない。"お前"なのが気に入らんのだ」 「う、うづき様は私がお嫌いですか…?」 ちょっとだけ潤んだ瞳になるおうま。子供を泣かせた気分になってうづきは慌てた。 「そ、そうじゃない。別に嫌いとかでなく、どちらかといえばお前は好きだが……」 今度はうづきの方がうろたえてしまった。しどろもどろになっておうまの言葉を否定する。 「うづき様は私のことがお好きですか…?」 ぐす…とベソをかきながら涙目でしゃべるおうまにうづきは先の苛立ちを忘れてしまいそうになる。 「勘違いするな。部下としてだぞ。部下とし…「なら私がうづき様を気持ちよくさせてあげますぅ」 突然真剣な表情になっておうまがずいと前に出てきた。 「はぁ!?」 「うづき様のおっしゃった意味が分かりました!半人前の自分では不満だと言いたいのですね!」 「ああ。そうだ。というか声を抑えろ。声を!」 「ならば、うづき様をイカせて、私が半人前でないことを証明した後でぶち殺します!」 「なんでそうなるのよ!ってか ぶち殺すって…「逝きます!」 「ちょっ……おま………おk……っっ?!」 是非も無し。おうまは全裸になってうづきを脱がしにかかった! 372 :名無しさん@ピンキー:2006/09/17(日) 11:01:40 ID:UohVreee 「あ、やめ…」 いきなり襲い掛かってくる元・部下に上司は戸惑いを隠せなかった。 もはや強姦魔と化したおうまはやや血走った目でうづきの肢体を舐め回す。 身体にぴったり合う忍衣装が強制排除されて床に投げられる。髪留めも飛ばされて、 残るは足袋だけになった。ちなみに装備は全て役人に没収されたのか針一つ見当たらない。 うづきとおうま。互いの裸体が地下牢に届く月光の元で露わになる。 身体的特徴はうづきの方が整っている。おうまも発育は良いが如何せん、やせ過ぎである。 アバラ骨までしっかり浮き出ている辺り、うづきは少し食生活の心配をしたがそれどころではなくなった。 仰向け状態にされておうまが上に乗っかってくる。胸と胸が正面から挨拶して乳首で接吻した。 うづきもおうまも思わず「うっ」とうめく。おうまから指と指を絡められ、自動的に応じてしまううづき。 おうまが顔を寄せてうづきの頬をぺロリと舐める。 「どうやら逃げるわけにはいかないようだね」 「はい。必ずや認めさせてあげますよ、おづき様」 悪戯っぽく笑うおうま。うづきは半ば観念した。いかにくの一といえど裸で武器なしでは相手は倒せない。 体術ではうづきの方が上だ。素手での殺人術こそ習得していないが相手が攻勢に出ても潰せる自身はある。 自身の記憶ではおうまが真っ当に格闘訓練を積んだことは無かったはず。 そうこう考えているうちにもおうまの舌はうづきの耳を伝う。予想外の感触にうづきは唸った。 「ふふ…観念してくださいうづき様。何も愛しあう最中に殺しにかかったりはしませんよぉ」 腰を動かして下半身同士を摩擦させてくる。胸も微妙に動いていて妙な気分になる。 うづきに"その気"はないが…少しだけ悪くない気持ちになってきた。 おうまの愛撫は続く。かつては男を淫術でモノにして弄んだうづきは未知の誘いに揺らいでいた――。 373 :名無しさん@ピンキー:2006/09/17(日) 11:02:36 ID:UohVreee 「ふふ…うづき様の弱点みーつけた♪」 耳たぶを軽く甘噛みされてうづきは感じていた。さらにおうまの指がうづきの下の口にあてがわれた。 この調子で前戯に興じていては時間が足りなくなる。そう判断したのだろう。 「んっ…おうま…」 「うづき様は処女ではないのですよねぇ…お頭が言ってましたぁ」 「! あの助平ジジィ…」 瞬間的に湧き出た殺意に唇を噛むうづき。おうまは気にも留めずに下を攻める。 「だいじょうぶ。うづき様の此処、すんごく綺麗ですよぉ」 そう言いながら入り口で遊んでいた指の関節を曲げて中に侵入する。 途端にうづきの敏感な領域に達してうづきはたまらず歓声を上げてしまう。 さらに耳で遊んでいたおうまの舌がうづきの唇近くをさ迷い始める。 もはやかける言葉もなく、うづきは「あぅ…」などと力なく感じる快楽の虜と化しつつあった。 「アハ、挿れちゃえ。うづき様〜」 そういうとより深くに指をゆっくりと進めるおうま。彼女自身も感じているのか、秘所が濡れている。 いままでのおうまとはかけ離れた印象のおうま。人とは分からないもんだとうづきは考える。 だがこのまま虜に成り果てて溺れて逝くつもりなどない、うづきは反撃を考えていた。 374 :名無しさん@ピンキー:2006/09/17(日) 11:03:39 ID:UohVreee 彼女の術は接吻した相手を強制的に魅了し、操ること。 その対象は問わない。男はもちろん、女も…家畜すら操れるのだ。実際、猫はうまくいった。 かつて部下を裁断した時も魅了の術で動きを封じ、棒立ちの娘の心の臓を刺し、殺した。 少し楽しんだ後で、おうまには死んでもらおう。うづきはそう考えていた。 戸は閉まっているが鍵は開いている。脱出は簡単だ。 「そういえば…んっ…あしもは……どう……なった?」 「ん…そんなこと…どうだっていいじゃないです…かっ」 質問をかわして腰を振って擦り寄り、うづきを刺激する。空いている片方の腕をうづきの背に回して よりしっかりと密着して胸を押しつけて全身を上下させてうづきを愛する。 「あ…は…」 指先は巧妙にうづきの内側を弄び、舌はうづきの顔を舐め回す。 うづきは快楽を覚えつつも時を待った。 そして、ついにおうまの唇がうづきの唇と接触し、濃厚な口付けとなる。 続けざまに舌の洗礼。舌同士が絡み合ってうづきの言葉もおうまの言葉も封じられる。 「ん…んん…」「んふぅ……あっ……んふ…」「お…う………ん」「あふ……あふあ……っ…」 まとわり続ける舌。踊り続ける指先。うづきは堪らない気持ちを抑えつつ術の発現を待った。 (接触は成った!腑抜けた瞬間に首を折ってやる!) おうまはいい娘だが、自分の命には換えられない。可哀想だが、ここで死んでもらわねば。 舌が離れ、指が抜かれる。うづきはおうまと顔を合わせた……まだ術に」かかってないようだ。 (個人差があるからな。もう少し…) 「さて、ここからが本番ですよぉ」 あしもを思わせる甘たるい猫なで声。うづきは思考に介入されると共に、妙な不安を覚えた。 「本番?」…とうづきが不審に思った次の瞬間、ニュルリ。おうまの股間から何かが生えてきた。 「征きますよ。覚悟してくださいねうづき様。」 それは、どうみても男性器だった。しかも立派だ。 375 :名無しさん@ピンキー:2006/09/17(日) 11:05:04 ID:UohVreee 感心している場合ではない!一瞬だけ空想を旅していたうづきは現実に直面した。 「すごく……太いな…」などと感想を言う間におうまがそのイチモツを無遠慮に突き立てる! うづきは「ひぎぃ!」などとらしきない悲鳴を上げる。だがおうまは取り合わない。 暴力的に、暴食的に、うづきの女を貪るように動く。淫猥な調子で激しく愛する。 そのあまりの激しさにうづきのよく熟れた胸が上下する。おうまはその動きを両の手で制する。 そして上と下を同時にこねくり回す。胸を掴む手も優しく、時にぎゅっと強く揉んでくる。 うづきは先程までの余裕を完全に失っていた。おうまに犯されている。その意外性に思考が追いつかない。 両性具有だったおうま。そういえば彼女の主たる術を把握していなかった。思えば落ち度であった。 男よりもよほど恐るべきオスとしての性の技。その威力を思い知らされつつうづきは絶頂を迎えんと… 「う……うう……」 と、突然、唸り声がうづきの耳に入った。肉体の振幅が増し、少々痛く感じる。 「痛っ…こら!おう、ま?」 抗議の視線を向けたうづきはおうまの様子を見て愕然とした。 「うう……う、ウウゥゥ……ッ」 そこにいたのは彼女の知るおうまではない。 ポタポタと汚らわしい唾液がうづきの豊かな胸の真ん中に落ちる。 それはおうまの口から垂れている。人間に牙と呼べるような歯があっただろうか。 「あ…ああ……お、おうま!?」 うづきの目の前にはおうまがいる。だが目に前にいる紅い眼をした女は、おうまに見えない。 「グフゥ……グググ……」 男性器を突き、彼女の肢体を激しく揺らしつづける"そいつ"は、徐々に、変貌していた。 376 :名無しさん@ピンキー:2006/09/17(日) 11:05:39 ID:UohVreee 「グウォーーーー!」 獣のような、いや、獣そのものの咆哮が牢屋を席巻する。 「痛い!あっ…あっっ!いたぁい!」 引き続き暴食されるうづき。膣内は肥大化したおうまの肉棒でずたずたにされる。 胸を握る手も大きくなり、伸びた爪が皮膚に刺さって血を流す。 「ぎゃああああぁぁぁ!!」 うづきはもう、くの一ではなく、ただの少女として悲鳴を上げ続けた。 腰の振動は依然激しく、ついに接続部から血が滴り始める。だがおうまは止まらない。 愛らしかった顔つきはまるで鬼のようで、アバラ骨の見えていた身体も今は異常に筋肉がついている。 うづきは正気を失いそうな意識の中で"鬼"を連想した。 否、目前で己を喰らう者こそ、鬼なのだ。 そうして一方的な愛撫に成り果てた性交の中でおうまが絶頂を迎える。 うづきは血を失って、それ以上に精神的な衝撃を受けて青ざめ、イクどころではなかった。 「ヴッ…ヴ…ヴオオオオォォォォーーーーッッッ!!」 今まで聴いたこともないおぞましい雄叫び。そして射精の感触。小刻みに震える巨躯。 うづきはこの世の悪夢を思い知った。零れ出る精液と血を呆然と見続ける。 その後――――しばらく膠着していたおうまが、不意にうづきを放した。 ゴトン、と力なくその場に倒れ伏したうづきは真っ白に汚された肢体を冷たい石畳に落とされた衝撃で 我に返った。少しだけ気を失っていたようだ。 「?」うづきは一瞬だけ現状を掴みかね、次におうまがじっとこちらを見つめていることに気付いた。 その姿は元の華奢な少女の姿に戻っていた。 377 :名無しさん@ピンキー:2006/09/17(日) 11:06:30 ID:UohVreee 「あ…あ…?」 「大丈夫ですか?うづき様?」 おうまは心配な様子で話し掛かけてくる。男性器もその姿を引っ込めていた。 うづきは今までのことが夢ではなかったかと思ったが自分の体を見るとそれが願望に過ぎないことを まざまざと思い知ることになった。全身が白濁色にまみれ、胸や陰口からは血が流れている。 なにより、頭痛がする。激しい頭痛。衝撃的すぎて頭がおかしくなったのでは、と思った。 「イカせるまえに勝手に高ぶっちゃって御免なさい」 「お…うま…」 「でもこれでうづき様も私を半人前扱いしませんよね?」 にっこりと微笑むおうま。うづきは頷いたつもりだった。うづきでなく、あの鬼の姿に恐怖したから。 「よかった〜。それじゃ先刻言った通り、ぶち殺してあげます♪」 呑気な調子でおうまが言う。うづきにとってはもうどうでもいいことだった。 犯され尽くした身体では抗いようもない。なにより、血を流しすぎた。 「し、しにたくない…」 無様にも泣き言を言ってしまう。素の自分が吐露し、涙を流す。 「掟は分かっているはずです――もう私でも大丈夫ですよね?」 おうまは一転、真剣な表情でうづきに問うた。だがうづきに答える余力はなかった。 かくん、と頭を垂れる――――前にうづきは最後の眼光を煌めかせた。 「とまれ」と願った。術の効力に賭けたのだ。悪あがき。正にその通りの行動。 だが、甲斐はあった! 一瞬だけビクンと身を強張らせたおうま。うづきはおうまが持ってきていた太刀を引っ掴んで彼女に突き立てた! ドス、と確かな手ごたえ。流れ出す赤い血。「あ…」とうめいてその場に倒れるおうま… うづきは九死に一生を得たことを実感した。 378 :名無しさん@ピンキー:2006/09/17(日) 11:07:03 ID:UohVreee 「御免なさいね、おうま…」 太刀から血を振り払って、うつ伏せに倒れているおうまを哀れむうづき。 刺した先は心臓。まず、助からないはず。彼女はピクリとも動かない。 うづきはおうまの衣服で精液を拭い、自分の服に着替えて牢を出ようとした。 自分にぴったり合う装束。まだ身体は火照っているし傷も酷い。さらにベタベタする。 行くあてなど無いが今は城から出よう…ボーっとした頭でそう思い歩を進める。 牢を出て廊下を進む途中、うづきはあしもがいるはずの牢を覗き見た。 そこには「くーくー」などと寝息を立てるあしもの姿。うづきは呆れて何も言えない。 放っておこう、そう決めて前へ進んだ。 「――――なんとか抜け出したか」 ビクリ!うづきは思わぬ声に身構えた。 まだおうまの血にまみれた太刀を手に前方へ向けて構える。 「…見てたの?」 「ああ、一部始終見せてもらった」 前方の闇から見覚えのある衣装が姿を現す。奉行所の雇われ忍者・ふてん丸だ。 「悪趣味ね!」 「お主のところの鬼ほどではない。正直、あれが相手だと困るところだった」 「見過ごせばいいじゃない」 「それは出来ぬ。ウチの雇い主はあれで好色でな。おうま殿あたりだとコロリと騙されるやも知れん」 くっく、と笑うふてん丸。こんな男だったのか…とうづきは不快感を覚えた。 「禍根は絶つ、ってわけね」 「その通り。無論お主をこのまま見逃す気も無いぞ」 それは分かっていた。見逃す気ならはなからこうして対面しに出てこないだろう。 うづきは傷付いた身体に鞭打って戦闘体勢に入る。と、ふてん丸が口を開いた。 「その前に…後ろに鬼がいるぞ?」 「え…」 "鬼"という単語に恐怖を覚え、条件反射的に後ろを振り返る。 「うづき様、酷いです…」 〜 続く 〜 379 :名無しさん@ピンキー:2006/09/17(日) 11:10:37 ID:UohVreee 続き投下しました。徐々に脱線してるぜ。 さて、ここでアンケートだ! 1.ふてん丸に無様に助けを乞う!ヒロイン街道一直線編。 2.あしも乱入!"忍法・微塵"再びでジェノサイド!血のオーシャン編。 3.鬼にぶっ殺される。現実は非情である。 380 :名無しさん@ピンキー:2006/09/17(日) 12:07:07 ID:8Xu365hw えろooooooooooooooooo! 激しくGJ、これはいいわ。 俺ごときがきぼんできる立場ではないが、選択肢は本当に迷うな。 2もいいけど他も捨てがたいし、どうすりゃいいんだw 381 :名無しさん@ピンキー:2006/09/17(日) 14:06:19 ID:UOvRRHzv まずGJ! その3択なら2だが… とりあえず乱入の前に緊迫感溢れる3者のからみを見せて欲しいって贅沢? それにしても獣化おうまの雄叫びみたいな凄いIDだな。 382 :名無しさん@ピンキー:2006/09/17(日) 17:21:59 ID:XNMGDMXl 必殺・まるちえんでぃんぐの術!! …スマソw 383 :名無しさん@ピンキー:2006/09/17(日) 17:26:16 ID:9axJdQHV GJ!うづきがいい感じだな。 次だが話の展開を考えるなら1がベタかもしれないけど、 このスレとしても、好みとしてもやっぱり2か3を推したい。 どれになるにしても頑張ってください! 384 :名無しさん@ピンキー:2006/09/17(日) 17:32:54 ID:XNMGDMXl 382だが、何度もスマソ。 もしも余力があったら、ぜひ「捕まえて」スレに「1」を投下きぼん。 (ここまでの経緯は「屠るスレ」を参照、とかの形で) 385 :名無しさん@ピンキー:2006/09/17(日) 19:18:13 ID:azp+CaLo どうもです〜…確かになんかIDが吠えてるみたいになってるw やっぱり全員舞台に上がるのが良さげなので「2」でいきます。 >>384さん 「1」を捕まえてスレに?…う〜む。考えてみます〜。 イメージソース: "うづき"と"あしも"…LALの「くのいち」。あしもの服装は天誅3Ver. "かふか"(死亡済み落下娘)…天誅1の「くのいち」。つり目です。 "おうま"…名前の由来はオーマ。見た目は某ゲーのさっちん。微妙な例えでスマソ。 386 :名無しさん@ピンキー:2006/09/17(日) 20:20:47 ID:0zy2bsn9 悪の女戦士のやられ香港映画シーン http://www.youtube.com/watch?v=LzaVaEv2-G4&mode=related&search= 387 :名無しさん@ピンキー:2006/09/18(月) 00:01:29 ID:vHSc4Uh5 折角だから1を選ぶぜ 捕まえてスレに希望 388 :名無しさん@ピンキー:2006/09/18(月) 05:48:48 ID:OOpanLQs 1を捕まえてスレに投下、こっちでは2が読めるってのはすごく魅力的なんだが、 その場合は誰か事前に告知してきたほうがよくないか? あっち限定の客もいるだろうし。 389 :名無しさん@ピンキー:2006/09/18(月) 05:50:57 ID:12tb1TmD やられ大好きだが、あしもにはちょっと生き残って欲しい自分がいる…… 390 :名無しさん@ピンキー:2006/09/18(月) 08:12:57 ID:tnAwSFoY 難しい選択だ・・ 391 :名無しさん@ピンキー:2006/09/19(火) 09:47:36 ID:brrs14eg 第3話の弐「ブラッドプールはミジンコのかほり!」 「そんな馬鹿な!」 うづきはたじろいだ。確かに心臓を突き刺したはずだ。 その証拠に、うづきの刀は血でまみれているし、 おうま自身の胸の辺りは血で真っ赤だ。 「酷いですうづき様」 だがおうまは平然とした顔でこちらの話しかけてくる。 よく見ると口元に血を拭った後がある。 「酷いです…」 おうまは無表情から徐々に泣きそうな顔に変わっていく。 うづきは背筋が寒くなる思いがして刃先をふてん丸から変え、おうまに向けた。 その手元は震え、刀身がカチカチと鳴る。 「どうした?ふるえてい「黙れ!!!」 背後から茶化される気配がして即座に喚く。訳がわからなかった。 「おうま…何故生きている!確かに殺したはずだ!」 「はい。確かにうづき様に殺されました。殺されましたとも」 二度、殺されたと連呼する。その声に怨嗟は感じられないが根に持っているのは明らかだ。 「生き返ったとでも言うのか!」 「…違います」 「ならなんで生きている!おかしいだろ!」 「はい。おかしいですよね」 ぐす、と鼻水をすするおうま。うづきの背後でふてん丸が何か言いそうにしたがまた怒鳴らそうなので止めた。 うづきも相手を追いつめている事に気付いていたが、それ以上に「心臓を刺されて倒れたのに痛そうにもしていない」おうまが、 不思議で怖くてたまらなかった。逃げるより今はその事で頭が一杯だ。 「うりゅしゃいなぁ〜。静かにしてくだしゃい〜」 と、舌ったらずな声が傍の牢から聴こえてきた。 ふてん丸の記憶が確かなら、そこはお騒がせ忍者の牢だ… 392 :名無しさん@ピンキー:2006/09/19(火) 09:48:12 ID:brrs14eg 「にゃんですかぁ〜」 「!…あしも!?」 うづきはあしもがその牢にいるのを知りながらも驚いてしまった。 先刻見た時は熟睡していたくせに、こんな時だけ起きてくるとはいい加減な、と苛立ちをつのらせる。 「あ、うづき様。あとふてん丸さんに………おうま様!?!?」 眠たそうな顔で順繰りに相手を確認していたあしもはおうまに目が止まった途端「ひっ」と唸った。 「あしも様。おはようございます…」 半ベソで牢の中のあしもにぺこりと頭を下げるおうま。あしもは戸惑ってあたふたしている。 『あしもがおうまに恐怖感を?…というか"様"付け?』とうづきは気になった。 「や、やややや、やばいですうづき様。おうま様がああああ、あたしたちを根絶やしににににに」 支離滅裂といった風で慌てるあしも。続いて、 「ここ殺される死なされる助けてお頭〜」 ギャース!と気炎を吐いてどこぞに救難信号を発信しまくっていた。 「その様子だとお主はおうま殿の術を知っているようだな」 ここでの"鬼"とは、あの獣化のことだろう。 『こちらも何故に"殿"?』などと思ったうづきだが先にあしもを問い詰めることにした。 「あしも!あなた、おうまの術を知ってるの?」 「忍法・微塵!にんぽう・みじんっ!に〜んぽ〜う・みっじぃぃぃんっっっ!!!」 混迷の極みを見せ自慢の自爆技を叫びまくるも肝心の爆薬が無くて無意味に終わる。辺りに石ころを投げるだけだ。 「相変わらず何も考えてなさそうで面白いです、あしも様」 泣き顔でくすくす笑うおうま。自分が混乱の元であることは気にも留めてない様子だ。 「ひいぃ!ごめんなさい許しておうま様〜。どうか鬼にならないで〜」 土下座どころか全てを地に投げ出して哀願するあしも。眼前の牢など防衛線にすらならないのを知っているのだ。 「あしも様もうづき様同様に私を困らせるのですか?」 「め、めめめ滅相もない〜」 「ならブチ殺されてください」 「い、いやですぅ」 「ブチ殺します」 「ひぃ〜(泣)」 ふてん丸はそのやり取りを見てついうっかり笑ってしまった。うづきは笑えぬ現状に歯噛みするしかなかった。 393 :名無しさん@ピンキー:2006/09/19(火) 09:53:58 ID:brrs14eg はい。てなワケでまず「2」の投下をば!なんですが、 すんません。 昨日布団の傍にノートPCを広げて、あぐらかいて猫背全開でこれ書いたりSTGしたりしてたら 馬鹿が祟って腰痛になった様子。あたた… or2 しばらく休載します〜。 394 :名無しさん@ピンキー:2006/09/19(火) 15:41:42 ID:L5AIaWnq あしもはおいしいキャラだなあ……w って、作者さん大丈夫ですか。無理はいけませんよ無理は。 ご回復を祈りつつ楽しみに待ってます。 誰にも聞かれてないですが、わたしゃベッドで『く (∀゚ )』って感じにノート横置き。 こんな使い方して壊れないのかどうかは、全然知りませんww 395 :ダークキッドvsブラックレディース :2006/09/20(水) 14:46:41 ID:ZXRkovbE 「壮絶!!女幹部ケイトとの死闘」 後編        前編は前スレの>>492-512  もしくは「強い悪の女戦士を屠るスレ まとめblog」(http://akujolove.blog74.fc2.com/)に収録されています。 396 :名無しさん@ピンキー:2006/09/20(水) 14:47:56 ID:ZXRkovbE 3. 血の海で満たされた空間には四つの音が入り混じっていた。 ボタボタッと、零ニの切断された右手首から血がしたたり落ちる音、 吸い付き、舐めつけるような独特の音、いやらしげ鼻息、 そして痛みをもしくは悦びをこらえるようなくぐもった声…… 「んん…んぐ……んぅん……ふぅんっ……」 零二の半勃ちになった『男』の根元を指先で優しく掴み、 小さな口に標準より少し大きなソレを咥えこむ膝立ちの若い女がいた。ケイトである。 上目遣いに零二をみる。 快感を必死で我慢せんとするその表情に満足したのか、 勝ち誇ったような笑みを浮かべると『男』を咥えるのをやめた。 ケイトの唾液でヌメヌメになった男根があらわになる。 「ふふ、気持ちいいんでしょ。素直になりなよ」 「は……はれが……ひもちいひもほか。」 「あはは、何いってるかわからないぞっ」 零二はケイトが股間部を隠していたベルトで轡をかまされたため、上手く喋ることができない。 「そんなこといってぇ……ここは正直だよっと……」 ピーンッと軽く指で零二の勃起しかかった男根をはじく。 397 :名無しさん@ピンキー:2006/09/20(水) 14:49:27 ID:ZXRkovbE ケイトによって捕えられたあと、着ていた服を再び『何か』によってズタボロにされ、 執拗なフェラを今まで受けていたのだ。零二にとっては屈辱以外のなにものでもなかった。 腕からの失血がひどく、種の保存という本能レベルでの勃起という面もあったが、 しかし、なにより心はどうあれ体は男である。 美しく若いエロティックな肢体の女に迫られ、下半身が反応してしまっていたのだ。 「本当、君ばっかりいい目にあってるんだから、もっとうれしい顔しなきゃダメだぞ。  ぼくはね。おっぱいやお尻を揉まれるのが大好きなのに、君が変な能力持ってるから我慢してるんだよっ!!」 嘘っぽい怒った顔をつくりながらケイトは零二にいう。 何が『いい目』だ、と零二は心で悪態をつきながら、 口調といい、表情といい人をイラつかせるのに関しては天才だな、と感心もする。 「……………」 何も答えない零二に少し本気で怒ったような表情をみせたが、 すぐに何か楽しげな悪戯を思いついた子供のような笑みをつくる。 「そうだっ……すっっっっっっごく気持ちいいことしてあげるよ!  もうっケイトさまーどこまでもついていきますーってなのをねっ」 そういうと、胸の深い谷間からガラスの小瓶をとりだす。 さっきのリモコンといい色々はさまってる胸だな、と心のなかで零二はつぶやく。 そして、ただ心の中でしか悪態をつくことができないおのれの状況に情けなくなった…… 398 :名無しさん@ピンキー:2006/09/20(水) 14:50:46 ID:ZXRkovbE ガラスの小瓶にはトロリとした液体が入っていた。 「さぁ、これはなんでしょうっ!」 「……………」 「もう、ノリが悪いぞっ。答えはローションですっ。  あ、特別なものってわけじゃないよ。そういうのもあるけど面白くないからね」 一人で高揚しているケイトは小瓶の栓を抜くと中身をおのれの二つの双丘の谷間に流し込んでいく。 艶かしく半ゼリー状の液体によって濡れ光る白い肌がなんともいやらしい。 「こういうのってさ、ちょっとしたゲームみたいで好きなんだ。  君たちって悪い女の子にイかされちゃプライドとか色んなのが  ズタズタだって思ってるから頑張るんでしょ。  そういう奴をイかせると身も心も征服したって感じになるんだよね。  すっごく気持ちいいし、その後ジワジワと殺すときって面白い表情するんだよねぇ。  せっかくの覚悟が一度折れちゃってるから涙流しながら命乞いとかしちゃったりするのっ」 ケイトのサディスティックな言葉に零ニは辟易する。 こんなケイトを、そしてブラックレディースを放っておくわけにはいかない。 (あきらめてはだめだ、まだ何かできることはあるはず) 零二はめげそうな心を奮い立たせる。 399 :名無しさん@ピンキー:2006/09/20(水) 14:52:31 ID:ZXRkovbE そんな思いが零二の眼にあらわれたのか、ケイトは零二の顔をマジマジとみる。 「ふふん、いいね。そう、その表情だよっ。それでこそ戦いがいがあるってもんだね」 小瓶を投げ捨てると、濡れ光る爆乳を零二の『男』にこすりつけてくる。 ふにゅ、ふにゅと柔らかな感触が亀頭を刺激する。 「んぅっ……」 しかし、零ニは少しは反応するがさしたるほどでもない。 零二はケイトの責めに対抗するべく、できるだけ意識を他の事に集中させていたのだ。 彼女の隠された能力である、圧倒的な切断力を持った『力』の謎を読み解くことに… 能力の正体をダークキッドに伝えることさえできれば………… その強い信念がケイトの性攻から零二を守っていたのだ。 勃起しつつあった男根も半勃起程度におさまってきていた。 400 :名無しさん@ピンキー:2006/09/20(水) 14:55:42 ID:ZXRkovbE しかし……そこまでだった。零二は飛ばしていた意識はすぐに現実にひきもどされた。 ケイトが乳房のこすりつけが効果をなさないことを悟ったのか、少しくやしげな表情を浮かべると、 零二の『男』を、ケイトの両乳房にまるで飲み込むかのように挟みこんだのだ。 「く……くはぁぁぁぁっ……」 今までほとんど何も発しなかった零二の口から喘ぎの声が漏れる。 パイズリは、膣内に挿れることに比べれば刺激という面ではそんなに強くはない。 ただ、その柔らかさと胸で挟みこまれ擦られるというシチュエーションによって快感が増幅される。 しかし、ギチギチに革ベルトによって締め上げられたケイトの深い谷間は、膣に負けぬ圧力も同時に混在させていた。 「ふふっ、どう気持ちいいでしょ。たまらないでしょ。ぼくの自慢のおっぱいはどぉ?」 ケイトは両手で胸を縦に動かしはじめる。 ローションで滑りがよくなった谷間は第二の膣と化し、何度も挿入を繰り返すうち、 零ニの男根は半勃起からガチガチの完全なる勃起状態に変化していた。 「ふぁっ……くぅ……はぁぁっ」我慢できずに漏れ出る零ニの声。 「フフッ、無理せずにね。いつイってもいいんだよっ」 ケイトが挑発する。しかし、その挑発に抗う力が零二には残されていなかった。 柔らかな乳肉が両側から零ニの『男』を責め立てることに加えて、 真上から見下ろすことでインパクトが格段にあがったおのれの一物を挟み込んだ爆乳をみてしまい、 精神的にもいっそうの高揚状態に陥っていたのだ。 「すごいでしょっ、ぼくのおっぱい。  柔らかいし大きいし、100%天然ものなんだよ」 どんどんと高まる乳圧、そしてケイトが時折漏らす短い喘ぎが、零二に我慢の限界を超えた。 「くぅぅっ!」 ズピュッ……ビュッ…ビュッビュッ…… ケイトの魔惑のパイズリに耐え切れず、ケイトの胸に溜め込んだ精を放つ。 「あ、きたきた暖かいのが、おっぱいにっ!うわぁ濃いなぁっ溜まってたでしょ?」 谷間からドロリと垂れる精液、ケイトは胸から男根を抜くと、勝ち誇った顔で零二をみる。 「で、どう?そんな泣きそうな顔しないでよ。大人でしょぉぉぉっ」 顔にまで飛び散った精液をいやらしげにその赤い舌で舐めとりながら思い切りバカにしたようにいうケイト。 零二は自分が情けなくなったが、彼女の胸でイってしまったことは事実だった。 401 :名無しさん@ピンキー:2006/09/20(水) 14:58:46 ID:ZXRkovbE 「さて、と。ダークキッドはまだ来ないみたいだし、イっちゃった君に最後のプレゼントをあげる」 「…………」 「反応なし、と。なんか一人芝居してるみたいでヤダなぁ。  けど、わかるよね。フェラ、パイズリときたんだから、最後はもちろん……ココ」 そういいながら、左手を蜜が滴り落ちる股間部、薄く剃った陰毛、その奥にみえる一本の縦スジに持っていく。 「そろそろ、君だけを気持ちよくさせるのも癪だからね。君のオチンチンでぼくを満足させてよ」 まずは直立していた鉄柱をリモコンでケイトにとって挿入にちょうどよい角度に調節する。 「こんな、感じかな。ぼくね、もう我慢できないの……って。  えー、またフニャチンになっちゃったのぉ。ダメだよ。ぼくみたいな女とこれからハメハメできるってのに」 「フン……」そう鼻であしらい、そっぽをむく零二。 ケイトは両手で零二の顔をおさえこむと猿轡の上から濃厚な舌を絡めたキスをする。 目を剥く零二。間近でみる猫を思わせるケイトの顔に一瞬ドキっとし、「可愛い」などと場違いな事を思ってしまう。 「んん、んんん……はぁっ」数十秒の長い口腔のまさぐりが終わるとしてやったりといった表情で零二をみるケイト。 「どう、ぼくのディープキス。気持ちよかったでしょ?」 そういって眼を零二の股間に落とす。彼の『男』は再び勃起をはじめていた。 「もうちょっと……ってところかな。ンフフ。あとはこれだぁっ」 零二に跨ると、股で、弾力あるムチムチの内股をうまく使いながら零二の半勃起の男根をこすりはじめた。 「ウォォッ」強烈な刺激が零二を襲う。胸とも違う新たな感触に思わず声を漏らす。 「フワァァッ」ケイトの方も、性器のまわりの敏感な部分がこすれて感じるのか蕩けるような甘い喘ぎが出る。 彼女の動きにあわせてリズミカルに動く爆乳が零二の眼に入りこむ。もう、零二は性の衝動に身を任せるしかなかった。 数分しないうちに男根は先ほどよりも硬く、そして痛いほどに勃起し反り返った。 「はい、我慢大会終了。うーん、やっぱり結構大きいね。気持ちよさそう。  ぼくももうオマンコがヌチャヌチャだし……いただきまーす」 402 :名無しさん@ピンキー:2006/09/20(水) 15:06:34 ID:ZXRkovbE ケイトが態勢をもう一度整えなおすと、ゆっくりと零二の肉棒をその肉壷に咥えこんでいく。 肉襞が過敏な亀頭に絡みつきまとわりつく、耐えようもない刺激が零二の男根を襲う。 逆にケイトは予想よりも大きかった零二の『男』に子宮口を小突かれ嬌声を上げた。 「うひゃぁぁっ、いいよ君、思ったよりもずっとイイっ」 そしてゆっくりと味わうかのように、肉壷に咥えては離しを繰り返す。 ケイトは鉄柱を両手で持ち、動きを調整している。 そのため、彼女の快感に悶える表情や揺れ動くたわわに実った乳房を零二は目の当たりにすることになる。 そして、ケイトから発せられる牝の匂いと淫らに喘ぐ声。 触覚だけでなく、視覚、嗅覚、聴覚と五感のうちほぼすべてからもたらされる快感に逆らうことのできない零二。 ついには、自ら動ける範囲で小刻みに腰を揺らし、ケイトを求める。 ブラックレディースとの死闘、ケイトの謎の能力、 先ほどまで零二にかろうじて正気を保たせていたものは頭の片隅に追いやられ、ひたすら性の交わりに没頭していく。 「いいよ、あはぁっ、最初から、ヒィンっそうすりゃよかったんだよ。ハァァァンッッッ」 ケイトは喘ぎ続けながらも、自ら腰を振り憎き敵に性の悦びを感じている零二が『堕ちた』ことを確信し、 そもそも、この美貌とパーフェクトなボディを持つぼくに逆らうことが間違いなのだと自尊心を満足させる。 ゆっくりだったストロークの間隔が短くなっていく。 パンパンパンッと下腹部が激しくがぶつかりあう音が実験場に響きわたる。 絶頂へとのぼり続ける二人、ケイトの搾り上げるような膣の締め付けに限界を感じ最初にイったのは零二の方だった。 ドクドクとケイトの膣内に精液が流し込まれる。 「あはぁっぼくもぼくも……イく、イく、イクゥゥゥゥッ」 続いてケイトが零二の顔をその爆乳に抱きかかえるようにして絶頂を迎える。 ピクピクと快感のために痙攣しているのが肌を伝わり、零二にもわかった。 精を放ち、少し冷静になった零二は何度も何度も心の中でダークキッドに謝り、足手まといになる前に死にたいと願った。 403 :名無しさん@ピンキー:2006/09/20(水) 15:07:51 ID:ZXRkovbE −−−−◆−−−−◆−−−−◆−−−−◆−−−−◆−−−− ケイトと零二のいる実験場の手前にある厨房。 時間外のため、本来なら誰もいないはずであったが、 入り口から死角になるような場所に男が倒れ、その前でペタンと座り込んだ女がブツブツと何かをつぶやいていた。 「あ、あなたが悪いんだから、せっかくかくまってあげたのに……」 そう独り言をつぶやく上級戦闘員の前で、某国の有名アイドルが事切れていた。 胸にはナイフが刺さり、血がどくどくと流れ出ている。さんざん、嬲ったあともみてとれる。 ケイトがお気に入りのアイドル以外を処分しようと実験場へと彼らを連行しようとした時、 上級戦闘員の権限で、彼女がFANであったあるアイドルを下級戦闘員に命じて秘密裏に連れてこさせたのだ。 そして、お礼にと肉体関係を迫ったのだが、アイドルは感謝するどころか家に帰してくれと連呼した挙句、 こんな悪いことはよせなどと、お説教じみたことを言ってきたのでカッとなって嬲り殺したというのが事の顛末である。 悪いのはどちらかは明白であるが、アイドルの融通のきかなさが余計に状況を悪くしたともいえる。 404 :名無しさん@ピンキー:2006/09/20(水) 15:13:20 ID:ZXRkovbE 上級戦闘員はつい衝動で殺してしまったことを悔やみながらも、 TVの中でしかお目にかかれないアイドルを自分の手で葬ったことに喩えようもない興奮を感じていた。 支配欲、征服欲が暴走した結果であるが、ブラックレディースでは珍しいわけではない。 ひたすらおのが欲望を解放せんとする彼女たちの日常の光景である。 「ああっ」 我慢できなくなったのか、上級戦闘員はアイドルの死体を視姦しながら、 乳房に左手を股間に利き腕である右手を持っていき、マスターベーションをはじめる。 ボディスーツごしにもわかる乳首の勃起、その乳首をのせた豊かな乳房を強く揉みしだき、 股間部の横から指先を入れ、ピチャピチャと淫水の音を響かせながらクリトリスを弄くるさまは卑猥である。 髪にウェーブをかけ熟した魅力を醸し出す女は見た目は二十代の後半か。 きつめの顔立ちはとろけるような表情をつくり、ひたすら自慰にふける。 「んんっ、いいよぉ、いい……よぉっ…」 彼女は最後までイくことはできなかった。何故なら“死神”があらわれたから。 405 :名無しさん@ピンキー:2006/09/20(水) 15:17:48 ID:ZXRkovbE “死神”−ダークキッドは厨房に入った瞬間、くぐもった喘ぎ声を出す彼女に駆け寄った。 事態の認識におくれが生じた上級戦闘員は、 何が起きたのか、迫りくる男は誰なのか、理解できた頃には首筋にダークキッドの腕の刃をあてられていた。 「やれやれ、ネクロフィリアか。どこまでも堕ちた鬼畜め……」 「あ、あっ」 「いつもならさっさと首を掻っ切っているところだが……  お前に一つチャンスをやろう。俺が今から質問する。その回答次第では考えてやってもいい……」 「は、はひぃぃ」ダークキッドの戦闘力は嫌というほど知っていた。 そして、自分ではたとえ不意打ちであろうとなかろうと勝てないことも。 上級戦闘員に与えられた能力はさまざまだ。彼女は戦闘補助。純粋な戦闘力は下級戦闘員と変わらぬ能力しかない。 ひたすら、ダークキッドの機嫌を損ねないようにすることだけに集中する。 「一つ、新宮零二をみかけなかったか」 新宮零二……確かダークキッドとともにBLに抵抗する男の名だと思い当たる。 「いえ、おみかけしてません……けど、お願い命だけは……」 「まだ、質問は終わっちゃいない。お前が助かるかどうかは残り二つの質問にどう答えるかだ」 「は、はい」自分の身体を慰めていたときの火照りもなくなった。今は恐怖の汗が全身から滲み出ている。 「ケイトはどこにいるか知っているか……」 「そ、それなら、ケイト様ならす、すぐ隣の実験場に……おられます」 「グッド。なんとなく想像はできるか、あの女はそこで何をしている……」 救出したアイドルに聞いた実験のために連れて行かれたという話がダークキッドの頭にチラつく。 「そ、その攫ったアイドルの……実験といいますか…そのしょ処刑です」 「外道が……」怒りを極力おさえ、吐き捨てるようにいう。 406 :名無しさん@ピンキー:2006/09/20(水) 15:19:40 ID:ZXRkovbE 「最後の質問だ。ケイトの能力はなんだ。幹部ならいくつかの能力を持っているはずだ」 知るはずがないと思いながらも、これからの戦いにそなえダークキッドは一応聞いてみる。 さきほどのように知らないが助けてくれと命乞いをすると踏んでいたのだが、思いがけない反応が返ってきた。 何かを思い出したかのようにビクビク震えている。彼女は知っていたのだ。ケイトの隠された能力を。 「知っているな。話せ、話せばお前を殺すのはやめると約束しよう」 「ほ、本当ね。本当よね。わかったわ、話すから殺さないで」 「早く話せ、時間がない……」零二が心配だった。 「わかったわ……ケイト様の能力は――――」 彼女にだけは視えたのだ。ケイトの能力が。幹部であったマリーシャがケイトに逆らい暴走した時、彼女はそこにいた。 そして、両目を特殊強化している彼女だけがケイトの能力を捉えることができたのだった。 −−−−◆−−−−◆−−−− 「そうか……ケイトもとんだミスを犯したもんだ。この女を生かしておくとは。  よし、約束どおり殺さないでおいてやる……しかし、もう少しお前には役立ってもらうぞ」 上級戦闘員からケイトの秘密を聞いたダークキッドはそうつぶやくと考えついた策を話しはじめた…… 407 :名無しさん@ピンキー:2006/09/20(水) 15:22:16 ID:ZXRkovbE 4. 「んふふっ、気持ちよかったぁっ……まだ身体中がふわふわしてるよ。  それじゃあもう一回しようっ……てわけにはいかないか。ダークキッド隠れてないで出てきなよ」 ケイトの呼びかけに応じるかのように開け放しの扉の影から人影が二つあらわれた。 一人はダークキッド、そしてもう一人は赤いボディスーツの上級戦闘員だった。 腕を後ろにひねられ、ダークキッドの前を歩かされている。 ケイトは荒い息遣いのまま零二との性器の結合を解き、立ち上がる。 もちろん精液と淫水で濡れた陰部を惜しげもなく二人に晒すかたちとなる。 「あれぇっ、てっきり一人でくるかと思ったのに……女を連れてなんて、なかなかやるね」 まるでモテない男が彼女を連れてきたといったような軽い口調でいうケイト。 ダークキッドは何も反応せず、ケイトとの距離を詰めていく。 「ストップ!! それ以上近寄るとこいつの命がどうなっちゃうかわかんないよっ!  ……しかし、ホントッに二人そろってノリが悪いんだからっ。モテないよ、そんなことじゃ。  ふふ、でぇっ……ひょっとして……人質のつもりじゃないよね?」 呆れかえった顔をしながら尋ねるケイト。ダークキッドの答えは…… 「そのつもりだったんだがな。もし、零二と交換に応じるなら今回は見逃してやってもいい」 「……ここでさ、可愛い部下のためだ。仕方ないって感じでオッケーしたら、  結構イイ奴じゃんってことになるのかなぁ。えっとぉ、うんセライアだったよね。あんた捕まっちゃったんだ」 極めて軽そうに話すケイト。しかし、端々からイラつきがみえる。 「す、すみません、ケイト様。お許しを!」 ダークキッドに殺されるかもしれぬ人質の状態でなお、ケイトの怒りに触れることを恐れるセライア。 それだけケイトは彼女たちを恐怖によって縛りつけている存在なのだと、ダークキッドと零二はあらためて認識する。 「さぁ、どうしよっかなぁー」 ケイトはニヤニヤと笑みを浮かべながら思案にくれる表情をつくる。 もちろん、ケイトの答えがNOであることは、ここに生き残っている者ならば誰でも知っていた。 408 :名無しさん@ピンキー:2006/09/20(水) 15:25:07 ID:ZXRkovbE ダークキッドが殺さずに人質をとったのは何も零二と人質交換の条件になるからと思ったわけではない。 ブラックレディースの幹部にとってみれば、ましてケイトであればなおさら上級戦闘員の命などゴミのようなものだ。 人質をとった理由。それは……戦闘員の身体を盾にすることでギリギリまで変身を悟らせないためであった。 ダークキッドには三つの変身形態がある。 『超装』『超力』『超速』いずれも一〇分以上は維持できず、体力の消耗も激しい。 また他の能力を犠牲にする特化した戦闘形態であるが故にそれぞれ弱点もある。 「きーめた。ぼくの答えはぁ……」 ケイトが間延びした口調で話しはじめた時、腕をひねりあげているセライアから「合図」があった。 (今だ、『変身』……) 心の中でつぶやくと、ダークキッドは『超速』形態への変化をケイトからは見えづらい足元からはじめた。 肌の色がてかりを持つ青へと変化していき、頑健な身体は鋭角的なすべてを切り裂くような細身へと変わっていく。 「死んじゃえっ」 ダークキッドの改造された眼でさえ、集中してかろうじて視ることのできる細い超鋼製の糸、 それを自在に操る『念糸』がケイトの隠された能力である。 知らなければ気付かず絡めとられていたであろう縦横無尽にうごめく『糸』が 上級戦闘員ごとダークキッドを捕えようと迫りくる。 糸が到達する少し前、ダークキッドの変化が最後までのこった頭部にいたり、完全なる変貌を遂げた。 青く、もはや人というよりは人型の化物となったダークキッドは、 戦闘員を残したまま糸をかわしながらケイトと肉眼ではとらえきれないスピードで近づく。 あわれセライアは頭の先から足のつまさきにいたるまで、全身を糸にからめとられ、 まったく身動きできないまま、受身もとれずに後ろに倒れこんだ。 409 :名無しさん@ピンキー:2006/09/20(水) 15:28:53 ID:ZXRkovbE ケイトも何がおこったか気付かぬうちに首と胴と泣き別れ………にはならなかった。 「ちっ、カット」 糸を切断すると、ダークキッドの踏み込みを後ろに飛んでかわす。 「くっそぉ……」 そして両手の超硬質の爪を一気にのばすと、ダークキッドにむかって『超速』に勝るとも劣らない速度で襲いかかる。 『念斬糸』は実験的に付加された能力にすぎず、 ケイト本来の能力はダークキッドから零二が聞いていたように超高速移動を可能にした『神速』である。 ダークキッドのような身体の変化もなく、ケイトの人工生体内臓が耐えられるかぎり瞬間的な加速が得られるのだ。 その時間はおよそ一時間!! すでに肉眼ではとらえられない戦闘が、倒れたセライアと零二をよそに繰り広げられていた。 零二はただ、左手をおのれの胸の前で力強く握り戦況を見守ることしかできない。         ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 410 :名無しさん@ピンキー:2006/09/20(水) 15:30:24 ID:ZXRkovbE −−−−◆−−−−◆−−−− もはや、床だけではない。天井や前後左右の厚いコンクリートの壁を地面とばかりに蹴りこみ、 ダークキッドの四本の刃とケイトの爪が火花を散らしながらぶつかり合い、 存在する空間すべてを使って戦闘をくりひろげていた。 チュイィィィィンッ 「もう……あれで…勝てると…思ったのに!」 「馬鹿女の……浅知恵……だ!」 中央でダークキッド両腕の刃とケイトの爪がせめぎあっている。 両者のゆずらぬ拮抗をダークキッドが破った。 両腕の刃をひき身体を左にひねる同時に右脚を大きくふりあげ、 ケイトにむけて刃で切り裂くように蹴りこむ。 「そんな…フェイントォッ!」 左の爪で右足を受けると、残った右の爪がダークキッドの左肩を裂いた。血がにじむ。 「フフン、なんだ正攻法でいけるじゃない」 「クッ!」 立て直しとばかり、ダークキッドは体勢をたてなおしながら後方へ飛ぶ。 (まずい……か) 『超速形態』を維持できるのは残り二分。残された手段は…… 再び、刹那も止まらぬ超高速での戦闘に突入した二人、 しかし、左肩に受けたダメージのために少しスピードが落ちたダークキッドの方が劣勢で防戦にまわっている。 長期戦になれば負けるしかないダークキッドは最後の賭けに出た。 地面に転がってた各種の武器を走りざまにケイトに投げつけはじめたのだ。 「無駄なあがきぃっ」そういいながら、爪で打ち落とし続けるケイト。 武器をかわさない選択をとったことに彼女の油断があった。 そのいくつかにダークキッドが厨房からくすねていた小麦粉の袋が結わいつけてあった。 武器が打ち落とす衝撃で粉塵がケイトの身体を包む。 411 :名無しさん@ピンキー:2006/09/20(水) 15:32:45 ID:ZXRkovbE 「こざかしいよっ」そういってケイトは超スピードで視界が制限される粉塵を抜ける。 しかし、元いた場所にダークキッドの姿はなかった。 「ど、どこ?」 ダークキッドを一瞬見失うケイト、それが両者の命運をわけた。 「上っ!?」 「遅いっ!」天井を蹴りこみ、限界までスピードを上げたダークキッドの右腕の刃が、ケイトの肉体を縦に切り裂いた。 「うああぁっ」 短い叫びとともに、その場に立ち尽くすケイト。一瞬、全ての音が消える。 プツッ そんなかすかな音が静寂を破った。 ケイトの若々しさの象徴であり、そして淫猥の象徴でもあった乳房が、 歩くたび、走るたびたぷんたぷんと揺れ動き、どんな男の心をも捉えた爆乳が、 黒革のベルトの戒めが解かれ、弾け膨張するかのごとく横に広がり、全貌をあらわした。 綺麗で乳輪の小さな形のよい桜色の乳首が、ツンと勃ち、小刻みに震えている。 少し遅れて…………縦に赤い線が走ったかと思うと血が、 ケイトの白い肌を朱に染める赤い血飛沫がとめどもなく溢れ出てくる。 「あ、あ、そんなぁ……ぼくが…やられる…なんて」 小悪魔のような表情が崩れ、信じられないといった顔でダークキッドをみる。 412 :名無しさん@ピンキー:2006/09/20(水) 15:33:58 ID:ZXRkovbE ダークキッドも変身形態が限界時間を越え、すべての肉体変化を解除した。 刃も何もない、ただの人と変わらぬ精悍な顔つきをした長髪の青年が姿をあらわす。 「ギリギリ……だったな」そういって、荒い息を整えながら小憎らしい笑みを浮かべる。 三時間は通常変身も不可能である。まさに薄氷を踏むような戦いであった。 「どうだ、ケイト。苦しいうわっ」 最後まで言い終わらぬうちにケイトの唇がダークキッドの口をふさぎ、 朱に染まった若々しい肢体がダークキッドの逞しい肉体に抱きついた。 むせぶような血の香りとともに、たわわに実った淫乳や柔らかい肌の感触がぬくもりとともに伝わってくる。 腕や足を使えないように巧妙に、絡みつくように抱きしめられているため、 数時間は常人にも劣る力しか出せないダークキッドには脱け出すことができない。 「フフフ……気持ちいいでしょ。安心して、実は君のことが好きでたまらなかったなんてオチじゃないから」 413 :名無しさん@ピンキー:2006/09/20(水) 15:35:41 ID:ZXRkovbE 「……離せ」冷静を装ってダークキッドはいうが、そこには焦りが少しみられる。 「……離さないよ。ぼく……すっごくくやしいけど、もうダメみたいなんだよね。  けどさ、一人で逝くのって淋しいじゃん。だから……体内の自爆装置起動させちゃった……  適当に決められるんだけど、ぼくが逝っちゃったら何にもならないから五分ね、それくらいなら保つと思うし」 ダークキッドを道連れにするというケイトの覚悟。 彼女を切り裂いただけで勝利を確信し、油断したダークキッドの致命的なミスだった。 必死でケイトの死の抱擁から脱け出そうと試みるダークキッドだが、限界点を超えた身体はどうしても動かない。 「フン……無駄だよ……ぼくと一緒にここで死ぬんだ……ダークキッドを倒すんだ……きっと母さまも喜んでくれる」 「母さまだと……」 「あれ、言ってなかったけ。そう、きみが憎くて憎くてたまらないブラッククィーンはね、ぼくの母さまなんだよ」 何故、こんなに見た目はもちろんのこと実年齢も若くみえるのに大幹部なのか、 その謎がダークキッドの中で一気に氷解したが、だからといってこの状況が好転するわけでもない。 ここまでか、とさすがにダークキッドも覚悟を決めた。 ケイトの方も失血からか、その表情は青白い。 アイドル達の血が渇きはじめた床は、再び彼女どんどん溢れ出る血で満たされていく。 「ねえ……最期にさ、Hなことしよ。少しでも気持ちよくなって逝こうよ。  こう、肌と肌をこすりあわせてさ、後ちょっとは手も動かせるでしょ。それでぼくの身体を弄って」 ケイトのどこまでも尽きぬ性の欲望は、死の間際でも変わらない。 「……」ダークキッドは答えない。ケイトはつまんないとつぶやきながら少しでも快楽に身を浸そうと、 股間や乳首など敏感な部分をダークキッドの服やジーンズに擦りつける。 ケイトはひたすら慾ることに夢中で気付かなかった。ダークキッドの眼に希望の光が宿ったのを。 414 :名無しさん@ピンキー:2006/09/20(水) 15:39:39 ID:ZXRkovbE ケイトの肉のタップリとつまった淫らな尻が スリスリと触られたかと思うとグニュウと揉みしだかれる。 「はぁん……いい……よ。ダークキッドっ  ぼく……お尻を揉まれると……すっごく感じちゃうんだ……」 「俺じゃない」 ダークキッドは否定するが、ケイトはなおも続ける。 「ふふ、あと……二分と三〇秒…  ねぇ、もっと触ってお尻をもっと……指を這わせて、  この状況でもできるでしょ。もっともっと気持ちよくさせてぇぇ」 息をハァハァと切らしながらも、ケイトの性欲はとどまることをしらない。 「はぁぁぁっ、いいよぉダークキッドっ。穴に…お尻の穴に……指を突っ込んでぇぇっ」 お尻の割れ目に指が這いまわることですさまじい快感がケイトの身体をかけめぐる。 ケイトは体内の自爆装置を起動させると同時に、全身に性的な興奮がもたらされるように改造してあったのだ。 もちろん、死への恐怖を少しでもやわらげるためである。 「だから、俺じゃない」 415 :名無しさん@ピンキー:2006/09/20(水) 15:41:59 ID:ZXRkovbE 「僕だよ」 ケイトの背後で尻を触っていたのは縛られていたはずの零二であった。 「な……なんで……」 「最初にダークキッドがお前に一撃をくわえようとしただろ。  あの時、俺を柱に縛りつけていたものを斬ってくれたのさ」 右手首からの大量の失血で全身を震わせながらも零二はケイトに答える。 「そ…そんなぁ……」 「そう、そして『あやつり人形』が発動されるってわけだ」 尻に零二の左手が触れたことで、ケイトはすでに動きを束縛されていたのだ。 「心は自由にできなくても、身体だけでやっぱ十分だったね」 ケイトがダークキッドを抱きしめていた腕が意思とは関係なく両側に開いていく。 絡めていた両足も、その交わりが解かれた。 ケイトは身につけているのはブーツのみ。 縦に切り裂かれた血まみれの白い裸体を、拘束がとかれ、存在を主張してやまない二つの大きな乳房を、 精液と淫水とそして血に濡れた股間を、すべてダークキッドに晒していた。 「あ……ああ……やめっ」 416 :名無しさん@ピンキー:2006/09/20(水) 15:48:35 ID:ZXRkovbE ダークキッドは処刑の際、ケイトが戯れにアイドルたちに持たせた武器の一つである刀を手に持つと、 彼女にむかって脇構えに構えた。 あとは切り込むばかりとなった時、気力を全て使い果たしたかのように零二が横にフラっと倒れた。 その瞬間にケイトにかかっていた『あやつり人形』が解ける。 ケイトは身体に自由が戻ったことを知ると最後の力をふりしぼり、ダークキッドめがけて爪を突き入れんとする。 「死んじゃえぇぇっ」 バシュゥゥッ 勝負を決める斬り合いの勝者は………ダークキッドであった。 ケイトの爪を寸前でかわしたダークキッドは彼女のムッチリとした太股を切り裂いていた。 「キャアァァッァァッ」 立つことのかなわなくなったケイトは、大きく淫らな乳房を床に押しつぶすように前のめりに倒れる。 「下手すると、爆発する危険があるからな……足だけ斬らせてもらった  さてあと一分半くらいか……おのれの罪を少しでも悔やみながら…死ね」 417 :名無しさん@ピンキー:2006/09/20(水) 15:52:32 ID:ZXRkovbE 「はは……いっつもすげぇわ……」 突然倒れた零二はそういうと気を失う。駆け寄るダークキッド。 「ヤバイな、血を失いすぎている……」 そういうなり零二を抱きかかえ脱出しようと、倒れのたうちまわるケイトに横目に入り口へとむかう。 「私も助けてぇ……」 糸で絡めとられてから身動き一つできず置き去りされていたセライアが、ダークキッドに声をかけた。 「ああ、いたな。助かったよ。お前がいなけりゃどうなっていたかわからなかった」 「それじゃ……お願いしますぅっ」 一瞬、逡巡したダークキッドだったが 「残念だな…………いつもの力があればお前も助けてやるんだが。  ごらんのとおり満身創痍で一人抱えている状態だ。あきらめろ」 「そ、そんなぁ、話が話が違うじゃない」 「……やれやれ、少しは考えろ。俺は殺さないと言ったんだ。他の誰にお前が殺されようと知ったことじゃない。  だいたい、いたぶり殺したアイドルの死体の前でオナニーをしていたクズ女を助けるはずがないだろう。  地獄でみんなとアイドル談義にでも花を咲かせるんだな」 「いやぁぁぁっ」 そういうとダークキッドは零ニを抱え、実験場をあとにした。 そして、残されたセライア。ケイトの自爆まであと三十秒となった。 「ひ、ひぃぃぃっ」 糸で絡めとられた艶やかな肢体を器用にゴロゴロと転がし、なんとか実験場を抜け出ようと必死で試みる。 そのセライアに覆いかぶさるようにのしかかる人影、ケイトであった。 足を斬られ、なおも腕の力だけで彼女のもとまで這いずってきたのだ。 「君の……せいで、ぼくが…やられちゃったんだ。  すぐにでも…くびり殺してやりたいとこ…だけど……もう……そんな力も……ないや」 逝く寸前のケイトがセライアを押しつぶすような態勢でそうつぶやく 「やめてぇ、ケイト、死ぬならあんた一人で死になさいよっ」 ここにきて上司も部下もない、ひたすらわめき散らすセライア。 「……やだよ。淋しいもん。母さまぁ……仇…お願いね…」 「ひぃっ」 ケイトの魔乳が爆ぜたのが上級戦闘員の最期の記憶であった。 けたたましい音をたて、ケイトの爆発に連動し実験場どころかアジトをも消滅させる大爆発がおこる。 その時、ダークキッドと零二は………………                                                                 了 418 :クレイバンの人:2006/09/20(水) 15:59:44 ID:ZXRkovbE 半年間もお待たせしました。 ダークキッドvsブラックレディース、ケイトのエロ&やられです。かなり長くなりました。 まぁ対大幹部ということで許してください。 >>357さんのSSの途中に挟みこむような形になってしまって、すみません。 ちょっとしばらくネットにもつなげない状態が続きそうなので投下させてもらいました。よかったら感想お願いします。 357さん、お身体にはくれぐれもお気をつけください。 「名無し」で感想書いてるのでここでは何も書きませんが、続き楽しみにしてます。 419 :357の中の人:2006/09/20(水) 16:45:20 ID:pbCfieIv その>>357はリアルタイムで更新を見守ってたワケで。久々にwktkしてました! 最高ですぜダンナ!こっちはいつまでも名無しのままで申し訳ない… 一気ににここまで投下できるのが既に凄すぎます。 しかも中はダークキッドvsケイト(鬼畜で素敵なぼくっ娘)のガチバトル! 「お母さま〜」な辺りがコヨーテラグタイムショーの12姉妹みたいで好みです。 零二ってこのスレでは貴重な男やられ役ですよね。 420 :名無しさん@ピンキー:2006/09/20(水) 22:32:14 ID:/RWcw98m キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!! 超GJ!! 逆レイプあり、やられあり、たまらんです。 そしてセライアたん、哀れ。 お持ち帰りしてやればいいのに…って、それができないから放置されたのか。 421 :名無しさん@ピンキー:2006/09/20(水) 22:39:54 ID:cOSWpMRo 抜け出そうと必死にクネクネするセライアたん(;´Д`) 422 :名無しさん@ピンキー:2006/09/20(水) 23:50:43 ID:3ZQ8u981 ついにケイトがやられてしまった…。セライアさんチョトかわいそうw ほんと、いつもすごいボリュームのSSです。 ありがとうクレイバンの人!ダークキッド格好良いよ!! 423 :名無しさん@ピンキー:2006/09/21(木) 04:54:52 ID:R+vRf+T2 ケイト、期待とエロシーンとお乳ともったいなさをありがとうww そしてクレイさん超GJ!! 今回も抜ける展開でした。貴方こそこのスレの主神。 最後の血まみれでもつれあう必死なセライアとケイトを想像するとたまりません。 私もいっつも名無し(その方が遠慮がなくていいかなと思うんで)ですが、 日夜激しく応援してます(´∀`) 424 :名無しさん@ピンキー:2006/09/23(土) 15:01:31 ID:xlSXL5uK 「書き込みが無いわ…こんな時こそ保守ageね!」 謎の"刈り上げ戦闘員"あらわる。胸と尻だけ露出した極彩色のタイツが異様だ。 今、その戦闘員がひっそりと何かをしようとしている…そこに、謎の男登場! 「そうはいかん!」 「だれ!?……きゃあああああ!変態」 男は―――全裸だった。顔をグンゼで隠している。自慢のムスコをペロ〜ンと露出。 「卑猥な変態グンゼがみすぼらしい裸全開120%で猥褻物陳列上等な恥知らず行為をアタシの前で…」 戦闘員は「はわわわ…」と戦慄きながら混乱する。 「まぁ私のデリンジャーでも見て落ち着きなさい」 変態グンゼはずずいと距離を詰め、股間を怒張させ、前に突き出しながら腹話術でこう叫んだ。 「オカアチャン!」 「いやああああああああああ!!!!」 ナイムネ戦闘員は絶叫してその場を去った―――だが逃げられない! 変態グンゼは光の速さで女戦闘員に追いつき、無防備な腰を持ち上げて虹色っぽいタイツを剥ぎ、 デカ尻のある一点にイチモツを突き入れて高速で腰を振った! 「保守sage!保守sage!」と叫びながら戦闘員をいたぶる。レイプ行為同然だが正義の味方なので気にしない。 「あん!あん!あん!あん!」顔を紅潮させ、リズミカルな悲鳴を上げる戦闘員。 …普通なら保守のためのageは別段咎められるような行為ではない。「ageんなボケ」と罵られる程度だ。 だが!このスレは「sage推奨」だ!正義の変態グンゼは無知な戦闘員を許さない! 怒涛のストンピング。さらに押し倒し前も攻める。戦闘員は処女だったがグンゼなので気にしない。 「グンゼは貴方の顔を覆っている物であって別にアタシはグンゼじゃなくてそんでもって痛い!痛い!いつもの3倍痛い!」 「一撃必殺!保守sage!」変態グンゼがそう叫ぶと、白濁色の波が戦闘員の中でほとばしった! 「ひゃあああ!やめてよしてやめてよして……あっ……」 拒絶から一転、ビクンと脈打った戦闘員の身体が光を放つ。本来なら『うおっまぶしっ』だが絶頂に達したグンゼは気にしない。 腰を押さえられ四つん這いになりながら光り輝く戦闘員。そして――… 「ああぁぁぁ…………あわび!」 断末魔の悲鳴と共にボグゥン!と光の粒子となって弾け散り霧散する戦闘員。虹色タイツと下着だけがその場にパサリと落ちた。 後には射精後の恍惚と戦闘員の突然の消滅を前に呆然とする変態グンゼの虚しい姿だけが残った。 保守――――sage。 425 :名無しさん@ピンキー:2006/09/23(土) 15:14:21 ID:y5gPQWEM >>424 また変な正義の子キタ――(゚∀゚)――!! しかも精液で消滅wwwwwGJGJGJwwwエロイイヨイイヨーww ところでこのスレ、sageはマジで大事だな。 昨日何の気なしに『ダークキッド』でヤフー検索かけたら…… クレイさんのSSを荒しの道具としてコピぺしてる罰当たりがいた。 ちょっと藁人形買ってそのDQN呪ってくる。 426 :名無しさん@ピンキー:2006/09/25(月) 02:41:53 ID:Df4k7NHm コミックヴァルキリー2号目がもうじき発売ですよ。 今回もヤラレの観点から雑誌の暗部を鋭くえぐってみよう。 427 :名無しさん@ピンキー:2006/09/25(月) 14:26:22 ID:vIL7h9wT >>426 また街さ出てでかい本屋で予約してくるだ(´ω`) 428 :名無しさん@ピンキー:2006/09/25(月) 17:40:34 ID:euT818lF 今度こそ密林で予約したぞ…。 429 :名無しさん@ピンキー:2006/09/25(月) 22:30:19 ID:cXFW2IhN 創刊号買えなかった人ってけっこういるのか? 430 :名無しさん@ピンキー:2006/09/28(木) 19:55:35 ID:oq77E0Hg 創刊号買えなかったけど、2号は買えた。 思ったより悪女&やられ多くて満足。この調子でいって欲しい。 あと18禁コミックスだけど、最近出たコミックスで、 「スーパーヒロインDX」ってのに 3本悪女が出てるのがあった。 どれも「やられ」るけど、ビルにめりこんだりしてコミカルだったり、 超兵器にビビってるコマで終わったり、見事にやられるけどちょっと化け物すぎるとかイマイチっちゃあイマイチ。 431 :名無しさん@ピンキー:2006/09/29(金) 10:48:06 ID:X/W6rKnz 絵板はどこ? 432 :名無しさん@ピンキー:2006/09/29(金) 11:04:05 ID:eftAaRMe 絵板。これからはテンプレに入れたほうがいいな。 ttp://w5.oekakibbs.com/bbs/akujolove/oekakibbs.cgi 433 :名無しさん@ピンキー:2006/09/30(土) 01:28:19 ID:gA3LIDzz 皆がヴァルキリーに夢中になってる隙に、 間が開き過ぎた上にどうでもいいシーンを投下して寝るw 434 :名無しさん@ピンキー:2006/09/30(土) 01:29:16 ID:gA3LIDzz ◆8月23日/東京/探索地域:国道122号線      坂下 祐樹  終了条件1:東京から生きて脱出  終了条件2:事件の発端を暴く  ホテルのロビーからは警官の姿が消え、様々な機材が倒れて転がっている。俺達が入るとシャッターが降り、玄関を塞いだ。  残っている警察関係者はピザ男だけ。しょんぼりと背を丸めてソファーに座り込み、虚ろな目をしている。 「ピザ男、他の警官はどうした」 「裏口から逃げちまったぁ、止めたのに……。副総監が逃げて浮き足立ったんだ。逃げられるわけないのによ」  ピザ男のすぐ近くでは、さっきまでメト沢の修理をしていた二人が頭を抱えている。 「ちょっと目ぇ離したら盗まれたぁーー! 誰だメト沢持ってったのは!」 「だからエンジンキーかけとけって、あれほど!」 「お前がバイクの部品なんか混ぜるからいけねぇんだ!」  こいつらは話をするだけ無駄だろう。他の連中はというと、これからどうするかで激論の真っ最中だ。 「だからな、一階を放棄して踊り場に機銃据え付ければ……」 「エレベーターで来られたらどうすんだ」 「じゃあ主電源切っちまえ」 「ふざけんな、暗闇で戦うのかよ!」 「待てぃ! 援軍が来るアテもないのに篭城戦は自殺行為だ。ここはホテルを捨てて退いた方がいい」  殴り合い寸前の彼らに割って入ったのはタイツ男だった。意外なことに、ダークキッドまでタイツの案を推す。 「その通りだ、相手の数が多すぎる。現についさっき、市ヶ谷の駐屯地は立て篭もった挙句に壊滅した」 「じゃあどうするんだ、歩いて逃げたってすぐ追いつかれるぞ」  当然の反応が返ってきたが、彼は親指で外を差すと、こともなげにうなずいた。 「俺はここに来るまで下水道を通って来たんだが、奴ら下水には入り込んでないぞ。歩きで十分逃げられる」  刹那、全員が互いの眼を見交わす。一番最初に口を開いたのはピザ男だ。 「ここの地下駐車場にマンホールあったよな。そこからガスと電気水道の共同溝に辿り着ければ、埼玉まで……」  その言葉が終わらぬ内に、数人がマンホールの確認へ、数人が地下の地図を求めて走り出した。 「坂下、お前に渡すものがあるんだ」  俺に向き直ったダークキッドが、担いできたボストンバッグから大型の銃を二丁出す。 「これは本来、お前のライダースーツとセットで使うために開発されたハンドガンだ。持ってけ」  ズシリと重い銀色の銃はデザートイーグルよりでかい。ハンドガンというより〃ハンドキャノン〃のような気がする。 「生身の人間じゃ到底扱えんが、変身したお前なら反動を制御できる筈だ」 「でも、こんなものをどうやって手に入れたんだ?」 「あちこちにツテがあってな。俺は確かに暗い子かもしれんが、友達は多いほうなんだ」 435 :名無しさん@ピンキー:2006/09/30(土) 01:30:08 ID:gA3LIDzz  横ではロビーのテーブルから吸殻だらけの灰皿や飲みかけの缶コーヒーが叩き落され、地下の地図が広げられている。  着々と脱出計画が進められるのをよそに、俺はなおもダークキッドに話しかけた。 「そりゃそうと、夕方から今までどこ行ってたんだ」 「支援者まわりさ。ついでに腹具合もおかしかったから、ちょっと検査してもらってきた」  意外と軟弱な答えに拍子抜けしていると、彼は破顔しながらまたしても人外くさい台詞を吐く。 「おれの腸から何が出てきたと思う? 炭そ菌にテトロドトキシンにO-157、挙句にプトマインとカンタリスだよ!」  それで単なる腹痛とは、この男はどれだけ頑丈なんだ。「そ、そうか……でも最後の二つがわからん」 「プトマインは屍毒で、カンタリスはツチハンミョウの毒だ。どっちも中世に使われた古典中の古典だな」 「へえ」感心はしても意味を理解しかねて首を傾げる俺に、ダークキッドは表情をひきしめて囁く。 「あの弁当屋の娘、かなり危険な奴だ。狙いが俺だけならいいが、もし会っても絶対に気を許すな。ひどい目にあうぞ」 「わかった」俺が黒BDの連中をちらりと見ながら頷くと、彼はさらにマウスに似た物体を出してきた。 「それから、これを渡しておく。端的に言うと短時間だけ〃俺になれる〃薬剤だ。まだ実験段階だから保障はせんが」  こんないい物があるなら、もっと早くくれればいいのに! と思ったが、次の一言で小便が漏れかけた。 「ボタンを押せば針が出るから、いざとなったら心臓に突きたてろ。すぐ効くからな」  心臓!? 心臓に注射って何!? それ何ていうザ・ロックのラスト? もしこれを使う羽目になったらどうしよう。  呆然とする俺の後ろでは、完璧なルートを見つけたらしいその他大勢が喚いている。 「いけそうだぞ! 地下だけを通って埼玉まで抜けられる!」 「あれ、そういえば人数が足りなくないか?」  ふいに冷静に戻った誰かが発した一言で、俺もつられてキョロキョロした。 「メト沢は最初にバラされて盗難として……あ、あの女の人がいない。やられたのか?」 「いいえ。姉さんはホテルに引き上げる時、しんがりで戦ってました。たぶん取り残されて……」 「……ああああ!」いきなりソファーから立ち上がり、頭を抱えて叫びだしたのはダークキッドだ。 「すまん! もしかしてザコどもと一緒にライダーキックで蹴ったかもしれん! 色違いかなと思って……」  二、三秒ほどしんと静まり返った後、ロビーはやおら拍手喝采に包まれた。 「屠ったのか!? 屠ったんだな! よくやったGJGJGJ!!!!」 「さすが俺達のヒーローだ!」 「うはwwwwおkwwwww」  何が何だか意味の分らない賞賛を浴びせられ、彼は仕方なく無言で手を挙げて応える。 「じゃあ、目出度いところでそろそろ逃げようぜ。お前も来るだろ?」  俺がタイツ男を振り返ると、彼は首を横に振った。 「いや、おれにはやる事がある……見ろ!」  彼の指差す窓の外の夜空には、ビルの間から見え隠れする半透明の巨大な顔が一つ。あれは…… 「……モッコスだ」 「間違いなくモッコスだな……」あまり見たくない物を見る目をする皆の前で、タイツは堂々と言い放った。 「類似品が闊歩したせいで、本物の封印が解けてしまったようだ。おれはこれから、モッコスをレイプの上SATSUGAIしに行く!」 436 :名無しさん@ピンキー:2006/09/30(土) 01:49:51 ID:gA3LIDzz 「無茶だ! あんなもん殺せないだろ!」 「それ以前にとてもチンコなんか起たねぇ! やめろ、逆に殺されるのがオチだ!」  必死になってやめさせようとする黒BDどもに耳を傾けもせず、彼は俺にビニール袋を差し出した。 「おれも、お前にこれを渡しておこう。実家から送ってきたシイタケだ」 「はあ、ありがとう」下げた頭を上げてみれば、もうタイツ男の姿は無かった。  ロビーの高窓を突き破って空を飛び、というか制服の女の子に吊り下げられて、星空の彼方へ去っていった。 「死んだな、あいつ」 「まだ若いのに無茶しやがって……」 「もういいから放っといてさっさと逃げようぜ」  人間、いざとなると薄情なものだ。俺達はとる物もとりあえず地下駐車場のマンホールへ飛び込んだ。 「ダークキッドは残るのか?」 「ああ。検査のついでに体の調整もしてもらったから、何分もつか試してみたいんでな」  漠然とした不安が拭いきれず、俺はマンホールの蓋を上げたまま、ダークキッドと足元の闇を交互に見た。 「心配するな! おれはいざとなれば、ビルの屋上を跳んででも逃げられる」 「わかった……でも無理すんなよ」 ***  真っ暗で湿った下水管を少し進むと、地図の通りに広い共同溝へ出た。  電灯などはついていないが、ほとんど全員がライトを持っているので迷うこともない。  その道をひた走ること数十分。このまま逃げ切れるかもしれないという希望は、しかし、突然断ち切られた。  地下道は何の前触れもなく、冷たいコンクリートの壁で終わっていた。 「行き止まりだと!?」 「そんな!」  あまりに受け入れ難い事実に、全員がL字ライトやシュアファイヤで壁を照らす。それでも壁には窓すら見つからない。 「……そうか、この共同溝は未完成なんだ! 女淫兵の襲撃で、工事が遅れてたんだ!」 「くそ、なんてこった! 今更引き返せないぞ」 「どうする。出口はあるが、一か八か地上に出てみるか」  確かに、行き止まりの横には地上へと続く階段がある。地下鉄出入り口によく似ていて、地上の様子が階段から覗ける。  そこから数人でそっと顔を出して見渡すと、すぐ近くには家具の量販店、その店先にバスが突っ込んでいた。  いち早くランドマークを見つけた者が、震える声で囁いた。 「……元郷駅が見える。まだ都内だ」その言葉に、誰もが頭を抱え込んで絶望のため息を漏らす。 「待てよ、ここは川口元郷なんだな? まだ助かるぞ」 「ピザ男、なんか策があるのか」しっかりと頷いたあと、ピザ男は大通りの方を指差す。 「いいか、よく思い出せ。あそこの道が国道122号線、ずっと行けば川口から高速道路だろ。だから……」 「……なるほど、あのバスを頂戴して……」 「一気に皆して、埼玉まで遠足か!」 「バナナはおやつに入りますか?」 437 :名無しさん@ピンキー:2006/09/30(土) 10:58:09 ID:JtlMIQpO おお。久々に展開が…メト沢とミユキさんがwwwwモッコス!? ともあれGJ。ピザ男は誰からもピザ男呼ばわりか。やっぱふたば☆ピザ男だな。 だんだん逃走劇になってきたな。というかモッコスやられシーンは…無理かw 438 :名無しさん@ピンキー:2006/09/30(土) 10:59:15 ID:JtlMIQpO うは、書き足したら変な文に! ヴァルキリー2巻はやられが満載だったちょー 439 :名無しさん@ピンキー:2006/10/01(日) 12:48:44 ID:D93pQvnH うおー。こっちも連載再開じゃー。 絵板に貼られたラストライダー様のくの一やられが神すぎる。 440 :名無しさん@ピンキー:2006/10/01(日) 12:49:53 ID:D93pQvnH 〜これまでのあらすじ〜 時は幕末…絵に描いたような悪代官の用心棒として働いていたくの一・うづき。 普段は越後屋として悪事に荷担する一人二役な生活。だがその二人にも年貢の納め時が来てしまう。 奉行とその仲間たちに現場を押さえられ、悪代官と部下の忍びのほとんどを失い自身も投獄されてしまう。 脱走の手立ても無く困りはてていた時、くの一・おうまが忍びの掟に則りうづきを始末するため現れた。 好機とばかりに遁走を企てながら相手をするうづき。だが、なぜか彼女と交わることになってしまう。 おうまの性の技は恐るべきものだった。しかも絶頂に達した彼女は鬼と化してうづきを喰らおうとする。 危機一髪のところで機転を利かせておうまを刺し、傷つきながらもなんとか抜け出すことに成功したうづき。 出口も目前に迫ったその時、彼女を捕らえた奉行の子飼い忍者・ふてん丸が現れる。 さらに殺したはずのおうまも後ろから迫る。うづきの部下、おっちょこちょいなくの一・あしもも加わり 牢屋はドタバタの様相を呈していた―――――…… 441 :名無しさん@ピンキー:2006/10/01(日) 12:51:16 ID:D93pQvnH さて…くの一が三人。どうしたものか」 うづきたちの方を見て思案顔になるふてん丸。当然、真正面から斬りかかるつもりなどない。 そもそも現状が面白いので傍観を決め込む気だった。だが後のことを考える必要があった。 (共倒れとかしてくれないかなぁ……)などと楽なほうに思考する。 「ちょっと!そこのコッパ忍者。黙って見てないで捕まえなさいよ!」 と、そこに荒っぽい声がかけられる。苛々した様子でうづきが睨んでいた。 ちなみにコッパとは役人に足で使われているパシリな忍のこと、だったと思ふ… 「生憎と自分の命が惜しいのでな。鬼とか爆弾忍者に手折られとぉない」 うづきの発する殺気を軽々と避けながらそんな感じで茶化すふてん丸。 件の鬼と爆弾忍者は先程から牢を間にはさんで騒いでいる。 「忍びの掟に従えないのですか」 「なんでおうま様なんですぅ〜。せめて毒物使いの"はまち"ちゃんの手で安らかな眠りを与えてほしかったですぅ〜」 「観念しているんですか?あしも様?」 「そりゃ死にたくなんかないですよぉ〜!」 それまでの会話から何の進展もなく、完全な平行線で会話が繰り返される。 「くっ。せめておうまの術さえ断てれば、後は何とかなるのに…」 うづきは先の性交時におうまが見せた鬼の形相を、そして自分の膣をズタズタにしようとした巨根を思い出し身震いする。 普段は大人しい娘だっただけにあの瞬間の変貌が殊更恐ろしく思えた。 その恐怖の対象が今、己が知る中でもとびきりお馬鹿な部類の、それも筆頭に位置するあしもと問答し合っている。 穏やかな性格こそ似通っているがどちらも物騒な能力があるのは見逃せない事実だ。 だが、現在のあしもからは肝心の爆薬が抜かれている。おうまに抗う術は皆無のはずだ。 「このままでは役人の手で絞首刑に処せられますよ」 「ひぃ〜、嫌ですぅ〜」 「でしょう?だからここで大人しくブチ殺されて…」 「それも嫌すぎますぅ〜首引っこ抜かれるのも怖いです〜」 半泣きになって恐ろしいことを口にするあしも。確かにあの筋肉隆々の鬼の姿なら人など容易く引き千切られてしまうだろう。 442 :名無しさん@ピンキー:2006/10/01(日) 12:52:05 ID:D93pQvnH 「おおそうじゃ。あしも殿、これを」 と、唐突にふてん丸が懐から取り出した何かをあしもに渡す。牢越しだが小さいそれはすんなり隙間を抜けてあしもの手に渡った。 おうまは相手に敵意を感じなかったので傍観していた。うづきはどう逃げ出すかで頭の中が一杯で反応が遅れた。 「ん〜?………あっ!あたしの小道具〜」 手渡されたもの――手の平大の大きさの巾着袋――を怪しむことなく迷わず開封したあしもは中身を見てぱあっと開けた顔をした。 うづきははっとした表情でふてん丸を見やる。彼はただにやりと口元を歪めただけだった。 あしもはゴソゴソと中を漁って手近な道具を取り出す。 「あしも様の小道具…爆弾ですか?――って、はっ!」 おうまは一瞬何か納得した表情をして、即座に危険を察知してその場を離れた。 「そのとおりっ☆これで脱出ですよぅ!」 未来への光明を見出したあしもは輝く目をした乙女と化して眼前の木の牢を粉砕せんと躍進する。 「忍法・微塵!!」 牢に向けて爆薬を投げ放つあしも。ガカッ!と閃光が瞬き、同時に爆音が――――「あっ(汗)」 …なにか間抜けな声が聞こえた気がしたがとにかく爆薬が破裂し牢は容易く吹き飛び木片を辺りに散乱させた。 同時に砂埃が舞い、おうまもうづきもふてん丸さえもこの瞬間は視界を閉ざされ目の前のから身を守ることに専念した。 ガラガラと天井の一部が鳴り、石の欠片が落ちる。爆発の規模からして崩落の危険は無かろうがうづきはちょっと怖かった。 そして少し時間が経った。徐々に煙が晴れ、視界が開ける。爆破の主たるあしもは分からないが少なくとも3人の忍は無事のようだ。 「げほっ…これはまた派手にやらかしたのぅ」と爆破の発端を担ったふてん丸が最初に口を開いた。 緊張状態を打破せんがために没収した品を返してみたのだが、早速使おうとするとは予想外だったらしい。 「うぐぐ、相変わらず無茶ばっかりする娘ね」とうづき。モロに粉塵を被ったためか、全身が埃まみれだ。 「まったく、そんなことをしても逃がしはしませ……あれ?」おうまがふと何かに気付いた様子になる。 うづきはすぐに何に気付いたか分かった。壊れた牢の奥。ゴチャゴチャになった牢の中で、そのゴミに紛れて人が伸びている。 あしもだ。全身ズタボロになって半ば裸同然の格好で目を回している。ふてん丸がその様子に爆笑した。 「……はにゃあ〜〜」 あしもは防御もせず、思いっきり爆風に煽られたのだ。頭の中は逃げ出すことを考えるだけで精一杯だったらしい。 頭をしこたま打ったせいで大きなタンコブをこさえた彼女はひっくり返ったカエルに似た姿勢で気絶していた。 あまりにも赤裸々なその姿におうまは顔に手をやって「参った」と思った。うづきは呆れて言葉も無い。 443 :名無しさん@ピンキー:2006/10/01(日) 12:52:48 ID:D93pQvnH ふてん丸は笑いながらも焦っていた。 (あれ? 爆薬意味ないじゃん!) せっかく状況を動かそうと思ったのに…いや、たしかに爆発的に事は進んだ。文字通りに。 だが肝心要のくの一が自爆。これは想定外だ。そのくの一・あしもも完全に伸びてしまっていて、しばらく目覚めそうもない。 結果的に、おうまは得をしたことになった。始末しなければならないくの一が勝手に倒れたのだ。 後は止めを刺せばいいだけ。さっさと済ませて、うづき相手に専念すればいいのだ。 うづきがどう動こうかと考えあぐねている隙におうまは牢の中に入ろうとした。 慌てたうづきが刃を向けて戦闘体勢をとる。自業自得とはいえこのままあしもが死ぬことはない。 ある意味『らしい』とは思うが、こんなつまらない死に方をすることもなかろうとうづきは思った。 「…部下思いですねうづき様。ですが私には敵いませんよ?」 うづきの必死な姿にフッと笑みを浮かべるおうま。それは侮蔑というよりは哀れみに近い。 そしてその哀れに思う気持ちを自身にも向けてこう明かした。 「あと2回。うづき様は私を刺し殺す必要があるんですよ」 「―――は?」うづきは訳がわからず困惑する。ふてん丸もピク、と反応したがそれだけで、壁に背を預けて傍観を決め込む。 「私はね。そういうヒトなんです」とおうまは寂しげな顔で言う。 うづきは先程のおうまとの問答を思い出していた。 「おかしいでしょう?――今の貴女に私を2度、殺せますか?うづき様?」 おうまのその言葉は余裕からのものではなく、忠告に近かった。 真正面から鬼と化した自分には適うはずもない。 もう少し生きていたいのなら邪魔をせずあしもが死ぬところを見守れ。 つまり、そう言いたいのだろう。未だ下半身の痛みと疼きが癒えないうづきにすれば確かに難題だ。 「…言っておくが拙者は何もせんぞ。どうせ最後に相手する気なのだろう?」 「その通り、殿方は最後に犯しながらくびり殺します」 再び微笑しながら物騒な物言いをするおうま。美しい娘の姿だがうづきには彼女の雰囲気に畏怖の念を覚えた。 あしもは、未だに目を回している…その無防備な首筋に、おうまの細い指が当てられる――― 444 :名無しさん@ピンキー:2006/10/01(日) 18:48:08 ID:8UI8wZFy おお、来た北キタ! あしも……wwww そしてふてん丸、まさに外道wwwGJ! 445 :名無しさん@ピンキー:2006/10/01(日) 22:15:04 ID:ExojhmTv おうま一人でうづきたちの任務がこなせそうな気がする俺ガイル。 とにかくGJ!!やられが待ち遠しい 446 :名無しさん@ピンキー:2006/10/04(水) 09:13:28 ID:9Mpspm2c ttp://w5.oekakibbs.com/bbs/akujolove/oekakibbs.cgi?mode=res_msg&resno=41&author=0&thumb=0&picwid=700&pichei=620&thisfile=41.jpg の絵に触発されて書かせていただいた短いSSです。草鞋屋様、本当にありがとうございます。 時代劇描写なんてできるほど知識もないですが、ただただ絵からシチュを想像して書きました。 絵の魅力を十分に引き出せているかは疑問ですが、よろしくお願いします。 447 :名無しさん@ピンキー:2006/10/04(水) 09:15:08 ID:9Mpspm2c 顔に狐面、背中に忍者刀、袖が肩までしかなく歩くたびに白褌がチラチラとみえる短い黒装束。 彼女たちの外見の特徴をいくつか挙げるだけで、どれだけ奇抜な格好であるかはすぐにわかろう。 しかし、彼女たちを一目みれば、その視線はとぼけた狐面でも、露出した太股でもなく……胸にいく。 特に男となれば十人いれば、少なくとも八人は間違いなく胸に注目せざるを得ない。 何故なら闇夜の城下町を徘徊する彼女たちの柔らかく大きな乳房が、 胸元の大きく開いた装束からはみだしているばかりか、その乳首までもが見え隠れしているのだから。 そして胸の谷間から乳房の下まで、まるで乳を強調するかのように背中の刀をささえるための紐が結ばれている。 彼女たちは近頃城下を騒がす盗みに火付け、果ては殺人と悪行の限りを尽くす謎のくの一集団であった。 448 :名無しさん@ピンキー:2006/10/04(水) 09:19:06 ID:9Mpspm2c つまらなそうに見張りをしている狐面のくの一に背後に忍び寄る影一つ。 殿様にくの一集団の首謀者の捕獲とその者以外の殲滅を命じられた藩お抱えの忍である。名を時雨丸という。 抜き身の忍者刀を片手に、気配を絶ちながらゆっくりゆっくりとくの一に近づく。 「ふぁぁっ……眠いわ…」 そう言って、両手をあげて背伸びをしているくの一の口元が狐面の上からごつい手でおさえこまれる。 「ふん……むぐぅぅっ」 勢いが強かったのか、ただでも胸元がばっくり開いた装束がはだけ、桃色の乳首が露わになり、 豊かな乳房の大部分が冷たい夜の外気にさらされる。ほぼ同時に彼女の首筋には鈍い光を放つ刃が押し当てられた。 恐怖と肌寒さからムクリと勃ちあがる乳首、ブルブルと小刻みに揺れる乳房。 刹那、時雨丸の刀がシュッと彼女の首をかき切った。 「はぁぁっ……」喉を斬られ声を失ったくの一が喘ぐように息を漏らす。そして舞い上がる血飛沫。 音をたてられ気付かれれば困ると、口元をおさえていた左手を下にずらし、 はだけた胸元に、巨大な両乳房を押しつぶすようにあてる。乳が上下にむにゅっとたわむ。 そのまま、ゆっくりとあおむけになるように後ろに倒す。 449 :名無しさん@ピンキー:2006/10/04(水) 09:30:23 ID:9Mpspm2c ビクビクと痙攣しているが、すでに致命傷。このまま放っておいて問題はないと立ち上がった瞬間、 眼前に狐面のくの一が立っていた。ちょうど路の角であり、どちらも至近まで気付けなかったようである。 これは不覚と時雨丸は内心慌てる。しかし、当のくのいち、眼の前に起こった状況に対応できずに一瞬の隙ができる。 今が勝機とくの一にダッと近寄ったかと思うと左手で彼女の首根っこを掴んだ。 「しまっ……」 動きを封じられたとくの一が悔やんだがもう後の祭り。血に濡れた刀が彼女の股間に突き入れられた。 ザシュゥゥゥ 「はぎぃぃぃっ」 狐面のためくぐもった悶えるような呻き声とともに、前かがみになったくの一の狐面がポロッととれる。 歳は二十を過ぎたあたりか、涼しげな細長い眼が特徴的な美しい女であった。その顔が苦痛に歪んでいる。 くの一は振り絞った最後の力で忍の肩を両手で掴むと、 「いやぁっ……」首を横に振りながら、子宮や腸が深く傷つけられ避けられぬ死を拒否するようにか細い声を出す。 口元を隠した忍は顔色一つ変えず、より深く刀を突き入れた。 「ひぎゃぁっ」秘所を隠す白い褌がどんどんと赤く染まっていく。しかし、絶命にはいたらない。 手間取ることを嫌ったのか、忍は刀を手放すとどこからともなく苦無を取り出し、 くの一の心の臓めがけて、たっぷりと脂肪のつまった大きな乳房の上から押し込むように刺し込みひねりを加える。 「あっ……」 眼が見開かれ、先ほどまで時雨丸を睨んでいた焦点が合わなくなる。ブルルと震えたあとに事切れた。 近くに気配がないことを確認すると刀と苦無を同時に勢いよく引き抜く。 支えを失ったくの一が前のめりにお尻を突き出すように崩れ落ちる。 装束がその勢いでめくれ上がり、血で朱に染まった褌とプリプリと量感のあるお尻が無様に晒された。 「これで、二人……大したことはないな」 時雨丸はそうつぶやきながら、くの一の胴衣で刀にべったりとついた血と脂を拭き取った。 450 :名無しさん@ピンキー:2006/10/04(水) 15:52:12 ID:ttYDw4aP うおお、エロ過ぎるSSキター(゚∀゚) クレイさんマジGJです。絵掲との連携も素晴らしい。 451 :名無しさん@ピンキー:2006/10/04(水) 16:17:07 ID:yiVHypWM 近頃のSSは「エロく殺る!」のがコンセプトなのか!?…って前からか。 絵板からの2次創作ってのも面白い試みですね。 元絵でのくの一の胸部の露出度の高さを前面に押し出した文章が良い! 452 :名無しさん@ピンキー:2006/10/04(水) 17:39:42 ID:yiVHypWM クレイさんのすぐ後で恐縮だが続きが出来たので貼ります。 453 :名無しさん@ピンキー:2006/10/04(水) 17:41:01 ID:yiVHypWM 「うにゃあ〜」 あしもはまだ伸びたままだ。既にその細い首筋をおうまの指が撫でている。 彼女は爆発のせいでくすんだあしもの肌の汚れを指先で突っついてこそぎ取ったりしている。余裕だ。 今から鬼と化してあしもを殺すのだろうか、うづきは止めようと思ってもおうま(鬼)への恐怖で動けずに歯噛みしている。 ふてん丸は相変わらずの傍観者気取りだ。先程あしもに道具を返したことは結果的におうまの手間を省いただけに留まった。 (少しだけ火薬を拝借しといたほうがよかったか)などと後悔の念を抱いている。 「ふふ…それでは始めさせていただきます、あしも様」 おうまは妖艶な笑みを浮かべると、先にうづきの前で見せたように股間に手をあてがい肉裂を弄び始めた。 「んっ…あふぅ…」 「ぬ。再びイチモツを生やす気か?…このままあしも殿も犯すつもりじゃな…」 ふてん丸が冷静に分析する。どうやらうづきとおうまの交わりを出歯亀していた模様。 うづきが見られていたことを知ってふてん丸を物凄い目つきで睨んだが彼は目線を明後日の方向にそらして取り合わない姿勢をとった。 仕方なく剣を構えなおして破れた牢にじりじりと歩み寄る。 おうまは自慰兼"変異の下準備"に文字通り精を出している。淫猥な声を漏らして秘部を漁る彼女に周囲への警戒心はない。 後ろから刃で一突きすれば――彼女の言うことが真実なら――2度目の死を与えられるはずだ。 そして蘇生するだろうからそこで首をはねてしまおう。うづきは順序だって物事を考えた。 少々変わっているが自分もあしもも助かるにはまずこのおうまを…うづきは覚悟を決めた。 今、目の前にいるのは鬼ではない。自慰に耽る一人のくの一に過ぎないのだ! 454 :名無しさん@ピンキー:2006/10/04(水) 17:41:32 ID:yiVHypWM 牢は狭く、膠着していた場からわずか十数歩でおうまの背後を取る位置まで来られたうづき。 足元は木片やら何やらで散らかっていたがその場を足音を殺して進むことなど忍には造作もないこと。 うづきには未だ先の陵辱の苦しみが残っていたがそこはそれ、抜かりなく動くことができた。 ふてん丸はまるで物見遊山が如く成りゆきを見守っている一観客となっている。傍観は事ここに至っても変わらず、だ。 そして、うづきはゆっくりと刀を構える。もちろん気配は断ち、一切の音も立てぬ静かな振る舞いで…。 おうまはそのことなど露知らず、ついに先に出したモノと同じ立派な男根をその股間より生やす。 既にそのそそり立つ物体は自身の愛液で十分に濡れており、怒張から感じさせる力強さに加え、ぬらりとした質感すら伴っている。 これを…引っくり返されたカエルのように無様に横たわっているあしもの丸見えの肉裂に挿れるつもりか。 そして高ぶるうちに獣化し、太くなった鬼の指で彼女の首をへし折る、おうまの魂胆はそんなところだろうか。 うづきは早急に事を成す必要があった。交わってからでは遅い。弾みであしもまで突き刺してしまうわけにはいかないのだ。 剣をおうまの丸まった背と垂直になるよう構え、 「ふぅ…」 おうまのその一呼吸を合図とし、電撃的に必殺の一閃を走らせた! 刃は確かにおうまの艶やかな肌を貫き、ずぶりと肉を裂く感触をうづきの手元に確かに届けた。 前は心臓を、今度は少し逸れて肺の位置辺りを通った。そうして、おうまの膨らんだ乳からズル、と血に塗れた刃が突き出る。 傷から血が流れてあしものボロボロになった体を洗う。それでもあしもは気絶しっぱなしで目を回している。 衝撃を受けて再び身体を痙攣させるおうま。大きく仰け反るその肢体の腰の部分に足を掛け、うづきは捻りながら獲物を引き抜く。 えぐり出されるようにして剣が抜ける。 少々間を置いてあしもが口から鮮血を噴出させた。目は見開かれているがそれは驚愕ではなく自身の痛苦からであった。 ゆっくりとうづきの方へ振り向いて何かを言おうとするがゴボゴボと血を吹くだけでまったく言葉にならない。 残酷なようだが…やむなし。うづきは少し早まっておうまの首を落としにかかった。 だが次の瞬間、うづきは見た。 ――――おうまの目が、笑っているのを確かに見た。 455 :名無しさん@ピンキー:2006/10/04(水) 17:42:02 ID:yiVHypWM 胸から血を流しながら不適に笑うおうま。身体は朱に染まり、量だけ見れば明らかに致死量と分かるほどだ。 だのにこの娘は平気そうな面でうづきの青ざめた顔を正面から見つめている。 「なんで…なんで死なないのよ…」 「――本当に、うづき様は酷い女(ひと)です…」 おうまが一歩、歩み寄る。自身の作った小さな血だまりを踏んで軽い水音をたてつつうづきの方に寄る。 うづきは気がどうかしてしまうそうな気持ちだった。さっきは一度、完全に死んだ。だが、今度は全然倒れない。 「ちょっと気が飛んでしまいそうですけど、大丈夫です」 などとニッコリ笑うおうま。そして自身の股間に手を添えて持ち上げる。 さらに、空いた手で呆然としているうづきの首根っこを素早く捕まえた。 「あっ!」とうづきが一足遅れて反応したが距離が近すぎて刀が振るえない位置までおうまは迫っていた。 そのまま、グイと上体を押された姿勢にされる。ちょうど、うづきとおうまの股間同士が真正面から合う位置に来る。 これから起こることを想像してうづきはさらに青ざめ…… ズブリ、と力強く強引に突き入れられた肉棒の感触で理性の半分が飛んで散っていくのを感じた。 「ひぎいぃぁあ!!」 乾きかけの忍び衣装を容易く引き裂き、未だ傷も癒えぬうづきの膣を並の男のそれを上回るおうまの逸物が容赦なく突き刺す。 再び血が流れ、先の強姦以上の痛みがうづきの脳に激しく伝わっていく。…うづきの精神が蝕まれる。 「うあっ!がっ……あああぁぁぁ!!」 「静かにしてくださいうづき様。このくらい、胸を貫かれる痛みに比べれば"ヘ"みたいなモノですよ?」 文字通り乱れ狂ううづきに対して全く平静に相手するおうま。汗こそかいているが全く疲れを感じさせない。 だが動くたびに彼女の胸からは血が流れていく。『気が飛びそう』と言うからには痛みを感じているはずだが当人はけろりとしている。 やがて、再びおうまの身体が変容していく。ずっと見入っていたふてん丸も「ほぉ」と牢の外から顔を近づけてくる。 うづきは涙に濡れた視界でおうまの変わりゆく様を目の当たりにしていたが首を絞める力と股間の連結が一切の脱出を許さない。 半ば獣じみた声―男のだみ声よりなお聞き苦しい―でおうまが喋る。 「先にうづき様から戴きま〜す……ぐぅおおおおおぉぉぉぉ!!!!」 「ひっ、ひぃ!やめ……ぁああああ゛あ゛あ゛!!!」 恐怖に支配されたうづきの悲痛な叫びが牢内に響き渡る!だが誰も救いの手を差し伸べはしない。 次の瞬間、無情にも鬼が二度目の降臨を果たした。 456 :名無しさん@ピンキー:2006/10/04(水) 17:42:53 ID:yiVHypWM 「ぐぅああああああ!」 それまでに加え更なる膂力がかかる。その一突きがうづきの膣壁を突き破る! 「ぎゃあああああ……あっ!……あっっ!!」 絶叫が途絶え、あまりの衝撃に目をむいて放心するうづき。だらりと四肢を垂らし、強力で体が持ち上げられ両足が地を離れる。 それは実に恐ろしい光景だった。黒光りする大きな鬼にか弱い肢体が弄ばれている。 ふてん丸も恐怖した。あしもがもし目覚めたなら即座に気絶しなおすことだろう。それほどに悪夢じみている。 最早うづきのあしもとは血と白い液体で塗(まみ)れている。鬼は理性をうかがい知れぬ深紅の瞳でうづきをただ見つめているだけだ。 手の力はうづきを絞め殺さない掴むだけだが、いつでも捻り潰せることだろう。 「何故こんなことに…」うづきはそんなことを考えたが答えは単純だった。 "任務に失敗した"それが唯一にして確かな理由。これは後始末なのだ。最初におうまが言ったように。 『忍の掟』――自分でも分かりきっているはずなのに今のうづきには全く、分からなかった。 やがて鬼は無造作にうづきを抱き―――強力に握り締める。骨が砕け、肉が裂かれ、臓物がはみ出る。 「………っ!?」 さらに目をむいたうづきは、だがしかし、その詮無い動作が最期となった。目玉はそのままぐるりと上を向き血を吹く。 「ぐぁばああああああ!!!!」 「…………ぶじゅ」 鬼の雄叫びとうづきの口から血の飛まつが散るのはほぼ同時だった。 すぐにその可愛らしさの残っていた顔が頭部ごと鬼の顎に砕かれる!ぐしゃ、ぐしゃと咀嚼されていく。 更に呑まれる。細い腕が、膨らんだ胸が、女性らしいくびれの肢体が次々に鬼となったおうまに『始末』されていく。 そうして束の間の残虐な振る舞いは暴威を萎めていく。掟による裁きは幕を閉じ、一人のくの一が消えた。 呆然と一部始終を見送ったふてん丸と気絶しっぱなしのあしもと鬼(おうま)だけが牢という領域の中にいる。 457 :名無しさん@ピンキー:2006/10/05(木) 01:47:27 ID:skjFyx71 あああ、とうとううづきが喰われてしまった…… 続きを激しく期待!!!!!111 458 :名無しさん@ピンキー:2006/10/06(金) 16:48:35 ID:UNOEuoco 鬼はくの一を暴食して血を拭うこともせずに次なる標的を狙う。 …前にクルリと向きを変えてふてん丸の方を見た。 「!」 ふてん丸は心臓を鷲掴みにされた思いがした。 いっそのこと気絶しっぱなしのあしもを喰らってるうちに逃げようか、などと考えていたのに 肝心の鬼がわざわざこっちを見つめてきてしまったのだ。 …太刀が通るだろうか。何せ相手は化け物だ。先のうづきの最期が脳裏をよぎる。 圧倒的な怪力。人身を事も無げに噛み砕ける顎。野に棲むどんな獣より恐ろしい眼差し。 絵でしか見たこともない架空(のはずの)存在と、こうして相対する羽目になるとは。 ふてん丸の脳内を、いつもの倍の速度で物事が行き交う。 「ふふふ…恐れていますね…」 と、そんなふてん丸の思考を聞き苦しいだみ声が中断させた。 「しゃべれるのか」 「もちろんです。ちょっとお行儀が悪かったかもしれませんね」 ボタボタとうづきの残滓を口からこぼす鬼に行儀の"ぎ"の字もない気がする。 「ともあれ、これで私の命はあと3つに戻りました。うづき様のお陰です」 かなり聞き取りづらいが鬼の姿のおうまはハッキリと人間の言葉を紡ぐ。 見た目は正に怪物。山賊も裸足で逃げ出すどす黒い巨躯。髪の間から角が生えている。 だが意思は人間そのもの、いや、こいつはこういう"ヒト"なのか…とふてん丸は理解した。 「喰らった命を我が物とする…というわけか」 「はい。血肉は我が身のそれとなり――魂は我が魂と共に。」 鬼は解りづらい表現をする。うづきはおうまに吸収された、と考えるべきなのだろうか。 「さて、あしも様はこの通りいつでも食せます。まずは貴方を始末するとしましょう」 などと、おうまが聞き捨てならないことを口走った。 ――やはり次の標的はふてん丸、と目したようだ。 459 :名無しさん@ピンキー:2006/10/06(金) 16:49:12 ID:UNOEuoco 「どうやらうづき様の一太刀は私に死を与えられなかった様子…無駄死にですね」 笑って…いる様に見えない顔の歪み方にふてん丸は苦笑いを浮かべる。 おうまの視線の先を見ると、確かにうづきが刺した傷が目に見える速度で塞がっている。 あれもうづきの血肉がおうまの物となっている証なのか。 「3つ、と言ったが割と蓄えが少ないようだな…おうま殿」 太刀を構えて見せながらふてん丸が嫌みを言う。けん制ではなく、冗談のつもりだ。 「いえ、私はまだ若輩ですから。3つ以上は内に秘められないようなんです」 それは恐らく感覚的なもの――それがどんな感じかは知る由も無いが――なのだろう、 おうまは少し曖昧な調子で返してきた。 「年長者の方はそれこそ怪物ですよ。100以上の魂を抱える方もいますから」 「…大所帯だな」 ふ、と笑みを無理やり浮かべながらふてん丸が距離を考えた。 相手は大柄だが怪力の前では木の牢は楯になり得ないかも知れない。 むしろかえって危険かも…どっちにしろ瞬発力が知れない。 「抵抗するつもりですよね?…え〜と」 「ふてん丸だ。以後よろしく。ところでおうま殿」 「なんですか?命乞いなら聞き捨てますが」 「いや、ちょっと気になることがあってな。喰われたもの自身は一体どうなるんじゃ?」 「さあ…時々夢に出る程度ですね。死にきれてないから化けて出てるんだと思いますが…」 鬼は正に鬼気迫る姿なのにどこかとぼけた仕草で頭の上に「?」を浮かべる。 あれほど無残に喰われ尽くしてなお鬼の内部で苦しむ続けるとは…惨い。 ふてん丸は先に喰われたうづきと、そして他の者たちが少々哀れに思えてきた。 「ちなみに犬猫の類は食料にしかならないです。人でないと魂魄としては使えないらしいです」 おうまは思い出したかの如く話を付け足してきた。 460 :名無しさん@ピンキー:2006/10/07(土) 11:27:57 ID:i/bGw2Xg >>458 勝てるんですかね、ふてん丸はww無理っぽい気配がしますよww って言うか、人の魂が1UPキノコww怖いwww なんかこのスレ、強い悪の女って銘打ってるせいか、 SS中に登場する敵女の強さがどんどんインフレを起こしてるような気がします。 いや文句じゃなくて、天井知らずに上がってもそれはそれで面白いんですがw 461 :名無しさん@ピンキー:2006/10/07(土) 13:29:14 ID:gj9PkTtF >>458 ついに対決ww100人以上残機ありってそれどんなマリオwwwGJ! 早く続き読みたいです! 462 :名無しさん@ピンキー:2006/10/10(火) 13:07:52 ID:Nr5m6ugv 「さて、そろそろ丑三つ時…逝く時に迷われぬようお気をつけて…」 鬼がだみ声で挑発してくる。口調以外は女子とも人間とも思えぬ異形が迫る。 ふてん丸は近づきすぎぬよう距離をとるが、鬼の腕(かいな)は真っ直ぐ伸ばせば 大人の男の身長ほどの長さになるだろう。引っ掻かれるだけで肉が削がれる。 慎重にならざるを得ないが時に大胆にならねば斬ることは出来そうもない。 鬼の後方のあしもは――まだ伸びてる。いや、寝ているのか?あれは? 「うにゅ…」と件のあしもが寝返りを打つ。 その一瞬、鬼の意識が後方へ移った。 『今だ!』ふてん丸はこの時を逃すまいと好機を迎えたことを喜ぶ声を口内に秘めながら 口に中に何かを含んだ。 鬼は本の少し視線を後ろにくれただけですぐにこちらに向き直る。 「ふふっ。やっぱりあしも様はのん気です。後が楽しみですよ」 ニヤニヤ(しているように見えない)しながら鬼が舌鼓を打つ。 いつもなら何か皮肉でも言ってやろうと思うふてん丸だが今回は黙っていた。 それを恐怖と緊張のせいだろうと思ったおうまは嘲笑混じりの笑みを浮かべて爪を走らせた。 …刹那、ふてん丸が口から先ほど含んだ何かをおうまの紅い眼に向けて吹き出す! 「――!」おうまがそれに気付くのと自身の目玉が数本の"針"に貫かれるのはほぼ同時だった。 「ぐっ!」痛みよりも視界を潰された苦渋で小さく悲鳴を漏らすおうま。 爪は狙いを大きく外れて木の牢を粉々に引き裂く。 その様を見て「やはり身を防ぐ役にも立たぬか…」と思わず呟いたふてん丸の声を 鬼は耳ざとく聞きつけた。片方の眼だけで声のほうを探し、動く物にもう一方の爪を向ける。 それは武将の使う長槍よりはるかに太く鉄槌の如く力強い、当たれば人など肉の塊と化そう。 だがふてん丸は忍者として数多くの修羅場も経験してきている。 おいそれと貫かれはしないが、場が少々狭すぎる。壁や牢の残骸が行く手を塞いだ。 おうまも動き回るのは難しいことが分かっているので動かずに長い腕だけで攻撃する。 眼前の修羅場を前に、あしもはただぐっすりと平気な様子で眠っているだけであった… 463 :名無しさん@ピンキー:2006/10/10(火) 13:36:40 ID:Nr5m6ugv 恐ろしい勢いで豪腕を振るうおうま。遠巻きに周りをうろついて好機を窺うふてん丸。 どちらも疲れは全く見せず、集中しあっている。 やがておうまの眼から針が"自然に抜け"て潰れた瞳が光を取り戻し始めた。 その人外ぶりと再生のおぞましさに寒いものを感じながらふてん丸は次の手を考えた。 試しに手裏剣を放ってみるが恐るべき動体視力が飛んでくるそれを捉え、掴んだ。 「げっ!」思わず驚嘆の声を発するふてん丸。笑って手裏剣を返すおうま。 鬼の大きな手から放たれた手裏剣は性格にふてん丸に頭の少し上を通過して石の壁に刺さる。 「そんな玩具で私は倒せませんよふてん丸様。それに…私も一応くの一です」 それまでの力任せから一変、精密な投擲を行ったおうまの腕。ふてん丸は連投を控えた。 (一つだけいいものがあるが…今は使いづらいな…) 懐の"奥の手"も投げ物なのだが先ほどの調子を見るにその場で使っては逆にこちらが危うい… 火の気も水気も無いので火遁や水遁は使えず、地面は石畳ゆえ土遁も無理。 室内なので風遁も起こしづらい。残念ながら晴れている故に雷も呼べぬ。 詠唱で雲を呼ぶという高度な技はふてん丸には無い。 「困っていますね…この場では術も使えますまい」 おうまもくの一なので忍の使う手は粗方見当がつく。ちなみに、彼女も高度な術は使えない。 「こちらの武器も通じぬとなると、後は…」 「互いに正面から斬り合うしかないでしょうね」 ふてん丸は脂汗と冷や汗を流しながら剣を構え直した。おうまも応じる。 鋭い爪を前に臆しているのではない。自身の剣の腕に自信が無いのだ… 「正面からは、御免被るっ!」 切羽詰ったふてん丸は半分やけくそで足元に煙り玉を叩きつけた。 「―――!…往生際の悪い!」 再び視界を塞がれたおうまは相手が逃げたか、虚を突いて斬りかかって来るか判断しきれず その場に留まるしか出来なかった。構わずこの巨体で動いも狭い通路でぶつかるだけだ。 彼女はじっと煙が晴れるのを待った。 464 :名無しさん@ピンキー:2006/10/10(火) 14:02:40 ID:Nr5m6ugv 煙はすぐに晴れた。おうまはふてん丸の汚さに少々の苛立ちを覚えながらも 焦らずに時の刻みを数え―――煙の中からふてん丸が現れる様を見て豪腕を突き出した! 「甘い!」「――のはそちらだ間抜けが!」「!?」 ほんの一瞬のやり取り。大木の如き太さの腕の上で跳ねるふてん丸が再び煙り玉を放つ。 今度は眼前で火花を散らして白煙を噴く。攻撃ではない、嫌がらせか。おうまがたじろぐ。 ふてん丸は白煙に包まれる狭い牢の中で鬼の体の周りを這いながら回り続け、攻撃をかわす。 斬り込むことは敵わないが、こうしていれば喰らうこともない。 傍から見れば苦し紛れ(実際そうなのかもしれないが)だがその実、ある隙を狙っているのだ。 ぶんぶんと手当たり次第に腕を振るうおうまは攻撃下手だ。 恐らく本格的にその力で戦闘に臨んだ経験が浅いのだろう。ふてん丸はそう感じた。 そしてその見解は当たっていた。おうまは、鬼の力を使った戦いに不慣れなのだ。 若年ゆえに未だに"知ることも知らずにいる"おうまはその大いなる力を扱いきれていない。 彼女が主任務に就けない理由がここにあった。要するに、隠密としては使いづらいのだ。 現にこうして牢の中は大騒ぎだ。これがもし城内ならたちまち怪物退治が起こること必至。 くの一としての能力も判断力も並以下なのでまともに忍とやり合うとまず勝つことが出来ない。 だからこそうづきたちに力を悟られなかったのもあるわけだが… 今回は"牢の場所"もあって"上"が試験的に彼女を出したに過ぎなかったりする。 「……があああああああぁぁぁぁぁぁ!!!!」 ついに痺れを切らして咆哮しながら腕を振るい壁ごとふてん丸を粉砕せんと尽力するおうま。 ――本人には先に述べた"上"の評価に対する自覚が足りないことも付け加えておかねばなるまい。 そうこうしているうちに、遂にふてん丸は鬼の頭の上に達し、人の胴ほどもある首を両脚で蟹ばさみにした。 465 :名無しさん@ピンキー:2006/10/10(火) 14:17:44 ID:Nr5m6ugv 「持久戦は焦らした方の負けでござるよ、おうま殿!」 それを決め台詞にして、ふてん丸は鬼の脳天に向けて思い切り刀を振るった。 ドスッ!…手応えあり。さしもの鬼の皮も鋼を弾くほど硬度があるわけではなかった。 「ぎゃああああ!」 たまらず悲鳴を上げるおうま。脳天に達した刃の先端がおうまの頭脳を掻き回す! 「いっかな鬼といえど此処が壊れればまともに動けまい!」 ふてん丸は吹き出す赤い血をもろに浴びながら更なる力を入れる。 ガツッ!刀が何かに当たって止まった。…頭蓋か。ふてん丸は即座に刀を抜き放った。 「げぁ……おげ……」 おうまが定まらぬ視点をさ迷わせる。命の蓄えが3つもあるとはいえ、全ての制御を司る 脳を破壊されては正常な動きも判断も思考も間々ならない。 自身の血で濡れながらおうまは後ろに倒れ、ズズン、と地を揺らした。 「はにゃっ!?」 その衝撃でようやくあしもが目覚めたようだ。飛び起きて辺りを見渡している。 見れば、うづきはいない。鬼――おうまは血だらけで倒れている。そしてふてん丸も血みどろだ。 危うく二度目の気絶を向けそうなあしもは何とか気を張ってそれを防いだ。 が、血の気は引きまくっている。青ざめた表情で言葉を紡ごうと努力してみる。 「な、なななな…ここ、これははは??」 が、まったく話になってない。そこでふてん丸があしもの起床に気付いて声をかけてみた。 「む。よう、あしも殿。お早うでござる」 着地した先であぐらをかいてあしもに挨拶するふてん丸。 おうまはあしもを避けて倒れ伏したため彼女に怪我は無かった。 というか先ほどの争いの中、よく無事だったものだ。ふてん丸は呆れを通り越して感心した。 466 :名無しさん@ピンキー:2006/10/10(火) 16:49:24 ID:Nr5m6ugv 「これは、一体?」 あしもは頭の上に『?』をいっぱい浮かべながら現状の把握に努めた。 確か自分はふてん丸さんから道具を返してもらって、それでとりあえず牢を破ろうとして、 そしたら逃げ場所が無いのに気付いて…あ〜、わたし吹っ飛ばされて気絶してたんだ〜。 ――と、そこに至ったところであしもは傍らで伸びているおうまに声をかけてみる事にした。が、 「ししし、死んでるぅぅぅぅ!!!」 当のおうまは頭から血を流し、白目をむいている。どうみても死体だ。 彼女に殺されそうになっていたのも忘れてあしもは慌てて頼れるくの一を探した。 だが、見当たらない。仕方なく向こうで座って一息ついているふてん丸に恐る恐る尋ねてみる。 「ううう、うづき様は?」 「…残念ながら、おうま殿に…殺され申した」 ふてん丸は少しうな垂れながらうづきの死に様をありのままに述べた。 それを聞いた瞬間、あしもの脳天に電撃的な衝撃がほとばしった! 「そ、そんなぁ〜」 声はいつもの調子だが彼女は確かに哀しんでいる。知らぬ間にそんな恐ろしいことが… 「ついでに言っておくがそこな鬼めは完全に死んだわけではござらん。早々に離れられよ」 「ふぇ?」 半泣きであしもがきょとんとした顔を向けた直後、 「う…や、やってくれましたね…」 傍の死体がそう呟きながら蠢いた。あしもは吃驚して飛び起き、牢の隅で小さくなった。 「これで今日2度目の死亡、じゃな。気分はどうだいおうま殿」 「ふふふ。うづき様のお陰で命はあと2つ…あしも様も起きられたようですし、すぐに――」 あしもは血にまみれたおうまの眼光で一気に縮んでしまい「ひぃ」と情けない声を上げる。 「――新たな魂魄をこの身に 「おうま殿」 と、唐突にふてん丸が割って入ってきた。おうまが『ん?』とばかりに表情を曇らせてそちらを向く。 その瞬間には口内にクナイが飛び込んできていた! 467 :名無しさん@ピンキー:2006/10/10(火) 17:07:10 ID:Nr5m6ugv 「がぼぉ…!?」 避ける間も無くクナイを思いきり口に含んでしまったおうまは混濁気味の意識を更に困惑させてしまっている。 「あしも殿、伏せられよ!」 「ふぃ?」 ふてん丸が身を屈める様子を見て訳が分からないままあしもも応じる。頭の中の『?』印は増える一方だ。 そして、一瞬おうまの口内が鮮烈な光を放ったかと思った直後、 ドオォン!と爆音を轟かせながら鬼のいかめしい顔面が木っ端微塵に吹き飛んだ。 巨体は激しく振動し、起き上がった上半身が弾かれるように揺れ動いて石畳の上に再び叩きつけられる。 その凄絶な様を見てあしもが「きゃああ!」と珍しくまともな悲鳴を上げ身体を縮めて飛び交う破片から身を守った。 「またまたやらせていただいきました、でござる」 調子に乗って冗談めかした口調でふてん丸がべろを突き出した。 先ほど温存した奥の手の『火薬入りクナイ』による不意打ちは見事に功を奏し、おうまに今夜3度目の死を与えた。 爆発の影響で天井からパラパラと埃が落ちる。あしもは身体に破片やら何やらが触れるたびに「はぅ〜」などと漏らしている。 「これで残りはあと一つ。はたしてこれはおうま殿自身の命のことなのか。それとも"余りが一つある"ということなのか……む?」 ふてん丸が先のおうまの話に考えをめぐらせているうちに頭部を失った鬼の体が見る見るうちに萎んでいく。 獣化が解けている。それはあしもの潤んだ目で見ても明らかだった。 黒光りする巨躯が目に見える速さで縮んで、元の少女の体型をとっていく。 不安定に凹凸を繰り返す中でおうま自身の可愛らしい顔が肉の中から這い出てくるのをふてん丸は見た。 すぐに蘇生するのか…ふてん丸は再び刃を構え、あしもは何が起きてもいいよう縮こまった姿勢のままで小さく控えめに身構えてみる。 やがて完全に少女の身に戻りきったおうまはゆっくりと起き上がり始めた。 鬼のときとは正反対に、年頃の乙女としてはやや痩せ気味の身体は何も身に着けておらず、全裸だ。 その柔肌には土の汚れこそあるが、傷は一つも負っておらずこれまでの攻防を感じさせない。 ふらふらと貧血でも起こしたかのように青ざめた表情で呆けている。 ふてん丸もあしももやや拍子抜けしたが、おうまが両足ですっくと立つのを持て再び気を引き締めた。 が、その口からは意外な言葉が出た。 「あ、あれ……どうして、戻っているんでしょう?」 468 :名無しさん@ピンキー:2006/10/10(火) 17:29:07 ID:Nr5m6ugv おうまは訳が分からなかった。何故、どうして、この身が人に戻っているのか。 『自分の命の余剰は自身の物を外して"三つ"。いつか食べた酒臭い殿方のが一つ。先日倒した他所の忍者のが一つ。うづき様のが一つ…』 最初にうづき様に刺し殺された時のは『上…お頭に命ぜられて食したくの一のもの』である。 それは無意識に内から離れて逝ったから感じられる。 ふてん丸に頭を斬られて…その辺りからの認識が曖昧なのだ。自身が分からなくなるという感覚が判らない"感覚"。 あれは…なんなんだろう。ふてん丸のとった意外な攻め方はおうまに混乱をもたらしていた。 さらに連続して頭脳を粉砕された。そのせいで再び収拾がつかなくなった。 失われた二つの命は誰のものだろう……? 「……様?」 誰かが何かを言っているのが耳に入る。それでおうまの思考は途絶した。 「…うま様ぁ〜?」 この変に間延びした声。これはあしもだ。我に返ってそちらを見つめる。 あしもはおうまの裸身を見て本の少し顔を赤らめている。おうまは隠すことまで意識が向いていない。 ふてん丸は…まじまじとこちらを観察している。おうまは見る見るうちに羞恥心を抱き始めたまらず両手で胸を隠した。 「な、なななに見てるんですかふてん丸様!」 「無論。何を見ている。うむ、見事じゃ」 あしもは女性同士だし風呂に共に入った中だから別に何とも思わない彼女だったが、殿方に見られることには耐性がなかった。 今度は他の所が丸見えになってふてん丸の前に晒される。彼は「眼福。眼福。」と鼻息をやや荒げて興奮している。 「ふてん丸さんって助兵衛(すけべえ)さんだったんですね…」 上から下までまじまじと見つめるふてん丸にあしもが珍しく"他人に向けて呆れる様子"を見せる。いつもなら呆れられる側だというのに… 「その様子だと、何ゆえ元に戻ったのか理解しかねているようだな」 助兵衛ふてん丸が鼻息を抑えて真面目くさった顔になっておうまに問う。あしもも調子を戻しておうまを見つめた。 「それが……痛ぅ…」 自分にも分からないんです、と続けようとしたおうまを、突然の頭痛が襲った。 思わず胸を覆っていた手を額にやる。ふてん丸とあしもは不審なものを感じとった。 「…おうま様?どうかしたんですかぁ?」 「い、いえ。大したことで―――あっ」 軽い目眩を覚えながらも、おうまは気丈に振舞おうとして、前に無防備に倒れた。 469 :名無しさん@ピンキー:2006/10/10(火) 17:53:00 ID:Nr5m6ugv 不意に倒れるおうま。ふてん丸もおうまも「あっ」と声を合わせて驚く。 おうまの意識は再び混濁すえる。地面に倒れる直後、意識を失う直前に目に入った砕けた石。それが彼女の頭を強打した。 ガン!と音が聴こえてあしもが更に吃驚して駆け寄る。本来なら自分は命を狙われている身のはず。 だが目の前で仲間が倒れたのを見て見ているだけでいられる彼女でもない。 「ああ゛……うぐ……ぅ…………」 おうまは頭を抑えることもせずに呻き、そのまま眠るように意識を失った。頭からは血が流れている。打った時に怪我を負ったようだ。 「あわわ。おうま様〜」 あしもが慌てふためいている。見かねたふてん丸が傍に寄って来た。 どうしようか迷っているあしもの脇から出てきておうまの様子を見る。 2度も脳を吹っ飛ばしたのが効いているのかもしれない。ふてん丸はそう思いながら彼女に触れる。 彼女の肌の体温は低く、ひやりとした触感を与える。だが、ふてん丸はすぐに異変に気付いた。 ―――息が弱い。 ふてん丸は急に本気になって彼女の首もとに手をやる。あしもが余計に慌てているが取り合っている暇はなかった。 「…おうま殿?」 …返事はない。指先から感じられる脈がどんどん遅くなっていく。打ち所が悪かったのか… やがて、おうまの息も脈も、止まってしまった。 (こんなに簡単に、死ぬものなのか)ふてん丸は心外な気持ちだった。 だが果たして、彼女の命はどうなったのか。彼は冷静さを取り戻して先ほどの思考を再開した。 ふてん丸は知らない。おうまの命があと一つあることを。あと一つ、彼女自身の命があるはずなのだ。 だが当の本人は地面にうつ伏せに倒れたままぴくりとも動く気配がない。 あしもは余りにもあっけなさ過ぎる死を遂げた彼女の身を心配して顔を撫でている。 「―――どうやら、本当に最期のようじゃな。おうま殿…」 ふてん丸が彼女のうっすらと開いている目を指で閉じてやって、すっとその場に立った。 「あしも殿、牢がこの有様ではこのままこの場にいるわけにもいくまい」 「…え?」 ふてん丸の声にあしもが顔を上げる。その、すがる様なあしもの表情に苦笑しながら彼は手を差し伸べた。 470 :名無しさん@ピンキー:2006/10/10(火) 18:19:32 ID:Nr5m6ugv 牢は惨憺(さんたん)たる有り様だった。牢は砕け、地面はおうまやうづきの流した血で染まり、頑丈なはずの壁が抉れている。 さらに囚われていたはずのくの一の姿が丸ごと一人分消え、その代わりに闖入者たるおうまの遺体が倒れている。 ふてん丸とあしもはその光景を痛ましい気持ちで振り切り、地上を目指した。 あしもを先導するため、ふてん丸は前に出た。あしもの服は爆発等諸々の影響でズタボロだ。そっちも工面しないと… 「――あっ」 と、出口の傍まで来たところで後方のあしもが地面の出っ張りに躓いて転ぶ。どんくさいな、とふてん丸が笑みをこぼす。 「ほらほら、大丈夫でござるかあしも殿」 苦笑しながら後ろを振り向いてあしもを助け起こそうとしたふてん丸は、ふと牢の方を何気なく見た瞬間に違和感を覚えた。 ……なにか変だ。そう思って目を凝らし、彼はその牢の惨状の上に"あるはずのものがない"ことに気付いた。 ――――おうま殿の遺体がないっ! 「あしも殿!走るんじゃあ!」 「え?」 ふてん丸は得体の知れぬ予感に襲われてあしもの背を押す。あしもは訳が分からず後方を見て――ふてん丸と同じ不安を抱いた。 「あっ。お、おおおうま様が!?」 「そうじゃ!はよぅ!……!?」 その瞬間、頭上から何かがふてん丸を襲う!爪のような刀のような、とにかく何かがふてん丸の肩口を切り裂いた! 「うがぁっ!」 訳も分からずその衝撃で吹き飛ばされたふてん丸はたまらずあしもを巻き込んで倒れた。 ここにきて月明かりが暗くなって前方の視界を不確かなものに変える。 「おうま殿か!?」 ふてん丸は声を張り上げるが応答がない。代わりに第2の刃が降ってくる! 負けじと刃を振るって正体不明の一撃をいなす。さらに蹴りを敵がいるであろう方向に向けて放ったが…手応え無し。 ただふてん丸に数滴の血が滴った。これはおうま殿が頭から流しているものではなかろうか。 「そんな手負いで暴れてどうする!もう無意味なことはやめるんじゃあ!」 あしもは怯えてふてん丸の裾を掴んでいる。ふてん丸は相手の位置も分からず、ただ2度の襲撃が上だったことから天井に向けて叫ぶ。 と、月明かりが再び牢を照らす。 荒れまくった内部を複雑に入り組みながら照らす光が、やがて天井にまで届く―――そこに、彼女はいた。      うりりりりりりりりりりりいいいいい 「―――烏璃璃璃璃璃璃璃璃璃璃璃夷夷夷夷夷いいいいいぃぃぃぃぃぃ!!!!」 天井に爪を立てて水平にへばり付いている全裸の女体。長い髪もまるで吸い付くかのごとく壁に向けて沿っている。 胸の膨らみはかつてのおうまのそれより大きく、おうまより長く麗しい両脚がすらりと伸びている。 そして顔はより大人びたものに――…そこまで見て、あしもが驚愕の表情を浮かべる。それはふてん丸も同じだった。 「―――――うづき殿っ!?」                         〜続く〜 471 :名無しさん@ピンキー:2006/10/10(火) 18:25:52 ID:Nr5m6ugv ――――ここまで前置き!前置きぃッ! URRRRRRRYYYYYYYYYY!!! スンマセン。ほんとごめん orz 472 :名無しさん@ピンキー:2006/10/10(火) 22:20:41 ID:jlMZ60DC >>471 工エエ(´Д`)エエ工  おうまが残り一機と思ったらうづき復活!? これは嫌でも期待が膨らむwww 473 :名無しさん@ピンキー:2006/10/11(水) 20:13:42 ID:LOTZlkg2 読み返してみると無駄に長いな…我ながら迷走しすぎ。 当初の3択とは随分と離れてまいりました。あしも、どうしようかなぁ。 >>472さん、ここから本番だから楽しみにしててくださいねー。 474 :名無しさん@ピンキー:2006/10/15(日) 02:01:44 ID:3iCRY6bP 「腑鵜鵜鵜烏烏(FUUUUU)……」 天井にピッタリとくっ付いた姿勢で全裸の女が――目の前で惨殺されたはずのくの一が息を吐いている。 まるで久しぶりに新鮮な空気を取り入れたかのように嬉しそうに呼吸する。 「う、うづき様?」 ふてん丸の傍のあしもが恐る恐る顔を出す。『うづきは殺された』とふてん丸から聞いたが、 彼女自身はそれを目の当たりにしたわけではない。うづきはこうして眼前に(奇異な姿勢でだが)生きて存在しているではないか… 「んん〜?」 ギョロリ。声をかけられた女が目だけであしもの方を見る。猛禽類を思わせる眼差し。 直視されたあしもは思わず畏縮する。彼女の知るうづきはこんな目はしない。 「あしも…にふてん丸、ね」 上から見下ろして相手の姿を認識するうづき。ふてん丸が聞く限りその声は紛れもなくうづきのものに違いない。 だが、おうまの消失とうづきの再登場。この点と点が奇妙な繋がりを持っていることを彼はすぐに感じた。 「一応、確認しておかねばなるまい……うづき殿、とお見受けするが、本当にお主か?」 あしもではないが、ふてん丸も彼女を刺激せぬようなるだけ落ち着いた口調で彼女に問う。 と、うづきは答えもせずに天井(ちなみに岩で出来ている)に突き立てて身を固定していた五本の指を離し、床に降りてきた。 スッと降りて無駄な音一つ立てないその姿勢はくの一のものだ。だが目の前に立たれているだけでも異様な不安を覚えさせる… 「見て分からない…?」 よく熟れた果実に手を当ててそう言って笑う――哂(わら)う彼女の姿は扇情的だったが、同時に魔性もまた漂っているように思える。 「あしも、貴女はどう思う?」 「ひっ…」 突然名指しで指名されたあしもは先ほどの眼光への恐怖もあってか、悲鳴を上げてしまう。 本来なら限りなく軽い性格の彼女だが、案外今の引っ込み思案というか臆病な部分が彼女の素なのかも知れない。 が、ドジなのは変わらないようだ。悲鳴を上げながらも体は呼びかけに応じてしまい自然と前に出る。条件反射とはこのことだ。 ふてん丸が「おいおい」とその背に声をかけそうになる。読めない娘だ、と呟く。 「―――え、え〜っと、うづき、さま?」 あしもは目の前にいるのが間違いなくうづきであると思い込むようにしながら呼びかけてみる。 「なに?」 うづきは愉しげに耳を傾ける。その笑顔は紛れもなくあしもの知る大好きなくの一の顔なのだが…何かが、違って見えるのも確かだ。 475 :名無しさん@ピンキー:2006/10/15(日) 02:25:43 ID:3iCRY6bP 「二人ともどうしたの?…まるで"お化け"でも見るような目つきね」 うづきはニヤニヤと厭な笑みを浮かべながら前方の二人を交互に見つめる。 あしもはびくびくしながら不安げにうづきの裸身と表情を交互に見ている。 ふてん丸は冷や冷やしながらあしもとうづきの一挙一動を観察している。 ――その場は妙に張り詰めた雰囲気で包まれていた。 「ふ、ふてん丸さんから、うづき様が死んだと聞かされてたんですけどぉ〜」 硬直気味だったあしもが久しぶりに普通の口調でうづきに話しかける。若干の臆面はあったが聞かずにはいられない。 『ふてん丸から〜』と聞いた瞬間にうづきは一瞬あしもの背後にチラと目を向けた。 ふてん丸はドキリとしたがそれも一瞬のことだった。うづきはすぐに視線をあしもに戻す。 ふてん丸はその目を見て『――やはり人のそれとは思えぬ』と言いそうになったが堪えた。口に出すのは危うい… 「死んだ?――いいえ、それは正確ではないわ」 そう言って、今度は両の手を両胸に当てて主張する。ふてん丸が無意識に唾を飲んだ。 「え、それじゃあ…」 「あたしは確かにここにこうして生きているのよ?それは疑いようもない事実だと思わないの?」 「う、うん…そう思いたいんだけど〜、でも〜」 あしもはどうしても迷ってしまう。言葉で言い表せないが『なにか変だ』とは思っているのだ。 この女(ひと)はこんなに恐ろしい印象を持ってはいなかったはず。今までとは全く違う……まるで、別人だ! 「うづき様!あ、あの―――あっ」 意を決して必死で何か言ってみようとしたあしもの頬にうづきの右手が当てられる。 ――暖かい。あしもは率直にそう感じた。 「どう?温もりを感じる?」 「うん。確かに…死んでいるならこんなに暖かくないですよね〜」 あしもは無理に笑みを作った。ふてん丸は以前としてうづきへの警戒を解いていない。先ほどから不安でならないのだ。 彼にとっては安心できる材料など何一つ無いのだ。あしもはうづきの体温を確かめているから少しだけ警戒が解け始めている。 「じゃあ…もう少し間近に迫っちゃおうかな…」 うづきはふてん丸に対する挑発に近い態度であしもにそっと寄り添う。 ボロを着ているに近い姿のあしもと一糸纏わぬ姿のうづき。肌と肌が零距離で触れ合う。 あしもは羞恥で真っ赤になった、が…ふてん丸は戸惑いとより一層の警戒心を抱いただけだった。 476 :名無しさん@ピンキー:2006/10/15(日) 02:49:29 ID:3iCRY6bP 「はわわ…う、うづき様?」 予想外にして想定外の珍事に紅潮するあしも。 胸が当たったり太ももをこちらのももに絡ませてきたり…というか何かイケない所が密着しそうで… (あ、頭がフットーしちゃいそうだよぅ) 露骨に赤くなるあしもの顔を仰ぎながらうづきがその頬に口づけをした。それであしもが更に上気する。 「ふふ…ほんと、この娘って可愛いよねぇ、ふてん丸?」 あしも越しにふてん丸の顔を見つめるうづき。いつもなら鼻の下を伸ばすふてん丸だが、今回はずっと固い表情でいる。 「あら怖い。そういえば初めて会った時もそんな感じだったわね」 彼女が言っているのは最初の捕り物の時の話だ。 「これでも忍の端くれ。"わきまえておる"つもりでござるよ」 ふてん丸はいたって真面目に返す。本来ならいやらしく交わる二人を押し倒したい衝動に駆られるのだろうが…勝手が違う。 「あ、うづき様…何をするんですぅ〜」 うづきの耳元であしもが抗議の声を恥ずかしそうにしながら上げる。その口をうづきが二度目の接吻で封じる。 「……!」 初めて会った時、を回想していたふてん丸がハッとなった。そう、うづきの術は確か――! 「あぅ…」 唇を重ねられたあしもがビク、と身を強張らせる。そのまま脱力してその場にへたりそうになったがうづきが体で受け止めて見せた。 「ふふふ…可愛いこと…」 うづきがあしもの頬に舌を這わせる。あしもは力無く呆けている。 「接吻で相手を操る術!うづき殿!これは一体…っ!」 ふてん丸の声。だがうづきは取り合わない。 「"目覚めた"ばかりなんで喉が渇いてるのよ。ちょっと貰うわね?あしも?」 そう言って喉に当てていた左手に力を入れるうづき。その只ならぬ様を制止しようとふてん丸が動く間もなく、 二つの身体が宙へ飛んだ。いや、正しくはうづきが跳躍したのだ。 今度は手も使わずに天井にビタァとヤモリか何かのように張り付く。だが、仰向けであることが異様だ。 「うづき殿!やめ――」 ビス!うづきの指先が放心しているあしもの喉に鋭く、深く入り込む! 「烏鵜李李李李李李伊伊伊伊伊(WWRRRRRRYYYYY)ィィィーーーーー!!!」 ズキュン!ズキュン!…激しく飛び抜けるような音が静かに響くのをふてん丸は確かに耳にした! 「あっ…あっ…っ!」 操られて身動きの取れないあしもは視線を虚空に虚しく漂わせながら哀しげな声を漏らすことしかできない… 「あ、あしも殿ォォーーーーっ!」 477 :名無しさん@ピンキー:2006/10/15(日) 03:12:13 ID:3iCRY6bP それは…血を吸っているのだろうか。 うづきの禍々しい指先が不気味に脈動する度にあしもの細い身体が痙攣する。 あしもの目には恐怖と絶望が浮かんでいる。何故、かつての仲間からこんな仕打ちを受けねばならないのか。 彼女には分かる筈も無かった――…うづきは知っている。 喉の渇き、いや、魂の餓え!…血は生命(いのち)也! それはうづきの本能。"新たに構築された"生物的本能が彼女をそうさせた。そしてうづき自身、それに悦びを感じているッ! 「うづ――き――さ…ま……」 呆然と見届けるふてん丸の眼前で、あしもが糸の切れた人形のように四肢を垂らす。 うづきが満足げに恍惚とした表情を浮かべ、感動のあまりか落涙しているのをふてん丸は見た。 そうしてホンの一瞬の略奪劇が終わり――あしもの肢体がうづきの手を離れて固い地面にドサリと落ちる。 「……っ!」ふてん丸が真上にうづきがいるのも構わずに傍に寄ろうとする、が…風を切る音が聞こえる! 瞬時に対応し身を引くうづきが上から襲ってくる! 「玖倭阿阿阿唖唖KWAAAAA)!!!」 甲高い異様な咆哮。鬼と化したおうまの重々しいだみ声とは一線を画す異質さが上から降ってくる。 回避する刹那、ふてん丸はうづきの顔に浮かぶ狂気を目の当たりにして凍りつきかけた。 『これはもう人ではない!』彼の中で確実な認識が生じた。 鋭く尖った爪による斬撃がふてん丸の背を裂く。最初の方の時と同じで浅いが、肌が斬られて血が流れる。 その、ふてん丸の血が付着した指先を嘗めるうづき。 「ふふふふふふ…」 狂える笑顔でふてん丸を挑発するうづき。ふてん丸は刀をしっかり構えなおす。斬れるかどうか、それも分からなかった。 「何故じゃ。何故あしも殿を、あのような…」 ふてん丸は憎憎しげに、彼女に問う。チラッとわき見してあしもを見た。彼女はピクリとも動かない。 「手近な果実を口にしただけよ」 「――彼女は柿やビワではないぞ」 「ええ、みすぼらしいったらありゃしない。まるで血の詰まったズタ袋よね――」 「…ッッ!!」 あんまりな言い草だ。ふてん丸は先におうまがうづきを残酷に処刑した光景ですら抱かなかったほどの怒りを覚えた。 478 :名無しさん@ピンキー:2006/10/15(日) 03:41:10 ID:3iCRY6bP ふぅ、とうづきが一息つき、一方的に語りかけてきた。 「―――あたしは確かにおうまに…あのコに喰われたわ。頭から、ばりばりとね」 「…」 ふてん丸は黙って聞く姿勢をとる。今すぐ斬ってやりたいが、当初の疑問を解きたい気持ちも強かったからだ。 「あの鬼の中で肉は裂かれ、魂すら噛み砕かれ、死んだかと思えば…死にきれていない。そんな感覚よ」 それはふてん丸には分かりようもないこと。分かる気もしないが… 「あのコは3つまで魂を内に包むことが出来るの」 「それは、俺も聞いた。そして、彼女は俺の目の前で確かに3度倒れた。」 ふてん丸は薄々気付いている。目の前にいるのが――それまで戦っていた者と"同一"だと。 「魂の総数は"彼女自身のものも数えると"4つ」 その答えにふてん丸が反応する。前に自身の中で考えた推察、その片方が真実だったか。 「内にいる時に"視えた"のが二人。大した事ない連中だわ。勝手にさ迷ってて、勝手に死んだ。今度こそ、ね」 二人分。恐らく戦いの最中に脳天串刺しと頭部炸裂という2度の死の代償となった者たちだろう。 そして――突然倒れて散らした儚い命。あれは―――その先をうづきが継ぐ。 「そうして…3度目に逝ったのがあのコ。"おうま自身"…」 「…なんじゃと!?」 順繰りにいけば、その時失われることになるのは『うづき』という予備では…ふてん丸は衝撃を受けた。 だが更なる衝撃が待っていた。うづきが身を強張らせている。身体を固くしながら続ける。 「貴方の考えている通りよ。通常ならそこで死ぬのはあたし。でもね、ちょっと違うのよ…」 ふてん丸は驚愕に目を見開いた。うづきの背。ちょうど背骨の辺りが割れ、いや、肩、腰、膝といった骨の形が浮き出る部分から… 鬼の肌のように黒く、武者の鎧の如く硬そうな何かがうづきの滑らかで美しい肢体を包み込むように伸びるのを見た。 その変化は次第に進み、手の甲や足先、しまいには胸骨の辺りにも生じ始めた。それは骨に似ている… まるで、生物が身を包むために纏う鎧のように――――外骨格。その姿はトカゲの鱗や亀の甲を連想させた。 「ふぅ〜」 変化を遂げ終えるとうづきがうっとりとした様子で満足げな声を上げる。それまで垂らしていた長髪も真の金色を帯びる。 「おうま殿の…身体を掌握した、というのか」 「――ご名答。流石に頭の回転は早いのね」 感心した風にしながらその長い髪を片手でまとめて結い上げ、あしもから拝借していたのであろう布切れで止め、馬の尾の様に垂らす。 かつての彼女の髪型。だがふてん丸にはもう今までのうづきには見えなかった。 479 :名無しさん@ピンキー:2006/10/15(日) 04:17:42 ID:3iCRY6bP 豊かな肢体の美しい曲線をそのままに、黒光りする外骨格で包まれたその姿は人ではない怪異。 漆黒と柔肌の白さが交互に表れている奇妙で禍々しいがどこか女らしい扇情さを感じさせる全体像。 その雰囲気は本来の持ち主であったおうまの鬼の姿とは全く違った異様さを醸し出している。 金髪よりも金に近い色の髪はこれまでどおり馬の尾のように垂らし、顔も可愛いらしさと美麗さを併せ持つ整ったものだ。 だが目が違う。鬼の紅い眼光とそれ以上の"闇"を秘める――猛禽の類、いや、それは正しく鬼の瞳をしている。 「おうまに掛けてた操りの術はあたしを取り入れたことでより強固になったようね…」 "鬼"と化したといって差し支えない『うづき』が先ほどの告白をそのまま続ける。 「少し呼びかけただけなんだけれど、あのコったら倒れちゃって…」 くすくすと笑ううづき。そのあごに、変異によって黒々とした手甲の付いた手が添えられる。 「それで所有権は完全にあたしの物になったわ。――ひょっとしたらこういうことは他の鬼にもあり得るのかもね…」 鬼に喰われ、死ぬことも許されずに内部をさ迷って時に主の夢に出るという犠牲者たち。 ふてん丸は思った。もしかしたら、うづきのように下克上を果たす者も中に入るのかもしれない、と。 そしてうづきの見せたこういった変異もまた、鬼の力なのだろう。そうすると、おうまのあの姿は力の一端に過ぎなかったのか―― 「で、その身体と力を以て何とする?」 半ば決まりきったことを聞くような感覚で問うてみるふてん丸。答えは聞く前からわかっている…うづきはカッと目を見開いて答えた。 「知れたこと。この力であたしを陥れた全てのものに復讐してやるのよ!そして栄達を極め、更なる力を得てやる!」 爛々とした瞳にはうづきのものとは思えぬほどの狂気が浮かんでいる。ふてん丸は戦慄を覚えた。 「―――鬼は帰なり、か」 太刀を構え…ふてん丸が覚悟を決める。 「うづき殿。それは妄執でござろう」 「ふふ…そうかも知れないわね。でもね。せっかくだから、あたしはこの血塗られた道を選ぶわ」 自嘲するうづき。だが狂想に憑かれた彼女の目に迷いはない。 「免罪など請わない。たとえ――かつての友を喰らおうとも。そして、邪魔するものは"除く"のみ…」 ふてん丸はあしもを見る。相変わらず動かない彼女は、うづきの糧にされたのだ。ふてん丸はうづきへの憎しみを抱く。 何故このような惨いことばかり起きるのだ……何故に、うづき殿が斯様な鬼畜にまで堕ちたのだ――… その、人を捨てて鬼へと堕したうづきが構える。爪を伸ばし、瞬時に短刀のように変じさせて鋭く研ぎ澄ませる。 「屠所の豚のように…真っ青な顔にしてからお前の鮮血のぬくもりを――ああぁ味わってあげるぅ…」 それまでとは全く違った獰猛な気配を漂わせるうづき。尖った爪で石の壁を掻く。ギギィと嫌な音が響く。 「……」 来るか。ふてん丸はもう彼女と話そうとは思わない。今できることは一つ、彼女を斃す。それだけだ。 「絶望ォーーーーーに身をよじれぃ!クソ虫がぁ!!」 そう吐き捨てた直後、飛びかかる野獣のそれを上回る勢いで鬼が襲いかかってきた! 480 :名無しさん@ピンキー:2006/10/17(火) 05:35:47 ID:V2mkMrJt こわっ! 鬼こわっ! 下手な貞子よりこわっ!w でもここまで強くなった鬼武者じゃない鬼くノ一を屠ってこその主人公。 がんがれふてん丸! 481 :名無しさん@ピンキー:2006/10/17(火) 10:18:14 ID:8oPsgUK7 >>479冒頭を読んでて思ったが鬼くの一・うづきの姿は ウィッチブレイドの影響受けまくりんぐじゃないのかね?w 482 :名無しさん@ピンキー:2006/10/17(火) 12:54:38 ID:d5FizCDb qe 483 :名無しさん@ピンキー:2006/10/17(火) 16:29:28 ID:d5FizCDb lh 484 :名無しさん@ピンキー:2006/10/17(火) 17:00:10 ID:8oPsgUK7 なんか絵を描こうと思っても全然ダメだ…死にてぇ('A`) 485 :名無しさん@ピンキー:2006/10/17(火) 18:35:23 ID:V2mkMrJt >>484 生`、たまにはそんなこともあるさ。 俺なんか仕事しようと思っても全然ダメだ……死にてぇ('A`) 486 :名無しさん@ピンキー:2006/10/17(火) 22:03:33 ID:Hr0dW4SI >>484、>>485 お前らしっかり汁!! ククルとナギ4巻でも読んでやられ分を補給するんだ! 487 :名無しさん@ピンキー:2006/10/18(水) 19:02:12 ID:k+eIyQO0 「女の子が描けなくてむしゃくしゃするから女戦闘員をレイプする」 夕焼けを見ながらそんなこと考えてた。 488 :名無しさん@ピンキー:2006/10/19(木) 01:30:03 ID:v2/6ADyF >>486 情報ありがとう、もうちょっと生きてみるw >>487 はぁ? なにそのすごく見てみたいお題。 聞いただけで長生きしちまうだろーが! 489 :名無しさん@ピンキー:2006/10/21(土) 01:08:12 ID:97VsXAo1 「女の子が描けなくてむしゃくしゃするから女戦闘員をレイプする」 夕焼けを見ながらそんなこと考えてた。 とは言え女戦闘員なんてそこらにいるはずがなくて、ますますむしゃくしゃしてきた。 「女戦闘員のバカヤロー、上手いこと女の子が描けないのも、就職活動に失敗したのも全てお前らの所為だー」 誰もいないはずの河原で叫んでみた。 「誰がバカヤロウですって?」「ひぃー(そうだ)」「ひぃー(そうだ)」 後ろから声がするので振り返ってみる。 そこには黒を基調としたボディアーマーに身を包んだ女を先頭に、エロゼンタイの女たちがいた。 (説明しよう…エロゼンタイとはエロい体つきを全身タイツに包んだ女のことである。 …もちろんゼンタイの下に下着をつけるような無粋なまねをするような奴は天が許しても許さない人はいるはずだ…) 「むかつくわねー、あんたたち、あいつをやっちゃいなさい!!」 「ひぃー」「ひぃー」 「お前らは」 戦闘員たちの攻撃をかわしつつ聞いてみる。 「通りすがりの秘密結社の女幹部と戦闘員たちよ、堤防をランニングしてた柔道部員にでも見えた?」  )ノ 先生…こんな感じですか… 490 :クレイバンの人:2006/10/21(土) 02:40:02 ID:r4QNh3BN >>489 女戦闘員なんていたら、むしゃぶりつきたくなりますが、まず返り討ちでしょうねぇ。 殺るにしても犯るにしても実力がともなわないとキビしいですw続き期待したいですが、どうでしょう。   色々中断させてすみませんが、SSの>>447-449の続きを投下します。 これも前回と同じく、絵から想像して書いたものです(今回は個人のサイトですのでURLは書きませんが)。 絵と文の相乗効果を期待してますがどうでしょうか。 491 :名無しさん@ピンキー:2006/10/21(土) 02:43:21 ID:r4QNh3BN 2. 瓦屋根の上を器用に歩く狐面のくの一。 歩くたびに乳首が胸元を隠せないほど小さな胴衣に擦れ合い、その刺激からかコリコリに勃起している。 胸がある程度大きければ乳房の大部分が露出することになるこの衣装はもちろんわざとであり、 捕り方の油断を誘うためである。 しかし、今夜、彼女たちが対峙する相手はそんな甘い感傷など一切持ち合わせていなかった。 次なる屋根に飛び移らんと屋根の際まで寄った瞬間、くの一の右手首を強い力で下に引っ張られた。 「きゃっ」 突然のことに驚き、短く悲鳴をあげ落ちる。 鍛錬を積んだくの一ならば、この高さなら受け身をとればどうということはない。 瞬間的に彼女は態勢を空中でととのえようとする。しかし、彼女が地面に落ちた時は死体になった後であった。 突然、大きな乳房が上から蹴られたと思った刹那、彼女の首が太く温かいもので締められる。 「グファッ」 それは時雨丸の鍛え上げられた左足であった。鋼のような筋肉でグイグイと首元を圧迫されていくくの一。 彼女の狐面は足で絡めとられたひょうしにとれ、先にコトンと地面に落ちる。 露わになったくの一の苦悶の表情。赤黒く変色していく顔、クリっとした眼は大きく見開かれ涙を浮かべている。 口からはよだれをダラダラとこぼし、途切れ途切れにか細い呻き声を漏らす。 両手で必死で時雨丸の脚をひきはがそうと試みるが、彼女の細腕ではなんの効果もあげられない。 何とも驚異的な膂力を持つのは時雨丸である。 おのれと彼女の体重を、逆手に持った手だけでささえ、同時にその太股で彼女を締め上げているのだから。 手と足をバタつかせ、この苦しみからなんとか逃れんとするくの一であったが、徐々にその力が弱まっていく。 やがて手足をだらんとさせたかと思うと、白眼をむき舌を出した凄絶な苦しみの表情そのままに窒息した。 彼女の股間からは黄色い水が、むきだしの太股をつたい流れ落ちていく。 くの一が死んだと腿に伝わった感触で判断した時雨丸は、やっと締め上げていた脚をほどいた。 ドサッと自らの小便の中に落ちるくの一。 受け身もとらずグニャリと足をあらぬ方向にむけて倒れるくの一をみて屠ったことを確信した時雨丸は、 疲れもみせずに屋根の上をそろりと覗いた。 492 :名無しさん@ピンキー:2006/10/21(土) 02:46:10 ID:r4QNh3BN くの一の落下音を聞きつけたのか、そこにはあたりを見回す新たなくの一の姿があった。 「誰かいるの?」 面を被っているため、くぐもってはいるが可愛げのある声でいう。 もちろん、答える時雨丸ではない。 くの一はゆっくりと彼のもとに近づいてくる。 屋根から下を覗き込もうと彼女がした瞬間、時雨丸は一気に屋根によじのぼる。 「なにっ」そういって背中の刀に手をかけたくの一だがそれを抜くことはかなわなかった。 時雨丸は思いきり、押し倒すようにくの一に体当たりをしたのである。 もとから足場の悪い屋根の上、態勢を崩し後ろにガチャンと瓦にぶつかる音とともに倒れるくの一。 時雨丸はすかさず彼女に馬乗りになる。 「やめっっ」 裸に軽装の鎧、口元を隠した壮年の男に突然襲われ動転するくの一。 両手両脚、身体全体で必死に男を振り払おうとするが、男は冷徹な眼でくの一を見下ろしたままそれを捌き、 右手で刀を抜きながら暴れるくの一の右腕をもう一つの手で押さえつける。抜かれた刀が月光でキラリと光った。 「いやぁ、お願いぃっ死にたっっグヘェッ」 命乞いだったのだろう彼女の言葉が最後まで紡がれることなく、時雨丸の無慈悲の刃が声帯ごと首に突き刺さった。 瞬間、くの一の身体がビーンと硬直し、足が跳ね上がる。ついで口からは血反吐。 少しおくれて首から血の飛沫が馬乗りになった時雨丸の顔にかかるまで噴きあがる。 ビクンッビクンッと豊かな乳房を、そして全身を痙攣させる。 致命傷を負いながらなおも生に執着があるのか、 自由な左腕が虚空にむかってのび、まるで何かを掴もうとするような動きをみせたあと、ついに力尽きた。 今にもはずれそうであった狐面が彼女の死が合図であったかのようにとれ、 幼さの残る顔を苦痛にゆがませたものが時雨丸に眼前に飛び込んできた。 そのくの一の形相を冷たい眼でジッと見下ろす時雨丸。 何を思ったか、腕を押さえ込んでいた左手で重力には逆らえず横にながれた大きな乳房を揉み、そしてこねくりまわした。 「このような、格好で……、乳を放り出した程度で男を誑かそうというのが甘いのだ。  忍としては二流、三流よ。貴様らのやった所業、地獄で悔いろ」 答えの返ってこないつぶやきを言い終わるやいなや立ち上がり、次の獲物を求め歩き出した。 493 :名無しさん@ピンキー:2006/10/21(土) 05:36:30 ID:OQU0ThlE >>489 GJ〜(´∀`) ヤンキー女みたいに絡んでくる戦闘員に、なんか和んだよw 河に放り込んで屠ってみたいww あと就職なんて時の運です。偉い人にはそれが(ry >>クレイさん 今回はいつにも増して激エロですね。次から次へと屠られるくのいちの色気がたまりません。 起爆剤を作ったWさんともどもお疲れ様でした、ありがとうございますm(__)m あ〜、ところで執筆二十万文字を突破されたそうでおめでとうございます。 え〜その〜、よろしかったらまたうちの板でも覗いてやって下さい(笑) 494 :名無しさん@ピンキー:2006/10/21(土) 07:41:30 ID:i0vwq7J5 朝から素敵なSSが読めて幸せです。 >>489氏が小ネタを本当のネタに昇華させてくれてて吹いたww 間違いなく逆レイプされる予感。 >>クレイさん 狐面くの一の第2弾デター!小手先の色気など通じない素敵忍者・時雨丸GJ! 495 :489:2006/10/21(土) 09:30:11 ID:L727fk/Z えー…寝る前にふと思いつきで書いたネタに評価していただいてありがとうございます。 クレイバンの人さんとか他の職人さんみたいな書き物は無理なので勘弁してください。 (ネタハイクラデモサシアゲマスカラ…) 続きとして @返り討ちにあって、ゼンタイ戦闘員たちに逆レイプを食らう主人公 Aゼンタイ戦闘員たちをエロ倒していく主人公 Bゼンタイ戦闘員を無常にも打ち倒し、女幹部をも屠る主人公 …などを期待したいです。(期待かよ 実はこの主人公屠るスレ1の時にこれまた思いつきで書いた「イオナズンコピペ」の時の学生のつもりだったり。 (あの後戦闘員たちとのバトルで面接が無茶苦茶になった所為で「就職活動に失敗」ってなったのです。 多分、あのときの組織と同じ組織だと思われます。…戦闘員ゼンタイだし、女幹部もおんなじような格好してるし。) 496 :名無しさん@ピンキー:2006/10/22(日) 00:45:53 ID:FemclvCJ 鬼の力を得た――取り込まれたようにも見えるうづき。その目は正に鬼気迫るものがある。 「玖烏倭嗚呼嗚呼嗚呼(KUWAAAAAA)ッッ!!」と怪鳥のような声が牢屋内に響き渡る。 狭い通路内を縦横無尽に、時に壁と垂直になって走る姿は人間を(ある意味において)超越しているのかも知れない。だが、 ふてん丸の目には『人を捨て魔に陥った女』にしか映らない。けっして、超越者などではない。 壁伝いに走ってきたうづきが、位置を地に戻して正面から迫ってくる。 両手に付いた漆黒の鉤爪がふてん丸の胸に向けて突き出されるが、ふてんまるは刀で受け流し、死の斬撃を脇に逸らす。 普通ならここで斬り返す…だが相手は人外にして未曾有の膂力を誇る怪異だ。 外したと判断した途端、恐るべき瞬発力で真横に飛び退いてふてん丸の視界から消え去る。初速すら視認困難だった。 横か?後方か?真上か?――どの方向から来てもいいよう警戒を強めるふてん丸。 単純な戦闘力ならこれまで戦ったあらゆる忍を凌駕するであろう相手に今の場所は不向きに感じる… 先のおうまは図体が大きく、動きも緩慢だったがこの鬼は人と同じ大きさで、猫のように俊敏だ。相手にしづらかった。 そう考えてるうちにうづきが視界に乱入してきた。一度外れて再び目の前に現れた彼女に対しふてん丸は予測していながらも面食らう。 一瞬にして刀を弾かれ丸腰になったふてん丸。 慌てず、先ず後ろに退こうとしたが両脇から回り込むように爪が迫り回避ができない。ふてん丸は身を強張らせる。 …それと同時に彼女の胸が―鬼と化した影響なのかは不明だがその膨らみは前より大きくなっているように見える―が ふてん丸の胸に真正面からぶつかってきた。胸板に二つの饅頭が当たって柔らかい圧迫感がふてん丸を刺激する。 先ほどの両手もふてん丸を包み込むように周り、あっという間に抱擁の形になった。 「ふふふ…弱すぎるわ」 そう嘲りながら舌をふてん丸の頬に這わせ、背中に回った手をゆっくりと――ふてん丸の服と肌を薄く裂きながらずらした。 背の痛みがゆっくりとふてん丸を襲う。苦痛に顔を歪めた彼の腹を唐突に蹴り上げたうづきはその反動で一旦離れた。 背を裂かれた状態で地面に仰向けに倒れ伏したふてん丸はゴツゴツした荒い石の床で傷ついたその背を強く打ちつけて悶絶する。 「……っ!!」声にならない悲鳴を上げる彼の上に、小さく跳躍したうづきが圧し掛かってきたことで更に傷を痛めつけた。 「ぐああ!」今度は声が出た。激痛に耐える彼の頬に脂汗が浮かぶ。その頬を手でさするうづき。離れ際に爪を軽く立てて裂いた。 「腑兎鵜兎鵜(FUUUU)…だんだん…青ざめてきたわねぇ…ふてん丸ゥゥ」 不気味に微笑み、爪に付着した血をなめ取りながらうづきが挑発する。 「とっても美味しいわぁ……この鮮度…苦味…貴方の中に流れる生命(いのち)…」 恍惚とした表情で指先から手の平まで丹念に血を嘗め尽くそうと舌を這わせる彼女の姿に、ふてん丸は確かに恐怖した。 仰向けのままうづきに乗られて弄ばれている――なにか打開策は……ふてん丸は痛みに耐えながら必死に意識を巡らせた。 両肩はうづきに足で押さえられている。腹の上に彼女の身体がある。眼前にはうづきの股間(黒い甲羅で覆われている)がある。 そこで彼は思いついた。一歩間違えば玩具のまま死ぬことになる――だがこのままでいるよりはいい!彼はある"賭け"に出ることにした。 「うづき殿…俺とやらぬか?」 「はぁ?」 497 :名無しさん@ピンキー:2006/10/22(日) 21:31:40 ID:VFEYCHwa 「ご立派な太ももで挟まれては身動きがとれん。お手上げでござるよ」 そう言ってふてん丸は苦笑いを浮かべ、肘を軽く曲げて手をヒラヒラさせて『降参』の意思を示す。 うづきは怪訝な顔でその様子を見つめながら小ばかにした風にこう返した。 「そんな話を素直に信じると思う?」 「…苦しいでござるか」 さらに苦笑いの"苦さ"の度合いを増した笑みを浮かべるふてん丸。 しばらく考えていたうづきだったが、ふとある考えに至り、にやりと笑ってこう言った。 「よぅし。ならあたしが気持ちよくさせてあげる…」 「ぇ…?っておわっ!」 うづきがふてん丸にまたがったままの姿勢で後方に向けて姿勢を回し始める。 何故承諾されたのか、について図りかねていたふてん丸だったが彼女の行動を前にそれどころではなくなってしまう。 何せ眼前で尻やら足が押しつけられながらぐいぐいと強く動いているのだ。うづきは方向転換のつもりだが、ふてん丸からしたら その光景はたまらなく扇情的である。彼女の身体にはところどころに黒い外骨格があり、体に当たるとゴツゴツとした硬質さを感じる。 というか尖ってる部分が痛い。だがその点を除けば彼女は裸体に等しい。沸き立つ興奮に彼の本能が揺さぶられる。 「瓜威慰(URYY)…」 頭上でうづきがあの珍妙な声を小さく上げる。ふてん丸の股間が大きくなっていることに気付いたのだ。 もはや彼女は完全に背を向けた姿勢になっているが、ふてん丸の腕は彼女の美しい脚によって固定されたままだ。 下手に抜け出そうとすれば折られることは必定、か……丸い尻と腰つき周りの外骨格の奇妙さを眺めながら彼はそんなことを考える。 うづきはそんなふてん丸のことなど意にも介さず、忍装束の奥の膨らみに興味津々の様子。 するりと衣を脱がせて彼自身を露出させる。そこには思っていた以上に立派な逸物がそそり立っていた。 「くっ」と後方で声がする。暴かれたことを悟ったふてん丸が悔しがっているのだ。彼は今、人ならざるものに欲情している。 (なんとか好機を掴まねば…と思ったのだがこんな展開は予想外でござるよ〜) 頭だけを動かして周りを見る。視界の片隅であしもが倒れていることに気付いた。彼女は相変わらずピクリとも動かない。 「心配しなくても殺してなんかいないわよ」と女の背中が喋る。見ずとも気配だけでふてん丸の動きを予測したようだ。 「――何を馬鹿なことを。今の俺は自分の身を案じることだけで精一杯で……うわっ!」 講義しようとしたふてん丸を未知の感覚が襲う。これは…何だ!? 「下手なことしたら噛み千切るからね」再び背中越しにうづきの声がした。今度は警告のつもりらしい。 何を噛み千切るというのか…ふてん丸は不思議に思ったがその後の感触から見当がついて真っ青になった。 口内で彼の男が愛撫されている――それも舌で弄ばれている! 「ぐぅ…これは…っ!まずい!虜になりそうじゃ!」 498 :名無しさん@ピンキー:2006/10/23(月) 18:56:40 ID:v+nTcxUX このまま69に突入しそうな体勢wwww それにしてもウィッチブレイドのビジュアルを意識するとテラエロス。 499 :名無しさん@ピンキー:2006/10/24(火) 15:57:01 ID:P2Z/fnXb >>498 「先生!69ってなんですか!」(AA略)と思いつつ調べた―――把握したッ! ビジュアルはウィッチブレイドそのまんまと見てくれておk。 というか絵に描こうとして見事にナニな出来になり破り捨てて自己嫌悪に陥った orz しかも職場で。今も職場。うはww 500 :名無しさん@ピンキー:2006/10/25(水) 20:58:52 ID:Y6WoPW55 500は俺が盗った。残り100KBだがどうなるか楽しみ。 501 :名無しさん@ピンキー:2006/10/26(木) 02:01:38 ID:+SvBYwwO 絵掲も賑わってるし本スレも伸びてるし、言うことなしって感じだ。 502 :クレイバンの人:2006/10/26(木) 04:11:59 ID:9JyFuRar SSの>>447-449 >>491-492の続きを投下します。 これも前回、前々回と同じく、SSの元になった絵があります。 個人のサイトですので今回もURLは書きませんが、 管理人様がまとめブログにリンクを貼られるかと思いますのでそれを参照にしていただけると、 倍以上に楽しめると思います。一応、文だけでも大丈夫なようには書いてますが。 503 :名無しさん@ピンキー:2006/10/26(木) 04:16:09 ID:9JyFuRar 3. 時雨丸が屋根伝いに狐面のくの一達を探し歩いていた矢先、 大商人の蔵の前でソワソワと、何やら落ち着かない様子のくの一が眼に入った。 すぐさま、彼女を真下に覗くことのできる場所へと移動し、状況の把握につとめる。 まず蔵からかすかな灯りが漏れているのがわかった。彼女の仲間が中にいるのかもしれない。 そうなれば、あのくの一は金目の物を物色している間の見張りのようなものかと時雨丸は納得し一人小さくうなづく。 となれば、今あのくの一を殺れば他の者に発見される恐れがある。 くの一が数人程度なら負けるはずはないと時雨丸は自信を持っていたが、逃げられるのだけは避けたかったのである。 時雨丸は今夜で全てを終わらせる気でいた。もし一人でも逃がせば次からは警戒され仕事がやりにくくなるだろう。 彼女たちに敵う者はいない――そう油断している今こそ首謀者を召し捕り、 他のくの一を皆殺しにする好機であると考えていた。 さて、どうしたものかと時雨丸が動きかねていたところ、 当のくの一が「ちょっと……」とやはり蔵の中に仲間がいるのだろう、 一言二言声をかけたかと思うと、急ぎ足で蔵の入り口から遠ざかり裏にまわる。 時雨丸は音をコトリともさせずに屋根の上を忍び歩き、彼女を追う。 数瞬遅れて時雨丸がくの一を見やると、そこには白褌をとろうと何やらお尻あたりに手をやる彼女がいた。 何故、先ほどからモジついていたのかを理解した時雨丸はやれやれとでもいうように小さく首をふると、 刀の先を真下にむけて、何のためらいもなく頭から飛び降りた。 ズブゥゥゥゥゥッ 深く深く、落下の勢いと時雨丸自身の重さすべてが刀を媒介にしてくの一の脳天を直撃し、 頭の先から彼女の胃腸あたりまで一直線に刺し貫いた。 悲鳴もあげず、逃げ場のない衝撃に股を大きく開きながらその場に崩れ落ちる。 彼女の奇異な行動の原因――「尿意」を我慢する力も失われたのか、 黄色い水が勢いよく褌を濡らしながらジョポポと滴り落ちる。 時雨丸は刀を支点にゆっくりとほとんど音もたてずに地面に足をつけた。 もし、くの一の脳天を貫いた時に少しでも刀に横への力が加わっていれば折れてしまっただろうし、 腕から全身にくる強い痺れのような衝撃に常人なら身体がどうにかなってしまっただろう。 まさに超人の業、神業であった。 くの一は絶命せずに、いまだカクンカクンと全身を揺らしている。 大股開きでたわわな乳房をブルブルと揺らしながらビクついている様はどうにも卑猥であった。 時雨丸はただただ冷静にくの一の首に腕をまわすと、ゴキンッとひねり折る。ついに死を迎え痙攣がとまる。 彼女の股が開ききるような形で地面に押さえつけ、ゆっくりと刀を引き抜く時雨丸。 血がくの一の頭頂部からピューと噴き出すが意に介さない。 二人目を倒した時のように刀についた血と脂をくの一の胴衣で念入りに拭き取ると、 蔵にいるくの一を倒すべく、気配を殺しながら近づいた。 504 :名無しさん@ピンキー:2006/10/26(木) 04:21:14 ID:9JyFuRar 4. くの一が二人、立ったまま抱き合っている。 女の象徴である豊かな乳房と乳房が触れあい、押しつぶされグニャリと形を変えている。 彼女たちの両手は、興奮で火照った互いの身体をまさぐりつづけていた。 まわりには少し埃のかぶった箱や仏像など整理はされているものの統一感のない物があふれかえっており、 なかには値打ちの品ではないかと思われるものもいくつかある。 そう、彼女たちが睦みあっているのは時雨丸が倒したくの一が見張りをしていた蔵の中であった。 耳をすませば荒く、いやらしい二人の息遣いが蔵から洩れ聞こえてくる。 狐の面は外していない。それが彼女たちのまぐわいを妖しく、まるで物の怪が抱き合っているように錯覚させる。 昂揚がついに一線を越えさせたのか、はたまた自分達には誰も敵わぬという油断のあらわれか、 一人は相手の褌を、もう一人は相手の胴衣を荒々しくはぎとるように脱がせる。 「ハチッ」「ロクッ」 互いに何かを確かめ合うように相手を呼ぶくの一。 ハチと呼ばれた胴衣を脱がされ褌だけのほとんど裸に近いくの一は、 抱き合うロクと呼ばれたくの一の褌がとれ剥き出しになった股間に、優しく指を這わせた。 「ハァァンッ」という嬌声とともに肉体をくねらせるロク。 負けじとロクはハチの乳房を揉みしだきながら親指で彼女の勃起した乳首を擦る。 「イヒィィィッ」ハチはその敏感な部分への刺激にたまらずよがり声をあげる。 ハチにロク……彼女たちの「仕事」の時に使われる名である。平時では生まれた時につけられた名を名乗るが、 こういった「仕事」の場合には足がつかぬように数字や月の名、十二支などで互いを呼び合うことにしているのだ。 ただし混乱を避けるため、抜けたり死んだりして欠番がでるまで最初に与えられた呼び名がずっと使われる。 ハチとロクも彼女たちが長く使ってきた名であり感極まって互いを呼んだのもその名に愛着がわいていたからであった。 505 :名無しさん@ピンキー:2006/10/26(木) 04:31:43 ID:9JyFuRar くの一たちは立っていられなくなったのか、ペタンッとその場に座り込むと、より激しく責めあう。 ロクはハチの手でその秘め所をひたすらにいじくられていた。 指を突き入れられ蜜壷をかき回され、ヒィィヒィィッと喘ぎ声をあげつづけている。 陰核をつままれた時には、よりいっそうの乱れた声で悦びを表現する。淫汁がとめどもなくあふれ、床を濡らしていく。 ロクも責められるままではない。片手で崩れのないハチの豊かな乳房を優しく揉みながら 面をずらして口元を出し、そのの乳首を舌で舐め、口に含み、母のお乳をねだる子のように吸っている。 「ハフゥゥンッ、あ、強く噛まないでぇ……フヒィッ」 ハチもその快絶の悦びに白褌を秘部から流れ出る淫らな蜜でしめらせていた。 彼女たちが乱れお互いをむさぼりあう姿を蔵の入口から表情一つ変えずに冷静にみている男が一人、時雨丸である。 見張りのくの一を倒し、気配を断って近づいた結果がこれであった。 彼女たちの痴態に呆れ果てていたが、時雨丸にとって労せず殺せるにこしたことはない。 時雨丸はこの状態からの反撃は考えられないと蔵の中に入る。 その時、「ハァァァァァッァァンッッ」と長い淫らな絶叫をロクがあげた。プシュゥゥと勢いよく膣から潮を吹く。 ロクはハチの股間への執拗な責めに耐え切れず、ついに絶頂を迎えたのである。 少し遅れて、くの一たちの真横に立った時雨丸が足が高くふりあげたかと思うと、 そのままロクの首に踵から落とし、強烈な一撃を延髄に叩き込んだ。 グキッ、ブチンッ 首の骨が折れハチの股間に顔を埋めるかのように倒れ絶命するロク。 身も心も快楽に委ねてしまっていたロクは死ぬ寸前まで時雨丸の気配を感じ取ることはできなかった。 骨の折れる音ともにしたなにかを引きちぎるような音の正体、 それはロクが咥えこんでいたハチの乳首が時雨丸の踵落としの衝撃で噛み千切られた音であった。 506 :名無しさん@ピンキー:2006/10/26(木) 04:33:07 ID:9JyFuRar 「ハギィィィィッ」敏感な乳首への痛みに悲鳴をあげるハチ、 乳首があった場所からは白いお乳ではなく、赤い血がドクドクと流れていく。 時雨丸はハチの背後で腰を落とすと彼女の耳元で囁くように問いかけた。 「さて、と。眼の前のお仲間のように死にたくなかったら答えてもらおう。お前らは……何人いる……」 「ロクゥッ、ロクゥッ……」 痛みがおさまってきたのか、ロクが殺されたことが信じられないのか。死んだくの一の名を連呼するハチ。 答えのないハチに少し苛立ちを感じたのか、乳首のとれていない左乳房を後ろから強く揉みしだく。 柔らかく大きな乳房がいやらしげに形を歪ませる。 「い、いたいぃっ……いたいよぉっ……」 「なら、答えろ。お前らは何人いるんだ」 「し、知らないよ……お頭しか人数なんて把握しちゃいない……」 その言葉に嘘偽りはないようだった。 「なら……大体でいい」 「い、いったら助けてくれるのかい」 忍は死しても口を割らず。忍の心得のいろはであるが、どうやらこのくの一たちには通じないようだ。 「ああ、正直に答えたら命までは奪わん、約束しよう」 「し、信じるよ……二十くらいかねぇ……三十はいってないのは確かさ」 このくの一で七人だから、最低あと十三人は倒さないとと頭の中で計算する時雨丸。 507 :名無しさん@ピンキー:2006/10/26(木) 04:35:16 ID:9JyFuRar 「他の奴らは今どこだ……」 乳房から彼女の細い顎に手をやりながら、次の質問をする。 「知らないよ……お頭が適当に組をつくってその組で行動するんだ」 「……この組はお前で最後か」 「あ、あと二人いるよ…」 「どこに?」 「さぁっ……知らないね……いやお楽しみ中かもね。一人生かしておいたし……」 その言葉に時雨丸は強く反応する。気がかりなことがあったのだ。 彼女たちがあれだけ悶え声をだしても、蔵のあるこの屋敷から誰も顔を出さないのだ。 「まさか……」 「……フフフッ。そうだよ、屋敷の奴らは今ごろ三途の川を渡ってるさ……  ただ、娘っ子は一人生かしておいたんだよ。だからまだ生きてるかも……」 彼女たちが安心しきって性行為に没頭していた理由が時雨丸にやっとわかった。 すでに屋敷に生きている者がいなければ何をしても咎められることはない。 そして次の行動に移っていないことから、 彼女たちの組の今日の「仕事」はあとはこの蔵や屋敷内からめぼしい物を盗み出すだけだったのだろう。 「生かした娘は今どうしている……」 「あとの二人がネチネチといたぶり殺すのが好きなのさ、あたしゃ理解できないがね。  ひとおもいに殺るのが綺麗なやり方ってもんさ……ヒヒッさぁ、娘を助けたきゃさっさと行った方がいいんじゃないかい」 下卑た笑いを漏らすハチ。もう彼女の頭の中にはロクの代わりになる女をどう探すかでいっぱいだった。 間に合うか。そう心の内で焦る時雨丸。この場で彼がやることは眼の前のくの一、ハチの始末だけとなった。 508 :名無しさん@ピンキー:2006/10/26(木) 04:47:50 ID:9JyFuRar 「さて、もう少し色々聞き出したかったが、時間がないようだ」 「そうそう、さっさと行きな。娘っ子がまだ生きてりゃいいがねぇ……」 ハチは時雨丸が焦っていることが面白いのか、ふざけたような口調でいう。 「……お前は忍というものを勘違いをしている」 急に冷たくとがった氷を思わせるような低い声で時雨丸はハチにいう。 「なんだってんだい……ああ、そうか何でもペラペラ喋っちまうあたしが忍の風上にもおけないってんだね」 そうイラつくようにいう。忍の掟に嫌気がさし抜け忍となって路頭に迷っていたおりに、 今のお頭に拾われたハチにとってはそんな決まり事はどうでもいいことだったのだ。 「違う……」そう、即座に否定する時雨丸。 「じゃあ、何だってんだい」 「忍は武士ではないということだ。目的の為ならば手段を選ばん、まして悪党との口約束など守る必要などない……」 その言葉の持つ意味……少しの間をおいてハチにもようやく理解できた…… 「ヒィィッ、嘘だろう……何でも答えたじゃないか……ね、ねぇ殺さないでおくれよ」 時雨丸は逃げられないように、乳房が圧力でつぶれてしまうのではないかと思うほど強く胸元に腕をまわす。 もう片方の自由な手で懐から苦無を取り出し、 ハチのお尻の割れ目から背骨にそってスゥゥッと軽く薄皮を切り裂きながら彼女のうなじが艶かしい首元まであげていく。 身体をガッチリと固定され、徐々におのれの身体を切り裂きながら、上へ上へとあがっていく苦無に、 今まで一度も体験したことのない恐怖を感じるハチ。 チョロチョロッ、恐怖で我慢がきかなくなったか黄金色の水がハチの褌の隙間から漏れ出て、 彼女の股間に倒れこみ事切れていたロクの顔面を濡らしていく。 「いや、やめとくれやめとくれぇっ!」 時雨丸は悪党の命乞いに聞き入れるほど、甘い心など持ち合わせておらず、また殿の命令は絶対であった。 ズブッ ハチの盆の窪に深々と苦無が突き入れられる。 狐面でその表情はわからないが恐怖と痛みでゆがみきっているのは間違いなかった。 お尻を浮かせるようにビクンビクンと数回はねた後、股をいやらしくひろげたままの姿で事切れた。 時雨丸は動かなくなったハチをそのままにすぐさま立ち上がると、娘の無事を祈りつつ屋敷にむけて走った。 509 :クレイバンの人:2006/10/26(木) 05:02:03 ID:9JyFuRar 一応、今回は以上です。 考えたらもう400kb超えてるんですね。 すごいスピードだなぁ。三ヶ月とちょっとしか経ってないのに。 ひょっとしたら悪の女をつかまえてスレの次スレ移行よりもはやく、3にいくかも。 510 :名無しさん@ピンキー:2006/10/26(木) 15:50:50 ID:bZUOk3kG エロスはいいのだが狐面付けっぱなしだから激しくシュールな絵になる罠。 残り13人をどう始末するのか楽しみッス! 511 :名無しさん@ピンキー:2006/10/26(木) 17:48:33 ID:JtF96Nc6 命乞い無視というあたり、エロすぎます。GJ! 512 :名無しさん@ピンキー:2006/10/26(木) 22:35:39 ID:XU4vIqvT う〜〜ん、クレイさんお得意のエロ+必殺風屠りが何時にも増して栄える作ですね。 褌最高! >>510 絵はもう某所にあるでよ。 513 :名無しさん@ピンキー:2006/10/27(金) 17:47:42 ID:FR37l5Qd ふてん丸の視界は大きな尻で埋まっている。 「何故こんなことに」などと考えても仕様が無い。 逡巡は非生産的で無意味な試みだ――ずっと昔に教わったことが脳裏を過ぎる。 このままではこの女の淫らな技の虜になってしまう。なんとかして状況を打破せねばっ。 あいも変わらず動く様子の無いあしもの背を見ながら打開策を練る。 (彼女を殺さないのは俺の様に愉しんでから殺すと決めているからなのか) よく見ると血の筋があしも首の辺りを流れている。惨いことだ… 「何を考えても無駄よ。用が済んだら噛み千切って真っ青にしてやる…」 ふてん丸の男根を咥えながら器用に喋るうづき。 「……考えるとも。このまま一方的にしゃぶられる俺ではないぞ!」 考える時間を邪魔されたふてん丸は8割方ヤケクソ気味に"考えていた策"を前倒しで実行した! 「は?…わっ。わわっ」 むにゅう。うづきの丸いお尻に何かが当たる。生暖かくてちょっと気持ち悪い感触がする。 両腕は封じているはず…そう思ったうづきだがすぐに答えが出た。 「むぅ、この甲羅の裏にうづき殿の本丸があるのでござるな?」 自分の尻から声がする。そしてそれはふてん丸の声――彼は上体を僅かに起こしてうづきの尻に顔を埋めていた。 これまた器用に舌を出してうづきの女を覆っている外骨格を舐める。ちょっとだけ汗の味がする…ふてん丸はそう感じた。 「な、何をするだァーーー!?」 うづきが微妙に困惑しているのが分かる。 「いやいや、まだ始まってはおらんぞ、うづき殿。これからナニを始めようではないか」 「噛み千切っちゃってもイイっての?」 「俺は最初に『やらぬか?』と聞いた筈。なのに俺だけ快楽の坩堝にはめようとは人が悪い」 そう言いながら頬で尻に挟まれる感触を味わいつつ舌で外骨格の目ぼしい点を集中的に苛める。 「んっ」とうづきが反応した。歯を立てられるのではないかと一瞬だけ思ったふてん丸だったが、幸いにも咥えられてない模様… 「お返しに奉仕してやるでござる。ふふふ。」 下卑た笑みを最後に、舌なめずりに精を出すことに専念しだすふてん丸。 うづきもそれを受けて「ふふふ…」とこちらも何かを含んだ笑み。 「なら腕だけ放してあげる……言っとくけど余計なことしたら直ちにちょん切るわ―――よっ?」 警告を発するうづきを無視してふてん丸は自由になった腕で彼女の美脚を持ち上げた。 うづきは反射的にふてん丸の腰にしがみ付いて――半ば逆立ちに近い姿勢になった。 座っているような姿勢のふてん丸の眼前には先ほどよりもより淫口に近い位置の甲羅が広がり、 逆さまになったうづきの前にはふてん丸の力強い腰つきと怒張した逸物が変わらずそこにある。 奇妙な体勢で二人は互いの敏感な部分を舐め始めた… 514 :名無しさん@ピンキー:2006/10/27(金) 21:45:06 ID:7sWKUDHm おお、ふてん丸の反撃キタコレww どんな策を見せてくれるのか楽しみ。期待してますぜ! 515 :名無しさん@ピンキー:2006/10/27(金) 22:58:37 ID:Mukhd4/v ジョジョ1部ゲーのクソっぷりに泣いた。 何を作るダァー!許せんッ! 516 :名無しさん@ピンキー:2006/10/29(日) 15:35:07 ID:dZejru2C ちょっとすいません、いまクレイさんにあげるナイメス様の絵描いてるんですが、 イメージがいまいち反映できなくて困ってます。 誰でもいいので絵掲でご意見下さい。 http://w5.oekakibbs.com/bbs/akujolove/oekakibbs.cgi?mode=res_msg&resno=62&author=0&thumb=0&picwid=467&pichei=600&thisfile=62.jpg 517 :名無しさん@ピンキー:2006/10/30(月) 14:47:17 ID:ACIbNpPJ >>516 おおナイメス様。クレイバンストーリーの中では今のところ一番濃いキャラ ではないかと思ってます。 …にしても凄まじい爆乳ですな。 恐れ多い事ながら……乳が大きすぎて胴が極端に短く見えるのが難点かと。 518 :名無しさん@ピンキー:2006/10/31(火) 02:36:46 ID:qsgAf2+J >>517 すいませんw 上から見下ろされてるアオリを目指したんですが、 けっきょく塗ってもその感じは出せませんでした。おれ下手スww へたれな出来ながらも一応完成し、絵掲にうpっておきました。 ご協力頂いた皆様、誠にありがとうございましたm(__)m 519 :名無しさん@ピンキー:2006/10/31(火) 22:14:18 ID:MXbK8QOX ageる! 520 :天上戦機−ヤマト−:2006/11/01(水) 02:47:51 ID:0eAY2Rrf ハァッハァッッと、荒い息づかいが聞こえる。ここは広い庭を持った大きな屋敷、耶麻斗が住む旧家である。 「ウズネ……先…生…」 耶麻斗が、先日激闘を繰り広げたウズネを思い出しながら、勃起したおのれのイチモツを必死にしごいていた…… −−−−−−*−−−−−−*−−−−−−*−−−−−−*−−−−−− クラスメイトを皆殺しにし、高校を半壊させた闇王国オーパのウズネ。 彼女は病気で休職した(実はすでに殺されていたのだが……)教師の代理として赴任した。 体育館の壇上に立ち着任の挨拶をするエキゾチックな顔立ちに褐色の肌を持つウズネ。 歩くたびに揺れる豊かな胸、形のよいなお尻にキュッとしまった細い腰、 そして、そんな抜群のスタイルを隠そうともしない、 ボディラインがはっきりわかるタイトなスーツを着込んだ彼女は「宮上ウズネ」と名乗った。 彼女をみて男子生徒は狂喜乱舞し、女子生徒は「大人の女」を強調する彼女に嫉妬と羨望の眼をむけた。 耶麻斗も妖しい色香を漂わせるウズネを見てドギマギしていた。 挨拶を終え椅子に座っても、しつこく彼女を見ていると目が合った。 優しげな微笑を浮かべるウズネ。みつめていたことがバレたと思いヘラヘラと笑ってごまかす耶麻斗。 あとで殺し合い、そして童貞を奪われることになるとは知る由もなかった。 次の日からの授業は男子生徒にとっては天国だったろう。 夏であったためか、ウズネの服装が集会の時よりもはるかにいやらしくキワドくなっていたからだ。 ブラウスのボタンをとめず、大きくはだけた胸元。そこには柔らかそうな双丘によって深い谷間ができている。 それに加えてスリットの入った超ミニスカートを履いているとなってはもうたまらない。 ウズネが授業を行っている間、男どもの飢えた狼のような目は彼女の身体に釘付けになっていた。 耶麻斗も例外ではない。ただ、よくウズネとは目が合った。目が合えば微笑んでくれる。 一度、黒板に解答を書かされたことがあったが、ウズネがつけている柑橘系の香水の匂いを嗅げて嬉しかった。 もちろん、目が合うのは観察されていたためだが、 闇王国オーパと「戦う」意味をいまだ十分に理解していない耶麻斗に、そのような策謀を見抜く力などなかった。 521 :名無しさん@ピンキー:2006/11/01(水) 02:49:17 ID:0eAY2Rrf ウズネが赴任してから二週間ほどたった後、ある噂が学校に流れはじめた。 ある生徒曰く「ウズネ先生が特別授業といって性のお勉強をさせてくれる」 またある生徒曰く「ウズネ先生は二人きりになれば、頼めば身体をいくらでも触らせてもらえる」 同時期に、この学校で生徒の行方不明事件が数件発生していたのだが、 ウズネに熱をあげていた耶麻斗は、気にもとめていなかった。 ある日の授業中、忘れ物をしたから準備室までとってきてとウズネに頼まれた。 名前を覚えてもらっていたこと、そしてわざわざ指名されたことで耶麻斗は舞い上がった。 耶麻斗が戦機鎧アマツを召還装着するには戦機剣クサナギが必要である。 普段はいついかなる時でも竹刀袋に入れてクサナギを持ち歩いている。 他の学生からは奇妙に思われることもあったが、祖父の形見だと適当な嘘をつきごまかしていた。 たとえ体育の時でさえ、常に目の届くところにおいてある。 いつものように竹刀袋を持って教室をでようとした耶麻斗に、 それを持っていてはとてもじゃないけど持ってこれないとウズネが呼び止めた。 「いいカッコ」をウズネにみせつけたい耶麻斗は少し逡巡した後、教室にクサナギを置いて飛び出した。 背後で耶麻斗を見送るウズネが凶々しい笑みを浮かべたが気付かない。 522 :名無しさん@ピンキー:2006/11/01(水) 02:51:43 ID:0eAY2Rrf 荷物を抱えて帰ってきた時、ウズネは竹刀袋の紐を解き、布にくるまれた直刀をウットリと眺めていた。 「何してるんですか先生。それは僕のものですよ。大切なものだって言ったでしょう」 耶麻斗が荷物を両手に帰ってきた時、 勝手に刀を、それもオーパとの戦いにはなくてはならぬ超古代文明の遺物を触っていたウズネに憤った。 「フフフ、そうよね。これがなきゃ戦機鎧を装着できないもんねぇ」 さっきまでの優しい笑みではなく、いやらしく邪悪な笑みを浮かべるウズネ。 「えっ」 何故、戦機鎧なんて言葉が出てくる?耶麻斗の疑問の答え、それは一つしかなかった。 「そう、私は先生なんかじゃない。あなたの敵、闇王国オーパの戦闘隊長ウズネよ」 「なんだって……」ショックを隠せなかった。憧れの先生が敵だったことが信じられなかったのだ。 そんなやりとりをポカーンとクラスの生徒たちは聞いていた。 現実離れした単語の連続に、演劇か映画かと思いキョロキョロとカメラを探すものまでいた。 「先生ごっこ楽しかったわ。若くて生気のみなぎった少年達のエキスもたっぷりいただいたし」 闇王国オーパの民は外見は現在の地球人とほぼ同じだが、彼らの食料は地球人とは異なり「精気」である。 吸精鬼とも呼ばれる彼らは、性行為はじめ様々な方法で人間はじめ動物からエネルギーを奪うのだ。 奪われたものは程度にもよるがほとんどが衰弱死してしまう。 「残念だけど、それも今日でおしまいね。ホントは全員食べちゃいたいんだけど、  そんなわけにもいかないし……そうだ、みんなにこれまでのお礼にごほうびをあげちゃう」 ウズネはあっけらかんと、本当に素敵なプレゼントがあるかのようにいった。 523 :名無しさん@ピンキー:2006/11/01(水) 02:55:43 ID:0eAY2Rrf 何をしようと考えているかわかった耶麻斗はクサナギを取り戻そうとウズネに駆け寄った。 彼女に辿りつく前に空中に突如現れた直径50cmほどの球状の闇空間から、 ウズネは黒緑色の凶々しい直刀を召喚し、それを手に取った瞬間、間髪入れずに横に薙いだ。 「そぉれっ」「やめろぉぉぉ」二つの声が重なる。 刹那、横に薙いだ刀から黒く光る刃が発生し、机や椅子とともにクラスの皆の胴が真っ二つに両断され、 それでも勢いはとまらず、コンクリートの壁に深く亀裂が走った…… 一瞬にして絶命したものがほとんどだったが、下手に腰あたりを薙ぎ払われたものは、 内臓がグチャグチャと飛び出し、死に少しずつ近づいていくおのれを認識して悲鳴をあげ、呻いていた。 「あ、あ、あああああああっ」絶望の声をあげる耶麻斗。 「どう、気に入ってくれたかしら。本当は一人ずつ美味しくいただきたかったんだけど、誰かさんが急かすから」 口の端を歪ませ、愉悦に満ちた表情でウズネは耶麻斗を挑発した。 「悲しいわねぇ。二週間そこそことはいえ教え子たちが死んでいくっていうのは…あはははっ」 心にもないことを言いながら、ウズネは左手でクサナギを抱えたまま、右手で黒い剣を耶麻斗にむける。 「耶麻斗君、そんなに悲しまないで。すぐに皆と同じあの世に送ってあげる」 そういって、斜めに切り払うように黒光りする剣を振る……襲い掛かる光の刃。 ジュオオオンッ! ウズネの手にあったはずのクサナギが急に意思があるかのようにその手から逃れ、 耶麻斗の前方でまるで盾のように空中で静止した。 ウズネの放った光刃がクサナギに吸収されるかのようにかき消える。 ボロッ クサナギを覆っていた封印布が解かれ、見事な意匠をほどこした青銅色の直刀が姿をあらわした。 「なんで……」 「……師匠がいってた。クサナギは生きているって。いつも資格者を探しているんだって。  僕は何度か戦機鎧を装着できた。けど、いつも偶然だ。多分、僕が戦いたくないって思っているから。  けど、今からは違うよ。僕は戦う…ウズネ先生……いやウズネ、お前ら闇王国オーパを絶対に許さない!」 クサナギはついに真の資格者として認めたのか、自然に耶麻斗の手に納まった。 524 :名無しさん@ピンキー:2006/11/01(水) 02:56:33 ID:0eAY2Rrf 「チッ」 クサナギという神剣の比類なき霊力を知っているウズネはこのままでは形勢不利と考えたか 教室の三階の窓を蹴破って外へ勢いよく飛び出た。 「マガツヒィィィッ」 落下する間にウズネは闇王国オーパの凶機鎧を召還する。 瞬間、空中に黒く禍々しい球状の物体が現れたと思うとウズネを飲み込んだ。 ウズネの着ていた服がバラバラにちぎれとび、コールタールのような黒いドロドロとした液体が 彼女の褐色のグラマラスボディに張り付きボディスーツを形成する。 その後、彼女の身体を深紫色の鎧「マガツヒ」が覆っていく。 各部位の装着時に愛撫されるような快感がウズネの身体をかけめぐり、闇の中で恍惚の喘ぎを漏らす。 ガチャンッ、地上にの降り立つウズネ。現実世界では凶機鎧の装着に一秒もかかっていない。 「さぁ、降りてきなさい耶麻斗。決着をつけましょう」 耶麻斗も望むところだった。 「アマツ召喚!」 ウズネを追うように三階の窓から飛び降りながら耶麻斗は叫ぶ。 神々しい光が耶麻斗の全身を包む。 学生服がかき消え、耶麻斗を包み込んでいた光が、 耶麻斗の高校生にしてはかなり鍛え上げられた身体にまとわりつき白いボディスーツとなる。 そして白銀色にきらめく戦機鎧「アマツ」が装着されていく。 身体のすみずみまで清められ浄化されるような感覚が耶麻斗の全身をかけめぐる。 地上に降り立ちウズネと対峙する耶麻斗。 そして……戦いが、耶麻斗にとって忘れられぬ戦いがはじまった…… 525 :名無しさん@ピンキー:2006/11/01(水) 02:58:13 ID:0eAY2Rrf −−−−−−*−−−−−−*−−−−−−*−−−−−−*−−−−−− 「ウズネッ……」 どんどんと耶麻斗のイチモツをしごく勢いが強まっていく。 クラスメイトを殺したウズネのことは憎かったが、 ただ憎いだけでは片付けきれぬ複雑な感情を耶麻斗は持っていた。 彼女は憧れの先生であり、童貞を奪った相手なのだ。無理もなかった。 破れたボディスーツがいやらしかった。勃起して固くなったチンポをつまんだ彼女の手がヒンヤリして気持ちよかった。 彼女の蜜のしたたるアソコは想像したよりもはるかに締め付けてきたし、暖かかった。 いやらしい喘ぎが今でも耳にこびりついている。何より目に焼きついているのはウズネが逝く瞬間だ。 黒い戦機鎧を装着した男にウズネは空中から放り投げられた。 そして、黒い戦機鎧の翼で…翼で…顔を埋めた、両手で揉みしだいた、彼女の柔らかな爆乳が切り裂かれたのだ。 最後の喘ぎのような悲鳴と相まって、耶麻斗を興奮させた。 もう二度とウズネの身体を味わえない、『もったいなさ』 そんな昏い欲情を抱きつつ、耶麻斗はついに絶頂に達し白濁の液を空中に飛ばした…… 526 :クレイバンの人:2006/11/01(水) 03:05:10 ID:0eAY2Rrf >>93-98の続き?を投下します。 やられがないのでかなり微妙だとは思いますが、 >>93-98と一緒にお楽しみいただければ幸いです。 実は耶麻斗が青臭い自慰をしている間、 そんなバカで油断している耶麻斗を守るための暗闘が、 外で繰り広げられているという構想があるので、 それもいつか文章にしたいと思っています。 527 :名無しさん@ピンキー:2006/11/01(水) 03:16:18 ID:lf5uhFQc 耶麻斗……わかるわかるその感覚w 急に断ち切られた想いってのはいつまでも忘れられないもんですね。 ある意味、ここの人の殆どが味わった経験では。 私なんか餓鬼の頃、女性の悪役を好きになるたびそんな思いしてましたしね。 クレイさんGJです。 528 :名無しさん@ピンキー:2006/11/02(木) 20:53:12 ID:VNxijVky なんか他人事と思えんw <耶麻斗 このもやもやした葛藤がやられ好きの基本だよなあ、と思いますた 529 :名無しさん@ピンキー:2006/11/03(金) 20:22:21 ID:JXzYfBoY そろそろ430KBなので早いが次スレのテンプレ叩き台つくってみた。スレタイからは「強い」を抜いた。 「悪の女をつかまえて」はこれが次スレいくときは、あっちも新スレになっているだろうから差し替えってことで。 1は(常にみることになるし)長いのもなんなんで、次からは2レスで構成するのはどうだろうか。            1レス目 【戦闘】悪の女戦士を屠るスレ 3【やられ】 悪の組織その他、悪辣な女悪役が、 正義役に屠られるってのが基本ライン。 ・創作/二次創作、どちらも歓迎。ただし実在人物はNG。 ・エロ・グロ表現の有無・程度は書き手の任意。 ・スレタイは「屠る」となっていますが、  屠るかどうか(死 or 戦闘不能)も書き手次第。 ・雑談や感想レスなど、書き手が投下しやすい環境を心がけましょう。 ・特殊属性につきsage推奨。 ◆前スレ 【戦闘】強い悪の女戦士を屠るスレ 2【やられ】  http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1152028736/l50 ◆まとめサイト・絵板 強い悪の女戦士を屠るスレ まとめblog   ttp://akujolove.blog74.fc2.com/  † 強い悪の美女を屠る絵掲 †   ttp://w5.oekakibbs.com/bbs/akujolove/oekakibbs.cgi            2レス目           ◆歴代スレ  1:★強い悪の女戦士を屠る創作スレ★      http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1112600419/  2: 【戦闘】強い悪の女戦士を屠るスレ 2【やられ】     http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1152028736/l50 ◆姉妹スレ 悪の女をつかまえて      http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1080476860/                    悪の女との「えっち」がメインの場合はこちらに。 悪の女をつかまえて INエロゲ板    http://idol.bbspink.com/test/read.cgi/hgame/1152888591/l50                    悪の女が登場するエロゲに関してはこちらで。 530 :名無しさん@ピンキー:2006/11/04(土) 00:21:20 ID:h4dOg4Im >>529 乙!たしかにもう「強い」を入れる必要は無いよな。 でも連載作を見てると単体が強力、というネタが増えてきてる気がするから不思議。 再開マダー? 531 :名無しさん@ピンキー:2006/11/04(土) 02:45:16 ID:+zdqAz3X > 俺達はヒソヒソと言葉を交わしながら、家具屋の店先に突っ込んで止まっているバスを見た。  地上に出ればあちこちにたむろしている邪神兵にたちまち見つかるだろうが、バスで逃げてしまえば関係ない筈だ。  共同溝出口からバスまで、ざっと見積もって百メートル。全員で走れば二十秒、バスを道に戻すのに十秒。  三十秒だ。三十秒の間、邪神兵をバスの近くから引き剥がすだけでいい。俺は覚悟を決めた。 「……わかった、俺が三十秒だけ囮になってやる。その間に何とかしろ」 「やってくれるか!?」 「頼んだぞ!」  皆の声を背に受けて、俺は銃を構えて飛び出した。 「おいこら偽モコスども! こっちだ!」  通りを彷徨っていた邪神兵が、俺に気付いて駆け寄ってくる。バスからだいぶ離れた所で、俺は振り向きざまに発砲した。  ――ドゴォッ!  通常の銃では考えられないほどの音が響き、やや遅れて悲鳴が上がる。 「あうっ、ふぐうぅんっ!」  目の前にぱっと白い血の華が咲き、撃たれた邪神兵がのけぞった。吃驚した、すぐ後ろに追いつかれていたとは。  至近距離からの一撃で右の乳房を吹き飛ばされた彼女は、ぶるんと露出した左の乳を地面に叩きつけるようにして倒れた。  続いて走り寄った新手の顔面を狙って撃つと、首から上が綺麗になくなった。物凄い威力の銃だ。  彼女は首なしのまま惰性でバタバタと俺に走り寄り、白レオタに包まれた豊満な胸を俺にぶつけてからひっくり返った。  次に来た邪神兵の腹部を撃つと、「うっ」と呻いて体をくの字に折り曲げ、長い青髪を振り乱しながら地面に転がる。  ここまでが25秒。もうバスが動き出している頃だろうと思い、銃を構えながら家具店のほうを見た。  だが、バスは相変わらず店先に突っ込んだままだ。セルモーターがギュルギュルと情けない音を立てるだけで、一向に動こうとしない。 「どうした、急げ!」バスに怒鳴ると、運転席のモヒカンが怒鳴り返した。 「大変だ、エンジンがかからねぇ!」 「何だと!!」  俺は慌てて周囲を見渡した。俺に向かってくる邪神兵の数は時間と共に増え、向こうの通りや別の区画からもどんどん集まってくる。  マガジンは空なのにリロードする暇さえない。今の俺はさながら、スミスに囲まれたネオだ。 「ちえぇぇぇぇぇい、仕方ない!」  俺は僅かに残った触手を総動員し、地面に倒れて死んでいる邪神兵の足を絡めとった。  そして鎖鎌並みに振り回し、雲霞のごとく襲い掛かる邪神兵を片っ端からぶっ飛ばす。 「オーラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァ!」 「ひぎっ!」 「ぐひぃ!」 「げっ!」 「ふぶぅっ!」 532 :名無しさん@ピンキー:2006/11/04(土) 02:46:27 ID:+zdqAz3X  首をねじられ胸を打たれ腕を飛ばされて次々と宙を舞う邪神兵で夜空が見えなくなったとき、ようやく始動音が響いた。  俺にとってはこの時ほど、バスのエンジン音が有難く聴こえたことはない。 「坂下ーーっ、乗れーーーーッ!」  窓から首を伸ばして叫ぶピザ男が、救いの天使に見える。ずいぶん汚い天使もあったものだが、まあいい。  と、バスの後部が出し抜けに吹き飛んで外れた。  中の黒BDどもが発破をしかけ、俺を乗せやすく、また後方を攻撃しやすくしたらしい。 「おい、エンジンまで飛んだらどうする気だ」駆け寄りながら叫ぶと、うちの一人がしれっとして答えた。 「なあに、そん時はそん時だぁ」マジかこいつら。 「ところで、なんでまだそんなもん下げてるんだ?」  言われて気づくと、俺は邪神兵の死体をまだ触手で持ったままだった。  彼女は仲間に打ち付けられて上半身がなくなり、既に中の機械もバラバラになっている。  そおっと地面に向けて離してやると、彼女はバウンドしながら夜の闇へ流れていった。 ***  バスの後部に仁王立ちになり、俺は追いかけてくる敵に備えた。  最初は余裕で逃げ切れるかと思えたが、バスがカーブや放置車両をよけて減速するにつれ、 次第にそれは甘い考えだったと思い知らされた。  邪神兵は暗闇の中から赤い目を光らせ、たちまち接近してきてバスの灯りに照らされる。  青い髪をなびかせて俺をはっしと見つめ、物も言わずにバスとほぼ同じ速度で追いすがってくる彼女たち。  ついさっき俺にあんなに手ひどくやられても、それでも彼女らは諦めないのか。  その姿は単に俺の肝を冷え固めるだけではなく、一種の究極美による陶酔を与えた。ぶっちゃけ美しすぎて怖い。 「何やってんだ、撃て!」  ピザ男に怒鳴られて俺は反射的に引き金を引き、バスに乗り移ろうとしていた邪神兵の頭を吹き飛ばした。  首を失った体だけがのけぞり、バウンドしながら後方に流れていく。それを皮切りに、恐怖の逃走劇が始まった。  両手二丁撃ちの俺は一人、二人と走ってくる彼女らの頭を、或いは胴体を撃って風穴を開け、転倒させて引き離す。  中には腕が取れたり、首がもげかけたまま走ってくる邪神兵もいる。 「足だ、足を狙え!」  金髪のオールバックが俺の横でAK47を乱射しはじめた。と思ったら連射を続ける俺の股下からRPGがにゅっと伸び、 後ろの奴に注意もしないまま発射した。追いかけてくる邪神兵の群れが炎に包まれ、一瞬遅れて吹き飛ぶ。 「イイィーヤッホーウ、やったあ!」  発射した一見真面目そうな男は興奮して急に立ち上がり、ついでに俺の股間へ頭突きを食らわせた。「ひでぶ!」  睨みついでにバスの中を振り返ってみると、RPGのバックファイヤで窓ガラスはすべて飛び、全員がひっくり返っている。 「お前なあ、場所考えて武器使え!」 「あれえ? MGSでもバイヲでも後ろの人は大丈夫だったんだけどな」  これだからゲームしかしない奴は困る。更に文句を言おうとした俺の目に、とんでもない光景が映った。  後ろに遠ざかる炎を通り抜け、あるものはジャンプし、さらに追撃の邪神兵が来る。 「おまいら寝てんじゃねー、まだ来るぞ!!」 533 :名無しさん@ピンキー:2006/11/04(土) 02:50:49 ID:+zdqAz3X  叫んでハンドキャノンを構えなおし、狙いをつけかけて俺は度肝を抜かれた。  なんと彼女らは、今度は道の両側にあるビルの壁を斜めになりながら走ってくるのだ。  大きな胸と尻を揺らし、すらりと伸びた脚を覆うブーツのヒールをコンクリの壁にひっかけ、全速力で接近してくる。  それも一人や二人ではない。バスの後ろはあっという間に、道も両側のビルも邪神兵で埋め尽くされた。 「がああっ、ありえねぇ事しやがって!」 「大丈夫だ、脚さえ狙えば他の奴も巻き添えで転ぶ筈だろ!」  弾の尽きたAKを投げ捨て、金髪が今度はMINIMIで掃射をはじめる。しかし、彼の目論見は見事に外れた。  弾幕で脚を引き千切られた壁走り邪神兵はそのまま四つん這いになり、速度を落とすことなくザカザカ這いずってくる。 「これはひどい! 確かに〃強い悪の女を屠りたい〃とは言ったが、こりゃ強すぎだろ! しかもきめぇ!」 「しまった、そういえばスレタイに〃美しい〃って入れるのを忘れたぞ!」 「あーもう、うるせ! 気に入らんなら黙ってPOMれ!」  もはや恐慌状態に陥った俺達は、互いに意味の分からないことを怒鳴りあいながらトリガーを引き続けた。  何体倒したか、何回リロードしたかも解らなくなった頃、バスはとうとう川口ジャンクションを通過して高速に乗った。 「た、助かった……」  次第に速度を落とし、追撃を諦めて引き離されてゆく邪神兵を眺め、俺は思わず床に座り込んだ。  他の連中も緊張の糸がぷっつり切れたか、へたりこんで荒い息をついている。 「見ろよ……朝日が昇るぜ」  窓の外から差し込む光を、全員が弛緩しきった顔で受ける。  割れた窓の下から一人の邪神兵がぬぅっと現れたのは、その時だった。  誰もが油断しきっていて、アクションなど起こせない。  そんな中へ彼女は身を躍らせ、なんと一人の男の顔を股座で挟んで床へ押し倒した。 「うわっ! ぐふぅむっ、むぐぐぐッ!」 534 :名無しさん@ピンキー:2006/11/04(土) 02:54:18 ID:+zdqAz3X  彼は邪神兵の女性器で口と鼻を塞がれ、逞しい太股でギリギリと頭を締め上げられてもがいている。 「しまった、横に張り付いてやがったか!」 「野郎ッ!」  両側から二人が飛び掛ったが、邪神兵は空いている両手で二人の頭を掴み、互いをガツンと叩きつけて放り出した。 「くそっ、人海戦術! 全員かかれ!」 「おう!」  全員が一斉に邪神兵に襲い掛かり、腕を押えたり胴を押えたり乳を揉んだりの大乱闘となった。  俺は何とか股の間にいる男を助けてやろうと腰に飛び付いたが、締め付けがすごくて脚が外れない。 「ぐうぅっ、なんて力だ!」邪神兵が飛び込んでから既に三十秒、男の顔は赤紫になっている。 「ラチがあかねぇ、首を落とすぞ! お前らしっかり押えてろ!」  後から飛び掛った金髪が腰のナイフを引き抜き、邪神兵の首に手をかける。刹那、彼の腕を邪神兵が噛んだ。 「んぎゃああああ、いででででで!」 「がんばれ餡田!」 「そうだ、お前の腕ぐらい安いもんだろ!」  腕の肉に四本の牙を深々と突きたてられながらも、彼は何とか邪神兵の首を切り落とす事に成功した。  巨大でボリューム感たっぷりの女体がビクビクと痙攣し、やがて力なくダランと大の字になって動きを止める。 「今だ、引き剥がせ!」 「大丈夫か木暮!」 「ハァハァ、おれは無事だ……ザコ女の股間で窒息なんて、危うく夢が叶っちまう所だったぜ!」 「まったくだ! はははは」 「やれやれだぜ! はははは」  和気藹々と笑いあう皆をよそに、腕を噛まれた金髪だけは失血で青い顔をしながら喘いでいる。 「ちょ、お前ら、おれ! おれ忘れてる!」 「は? そういえばお前まだいたの?」 「とっくにBFスレに逝ったと思ってた」 「いつまで痛がっている。自演は見苦しいぞ」  白BDの男にビシリと言い放たれ、彼はショックを受けて固まった。「誰か手当てしてくれよぉ……」  仕方がないので俺はピザ男を手招きして、救急キットを持ってこさせた。 「ピザコ、オペの準備だ!」 「あらまんちゅ! って誰のつもりだお前」  医者並とはいかなかったが、手当てはそれなりに上手くいった。手違いと言えば麻酔の量を間違えた位だ。 「よーし、これで助かる筈だ……たぶん」 「おいおい、こいつ白目剥いてうわ言いってんぞ! ブラックジャックに謝れ!」 535 :名無しさん@ピンキー:2006/11/04(土) 02:55:56 ID:+zdqAz3X 「あ〜、大丈夫、大丈夫」  スキンヘッドで巨漢の黒BDが、手をヒラヒラさせながら気楽なことを言っている。 「多少首がとれても血が無くなっても、俺たちゃ死なないからよ。まあ息が止まったらやばいけどな」 「は? それはどういう……」 「まだわからんか」  ずいっと前に出てきたのは、あの紫のモヒカンだった。 「つまり俺達はな、時にお前らの監視者であり時に創作……」 「あの、どうでもいいけど」横からピザ男が口を出してきたので、俺達は揃って奴の顔をみた。 「お宅さぁ、運転してた人じゃなかったっけ。じゃあ、今ハンドル握ってるのは誰なんだぜ」  俺達はしばらく互いに見つめあい、またピザ男の顔を見て、そして運転席へと視線を移した。  空っぽの運転席を確認するのとほぼ同時にバスは突然路肩に乗り上げ、俺達の体は床から浮き上がった。 「あああぁぁぁぁあああああああぁぁぁぁあああああああ」 「いいいいいぃぃぃぃやぁぁぁぁああああああああああ」 「うぎゃぁぁぁあああああああああああぁぁぁああああああ」 「ええええええぇぇぇええいいいいいいあぁぁぁあああああきみから」 「らめぇぇぇぇええええええええぇぇぇええええええええ」 「こなああああああぁぁぁぁゆきぃぃぃいいいいいいいい」  俺達を乗せたバスは悲鳴と怒号を撒き散らしながらガードレールを突き破り、そのまま高架下へと落下していった。 536 :名無しさん@ピンキー:2006/11/04(土) 03:09:28 ID:+zdqAz3X 久しぶりの投下ですいません。いつもバカネタですいません。 いよいよ次章で終わるので勘弁してやって下さいm(__)m >>529 乙です。これ終わったらたぶん私はロムるだけか、名無しで茶々入れるだけだと思います。 次スレも悪女クオリティw ところで絵掲って、捕まえてスレの人にも使わせてあげちゃダメですかね? 537 :名無しさん@ピンキー:2006/11/04(土) 03:18:41 ID:q3932aVy リアルタイムで読んだ。こういう感想はどうかと思うんだが、 純粋に小説として面白い。ゾンビ系パニックものの面白さ。 多分、敵が集団モッコスということでエロさ軽減、 味方がそんなに強くなく知恵と勇気とノリでなんとか頑張ってるのが原因かなと思うんだが。 ぜひとも続きが読みたいので頑張ってください。 >>535 自分はいっこうに構わないし、 あっちの今のスレが落ちたら掲載したSSの拾い先も考えなきゃいけないから、 まとめBlogも……と思っていたけど。 ただし、某分類でいうシーネ派はスンナ派に対して全然OKだけど、 逆に純粋なスンナ派はシーネ派系イラスト&SSに拒否反応おこすのではと心配。というのが俺の意見。 538 :名無しさん@ピンキー:2006/11/04(土) 14:17:19 ID:Iw1pQFFM ボンバーガールのパロなんてどうでしょう? 悪の女戦士がギャルの賞金稼ぎに屠られるシーンが結構あります。 539 :名無しさん@ピンキー:2006/11/04(土) 21:08:51 ID:+zdqAz3X >>537 ありがとうございます。 うーんなるほど。このシーンの挿絵も添えればちっとはエロくなりますかね。 SSとしては卑怯な手ですがw スンナ派に関してはそうですね。前にあっちのスレで 『俺は悪の女が死んでしまうのは何が何でも嫌だ。絶対見たくない』 って言ってる人も見かけたし。 描いてもらった記事ごとにリンクしてもらえば、 他の屠り絵は見なくて済むとは思いますがどうなんでしょうね。 一回あっちでも聞いて来ようかな。 >>538 これですね。 ttp://comic.2ch.net/comic/kako/1025/10253/1025304179.html 100レスで落ちてる……('A`) なにこの当時の連中の冷淡な扱い。 表紙見ただけでも結構えっちくさいのに。 540 :名無しさん@ピンキー:2006/11/07(火) 22:53:54 ID:Tyeu0wlv >『俺は悪の女が死んでしまうのは何が何でも嫌だ。絶対見たくない』 昔、えらい大魔王がこう言ってた。 「滅びこそ我が喜び。死に逝く者こそ美しい…」 541 :名無しさん@ピンキー:2006/11/07(火) 22:57:07 ID:ZNOC8yz1 >>540 ゾーマ吹いたw 542 :名無しさん@ピンキー:2006/11/08(水) 14:30:49 ID:ZDWuq5Ba ふてん丸はうづきの腰を上半身全体で支えるようにしながら彼女の濡れた女の証を愛した。 うづきもふてん丸の下半身に覆いかぶさるようにして彼の怒張した男の象徴を可愛がった。 それはとても奇妙な光景で、だが少しもおかしくない姿であった。 二人とも愛欲に身体を任せて互いを求め続ける。 先ほどまでの殺し合いなど何処へやら、といった風だ。 だが双方とも戦いを忘れたわけではない。この愛撫が終われば…相手には死んでもらわねば。 ふてん丸は生き残る(ついでに成り行きで助けることになったくの一を救う)ために… うづきは鬼の力を使って自分を貶めたもの全てに復讐するために… 自分は一体何をしているのだろう、などという疑念はふてん丸の中には少しも浮かばなかった。 催淫効果でもあるのではなかろうか…既に術中にはまっているのではないか… 快楽で呆けた頭の片隅でそんな考えが浮かんでは消える。 ただ、どこで抜け出し反撃を始めるかは常に心がけねばならない。そう思いつつ舌を働かせた。 うづきはほんの気まぐれのつもりだったが「悪くない」と内心で思い始めていた。 ちょっと前に死にかけた恐怖とは正反対の感情。この牢で自分は乱れきっている。 最初におうまと抱き合い、その後で食い殺され、鬼として帰り、仲間を食い、 今こうして敵のはずの忍と遊んでいる。不思議なものだ…そう感じつつ口を動かした。 543 :名無しさん@ピンキー:2006/11/08(水) 15:04:50 ID:ZDWuq5Ba あしもは意識の深層から何とか生還した。 うづきにより血を搾取されたせいで顔色は青ざめていて生気に乏しい。 だが死に瀕しているわけではなく、本人からすれば貧血気味に近い感覚だろう。 彼女は覚醒しながら色々と考えていた。 …身体は動かせない(妙な倦怠感がある)がなんとか目玉だけは動かせそうだ。 自分はどうしていただろう?確かふてん丸――前は敵だった気がする――さんと一緒に 暗い地下牢から逃げ出し…なにから逃げてたんだっけ。 思うように思考が出来ないもどかしさ。なぜ自分は地べたで寝てるんだろう? なんとか現状を把握しないと――…あれ、なんだあれ? 声は出ないがなんだか変なものが動いてる。あしもは不思議に思って目を凝らした。 ん〜、と力を入れて凝視。どうやらここは地下牢のままらしい。世界がちょっと暗い。 だが、世界よりもう少し手前。目の前で何かが蠢いている。とても怪しいモノがそこにいる。 少し怖いがこちらに害をなす気配もなさそうだし、何より背を向けている。彼女は観察を試みた。 それは足や手が本来の場所とは別にもう一組分が妙なところから出ていて、上と下に頭がある。 こちらに尻を向けて(あれは男のものだろうか)その場で自分自身を弄んでいる。 ――怪物?妖怪? 一瞬そう判断したあしもはしかし、それが違っていることにすぐ気付いた。 あれは…人間だ。よく分からない体位だが人間二人が性行為をしている…でも、誰だろう? 一人は忍び装束を身に着けている。多分ふてん丸だ。いやらしいなぁ… もう一人は、女の人だ。しかも裸。でもところどころに鎧めいた黒いのが見える。なんだあれ。 時々顔が見え隠れしている。男の人の恥ずかしい所からチラ見するそのお顔は… あ!わかった。うづき様。うづき様だ! 544 :名無しさん@ピンキー:2006/11/08(水) 15:54:00 ID:ZDWuq5Ba 彼女は知人の顔を見て一気に目が覚めていく自分に気付いた。 そうだ。あれはうづき様じゃないか。 死んだと聞いたのに生きていたうづきさ―――あ、こっち見た。 「――あら、あしも。目が覚めたの?」 「えっ」 ふてん丸がうづきの声でドキッとした。反射的に手が止まる。 うづきはふてん丸の腰の辺りから顔を出してあしもを見つめる。 「相変わらずお寝坊さんね。こっちは勝手に楽しませてもらってるわ」 「え?え?」 あしもは狼狽してうづきとふてん丸を交互に見比べる。身体がだるいので頭だけ起こしている。 彼女は現状の理解云々より二人のことで頭が一杯だった。何故そんな体勢を?と考えている。 が、考えても分からないのでとりあえず見つめている。なにを言えばいいのかよく分からない。 ふてん丸は姿勢が姿勢だけに後ろを見ることもうづきの脚を離すことも出来ずにいた。 なんとか意識だけを集中する。うづきの顔はふてん丸の股間から離れている。 動くなら今だが…背後の展開も気になる。 と、眼前にある彼女の陰部…周りの黒い甲羅が動き出した。徐々に閉じていって彼女の裂け目を覆う。 ふてん丸はその様子を気味悪く思って「げっ」と声に出してしまった。 うづきは耳ざとく聞きつけ、ふてん丸を赤い恐ろしげな瞳でキッと睨んだがすぐに目線を戻し、 不安げにこちらを見つめるあしもを見つめた。 「そういえばまた間食したくなっちゃったな。こっちよりそっちのが美味しそうだし…」 その言葉にあしもは「え?」と分からないといった風な反応だったが ふてん丸はそうは思わなかった。とにかく拙い気がして慌てて反論する。 「う、うづき殿。拙者はまだ出しておらぬでゴザルよ!?」 「この遅漏。さっさと出すもん出しなさいよ」 「そんな無茶な…まだ始めたばかりじゃ…つーかこの甲羅動いてるでござる」 「お黙り!」 「お主のココは引っ込み思案でいかんな。イかず後家はいかんでござるようづき殿」 「なによそれ!あたしが不感症みたいだとでも言うの!?」 目の前で奇妙なやり取りをしている二人を見てあしもは確信した。 あぁ、あれは間違いなくふてん丸さんとうづき様だ。なんだか変な格好だが間違いない。 545 :名無しさん@ピンキー:2006/11/08(水) 15:57:04 ID:ZDWuq5Ba 久々に続き投下。スレ容量ヤバスwwwって笑い事じゃないか。 実は先を考えず徒然なるままに書き綴ってる状態デス。 やっべ。どうやって終わらそうこれ。 546 :名無しさん@ピンキー:2006/11/08(水) 21:13:35 ID:3IMfRk+u 容量ヤバスwwそろそろ次スレの用意かな。 今回もGJ。 あしもの爆薬が残ってる。まだ慌てるような時間じゃないw 547 :名無しさん@ピンキー:2006/11/08(水) 22:25:20 ID:OwgLRsG/ >>546 いつも読んでくれてサンクス。 細かい伏線を覚えてくれてるのがすごく嬉しいッスw ↓ 時流に乗った変換(気を悪くしたらゴメンね) 「ご愛読あざーすwwww伏線忘れてましたwwwwうはwwwサーセンwww」 548 :名無しさん@ピンキー:2006/11/10(金) 22:37:29 ID:X+7wVutF VIP変換てwww スレも終わりかけだと人も来んな。 ということでバカネタを一つ。 叶恭子「フハハハハ、よく来たなケンシロウ!」 叶美香「ここから先は我ら姉妹を倒さねば進めぬわ!」 ケンシロウ「あたたたた、ほわあたあっっっ!!!」 叶姉妹「セレブッッ!!」 このコピペで抜いた俺は勝っていると思う。 549 :名無しさん@ピンキー:2006/11/10(金) 22:48:54 ID:Pnpul515 >>548 あの二人は悪役っぽくて結構好きだ 550 :名無しさん@ピンキー:2006/11/11(土) 13:18:40 ID:pYJ0iGAz >>549 DMCの「ウォシャレ!」を思い出したw 551 :名無しさん@ピンキー:2006/11/12(日) 19:04:40 ID:UdjZIyey 叶姉妹は確かに悪女っぽい感じでエロイ。 残り50kbか。作品の長さにもよるけどあと1、2本は大丈夫かな。 552 :名無しさん@ピンキー:2006/11/12(日) 19:27:23 ID:GyFV+8gn >>539 ボンバーガールに登場するメガリスの戦闘員は全員女です。 エミーに容赦なく屠られてます。 553 :名無しさん@ピンキー:2006/11/12(日) 23:15:34 ID:96XRLG8c >>535 その状況で歌うなよw 554 :クレイバンの人:2006/11/13(月) 03:00:27 ID:Ud8fw4WH SSの>>447-449 >>491-492 >>503-508の続きです。 今回も絵師さんの挿絵(むしろこれが絵のためのSSかな)がありますので、 あとでまとめブログにてお楽しみください。一応、文だけでもわかるように書いてます。 555 :名無しさん@ピンキー:2006/11/13(月) 03:11:14 ID:Ud8fw4WH 5. 狐の面というのは一見、滑稽である。 しかし、そんな面をしている奇妙な姿の女に闇夜でいきなり出会えばやはり恐怖を覚える人が多い。 稲荷や狐の怪異などという神・妖怪とのつながりを連想せずにはいられないからかもしれない。 ただ、たいていの男は一瞬ビクついたあとに、彼女たちの肉体が持つ魅力に負け逃げるどころか抱きついてしまうだろう。 その末路が、たとえ無惨な骸をさらすことだとしても…… さて男ではなく、迫られるのが年端のいかぬ少女であればどうであろうか…… 素裸のうら若き娘が狐面のくの一二人から必死で逃げていた。 狐面の女たちは刀で家族たちを一瞬にして皆殺しにしたあと、 この娘だけ、何故か衣服を剥ぎ取られ夜露のしたたる屋敷の庭へと叩き出されたのである。 「いやぁぁっ誰か、誰かぁっ」 恐怖ですくみきった身体をなんとか奮い立たせ逃げようとするが、突然の惨劇に気が動転し上手く娘は走れない。 そんな無様な醜態をみつつゆっくりとした足取りで二人のくの一は追いかけていく。 「思う存分逃げなさい……助けを呼んでも無駄、ここらあたりの奴は全員殺しちゃったからねぇっ」 後ろから迫りくる狐面のくの一たちの声に娘の恐怖はどんどんと高まっていった。 556 :名無しさん@ピンキー:2006/11/13(月) 03:12:11 ID:Ud8fw4WH 「ああっ」 足がもつれ、地面に転がる娘。すぐに背後をふりかえり視ると、もうすぐそばまで、くの一が近づいていた。 腕を前で組んで豊かに熟れた胸を強調するような格好のくの一が二人、妖しく月明かりに照らされている。 「もう……終わりなの。つまんないわねぇ、もっともっと必死で逃げる姿がみたかったのに……」 「綺麗よ、お嬢ちゃん。若くて瑞々しくて……フフッ食べちゃいたいくらい……」 「あっあっあっ……」 声も出ない娘、何故こんな目に遭うのか。ただ、いつものように父や母、そして弟と寝ていただけなのに…… 怖くて、くやしくて、どうしようもできない自分が情けなくて涙が頬をつたう。 「あらあら、泣いちゃったらダメじゃない。お姉ちゃんでしょ……」 「ああ、いいっ。いいわ、やっぱり下見の時に目をつけといてよかった……」 二人のくの一は嗜虐に満ちた声が娘に投げかけられる。 557 :名無しさん@ピンキー:2006/11/13(月) 03:16:24 ID:Ud8fw4WH 「し、下見っ?」 娘はその言葉に反応し、反復する。 「そうよ、この顔に見覚えはないかしら?」 そういって狐面を少しあげる一人のくの一。その顔は三日前に娘の父が営む呉服屋にあらわれた女であった。 初対面なのに、妙に店を手伝っていた彼女に絡み、ペタペタと手や顔を触ってきた奇妙な客であった。 「あ、あなたはっ……」 「あら、覚えていてくれたみたいね。あの時の美人のお姉さんよ。  お嬢ちゃんがあんまり可愛いもんだから、皆に言って今回殺さないでいてもらったのよ」 そういって妖しく卑しい笑みをこぼすくの一。 「な、なんでこんなこと……なんで皆を殺したんですかっ」 化け物ではない人だということがわかったためか、娘は気丈にもくの一に訊ねる。 「ああっ、その怒った顔も素敵……そうね、答えてあげる。  お金が欲しかったの、あと金持ちも嫌いだし……けど一番の理由は……あなたが欲しかったから、なぁんてどうかしら」 ふざけた物言いで、くだらないことを理由にするくの一に、娘は頭に血がのぼった。 「そんなことで……返して父上と母上を、次郎を返してぇっ」泣き叫ぶ娘。 「うるさいねぇッ」 二人の会話をじっと聞いていたもう一人のくの一が、娘の腹に強烈な蹴りを放つ。 「グェェッッ、ガホッ、ガホッ」 娘は腹をおさえてうずくまり、呼吸が苦しくなったのか咳き込む。 「あんた、自分の立場わかってんのかいっ」 そういってもう一度蹴りこもうとしたくの一を、狐面を頭にずらしたくの一が腕で制してやめさせる。 「お嬢ちゃんはあたいが見つけたんだから。今日はあたいの好きにさせてくれるって約束でしょ」 機嫌を損ねたような声で咎めるくの一。 「はいはいっ、もう好きにしなよ。  あんた、せいぜいこのお姉さんに可愛がってもらいな。  あたしゃ、なかで金のなりそうなの探してるよ」 呆れかえったのか、くの一はそういって屋敷のなかへと戻っていく。 「ありがと。次やるときは代わってあげるからね」 そういうと狐面を被りなおし、再び娘に向き直る。 「痛かったかいお嬢ちゃん、怖い女はどっか行っちゃったから、二人でイイコトしようねぇっ」 責め抜きたい欲望をどうにかして抑えようとして、しかし失敗しているくの一の猫撫で声はいっそう不気味で、 娘は痛みよりも何よりも恐怖で身体を硬直させた。 558 :名無しさん@ピンキー:2006/11/13(月) 03:24:03 ID:Ud8fw4WH 胴衣を脱ぎ捨て、褌一枚になるくの一。 胸がだんだんとふくらみつつある未だ少女の身体である娘とは違い、 くの一の裸体は肉と脂がのった熟れきった完熟の肉体であった。 娘はそんなくの一の裸体をまざまざと見せつけられ、貧相なおのれの身体が気恥ずかしく腕で必死に隠そうとする。 その仕種が余計にくの一を興奮させることになる。 くの一は生娘をいたぶるのが何よりも好きで、 娘たちが恐怖しビクビクと身体を震わせたり、縮こまったりするとそれだけで股間に淫ら汁があふれてしまう。 特に肌と肌を重ね合わせて娘たちの恐怖を身体全体で感じとることは、このくの一の最高の快楽であった。 そして最後に、肉体を重ねおのれがイク寸前に殺す。 その時、くの一は男との性交では到底達することのできない絶頂にのぼりつめるのである。 くの一はそのような残酷で淫靡な想像を頭にめぐらせただけで、股間がジワリと濡れ、白褌を湿らせていた。 娘はそんなくの一の気配を感じ取ってか余計に身体を小さくさせる。 559 :名無しさん@ピンキー:2006/11/13(月) 03:28:52 ID:Ud8fw4WH 娘のかすかにふくらむ乳房とくの一のたわわに実った乳房が重なる。 乳白色の乳首と紫色の乳首が擦れ合う。二人の乳首が寒さと刺激でコリコリに勃起する。 娘は身体を震わせ、くの一のされるがままになっている。 くの一は肌で彼女の恐怖を感じとり、少しイく。 「お嬢ちゃん、最高だよぉ」 そういうや、今度は彼女の小さな頭をみずからの豊かな胸の谷間に片手で力強く押しつけた。 乳の柔らかさを顔の両側で感じる娘、しかしそんな気持ちよさも束の間どんどんと呼吸が苦しくなってくる。 娘は乳の谷間から逃れようと手足を動かしのたうつ。苦しみ紅潮していく娘の肌をみてくの一は興奮する。 そしてその間に空いた手で器用に地面に置いた鞘から刀を抜いておく。 最後の最後で娘にゆっくりジワジワと刺し込むつもりであった。 「プハァッッ ハァハァハァハァッ」 やっと巨乳谷間地獄から解放され呼吸を整える娘、赤く苦しそうな顔をみてくの一は股間をしとどに濡らせる。 「ダメだッ。もっと愉しもうと思ったけど我慢できないよぉっ」 「キャッ」 くの一は娘を押し倒すと自らの白褌の股間と、娘のまだ生え揃わない短い陰毛におおわれた股間を強く擦りあわせる。 二人の外性器が擦れ合い、刺激が身体中ををかけめぐる。 「アンッ……フゥン……フワァン……ハァァッン」 「ウヒィィッ、いい……いひぃぃ……ああっ、アアアアアッた、たまんないひぃぃ……」 二人のいやらしい性の喘ぎが屋敷の庭に響いた。 560 :名無しさん@ピンキー:2006/11/13(月) 03:36:40 ID:Ud8fw4WH 巨尻が、肉づきのよい尻がブルブルと揺れている…… 時雨丸がかすかに喘ぐ女の声を聞きつけ駆けつけた時、 まず目に入ったのはくの一の褌とひたすら卑猥に揺れる尻だった。 その後よくみれば、くの一が娘に覆いかぶさって性に溺れる痴態であることがわかった。 くの一の手にはキラリと光る抜き身の刀が今にも娘の首筋を貫かんとしていた。 屋敷の障子ごしに何やら気配がするが、そんなことを警戒していたら娘を助けられない。 そう一瞬のうちに判断した時雨丸は刀を抜くとできるだけ音をたてないように注意しながらくの一めがけて走った。 「お嬢ちゃんっ、あたいイっちゃう、あたいもうイっちゃうよ。  お嬢さんちゃんも逝かせたげるから、あぁあぁぁぁぁぁんんっ」 「いや、やめ、ハァン、ハァン、やめっ……」 悦楽と恐怖二つが入り混じる彼女たちのまぐわいの終わりは……時雨丸の刀によってもたらされた。 ズシュゥゥッ 駆け寄った勢いそのままに揺れる尻めがけて突き入れられた刀はくの一の内臓をギチギチに引き裂き、 血で赤く染まりつつある白褌に鍔があたって止まるまで深々と刺さった。 「ひぎゃぁぁぁぁっ」断末魔の叫びが屋敷にこだまする。   最後の最後に……今まで味あわせ、味わってきた娘たちの死への恐怖と苦痛を、自らの身体で感じてくの一は息絶えた。 561 :クレイバンの人:2006/11/13(月) 03:50:04 ID:Ud8fw4WH 今回はこれで終わりです。 コラボってのはこの時雨丸がはじめての企画ですが、 難しい面もありますが、SSのもとになる絵がかなりツボで萌え(燃え)るので楽しいですね。 562 :名無しさん@ピンキー:2006/11/13(月) 11:00:30 ID:Te67Gqlu >>クレイさん リアルで鼻血が出ました。ありがとうございます。 そろそろ年末が近づいて何かとお忙しいでしょうが、次も楽しみにしております。 563 :名無しさん@ピンキー:2006/11/14(火) 23:43:09 ID:bMjiBzBX 尻にぶっ刺したのかな 564 :名無しさん@ピンキー:2006/11/17(金) 00:20:22 ID:6VNarJjd >クレイさん かつてこれほどまでに「くの一」という単語に劣情を抱いたことはないッ! 余談: 昨日のアンビリバボーの「感動の〜」でステイプルトン先生って人が出てビックリ。 …ガンブレイズのステイプルトみたいな名前。Googleで調べてみるとわりと多い苗字みたい。 565 :名無しさん@ピンキー:2006/11/17(金) 02:13:01 ID:4tXw6ouc 先生じゃなくて選手だおw 566 :名無しさん@ピンキー:2006/11/17(金) 10:12:05 ID:TkxCLiZa うはwww遊びながらテキトーに観てたのバレたwww 567 :名無しさん@ピンキー:2006/11/19(日) 01:27:25 ID:llEhtR2d うづきの関心は今や完全にあしもの方へ移っていた。 ふてん丸のマラから口も手も離してそちらへ向かおうとする。 が、彼女の気紛れに戸惑っているのか、ふてん丸のほうは動きが鈍い。 「ええい、離れなさいこのヘボ!」 「へ、ヘボ? なんとも心外な…わっ?!」 痺れを切らしたうづきは無理やりふてん丸を引き剥がそうとした。 「ちょ…うづき殿、鬼の力で……」 彼女が絶妙に絡み合った姿勢から強引に抜け出そうとしたため、 ふてん丸の手足があらぬ方向に行きかけ…絞められ… 「うがががが…」堪らず間接が悲鳴を上げ、彼自身も奇妙な声を漏らし出した。 もどかしい思いをしながらうづきがふてん丸から身体を完全に離す頃には ふてん丸は泡を吹いてしまっていた。 568 :名無しさん@ピンキー:2006/11/19(日) 01:57:42 ID:llEhtR2d A:俺 B:我 A「ネタに走りたい。ネタに走りたい。ネタに走りた〜い」 B「そうはいかんだろう。常識的に考えて…」 A「何故だ。これを書いてるのは俺だ。どうしようが俺の勝手だ」 B「前作(タイツ仮面)はネタに走りまくった挙句に打ち切りしやがっただろお前」 A「相応しい最後だろうが」 B「今回は真面目にヤラレ書くって決めてたじゃん」 A「人の心はうつろいゆくもの。時の流れや女心と同じよ…」 B「うっさいボケ。書けー殺せー」 バキッ!ボゴッ!! A「ぐへっ!……知った風な口を聞いてんじゃねえぞおおおおおおおお!このちっぽけな小僧g…」 ドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴ A「ぐあばあああああああ!!!!」 B「お見苦しいところをお見せした。また後日。次は完結編です」 569 :名無しさん@ピンキー:2006/11/19(日) 09:17:01 ID:1NZKpocM >>568 プッチ神父吹いたw 570 :名無しさん@ピンキー:2006/11/20(月) 15:52:49 ID:mIqN76AD せめて作者の代わりにネタを投下するぜ! ttp://syarecowa.moo.jp/toukyou/2/43.html ライダーもボケたら迷惑だなw 571 :名無しさん@ピンキー:2006/11/20(月) 23:44:23 ID:uDezw85J >>570 最後の「ドンマイ」までがネタかwwwおじいちゃん強いし。 572 :名無しさん@ピンキー:2006/11/21(火) 10:24:28 ID:dEu8t1L4 「あら?案外だらしないのね」 ふてん丸から身体を離したうづきは白目になり泡を吹いているふてん丸を鼻で笑った。 あしもは彼の危うげな表情を見て「うわ〜」などと哀れんでいる。 「そういえば何を思って彼で遊ぼうとしたんだっけ?………ま、いいわ。さあ…あしも」 「は…はいっ!?」 目と意識をふてん丸に集中させていたあしもはうづきの何気ない呼びかけで過剰に驚いてしまった。 それを見てうづきは「なに驚いてんのよ」と不満げにしつつ汗で濡れた身体をこちらに寄せてくる。 「まだ少し気だるそうね。あたしが目覚めさせてあげるわ」 艶っぽい声音で誘ううづきを見るあしもだったが、彼女を見ることで気絶前に我が身に起きた大事を思い出しかけてきた。 たしか――そうだ。自分は彼女に… 「やっぱり貴方のを先に吸っちゃうとしましょう。つまみ食いのままではお行儀が悪いしね」 血―――血を吸われたんだった! 「わぁ!」思い出した途端にあの時首を襲った痛みと恐怖、そして何より怖かったうづきの赤い目が記憶に蘇ってきた。 「わっ!?」突然叫んだあしもにうづきまでもが驚いてしまった。一瞬ビクッと身を強張らせたその様はまるで猫のようだった。 あしもはそれまで身を支配していた倦怠感を忘れ、眼前に迫るかつての友を凝視しながら喘いだ。 呼吸は荒くなり、動悸がする。冷や汗までかき始めた。それほどまでにうづきの吸血行為は衝撃だったのだ。 「なのよ。びっくりさせてくれるじゃない」 うづきは少々不愉快そうな面持ちで乱れた長髪を手で整えながら接近を再開する。 また自分の血を吸うのか。何故友達である自分を苦しめるのか。あしもには分からない。理解の範疇を超えていた。 「ひょっとして、思い出したぁ?」 くすくすと笑う彼女は、気絶前にも思ったことだが、やはり、自分が知るうづきとは大分違って見えた。 頼れるくの一、自分より三つほど年長で忍としての心構えを教えてくれた友、先日も作戦時に不安だった自分を勇気づけてくれた仲間。 だが……今、目前で赤い目で自分を見つめる彼女は確かにうづきという名前で、 (格好が少々異色だが)その女の自分から見ても美しく整った顔立ちと体型は彼女の物で間違いない。 それでも、この女はどうしてもかつての友とは思い切れない。こんな…こんな怖いひとじゃなかった! 震える唇で、あしもは何とか言いたい言葉を必死に紡いだ。もう手が届きそうなほど傍に来ているうづきという名の別人に向かって。 「うづき様、じゃない」 「え?」 「うづき様は…うづき様じゃない!」 573 :名無しさん@ピンキー:2006/11/21(火) 12:20:09 ID:dEu8t1L4 ――この娘は突然何を言い出すのだ。 無礼な態度を示す友に対して、うづきは心外な思いだった。 いつも予想の斜め上の行動をとってくれる愉快な(逆に言えば迷惑極まりない)忍のあしも。 さっきも"微塵の術(本来なら目くらましから単純な爆破まで行える汎用性の高い技)"で自分を吹っ飛ばして半裸になって伸びた娘が… その彼女が、こともあろうに自分を『うづき様じゃない!』などと言うとは。自分は間違いなくうづき本人だというのに。 ひょっとして記憶がはっきりしたことで逆に錯乱してしまっているのか?…だが彼女の目はいつになく真剣だった。 キッとこちらを睨んでいる彼女の姿勢は彼女を昔から知っているうづきすらあまり見たことのない精悍な様だ。 「な、なに言ってるのよ。あたしは…」 「違います!変です!」 言葉をさえぎられた。しかも言うに事欠いたのか『変』と来た。やはり彼女は予想外な子だ。誰が変だ。失礼な。 …まあ、今の自分は確かにそれまでとは違う。おうまに身も心も喰われ、その死の淵から彼女の器を奪ってまで這い上がったこの姿は、 もはや純粋な人のそれとは一線を画す存在と化している。物の怪の類といっても過言ではない。というか、この身は鬼そのものだ。 あしもはそんな自分を指して『変』と評しているつもりなのだろう。 自分の腕を見てみると、爪は鋭く尖り、手の甲には鎧めいた甲羅が備わっている。 腕自体も見た目こそ細身で女性らしい肉付きだがその実、尋常ならざる膂力を感じる。軽く拳を握るだけで認識が強まる。 少し。ホンの少しだが自分が人でなくなったことに対する自嘲が芽生えた。自己嫌悪とまではいかないが…自虐的ではある、か。 「やはりうづき様は…えと…」 …嗚呼、何故、なぜそこで躊躇するのか。少し苛立たしい。彼女らしいが。面倒なので代わりに自分が言おう。 「―――死んだ、と言いたいの?」 「え?…あ、はい」 彼女は少しだけいつもののん気な彼女に戻って、すぐ警戒の表情に変わった。 ――締まらない。本当に締まらない。なんて生意気なんだろう。 愛らしく思って彼女に触れた。怖がるかと思ったが全然、臆面も出さない――可愛くない。 「ふてん丸さんの言ったことは本当でした。うづき様は、お亡くなりになったんですね」 あしもは意を決したかのように一気に言葉を吐く。ここで「お前は死んだ」と言い切れない辺りが彼女の煮え切らないところだ。 「でもあたしはこうして目の前に――」 「今ここにいるうづき様はうづき様であって…んと…別の方です!おうま様とおんなじの…お、鬼です!」 またしても言葉を遮られた。いや、叩っ斬られたようなものだ。なんて不躾な。だが、彼女の言は正しい。まったく、当たっている。 「……そうよ。あたしは一度死んだ。一度死んで、帰ってきたのよ!」 もういい。この娘は、もういい。 「彼にも言ったわ。貴女にも教えてあげる……あたしはこの力で全てに、復讐してやる!―――あんたも、例外じゃないわ!」 574 :名無しさん@ピンキー:2006/11/21(火) 12:54:43 ID:dEu8t1L4 「――聞いたぞ妖怪…鬼の本性見たり!」 うづきの背後から声がした。男の声―先ほどまでだらしなく気絶していたはずの…ふてん丸の叫びだ。 あしももうづきも不意を突かれた。特にうづきはあしもに集中するあまり、完全に無防備になっていた。 如何に鬼の感性が常人の何倍も鋭かろうが気づきさえしていないものに反応は出来ない。 その細身の撫で肩に三角に尖った石がぶつけられる。肩口は甲羅が防備されているため「かーん」という硬質な感触が彼女に伝わった。 「所詮は妄執の虜か。見下げ果てた物よの、うづき殿!」 ここでようやくうづきの視界にふてん丸が入った。彼はしっかりと覚醒していた。目にも力がこもっている。 格好は先ほどと変わらぬ忍び装束だ。先の愛撫での着衣の乱れはいつの間にか正されている。素早い奴。 「いつ目覚めたのよ」 「俺は始めから気絶などしておらん」 真顔で言うふてん丸だが、実はあの時は本当に意識が飛んでいた。泡は本物だし窒息しかけていたのも事実だ。 だが隠す。今はそんな過去の些事など本当にどうでもよい話であり、うづきの本音を再び耳にしたことの方がはるかに重要なのだ。 友の前で堂々と復讐を主張したうづきの浅ましさ、力が彼女を狂わせた決定的瞬間を掴んだ時でもある。 「どうやら遊びが過ぎたようね。殺してから相手を取り替えるべきだったかな」 鋭く長い爪を更に伸ばし、その手に舌を這わせながらうづきが静かに威嚇する。赤い目にたちまち憎しみの火が灯る。 振り返り様に空いた手でサッとあしもの腕を撫でた。それは風が通り過ぎるかのような速さで、あしも自身にはほとんど見えなかった。 手を振り切ったうづきの爪の先に振る前まで無かった赤い塗料が付着している。ふてん丸はすぐに気づいた。血だ。 あしもは遅れて「あっ」と驚いた。うづきに撫でられた腕に小さく細い引っかき傷が出来ている。 「痛っ…」痛覚が切り傷の痛みをあしもに教える。彼女の目の端に涙がたまる。 うづきはその様子を横目でチラリと見た後、すぐに視線をふてん丸に戻しながら爪に付いた血を舌で舐めとった。 まだ暖かい、その生き血を喉に通して、うづきは恍惚を顔に出し、同時に狂気を滲ませる。 「そこまで堕ちたか」 ふてん丸はそう言ってどこからかクナイを一本取り出して逆手に持つ。 「隠し芸が得意なのね。忍だから十八番でしょうけれど…」 わざとゆっくりした口調で挑発気味に喋る。ふてん丸は彼女の言葉を無視して構えに集中する。 「さっき思い知ったばかりじゃないの?」 うづきも戦闘の体勢に移る。上体を沈ませ、猫のような形をとる。あしもは尻が突き出されて見えて目のやり場に困っている。 だがうづきは取り合わない。背中であしもが怯えているのを感じとりつつ、ふてん丸への戦意を湧き立たせる。 先ほどは容易く圧倒できた相手だ。だが今度は決意めいた様子が窺える。何か手があるのかもしれない。必殺を心がける覚悟を決めた。 ふてん丸は先の一戦を脳内で再現し、彼女の読みにくい動きをどう捌くかに神経を尖らせた。下手をすれば即死は免れない。 「では、参る!!」 ふてん丸が動いた。同時にうづきも跳ねる。あしもは――座して事を見届けるしかないようだ、と思った。 575 :名無しさん@ピンキー:2006/11/21(火) 13:31:27 ID:dEu8t1L4 刃を手にしているとはいえ、クナイのそれは短い。相手の爪の方が尺がある。既にこの時点で相手に分がある。 こちらには術を含め隠し玉がいくつかある。が、忍術は相手も知るところ。下手な手は読まれ、命取りになる。 ふてん丸は闇雲に攻めることをせずに相手の攻撃の前後の隙を探ることにした。 うづきも忍の出方は熟知している。こちらの隠し芸は何もないが、肉体の力だけで十分"釣り"が来る、はずだ。 疲れを感じる心配はないだろう。後は如何に巧く立ち回りヘマをせず相手を仕留められるかという事に集中するのみだ。 足捌きはどちらも忍のそれだ。無駄な音を立てない軽やかな足運び。辺りは石や牢の破片がゴロゴロしているというのに 二人ともまったく気にする風にない。あしもだってくの一だが彼らほど見事な動きは到底できそうもない。ただただ感心するばかりだ。 速さは超人的な体力を誇るうづきの方が上だ。ふてん丸の周りをぐるぐると駆けずり回る。 ふてん丸は不要な前進は避け、背後だけはとられないようにと懸命に方向を合わせる動きに徹した。 「WWWRRRRYYYYYYAAAA――ッ!!!」 耳をつんざく金切り声。鬼と化してからの彼女独特の奇声と共に、無数の突きがふてん丸に襲いかかる。 黒く変じた爪の、針の山と称するに値するほどの攻めはしかし、ふてん丸に一つとして当たらない。 たんなる連打ではなく、そのどれもが必殺の一撃、ふてん丸の胸を狙ったものであることを即座に察知した彼はその矛先を 僅かに身体をずらすという最小の動きをとることで全ての殺意を中空へと放たせたのだ。 再び素早い周回を再開するうづきの目にも留まらぬ残像の中から「チッ」という舌打ちが聞こえた気がした。 と、すぐさま次の一手が打たれる。側面を八つ裂きにせんと第2の針の山が降りかかり、ふてん丸の視界の半分を埋めた。 瞬時に反応して上体を屈ませ、低姿勢のまま摺り足でその場を退く。ついでにクナイで横をなぎ払ったが、既に彼女はいない。 それどころか……少なくとも見渡す限りの視界にうづきの姿はない。 あしもがどこかで「あっ!」と驚きの声を上げたのと、ふてん丸が悪寒を感じて飛び退ったのはほぼ同時だった。 上からうづきが降ってくる――恐るべき速度で天井に張り付き、そのまま跳躍したか。ふてん丸は冷静ながらも驚きを禁じえずにいた。 バン、と叩きつけられる拳。頭蓋を砕く一撃のはずだったそれは牢屋の粗雑な石畳を代わりに粉砕した。 膝を曲げた着地の姿勢から速攻で足が飛んでくる。ふてん丸は驚きを吹き飛ばしてその場から跳躍し、槍の如き蹴りを避けた。 だがふてん丸の足の裏が再び石を踏む頃にはうづきが立ち上がり次の回し蹴りを放つところだった。 受け止めようとすれば骨を砕かれるかもしれない一撃。先のおうまの恐ろしいまでの戦闘力を思い出してふてん丸は再び避けに専念した。 休む間もない応酬にあしもはただただ呆然とするしかない。開いた口が塞がるいとまもない。 恐ろしい光景だ。自分なら何度死んでるだろう。うづきは自分に対してもあのように爪を振るうのだろうか。 先ほどああは言ったが、やはりあしもにとってうづきはうづきだ。獣が如く疾駆する姿を目の当たりにしてもその認識だけは不変だ。 だがどこかで終わりは来る。どのような結末であれ、いつかは自分が動かねばならない事態が、すぐそこに迫ってきているのだ。 うづきの勝利はあしもの死に繋がる。それすなわちふてん丸の死が前提にあることは言うに及ばず。 ふてん丸が勝てば――自分はどうなるだろう。それは今現在の自分には判断できない程の未来だ。 ひょっとしたら、やはりその先に死罪が待つのかもしれない。でも――… 576 :名無しさん@ピンキー:2006/11/21(火) 14:16:36 ID:dEu8t1L4 「RRRRRRYYYYYYY―――ッ!」 うづきの切っ先がついにふてん丸の太腿を引き裂く。だが彼も負けじと刃で自分を斬りつけたうづきの手の甲を掻き切った。 「ぐっ!猪口才(ちょこざい)なッッ」 「ふっ!はっ!どうだうづき殿!」 「GUUUUUAAAAA―――ッッ!無駄無駄無駄ァァッッ!」 今度は拳そのものが振るわれる。鉤爪付きの抜き手による乱打が目の前一杯に広がる。 怒りと憎悪で歪んだうづきの鬼気迫る様に戦慄を覚えつつ、後退するふてん丸は避けるだけでなく突きの限界点に自身の刃を合わせ、 その指先を切り裂いた。緻密な反撃でうづきが怯む。指先が2つ、爪ごと切り落とされ地面に落ちた。 「どうだっ!」とばかりに勝ち誇って見せるふてん丸。もちろん虚勢だ。まさか当たるとは思ってなかった。 だが目は恐るべきうづきの生態を捉える。…指先がすぐに"生え変わる"!!――やはり化け物だ。 一拍おいて「KWAAAAッ」と牙をむいて襲いかかるうづき。後方に余裕が無くなり、相手の身体を引かせるために蹴りを放つふてん丸。 当てる気もなく、けん制のつもりだったその脚をうづきはサッと掴んで彼の体ごと捻るように払った。 ふてん丸はたまらず転倒する。恐るべき動体視力だが、脚を切り落とされなかったのは幸いだ。 その場で身体を回すふてん丸に容赦なく抹殺の一撃を放つうづき。女の細腕が鞭のようにしなり…刀へと転じる。 空を切り裂き肉を貫かんとする攻撃を脇に逸らしたふてん丸は飛び退きながらあらかじめ口に含んだ含み針を放つ。 五本ほどの縫い針のようなそれは、うづきの眼前で全て横っ面を打たれて叩き落された――小細工は効かない。 先のおうま戦は反応や動作は鋭かったが、攻めや守りは大胆かつ荒々しかった。が、うづきはその点まったく違う。 見事にして華麗、そして鮮烈。正面切って挑んでこの様だ。そろそろ術を併用しないと身が持たない。だが使える手が無さすぎる! こんなことならもっと修行するべきだった、などと一瞬でもふてん丸が考えた隙に横腹を蹴りが襲う。 即座にクナイを突き立てることで振り抜かれるのを防いだ。だがクナイは彼女の脚に突き刺さって持っていかれてしまう。 あっと思った時にはうづきがクナイを投げて返してくる。首を傾げてなんとか避けたがクナイは背後の石の壁に見事に刺さった。 ――抜いている暇は、ない。すぐに次を取り出……そうと試みたところで、うづきの凶悪な爪が迫ってきた。 流石に呆気にとられたふてん丸はやや慌ててその一撃をかわそうとしたが脇腹をかすってしまう。 零れる血。だが苦しむのは後でもできる。使えるものを。できることを。するべきことを優先すべき。 はっと思いついたふてん丸は意を決して小袋を取り出す。中には細かい紙きれが多量に仕込まれている。 「くっ。忍法・雪木がらし!」 そう叫びながら紙をうづきに向けて散布する。紙は紙吹雪となり、更にふてん丸の術によって勢いを持って襲いかかる。 つむじ風が吹雪を帯びて彼女の身を覆っていく。本来なら紙が含んでいる薬(麻痺薬の類)が相手の動きを奪うのだが… 「こんなものが効くとでも!」 小賢しい反撃を嘲笑ううづき。全然効いていないようだ。心底呆れながらもふてん丸は次の手を打つ。 「まだ終わらん!忍法・コマまわし!」 瞬時に相手の懐に飛び込んでうづきのたわわな胸と腰のくびれ辺りを手で撫でるように――それでいて素早く薙ぎ払った! 座興で使う忍法・コマまわし。紙吹雪に覆われたままのうづきがその場で独楽のように回る姿は見ていて滑稽だ。 うづきは鬱陶しそうに身を守るも、なすがままになっている。目を回すことも平衡感覚を失う様子も見受けられない。 そろそろ仕上げか、ふてん丸は自身の最高の技に賭ける決意を固め、彼女を回しながら手で韻を結んだ。 577 :名無しさん@ピンキー:2006/11/21(火) 15:21:41 ID:dEu8t1L4 あしもの目前でうづきが紙吹雪に覆われ激しく回転している。その周りをふてん丸が高速で回りながらなにやら術を呟いている。 うづきはいい加減、彼の稚拙な策が邪魔で邪魔でたまらなくなってきていた。発憤して叫ぶ。が、 「くううううううっ!なんのつもり―――」 「忍法・カマイタチッ!」 彼女の抗議をふてん丸が殊更大きい声で強力に遮った。それとともにうづきを包む風が勢いを増し、切り裂く刃と化す。 「―――ッッ!?」 気づいたときにはもう遅かった。眼前を舞う紙吹雪が次々に風に引き裂かれていくのを彼女は見た。 さらにふてん丸が放つ塊のような疾風が彼女の身を吹き飛ばす。うづきの体が"カマイタチ"となった風に切り刻まれいていく。 無数の無形の刃による斬撃。鬼といえど見えないもの、掴めないものは壊せない。風は彼女の防御を素通りし、身を守る鎧も裂いていく。 「きゃああAAAAAAッ!!」 そのあまりの衝撃にたまらず悲鳴…らしき叫びを上げるうづき。 紙吹雪はもはや散り散りになり、身体中を傷だらけにした彼女の肢体が露になる。 身を包む鎧以外は裸同然の彼女は完全に"風に晒されている"状態だった。斬られた所には普通の人間と変わらぬ血が流れる。 だがまだ、致命には至りそうもない。巻き込まれながらも、うづきは見えない攻撃に抵抗している。 遂に彼女の身体が地に着いた。どうと倒れて、風が止み、凄絶な技が終焉を迎え霧散していく。 白亜の舞は最期には赤い血の輪舞になっていた。凄惨で美しい光景は牢内を朱に染めて消えた。 だがうづきは止まることは無かった。むくりと起き上がる最中にも細かな傷が目に見える速度で塞がっていくのが見えた。 「お、お、おのれぇぇぇ!!」 ボタボタと血を滴らせながらうづきが怨嗟の声を上げる。流石に痛むのか、動きが鈍っている。 なんとか立ち上がろうとしている彼女に、ふてん丸ではない、第2の方向から何かが投げ込まれた。 「―――あしも殿ッ!」 ふてん丸の声にうづきもあしもを見た、いや、半ば八つ当たり気味に睨みつけた。 だが彼女の瞳が彼女を映す刹那――この時彼女は迂闊にも投げ込まれた物への注意を怠っていた――袋が炸裂した。 黒い粉が飛散し、瞬間的に火花が散る。閃光は僅かに瞬いたのみ、破裂も小さく、ささやかな抵抗かと彼女が判断しかけた次の瞬間、 彼女の身体に付着した黒い粉、特殊な火薬が勢いよく燃え始めた。 「なっ!…UUUOOOOHHHHHH―――ッッ!」 あっという間に火達磨になるうづき。ふてん丸も呆然とその様を見つめるしかない。 腰まで垂らしていた馬の尾の如き金髪にも火が移って燃え上がり、チリチリになっていく。 「新手の微塵の術か!だが何処に火薬を――いや、なんとなく想像がつくが、とにかく今だッ!」 好機を逃さずクナイを抜き、燃え上がるうづきの胸に向けて投げ放つふてん丸。 クナイは、確かに彼女の胸の谷間、その中心付近にズブリと突き刺さった! 578 :名無しさん@ピンキー:2006/11/21(火) 16:07:27 ID:dEu8t1L4 「ぐっ!がはっ…!?」 喉を焼かれ咳き込むうづき。 それとともに火が衰えていく。その熱は鬼の身体を持つうづきを焼き尽くすには至らなかった。 だがわずかに黒く焦げた彼女の胸にはふてん丸の放ったクナイが突き立てられている。骨を避け、肉に深く食い込んでいる。 それを信じられないといった風に見つめていた彼女の瞳から力が抜ける。苦悶の表情が緩み、身体が後方に倒れていく。 やがてその場で仰向けに倒れたうづきは四肢を力なく投げ出し、荒い息も胸の上下も弱まっていった。 「…終わった、の、か?」 ふてん丸は恐る恐る確かめるようにうづきを覗き見た。 美しかった彼女の体は切り傷と火傷と、その損傷によって彼女が流す赤い血によって見るも無残な姿となっていた。 特にクナイの刺さった胸の出血は酷い。明らかに致命傷だっただろう。 「今の彼女にはおうま殿の言っていた"命の予備"はないはず。彼女の命を散らせば、鬼は死ぬ」 うづきの顔は生気も気迫も抜け、赤い瞳は虚空を見つめたままで止まっている。半開きにの口からは恐ろしげだが小さい牙が見える。 どうみても死んでいる。ふてん丸はそう認識し、思わぬ手助けをしてくれたあしもに礼を言うために彼女から離れた。 あしもは目覚めたままの、座り込んだ姿勢のままでふてん丸とうづきを交互に見比べている。 …とんでもないことをした気がする。あしもは自身の行為に恐れおののいていた。 奥の手を思い出して(恥ずかしかったけど)なんとか取り出し、必死の思いで点火して投げた。 それは始めに袋に仕込んだ火薬で爆破して更に中身に仕込んでいる別の火薬を相手にぶち撒け、爆破時に火が着いていたそれらが 連鎖的に火を噴き相手を火で包む……という複雑な代物だった。 当時は「操の危機にこれを」などと上忍の人に冗談交じりに渡された物だったが、思わぬところで役立ったものだ。 だが想像以上に効果が出た。あんなものを隠し持っていたなどと、しかも文字通り"肌身離さず"潜ませていたなどと… しかも相手はうづき…様。結果的にとどめをさしたのはふてん丸さんだったが、自分が彼女の死に手を貸したのは事実だ。 彼女に殺されたくない――その思いが自分を動かした。二人の鬼気迫る戦いぶりから受けた衝動も後押ししたのだろう。 そして今、うづき様は地面に倒れ、少しも動く風にない。どうやら今度こそ、 「!! ふてん丸さ――……!」 「…ん?」 ずぶ…と、鋭くも鈍く、残酷な音をあしもはしっかりと耳にした。 ふてん丸の胸から黒い何かが突き出るのを…はっきりと目撃した。 579 :名無しさん@ピンキー:2006/11/21(火) 16:40:23 ID:dEu8t1L4 紅い瞳が、赤く彩られた世界を映し出す。 視界は真っ赤だ。火事だろうか。いや、確かに。確かに火事だったとも。 燃えていたのは自分。燃やしたのは…燃やしたのは誰だ?ふてん丸ではない。彼は我が心の臓を撃ち貫いた。 だが彼奴ではない。では誰が。誰がおる。 「この豚がAAAAAHHHHHHッッ!」 血反吐をぶち撒けながら怨嗟と殺意と破滅を吐き出す。目の前に憎っくき雌がいる。呆然と、だが泣きそうな顔でこっちを見ている。 こいつだ。こいつが。『うづきは死んだ』と言った。そうだ。だからあたしを火葬にかけようとしたのか。許せない。許せないッ! 「ぶっ!ぶがはっ!」 眼前の、ついさっき突き刺して見せたこの馬鹿が醜い声を立てて、自分と同じようにして血を吐き出す。 邪魔だ!邪魔だ!クソ虫が!あたしは、復讐するんだ!全てに!自分をこんな目に遭わせたもの全部にッ! ふてん丸、貴様など我が糧になど絶対に値しない。このまま命尽きるがいい。さぁ逝け。今すぐ旅立て。 「な、なっ!?……う、うづきィィィィ!!」 ついに殿を捨ててあたしを呼び捨てか。汚らしいクソが! 憎くて憎くてたまらないので突き刺した左腕に力を込める。彼の屈強な背を容易く貫通した腕は、やはり簡単に通っていく。 勢い余って肩まで入ってしまった。自分の大きめの胸が彼の血塗れの背に当たる。構うことはない。このまま死ぬまでこうしていよう。 次はあしもだ。彼女を食い殺し、喰い散らかす。そして彼女は我が糧となり未来永劫苦しみ続けるのだ。いい気味だ。本当に! ふてん丸は自分の身に起きた決定的な事態を、意外にも冷静に受け止めていた。 苦しいという範ちゅうなのだろうかと思えるほどの痛み。即座に意識はあの世へと向かいそうだが必死に堪えた。 必死、可笑しなことだ。心臓はとうの昔に使い物にならなくなってしまっているというのに。 いずれ必ず死ぬというのに、必死になる自分。こいつはお笑い種だ。あしもにも教えてやらないと。これはきっと"受ける"。 だが彼女は泣いている。それはそうか。目の前で命の恩人が死にかけてる。しかも背後に鬼が睨んでいる。これは、かなり怖い。 だがこのままうづき殿を野放しにする事は出来ない。彼女は自分の背後で世にも恐ろしい怨み節をぶつぶつと呟き続けている。 …やはりうづき殿はもういないのかもしれない。後ろで延々と呪詛を吐き続ける彼女はやはりただの鬼に過ぎないのだ。 自分は陰陽師でもないし僧でもない。だがこの鬼めは祓わないと。何としてでも。 どうせ自分はじきに失う物が無くなる身なのだ。何を惜しむことがあろう。 「ああ…あああああ……」 自分は、やはり無力だ。あしもは頭を小突きまわしたい気持ちで一杯になっていた。 いずれにせよ神速を誇るうづきの突きをふてん丸が受けることを止める術はなかったろう。 だが、悔しい。それに、彼が目の前で今にも死にそうになっているのを見るのが辛い。でも目は逸らせない。 これほどまでに立て続けに凄惨な現場を見たのはこれまでの人生の中でも初めてだ。 あんまりにも哀しくて涙もどんどん出てくるし嗚咽も止まない。ふてん丸から見れば、とても酷いくしゃくしゃな顔に見えるだろう。 うづき…は凄い形相でこちらに向けて何事か聞き取れないことを次々に口走っている。多分すごく酷い悪口なのだろう。 と、ふてん丸が笑っている。なんで笑っているんだろう。とても痛いはずなのになんで彼は微笑んでいるのだろう? 580 :名無しさん@ピンキー:2006/11/21(火) 17:04:27 ID:dEu8t1L4 ふてん丸の心配事は二つあった。一つはあしもの事。間違いなく自分はいなくなる。彼女はこの場で独りになってしまう。 なんとかなるだろうか。なってくれると嬉しい。誰かがいてくれるとなお嬉しい…もちろんうづき殿は除外して、だが。 そしてもう一つ。実はこっちのほうが心配だ。果たして出来るか。"素手で"など初の試みだ。 「ふてん、丸ウウゥゥゥ!!」 背後で相変わらず怨嗟が聞こえる。飽きない娘だ。そういえば胸が背に当たって気持ちいい…。悪くない。 「……っ」 なんとか言っておけることを言っておかないと。声に出そうとしても胸や肺に穴が開いては喋れたものじゃない。 血だけならどんどん出る。あしもが浴びたら可哀想じゃないか。なかなか声を出してくれない喉が恨めしい。 「…っ!……はっ……あっ!……あぃし……」 なんとか足掻いてみる。幸いにしいて、あしもがこちらの意図に気づいてくれた。恐る恐る顔を近づけてくる。血が彼女の頬にかかった。 「あっし……も、……どうか……ッッ」 ずぶ。うづきの腕が回る。まずい。抜く気か。ここで剣を抜かれるわけには行かない。 奇妙な閉塞感が抜け、異常な解放感が身体を駆け巡る。栓が抜けた気分だが、最後の好機と見た。気力を振り絞り叫ぶ。 「……あしぃも……殿ッ……生き……延びられよ……」 ぎりぎりで言いたいことが全部言えた。無事伝わったようであしもは涙を流しながらうんうんと頷いてくれた。 まだ後ろで鬼が騒いでいる。それを疎ましく思う気持ちもとうに擦り切れた。彼女を"連れて行って"やらないといけない。 ふてん丸は最期にあしもに向けて「ニッ」と笑ってみせた。呆気にとられた彼女の涙が一瞬止まる。 ――それだけで十分だった。 ("忍法・影一文字")……声ではなく、心でそう念じた。 次の瞬間、腕を抜き放ち狂気の笑みを浮かべたうづきの、その狂える美貌が固まった。 喉を何か鋭利なもので深く斬り――いや、抉り取られた。 よく見ると、ふてん丸の手が、彼の手刀が血に染まっている。誰の?…彼のじゃない? ―――それきり、彼女は考えることが出来なくなった。 どさり、と一対の男女が血に染まって倒れ伏す。あしもはその一連の惨劇に心を奪われていた。 眼前の二人、折り重なるようにして死んでいるうづきとふてん丸。 あしもは泣き腫らした顔で二人を見つめ続けた。他に、することが思い浮かばなかった。 581 :名無しさん@ピンキー:2006/11/21(火) 17:38:21 ID:dEu8t1L4 ………。 どれだけの時がすぎただろう。どのくらいの間こうしていただろう。 目を開けると視界が少し明るかった。よく観察してみると牢内に入る光が明るくなっているのに気づいた。 どうやら、少し眠ってしまっていたようだ。全てが終わって気が抜けたのかもしれない。 目の前を見た。そこには変わらず二つの遺体があった――もう彼らを前に涙を流すことは無かった。 この牢の中で何人の命が尽きていっただろうか。おうま、おうまの中の魂たち、うづき、そしてふてん丸。 自分を残してみんな逝ってしまった。この先、自分はどうすればいいだろうか…。 (あしも殿、生き延びられよ…) 脳裏にふてん丸の言葉が浮かんだ。実際は血を吐きながらの、とても聞き取りづらい声だったが、あの時は確かにはっきりと聞こえた。 「…そうだ。行かないと」 彼らの闘いの間、ずっと抜けっぱなしだった腰が軽々と浮いた。幾分か疲れが取れてくれたようだ。 なんとか立ち上がって、おうまが亡くなった時にふてん丸が導いてくれた出口への階段に足を踏み入れる。 そこは牢の中と同じく石造りの、粗雑なものだったが上がるのは苦にならなかった。 最後に、背後の二人に向けて手を合わせ、地上を目指す事にした。 地上に出るまでさして時間はかからなかった。出口の戸は開いていて(おうまが壊した錠が壊れて落ちていた)、すぐに出られたのだ。 出口付近にはボロが一着捨てられていた。今の格好よりマシだろうと思い、あしもは着替えることにした。ちょっとホコリ臭い… そうしてボロを纏って地下牢を出てみると…一面に青々とした草むらが広がっていた。さらに目の前には海が見える。 「え…?」 あしもは意外な光景に圧倒されつつ、辺りを見回してみた。草むらはすぐに途切れ、僅かな砂浜が後に続いていた。 一通り歩き回ってみると 「ここは…離島だったの〜…」 あしもが呆然とそんなことを口にした。見上げると綺麗な蒼天が限りなく天の果てまで広がっている。夜は完全に明けていた。 そしてあしもはすぐに接岸されている小船に気が付いた。2隻…おうまとふてん丸のものに違いない。 足が見つかれば後は行動するのみ。幸いにしてそう遠くない距離に陸地が見える。長い航海は必要なさそうだ。 「向こうに着いた後のことは後で考えよう。まずは、行かないと」 あしもは船の一つ――偶然にもふてん丸のものだ――に乗ってゆっくりと漕ぎ始めた。 頼りない動きだが、船は彼女に応じて少しずつ岸を離れていった。 やがて…日の光が見守る中、なんとか対岸に着いたあしもは、もと来た島をしばらく眺めた後、何処かへと去っていった。  〜完〜 582 :名無しさん@ピンキー:2006/11/21(火) 17:39:59 ID:dEu8t1L4 終わった。そして俺の休日も終わった('A`)後悔などしないYo! これまで応援してくれた人、ありがとう! そしてあと10KB…連載中の作家様、申し訳ない! 583 :名無しさん@ピンキー:2006/11/21(火) 18:32:31 ID:qGiya3iZ GJ!!!超絶GJだ!!! 何回もリロードして最後まで読んだ。 ジャンプ的なアクションと、ちょっと寂しい終わり方が良かったYO ついに完結おめでとう。ついでにスレもいい具合に埋まった。 584 :名無しさん@ピンキー:2006/11/22(水) 00:32:30 ID:s2HDMZbn 今更だけど ケイトの声って誰があってると思う? 585 :名無しさん@ピンキー:2006/11/22(水) 05:19:39 ID:YT7Hl2/+ >>582 GJすぎる……! このスレでくのいちに対して『生き残ってくれてよかった』と思ったのは初めてだぜ…… あしもには幸せになって欲しいよ 586 :名無しさん@ピンキー:2006/11/23(木) 16:31:11 ID:ZG09KldJ >>584 たはは、そう来たかw むっとするかもしれんが、ちょっと聞いてくれた ら嬉しいな。必ずマンセーしろとは言わないが、こう ゆう作品完結の瞬間には かならず感想など書いてあげるのが、職人さんへのかな りの労いになると思うんだ。て事で悪いけど、ここは一つスレの為にも頼むよ。  ゆかりんマーチはデスまあち〜♪ 587 :名無しさん@ピンキー:2006/11/23(木) 17:49:12 ID:rWwf0XO2 >>586 横槍をいれるようだが、別に感想の流れを止めたわけでもないんだから、 そこまで言うのは逆に感想の流れを止めてスレの空気を悪くするような気がするんでどうかと思う しかも>>586自分は感想とか書いてないしさ で、流れを止めるのもあれなんで585で一回書いたけどもうあえてもう一回言っておく 作者GJすぎるぜ……! かなりの大長編、マジで乙! 588 :名無しさん@ピンキー:2006/11/23(木) 19:28:47 ID:f2ujxHrT >>582です。感想ありがとうございます。 今の俺の心配事は>>536氏のこと―――やばい。絶対入りきらないよコレじゃ… 589 :名無しさん@ピンキー:2006/11/24(金) 00:59:42 ID:BiIDQj0k >>587 た て よ み  590 :名無しさん@ピンキー:2006/11/24(金) 03:48:10 ID:/ayD6q8f ……やられ好きは個人的にひそやかな趣味だったんですが、まさかこんなスレがあるとは思わなかった。 書きたいネタはあるんですが、やっぱり悪でないといけないんでしょうか。 書くと大抵どっちも悪でないというか、なんらかの原因で対決する事になったというパターンが多いもので。 それとも他にやられ系のスレがあればそちらに行った方がいいですか? 591 :名無しさん@ピンキー:2006/11/24(金) 05:47:22 ID:4y92b7P/ >>586を見て、やっぱりこのスレは住人同士が仲良いんだなってのを確信。 でも「なにを言うだぁーっ!」とばかりに出てきた>>587が救われねぇww それにしても、田村ゆかりってば最近は何の声してたっけ? >>588 大長編忍者アクション完結、激GJ!! あしもともお別れか〜。 そして536は俺な訳だが、こっちは次スレで完結になるかなw >>590 やられを愛でるのはここと……他は女雑魚スレぐらいですかね。 でも対決するならやられる方が自動的に敵役という事になるし、 まああんまり気にせずここで書いて下さったらいいと思います(´ω`) 楽しみにしてますよ〜。 592 :名無しさん@ピンキー:2006/11/24(金) 12:00:04 ID:iCsLi2Fz >>591 おお!!次スレ完結宣言ktkr!蝶☆楽しみにしてます! あしもはFA宣言しますんでお好きにどうぞ。見た目は>>385参照のこと。 結局、終わってみたら当初とかなり変わった流れになってしまった。 あの時に提示した『1』を期待していた方々、すいません! 593 :名無しさん@ピンキー:2006/11/24(金) 21:57:29 ID:/ayD6q8f >>591 > それにしても、田村ゆかりってば最近は何の声してたっけ? 最近だとやはり魔砲少女。 もっともバカ魔力でやられ役をぶっ飛ばす方だけど(笑)。 594 :名無しさん@ピンキー:2006/11/26(日) 21:03:45 ID:1d6danxx >>593 なるほど。この頃とんとテレビ見ないから知らなかた。 スレ埋めをかねて、役に立つかどうか解らんが妄想の燃料として聞いた話を一つ。 知り合いの友達は中国武術の達人で、花見の季節が楽しみだそうな。 なんでかって言うと浮かれて一般人に絡んだり屋台にみかじめ要求するヤクザが出てくるからで、 そういうDQNを見つけては「まあまあやめなさい」って止めに入る。 喧嘩になると相手の体にズブッと指を突き入れて、筋肉の腱を引き千切るんだと。 腱を切られたら痛いなんてもんじゃない。大の男がのたうち回る程の激痛。 しかも首の筋とか狙うんだって。腱は治りにくいから、関節曲げる度に苦しむ事になる。 で、恨みを買わないために、そのヤクザにもちょこっと自分の体を刺させてあげるんだそうな。 だから服脱いだらその人傷だらけ。 警察きても、警官がしょっぴくのは『刺されて血を流してる一般人』より やっぱり『一見無傷だけど意味不明のままのたうってるヤクザ風の男』だし。 「なんでわざわざヤクザ狩りを」って聞いたら、 「いいじゃん、あいつらクズだしプゲラ」ですとさ。 そんな話きくと、ダークキッドも本当にいるような気がしてきたw 595 :名無しさん@ピンキー:2006/11/26(日) 23:29:30 ID:Nr594NSG >>594 ごめん。本当の話かも知れないけど 「知り合いの友達」で始まった上にその内容だと 都市伝説にしか見えないw でも「ヤクザ」を「ヤクザの美人幹部(女)」とかで妄想すると 非常にエロいネタだと思ってしまった。 596 :名無しさん@ピンキー:2006/11/27(月) 02:23:34 ID:H1u7Tq3B >>595 だよなwww 俺もその話聞いた時は「それ半分くらいフカシじゃねーの」ってオモタ。 まあ、話して聞かせてくれた人は信用できる人なんだけども…… 美人ヤクザいいね。調子こいて背中の刺青丸出し肩はだけとか。 あと花見で暴れてるレディース(女の暴走族)を倒したりしたら萌えね? ちょっと昔の古臭いツッパリ不良どもね。田舎いけばまだ生息してるかな。 族と言ってもただのチンピラと侮れないんだこれが。 何年か前に見たニュースで、暴走族が夏祭りの会場に火炎瓶投げ込んで 小学生の女の子が大やけどを負ったってニュースをガチで見たよ。 そんな悪いお姉さんは屠りSS書いちゃってもいいよね? 飯井夜寝?(ウズウズ) 597 :名無しさん@ピンキー:2006/11/27(月) 03:12:13 ID:7fmrGjPU 屠るというのが格闘やCQBなどの観点と無縁でいいなら火炎放射器ってどうよ? 598 :名無しさん@ピンキー:2006/11/27(月) 03:13:12 ID:FaRw1t5i 埋める前にすまんが誰か次スレ立ててくれないか。。 >>529のテンプレの姉妹スレの 悪の女をつかまえて      http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1080476860/   を 【つかまえて】悪の女とH 2【つかまえられて】      http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1162820600/l50  にさしかえて。 俺の意見はこれくらい。あとは立てる人に任せる。 599 :名無しさん@ピンキー:2006/11/27(月) 05:27:41 ID:H1u7Tq3B 立てて来た。 http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1164572421/ でも、すげえ間違いやらかしちまった…… 600 :名無しさん@ピンキー:2006/11/27(月) 23:15:23 ID:H1u7Tq3B さて、埋めましょか。 火炎放射器は……どうなんだろう。 文章力がある人ならエロく書けるかもしれない。要は使い方? 601 :名無しさん@ピンキー:2006/11/27(月) 23:50:33 ID:ShyTq69R さすがに火だるまはグロい… 俺はどう苦しいのかよくわからない謎の電撃が好き。 戦隊怪人が戦隊相手に使ったり、特撮幹部がミスした部下に使ったりするやつ。 アレなら都合よく苦しめられそうでいいんじゃないかな。 602 :名無しさん@ピンキー:2006/11/28(火) 01:21:19 ID:ptebrnOl 言われてみれば本当に謎だなあw<謎の電撃 考えれば考えるほど「どういう風に苦しいのか」が全く分からんw 603 :名無しさん@ピンキー:2006/11/28(火) 04:12:31 ID:/scjbCEs あ、燃えるといえば火炎放射器じゃないけど『サイレン』にこんな武器あったわ。 ttp://www.youtube.com/watch?v=GTTHGltBVj0 これで相手が屍人じゃなくて、女の吸血鬼とかだったら最高なのにな。 604 :名無しさん@ピンキー:2006/11/28(火) 10:07:56 ID:cicQStI7 謎の電撃ってあまりに謎すぎて文章でどうあらわせばいいんだろうと悩む。 適当にコジツケ設定にするのか。 605 :名無しさん@ピンキー:2006/11/29(水) 02:30:45 ID:pghS2AR/ ああいう電撃は服も破けたりしますかw >>604 フォースじゃ、すべてフォースの暗黒面で説明できる! 606 :名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 01:15:33 ID:URLQPIwr 火炎放射器は少々えぐいと反省 女を溶解させる小説があるサイトがあったので、 溶液の濃度や勢いを操作できる文字通り溶解銃があれば服を溶かしたり 骨だけにしたりできて燃やすより盛り上げれそうだ。 607 :名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 01:41:26 ID:vUhsNegn って…溶解もグロいじゃないかw 服だけってのはナイスだけど 608 :名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 01:46:43 ID:IAqOJA0b もうね、衣服だけ溶かす特殊溶液開発しましょうよ。 609 :名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 05:15:47 ID:Y9QHEUZq >>608 お前天才じゃね? 610 :名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 09:10:00 ID:0MHb7Ij7 あ、それ昔設定だけ考えたことある。 化学合成繊維だけを分解してしまう光線を発射する銃。 木綿とか絹みたいな天然繊維には効果ないんだけど、ナイロンとかの化学繊維を消失させちゃう。 悪の組織に知らずに協力させられていた博士が、自分の娘に発明品を託して逃げさせようとして…。 「博士の娘が光線銃撃つ」⇒「悪役女『何のつもり、何とも無いわよ』」⇒悪役女、大事なところが丸出しに その後どういう展開にしようか悩んでお蔵入りになったけど…。 悪役女の服装はレオタードにストッキング、ショーツまで化繊という設定で。 とりあえずチラシの裏程度だけど。 611 :名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 18:52:21 ID:8l1nBnC9 屠るのスレでは微妙だけど、全裸にされたショックと羞恥によって悪の女戦士の洗脳が解けるとか、 子宮に衝撃を与えたら正気に戻るとかにしたらエロにピターリ 612 :名無しさん@ピンキー:2006/12/04(月) 00:02:47 ID:Y9QHEUZq アーマー破壊状態で屠る、というのも乙なもんですぜ。 613 :名無しさん@ピンキー:2006/12/04(月) 13:21:25 ID:thkXyjgk 悪かは知らないけど、功を焦った婦警(設定は近未来で、今より少しだけ装備がいい)が果敢に前進するも、 アラブ人テロリストにカラシニコフで容赦なく撃たれるってどう? 突撃銃の弾丸が拳銃弾にしか耐えれない抗弾ベストを貫く光景は壮絶なアーマー破壊状態だろう。