301 :名無しさん@ピンキー:2007/03/04(日) 11:46:48 ID:MMMoCA8l >>300 GETオメ! 妄想(!?)の方だがオリジナルじゃ普通にぶっ殺されてるんで 別のルートを見出そうという無駄な足掻きみたいなもの。 例えば、Vガンダムのカテ公は原作じゃ記憶喪失による別人化エンドを迎えたが 悪党らしくラスボスとして華々しく散らせてやれば面白いんじゃね?ってのと同じ。 実況じゃ例え悪役でも女が死ぬと阿鼻叫喚だぜ。 「ぎゃあああああ(ry」とか「貴重なマ(ry」などが飛び交ってるw 302 :名無しさん@ピンキー:2007/03/04(日) 16:29:02 ID:n3gaGFYH ニンジャウォーリアーズアゲインのクリアプレイ動画が見つかった記念に ようつべで見れる女悪役が出てくるベルトアクション系ゲームの一覧を 貼りだしてもいいかな? 303 :名無しさん@ピンキー:2007/03/04(日) 16:41:12 ID:bd9Meaiu >>301 確かにそういう妄想はよくやるわ。 あと最終回を迎えていない(悪の女がどうなるかまだ不明な)段階でいろいろなシチュでのやられ妄想したりw >>302 ぜひともヨロシク頼む。期待して待ってるぜ。 304 :名無しさん@ピンキー:2007/03/04(日) 17:08:17 ID:n3gaGFYH では。 Undercover Cops ttp://www.youtube.com/watch?v=05w1pYJruw4 The Punisher ttp://www.youtube.com/watch?v=iL08dUYTPBU The Combatribes ttp://www.youtube.com/watch?v=neMju-AWcPw Shadow Dancer ttp://www.youtube.com/watch?v=ZWubwfiQ0Ic Revenge of Shinobi ttp://www.youtube.com/watch?v=58Muhjlh0cs Gladiator/黄金の城 ttp://www.youtube.com/watch?v=g7wQO24i2hw Streets of Rage 3(ベアナックル) ttp://www.youtube.com/watch?v=fPa-isRKhms ttp://www.youtube.com/watch?v=ZY_guakb5FA Sunset Riders ttp://www.youtube.com/watch?v=Gtp_14T-PdY Ninja Combat ttp://www.youtube.com/watch?v=zIZ2Aua5pp8 Mystic Warriors ttp://www.youtube.com/watch?v=RkRqejFtVqQ Crime Fighters 2 ttp://www.youtube.com/watch?v=zbAcZJ-77HI Bad Dudes vs. Dragon Ninja http://www.youtube.com/watch?v=HzTLE4c68E8 そしてninja warriors again ttp://www.youtube.com/watch?v=Q5yN1FQ0U4M エレベータ内で美人くノ一に襲われるなんて浦山氏杉 おまけ ttp://www.youtube.com/watch?v=yHJoS4AQsDg 305 :名無しさん@ピンキー:2007/03/04(日) 20:05:58 ID:bd9Meaiu GJ!女ザコがやられていく様はやっぱり最高だな。 知らないゲームもあって大満足。こういうゲームのSSも面白いかもな。 ニンジャウォリアーズは機械が主人公だけに、 女であることをまったく考慮されずにクノイチが屠られてると思うと、もったいなさすぎてハァハァだ。 ベアナックルのエレクトラ姐さんはやっぱりエロい。 ベルトアクションゲームでも一、二を争う素敵キャラだと思う。 で、貼り主はどのゲームのキャラがいいの? 306 :名無しさん@ピンキー:2007/03/04(日) 20:54:17 ID:n3gaGFYH >>305 うーん、アンダーカバーコップスのビッチな姿と可愛い声のギャップもいいし、 ミスティックウォーリアーズのハイレグも捨てがたいし、 ドラゴンニンジャの異常な弱さも萌えるな〜。 でもやっぱニンウォリのクノイチかなぁ。 佇まいがいいというか、エロいんだけど毅然としてる感じが好き。 これでもうちょっと耐久力低かったらザコとしては完璧なんだが。 が、実は一番好きなのは天誅参〜大全のくノ一だったりする。 307 :名無しさん@ピンキー:2007/03/05(月) 00:36:42 ID:Uq/kxc5j ライトブリンガーのアマゾネスを薦めてみる。 動画はシスティーのリョナ画像集みたいなもんだが彼女らもちょこっと映ってる。 http://www.youtube.com/watch?v=tbbWrCPMzu4 308 :名無しさん@ピンキー:2007/03/05(月) 04:40:42 ID:KcKr7FvI こういうゲームでツボなのは地面の切れてるところやらエレベーターでの戦いでよくある転落による一発死。 「あ、地面が…落ちるぅ…」ってのが一番カワイソくて萌える。 309 :名無しさん@ピンキー:2007/03/05(月) 10:10:46 ID:G3BEDsXT 悪の女とHスレ落ちた? 310 :名無しさん@ピンキー:2007/03/05(月) 10:37:59 ID:MPoX3BfY >>309 次スレに移行してる http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1171967065/l50 311 :名無しさん@ピンキー:2007/03/05(月) 18:29:59 ID:cXyPK9E9 >>308 いいよなそれ。アンダーカバーコップスなんてステージが高層ビル?高速道路?だから、 ザコのビッチ系FOX姉さんたちが蹴られ殴られ投げられ落ちていくのがタマらない。 312 :名無しさん@ピンキー:2007/03/06(火) 11:33:59 ID:NamZa5Hx 敵が全部女のベルトフロアアクションできたら良いよねぇ…。 当たり前だけどスカートの敵はパンチラありで。 必殺技の1つに「ハニーブレイカー」とか言って… デスバイディグリーズの内部破壊や天誅の忍殺みたいなカットインつきの「壷潰し」技があったり。 アハハ…ヤバイ妄想広がりまくり…。 313 :名無しさん@ピンキー:2007/03/06(火) 21:53:36 ID:ptDiEB+q Hスレの分類表(樹形図)みたいなのの屠るスレverみたいなのもみてみたいな。 なあ、俺は男vs女派だが女闘(女vs女)の萌え(ハァハァ)ポイントがイマイチわからないんだが、 どこらへんがいいのか教えてくれないか。いや、煽りでもなんでもなく純粋なる興味なんだが。 314 :名無しさん@ピンキー:2007/03/06(火) 22:49:53 ID:H8Vl94Qg >>313 男vs女では少なくとも男に"燃え"は感じても"萌え"は感じないよな(「うほっ」は除外w)。視線は女に一直線。 女vs女だと両者に"燃え"つつ"萌え"られる。視線は両者のオッパイや尻に釘づけ。 ただし(これは主観が混じるが)女闘だと「犯して倒す」流れがイマイチ決まらない。やはりここは"張り型"でなく"男根"であるべきだ。 その代わり、女闘はシチュ的にヒロピン属性もあわせ持ってるからその(リョナ的な)嗜好がある人はなお嬉しいだろう。 315 :名無しさん@ピンキー:2007/03/06(火) 22:57:11 ID:ZYrRs9ZY >>313 自分でも良く分からないんですよ なぜか、恋愛も戦いも女同士じゃないとまったく琴線に触れないから困る 316 :名無しさん@ピンキー:2007/03/06(火) 23:03:08 ID:ptDiEB+q わかりやすい説明ありがとう。なるほどな、正義側ヒロインにも萌えられるわけだ。 そして、俺がどうしようもないくらいに悪女オンリー萌えなことがわかった。 ヒロインがリョナられようが、可愛かろうが美人だろうが、死のうが生きようがまったく一切感情が動かされないから。 悪の女という属性が付加されているかどうかだけが価値基準になってる感じ。ある意味悪の女好きの極右かもしれん。 ちょっと前に悪女に萌えない連中は何を考えてるのかみたいな話になってたが、、俺の逆を考えればいいのか。 317 :名無しさん@ピンキー:2007/03/06(火) 23:40:53 ID:6NwxN6df 同性の闘いは 同じイキモノ同士というニュアンスがぐっと濃くなる。 ちなみに俺は両方イケるくちだ。 というかどっちも不可欠だ。 318 :名無しさん@ピンキー:2007/03/07(水) 00:00:12 ID:YvuPKK0Z 屠られる相手の性別とか気にしたことなかったなぁ 生死問わず悪の女が負けるシチュエーションなら守備範囲内だ 対人に限らず「要塞の崩壊に巻き込まれて死亡」とか 「伝説の力を手に入れたけど制御できなくて自滅」とかでもおk 319 :名無しさん@ピンキー:2007/03/07(水) 00:05:55 ID:+RLDFKSq >>312 前はそんな感じのゲームをちょくちょく作ってたサイトがあったけどな。 某MNLからリンク張ってあったトコ。 もう何年も活動してないような… 正直そんな感じの敵が全部女のベルトフロアアクションやってみたい。 つーか誰か作ってくれおながいします 320 :名無しさん@ピンキー:2007/03/07(水) 01:52:27 ID:neRFvayC >>319 更新止まってから丸2年が経とうとしてるよな…ゲーム云々よりも当人の生存自体を心配している。 たまに遊びたくなったものを落として遊んでる。"腹伐"とか。 321 :名無しさん@ピンキー:2007/03/07(水) 08:40:55 ID:Ah+bE85G >>319>>320 ずっと前から某ゲームにMODを当ててエロいナチ女どもを虐殺しまくってハァハァするオレは勝ち組 いろんなゲームの感想を見るけど、どれもショボい。 ttp://img8a.atura.jp/bbs/3738/img/0001702630.jpg ttp://img8a.atura.jp/bbs/3738/img/0001702634.jpg ttp://img8a.atura.jp/bbs/3738/img/0001702637.jpg あ、当然「腹伐」その他には大いにお世話になりましたw 322 :まとめ人:2007/03/07(水) 10:47:06 ID:gxUntAHl >>321 テラナツカシスww 323 :名無しさん@ピンキー:2007/03/07(水) 15:34:10 ID:S93y1mHW 「ぎやうぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっぁぁぁぁぁぁぁっぁっぁぁっぁぁぁっ」 自分の口から出たとは思えないような悲鳴は脳内で鳴り響いたものだろうか? 「ハニーブレイカーっ!!」の掛け声とともに相対した男が繰り出してきた必殺技は、 私の戦闘員タイツの股間部分を突き破りつつ進入… 狙い過たず膣を引き裂き、子宮を押し潰し、骨盤を粉砕しながら内臓へと向かっていく。 女とは言え悪に加担するもの。悪の女戦闘員。 「ハニーブレイカーっ!!」の掛け声とともに俺は必殺技を放った。 「キャァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ」 戦闘員タイツを突き破り、股間に潜り込んでいく拳に必殺技の成功を確信した。 もはや女であることを強制的に辞めさせられた女戦闘員の痙攣する体を放り捨て、次の戦闘に備える。 とりあえず「ハニーブレイカー」を使ってみたかった。 女敵だったら誰でも良かった…。 324 :名無しさん@ピンキー:2007/03/07(水) 17:53:49 ID:Vh50SLXU 「ハニーブレイカー」ってそんな技だったのか。 すごくいいな…… いいもの見せて貰ったついでに、もともと何の技なのか出自も教えてくれませんか。 325 :名無しさん@ピンキー:2007/03/07(水) 20:30:04 ID:S93y1mHW >>324 んー…「ハニーショット」が「性器撃ち」の意味らしい(ググルで調べてみてもほとんど出てこなかった…、 ちなみに股間撃ちは検索するとそれなりに出てくる…デスクリムゾンとかメタルギアとかFPS系で)ので、 「ハニーブレイカー」=「性器破壊」=女性器ぶち抜きパンチとしてみた。 (ハニーブレイカーで検索するとインディーのロックバンドにぶつかるみたいですが関係ありません。) 実際には膣にせよ子宮にせよ、赤ちゃんサイズのものが通るように出来てるわけだから…、 腕なんかでも入っていっちゃうわけで…。 多分「「気」かなんかを纏わせてある」のか、「ヒーローの腕が金属並みに硬い」などの 理由で肉体を破壊していっているのだと…。 326 :名無しさん@ピンキー:2007/03/07(水) 21:31:30 ID:H7ys3UHW 通るには通るがそれ相応の準備をしないと通らんぞw リアルに考えると恥骨粉砕でショックで死んじゃうんじゃないか 327 :名無しさん@ピンキー:2007/03/07(水) 21:47:25 ID:wmb3vWo/ 恥骨粉砕フィニッシュ? ttp://www.youtube.com/watch?v=FCle8ThHmYY 328 :名無しさん@ピンキー:2007/03/07(水) 22:05:30 ID:2joNa5M6 >>321 あそこの作品をしょぼいと言ってるわけじゃないよね? 329 :名無しさん@ピンキー:2007/03/08(木) 04:06:39 ID:KCdoGQfp >>325 詳細ありがd、把握した。 ハニーショットってこういう事なんだな ttp://w5.oekakibbs.com/bbs/akujolove/oekakibbs.cgi?mode=res_msg&resno=97&author=0&thumb=0&picwid=459&pichei=906&thisfile=97.jpg ところで邪神兵のやつはPCと一緒にあぼんしたまま書けてないけど、 別のやつなら40%くらい完成済みのがある。 どうする皆の衆、そっち先もってきていい? 330 :名無しさん@ピンキー:2007/03/08(木) 07:28:09 ID:pim09g9b >>328 「敵の中に女がいた」じゃなくて「女戦士を倒すためのゲーム」なんて、そうそうお目にかかれない。 良い意味で論外です。復活求む。 >>329 聞くまでもなく是非是非是非よろしく 331 :名無しさん@ピンキー:2007/03/08(木) 22:33:08 ID:43EqBtKB >>323 「カッとなって犯行に及んだ」吹いたww >>329 是非お願いします。 何故か知らんが職場PCからでは2chに書き込めなくなった orz 執筆は勤務時休み時間・投稿はお持ち帰り後に自宅から射せ…投稿するしかなさそうだ。 レス見てると「ハニーフラッシュ」も性的な意味を含んでいるように思えてならないw つまりキューティーハニーがあれを叫ぶところで「何ていやらしい!」と赤面して…俺は一体何を言ってるんだ('A`) 332 :名無しさん@ピンキー:2007/03/09(金) 01:00:16 ID:VrOcOlMw >>331 秘所の奥が光に包まれて、悪女の体を子宮から・・・「ハニーフラッシュ!」 333 :名無しさん@ピンキー:2007/03/09(金) 01:46:17 ID:aQwhpb5M >>331 会社が規制したのか、たまたまIPが灰汁金中のと一緒になってしまったのか…… お察ししますぜ。 334 :名無しさん@ピンキー:2007/03/09(金) 01:49:52 ID:aQwhpb5M  朝から百台以上のフォークリフトをフル稼働させて始まった積込みは、深夜零時にやっと終わった。  俺の装甲列車『ノーザンライトエクスプレス』も十二分に充電し終わっている。  大型トレーラーをさらに巨大化したような、このタイプの無軌道列車は今や珍しくない。  地球全土に渡って連中に制空権を握られた今となっては、列車が大陸輸送の主役だ。  それでも何故、ノーザンの運賃が他と比べて割増しなのかと言えば、確実性に寄る所が大きい。  ネジの一つに至るまで、世界のどこにも追随を許さぬ技術で作られた純日本製だ。  外殻を包む複合装甲は劣化ウラン弾十数発の連射に耐え、レンナル製ビームの貫通を許さない。  車体の大きさこそ日本のJRと変わらないが、兵装は地球の全輸送列車中最強と言い切れる。  釣り目のシャープな面構えをしたノーザンは、ガラム星からの侵攻により壊滅的打撃を受けた欧州へ、 中国・重慶から食料品や生活雑貨、野菜の苗を運び、帰りには武器を満載して戻る予定だ。  石油や石炭などエネルギー輸送は流石にタンカー原潜に負けるが、速度と便の多さは魅力がある。  展望車から外の荷運びを見守る俺のもとへ、駅事務所から電話がかかってきた。 『おれだ、駅長の曹だ。健吾、そろそろ出発できそうか』 「ああ、こっちは何時でもいいぞ」  言ってから俺はちらと貨物用プラットホームを見た。黄色に塗られた日本通運のコンテナ、 真っ赤な農産物のコンテナ、真っ白なFedexのコンテナ等が、中身が空になったところで それらを駅まで運んできたトレーラーに積み返されているところだった。  最新型の大型ロボットリフトが慌しく動く一方、ホームの片隅では屋台が出ている。  豆炭の釜でキビ粥や唐揚げを作っているのは皺くちゃの爺さん。  屋台の粗末なベンチには労働者が集まり、その下では干魚を貰った犬が、しっぽを振って食事中だ。  最新型の輸送列車が居並ぶ駅でくり広げられる、十九世紀とさして変わらない食事風景。  真にもって中国的というか何と言うか、日本では大崩壊後さえちょっとお目にかかれない変な光景だ。  しかし雪のちらつく深夜に揺れるストーブや提灯の灯は、紛れもなく人々が暮らす営みの証。  俺がこれから向かう場所に、そういうものは一切ない。 『実は……さっきから変な電話がかかっててな』  曹が言葉を濁したので、俺は受話器を持ち替えた。「どんな電話だ?」 『いやあ、次の列車はウイグルを通るのかどうか教えろって言うんだよ。そんなの言える訳ないだろ』 「男の声か? 女の声か?」 『男だ。でもそれだけで信用できねえ。レンナルとか現地軍に利用されてる男もいるしな』  俺は暫く黙ったあと、電話を兼ねた手元の端末にルート設定画面を呼び出した。  今回の旅は、確かにウイグル自治区を通過する予定になっている。 「……教えてくれてありがとう。念のために予定を早めて、五分後に出発する」 『そうか、わかった。くれぐれも気をつけてな』  通話を終えようとする俺と曹の間へ、喧しい声が割り込んできた。 『けーーんーーごぉおーーー! また一緒に旅が出来るなぁー! フヒヒ!』  聞き覚えのある声に、俺は思わずあんぐり口を開けた。 「お前……ヤンか」 『そぉだよぉ〜! 私メリーさん、貴方の後ろにいるのっ』  慌ててノーザンがつけているのと反対側のホームを振り返ってみると、窓の向こうをゆっくりと、 油と煤でゴテゴテになった列車が滑り込んで来るところだった。俺の悪友の列車が。  ヤンの列車は金龍8型というタイプで、お世辞にも性能がいいとは言えない。  名の通り龍を模した機関車に引っ張られ、しかも貨車が途中から純正でないので文字通り竜頭蛇尾だ。 『あ、言い忘れたが今回の随行列車はヤンだ。よろしく頼むぞ』 「おい曹、そう言う事は前もって言え! 変な電話よりこっちがトラブルだアホ」 『あっ、あっ、健吾がいま酷いこと言ったっ! 酷いこと言った!』 「はいはいわかった、わかったからお前は黙れ」  よく見てみると、ヤンの列車には妙なパネルが取り付けられている。  何に使うのか知らないが、そういう無駄なものがゴチャゴチャついているのが奴のクオリティ。  俺は一方的に電話を切り、機関車に移動すると発進準備に取り掛かった。 335 :名無しさん@ピンキー:2007/03/09(金) 01:51:49 ID:aQwhpb5M ***  青林を出るまではネットも繋げたので、VIPで駄スレを立てたり隣のヤンとPCで通信対戦をしていたが、 雪の山林地帯が近づいて来るにつれ、さすがに電波を出すわけにはいかなくなった。  かつての大規模攻撃による気候変動は凄まじく、降雨が少ない筈のこのあたりの積雪は今や60cmを超える。  外の気温はマイナス15℃。高速移動する列車の表面温度はもっと下がり、触れるだけで危険だ。  電力ロスを減らすため暖房は極力セーブし、俺はベッドに潜ってDVDを見る事にした。  ノーザンの住居用貨車は他の貨車と外見上は何ら変わらず、機関車からも離れている。  内部は畳にカーペットを敷いて、コタツとベッドでワンルームマンションぽくしてある。  やはり日本人ならこうでないと。外から微かに聞こえる吹雪の音と、列車の振動が眠気を誘う。  だが、今夜ばかりは心からぐっすり眠ることはできない。  山間部にわずかに広がる平原は輸送列車の墓場となっており、焼けた機関車や装甲車が転がっている。  恐らくはレンナル帝国の戦闘UFOに撃破され、貨車ごと商品を強奪されてしまったのだろう。  この辺りは近頃急に勢いづいてきたロシア軍に攻撃をしかけるため、帝国の戦艦が頻繁に行き来する。  加えて戦車や武装ヘリを持つ帝国現地軍から、正規軍くずれの山賊まで出る始末。  俺の仕事は列車に積まれた武器を駆使してそいつらを退け、荷物を無事に届ける事。  こんな時代に……いやこんな時代だからこそ、俺のような引き篭もりにも仕事がある。  何せ戦闘時以外は部屋で寝ているだけでいいのだから。この列車が俺の家で、俺の殻だ……  アニメを見ながらゴトゴト揺られてまどろんでいると、ふいに枕元の電話が鳴った。 『健吾、起きろ! 大変だ!』 「おいヤン、通話はできるだけやめろって……」 『うっせえ寝ぼけんな! 今すぐ外みろ!』  ヤンの気迫に訝りながらカーテンを開けてみて、俺は一気に眠気が吹き飛んだ。  窓の外の平野に、点々とまばらな光点が見える。  時速二百キロで進む俺達の列車に随行するのが数点、ちょうど前方の峠に固まっているのが多数。 「馬鹿な! レーダーに反応はないぞ! 警報だって鳴らなかっ……」 『俺だって偶然窓開けて見つけたんだ。あれはレンナル帝国の〃飛行騎馬隊〃だ!』  人付き合いの悪い俺だが、こんな仕事をしている以上は聞いたことがある。  帝国の陸戦隊は時折、大型兵器を使わず、わざと小型の飛行バイクに近距離武器で襲って来る。  それは彼女らの文化で言うところの『じかに相手の返り血を浴び、自らの美しさとする』戦い方で、 この戦法を指示する指揮官は往々にして貴族出身の娘が多いらしい。  返り血で赤や緑や青(これまで地球以外の星は、帝国艦隊の前にあっさり膝を折ったそうだ……) にまみれた自分達の姿を至高の物として捉え、〃宇宙最強の女戦士〃を謳う彼女たち。  僭越ながら俺に言わせてもらえば、そんなもんはただ野蛮で下品なだけだ。  異星人の血でベトベトになって法悦するアホどもを、到底美しいとは思えない。  そして何より俺の本音はこうだ。 「――化粧品にされてたまるかーーッ! 俺はもっとヒキコモるんじゃいッ!」  叫ぶと同時にデスクの赤いキノコ型ボタンを拳で殴り、兵装システムのスイッチを叩き入れた。  全長二キロにも及ぶノーザンの各所に連結された戦闘車が起動し、自動砲塔が動き出す。  一瞬のラグのあと、各車の戦闘員から次々と内線の状況報告が入ってきた。 『こちら7号車から12号車、全武装異常なし』 『こちら24号車から30号車、全武装異常なし』 『こちら60号車から……』 336 :名無しさん@ピンキー:2007/03/09(金) 01:53:41 ID:aQwhpb5M ***  疾走する列車を峠から見下ろし、飛行バイクに跨った女はゴーグルの奥で瞳を燃え上がらせていた。 「武装列車が二つか。フフン、今宵の狩に相応しい獲物だ……」  女の名はハイネ・リーリャ・スワローザ16世。ガラム語の〃ハイネ〃は高位貴族を表す称号で、 スワローザ家は帝国が宇宙進出を目指した初期から、幾多の戦乱を超えて続く屈指の名家である。  ……と言えば聞こえは良いが、スワローザ家の部隊が狙うのは民間人など弱い相手のみ。  それで生き残ってきたのだから、実質誇れるのは歴史の長さしかないという家柄だ。  今も〃戦果〃という名の虐殺を求め、人口の多いインド、中国、ロシアを北上する旅の途中だった。  しかし、神の悪戯か悪魔の芸術か、この血筋の者は美しい。  白磁の肌に、すっと通った鼻筋。二重で切れ長の眼は矮小な心とは裏腹に、気高き聖女を思わせる。  すらっとした足先から手首までを蛇革の防弾タイツで覆い、くびれたウエストには黒ベルト。 たっぷりした下半身には、タイツの上から股間へキュっと食い込んだ銀色のTバックをはいている。  Gカップの胸にはスワローザ家の紋章が入った鎧を着こんでいるが、これは装飾的な意味合いが強い。  彼女ら指揮官クラスにとって、軍装に一番大切なのは外見である。機能性は二の次だ。 地球の貴族が舞踏会で優美を競うなら、レンナル貴族の子女は戦場に於いて冷酷さと強さを競う。  そして特筆すべきは首から胸元で、これは数日前に手に入れた白と黒の熊の毛皮で巻いてある。  この熊を殺す時、飼育係の男は半死半生にされながらも泣き叫んだ。 『やめてくれ、パンダを殺さないでくれ! 地球に、いや宇宙に、もう何頭もいない生き物なんだ!』  だから彼女は男の頭を踏み潰した後、パンダを殺して毛皮を剥いだ。  なぜなら宇宙でも希少なる生物の毛皮こそ、自分の高貴なる肉体を飾るに相応しいからだ。 「フフフ。あの列車が、この毛皮より珍しいものを積んでいると良いのだがな」  美しい顔を嗜虐的に歪め、リーリャはこれから来るであろう流血を想像してほくそ笑む。  そしてパンダの毛皮をバサリとなびかせ、ビームライフルを振り上げて一族郎党に指令を下した。 「者共、かかれぇーーい!」 「ヒャッホォーーーウ!!」 「イイヤッホォーーーウ!」  半分気が狂ったかと思える程の奇声を上げ、バイクに跨った女兵士数十人が崖を下った。  次々と列車にビームピストルの発砲を繰り返し、吹雪の平原に青白い火花を散らす。  それに反応して黄色の列車は速度を落とし、銀色の列車の影に隠れた。 銀色の列車についた戦闘車の砲塔がぐるりと向き直り、彼女ら目掛けて一斉に砲門を開く。  ――ドゴォッ!  雷鳴のような発射音と共に大口径滑空弾が飛び出し、リーリャの部下達に襲い掛かった。  だが哀しいかな、砲は中型兵器を想定したもので、飛行バイクのような小さな目標は上手く狙えない。  弾は一騎を風圧で転倒させたに留まり、遥か遠くで空しく爆発した。  転んだ兵士はリーリャのすぐ前にいたが、リーリャは止る気など毛頭ない。 「ひっ、ひいいっ! リーリャさまああぁぁああッ!」 「どけーっ、邪魔だーーッ!」  そのままバイクで轢き潰した。  ――ブチィッ! 「ぶぐっひぎぃいいーーーっ!」  兵士の体は腹で真っ二つ。ブタのような悲鳴を上げ、鮮血を散らしながら飛んでいく。  やがてドサッと窪みを作って、彼女は雪に埋もれて消えた。  リーリャにとって一兵士の命などより、狩の楽しみのほうが遥かに大切だ。  追い詰められて弱った獲物を、じわじわといたぶり殺す。そこに無上の快感を感じる。  それは汚らしい男奴隷とのセックスなどでは到底感じられない、子宮に響く女悦なのだ。 「くはははは、長いだけのデク列車め、せいぜい足掻くがいい! 焼きヘビにしてやるわ!」 337 :名無しさん@ピンキー:2007/03/09(金) 02:40:49 ID:aQwhpb5M えー、まだ続きがありますが眠いのでご勘弁…… 2レス分ぐらいできたら持ってきます。 338 :名無しさん@ピンキー:2007/03/09(金) 02:50:08 ID:SupaOFXX へ、蛇の生殺し・・・・こんなにたくさんの悪のお姉さんたち出しておいて・・・・期待して待ってる。 339 :名無しさん@ピンキー:2007/03/09(金) 08:45:39 ID:TuiNNk2F >>337 乙乙乙! 続きも楽しみにしてる 340 :名無しさん@ピンキー:2007/03/09(金) 19:00:08 ID:aQwhpb5M  黄色い列車は屋根から迫撃砲を撃ち出したが、照準装置が悪いらしく空振りばかりだ。  雪の平原に弾をばらまくが、リーリャ達には当たらない。  と、銀色の列車の側壁がパカリと開き、そこから小型銃座のついたパンタグラフが伸びてきた。  乗っているのは女だ。ハイレグのレオタードにニーソと手袋、ブーツ。いずれも黒。  頭にはヘルメットはおろか、ゴーグルさえ無い。  殆ど半裸に近い服装なのに、彼女は猛吹雪の中瞬き一つしない。  苦痛、恐怖、いかなる感情も伺えぬ顔で、女は大型機銃を撃ってきた。  弾は近くを併走していたリーリャの部下に襲い掛かり、バイクに当たってガツン、カキンと火花を上げる。  一瞬後、飛行バイクのエンジン部から火が出た。軌道はヨレはじめ、制御が失われた。 「あうっ! はひぃっ! いや! いやぁーーッ!」  グラグラ揺れるバイクを何とかしようとした挙句、彼女はバイクの爆発で前方へ吹き飛んだ。  前にあったのは凍った木。その枝へ彼女は、時速二百キロ以上で顔から突っ込んだのだ。  枝は口から突き刺さり、ヘルメットを割って白い歯を叩き折り、喉を通って腸を破りながら尻へ突き出た。 「ぐあ……ごぉ……あぉごおおぉぉーッ!」  彼女にとって不幸だったのは、脳が無事なまま一瞬で串刺しにされたが為、絶命できなかった事だろう。 「おぐ……ご……はぁぁ……」  彼女は肛門から内臓をひり出しながらカエルのように空を掻き、悶え苦しみ抜いて息絶えた。  リーリャはそんな事など気にとめず、銃座の黒レオタ女どもを撃ち落す事に必死になっている。  不思議なことに、ビームが至近距離で装甲にガンガン当たっているというのに、女達は怯まない。 (何だこいつらは。本当に地球人なのか? だとしたら大した度胸だが……)  念のため、ゴーグルの無線機をいじって列車内で交わされる通信を傍受してみる。  いくら暗号化されていても、レンナル帝国の科学力にかかればこの程度、玩具を弄るに等しい。 『こちら34号車、ナンバー427が右腕故障。ガトリング操作続行不能』 『わかった、ナンバー427を戻して代わりを出せ!』 『アイサー』 『87号車戦闘中。跳弾によりチーフが大破』 『んがぁクソッ! ナンバー114、お前が指揮を引き継げ! 連中をヤンの列車に近づけるなよ、ボロいんだから』 『アイサー』 「……〃故障〃? ……〃大破〃だと?」リーリャは首を傾げる。  指示を出しているのは男だが、その他に聞こえるのは女の声ばかり。 「まさか!」  エンジンのスロットルを上げると、止める部下を押しのけて一気に列車へ接近した。 「リーリャ様、危険です!」 「うるさい!」  滑るように接近すると、よそを狙っていた銃座の女は慌ててこちらに狙いを改める。  だが、リーリャの方が一瞬早かった。  二発撃ったビームライフルの弾は銃手の腕を吹き飛ばし、太腿に穴を開けた。  断面から現れたのは血肉ではなく、空気圧を利用した人口筋肉のチューブとコードであった。  右腕を無くした女は痛がるでもなく、ちょっと驚いた顔をした後びっこを引いて列車に戻っていく。 「こちら60号車、ナンバー12戦闘不能。指示をお願いします」  機械的に無線で呟いている彼女の後姿を見て、リーリャの頭にたちまち血が昇った。 「きっ、機械のドローン兵だと! おのれ、馬鹿にしおってぇぇーーーーッ!」  背中に背負ったビームサーベルを引き抜くと、銃座の通路になっているパンタグラフを両断した。  銃手のナンバー12は指示を受け取る事もできず、落下する銃座に巻き込まれた。  皮肉にも、彼女は自らが守っていたノーザンライトの車輪に轢かれた。  高速移動するノーザンの大口径車輪にグシャグシャに踏み潰され、安っぽい花火のように爆発する。  それでもリーリャの怒りは収まらない。リーリャ・スワローザは血が欲しいのだ。  怯えて小便を撒き散らし、情けなく震えて泣きながら死んでいく地球人が見たいのだ。  ロボットを壊したくて列車を襲ったわけではない。 「おのれ、おのれ、おのれ、おのれえええええーッ! こんな物、潰しても何にも面白くないわ!」 341 :名無しさん@ピンキー:2007/03/09(金) 19:01:30 ID:aQwhpb5M  怒りにまかせてビームライフルを連射し、銃手のドローン女を片っ端から撃ち落してゆく。  そして代わりの要員が出てこないうちにノーザンから距離を置き、無線機に怒鳴った。 「一般兵の車両を出せ! この列車に乗り移るぞ!」 『はい、リーリャさま!』  一般兵とはいわゆる〃スワローザ家以外の人間〃で構成された女性部隊で、リーリャにしてみれば 奴隷同然か、少しましな階級ぐらいにしか思っていない。事実、扱いは常に捨て駒だ。  それはそうだろう、平民ごときにおいしいところを持っていかれては、何のための貴族か。  すぐさまやってきた高機動兵員トラックから梯子が伸び、銃座が出ていた穴に連結される。  小銃を装備した一般兵が列車に突入すると、途端に列車内で交わされる無線の密度が高まった。 『こちら60号車、乗り移られました!』 『アイタタタ…… 全員、白兵戦用意! この先にカーブがある、それまで押し返せ!』 『アイサー』 『いいな、絶対に持ちこたえろ!』  リーリャも自分の無線に怒鳴る。「急げ、この先にカーブがあるぞ!」  真っ先に列車内に飛び込んだ一般兵が、中から飛び出したドローン兵と掴みあいになった。  すさまじい風圧の吹雪の中、横幅50cmもあるかないか解らない梯子の上で、二人…… いや、一人の帝国兵と一騎のドローン兵が腕をからませ、乳をぶつけあい、足を絡ませる。 「くそっ、このっ! 離しなさいよ! 離せっ!」 「離しません。たとえ私が壊れても!」  もみ合った挙句、二人はからみ合ったまま梯子から転落した。 「ひいぃっ、いやあ、いやーーーーーッ! ぐぎゃあああああああああ!」  帝国兵の方は凄まじい悲鳴を上げながら、ドローンは無言のまま、ノーザンライトの車輪に轢かれた。  血肉と電子部品がミキサーにかけられ、二人の体は混じって雪原に散ってゆく。  どちらがどちらだか、もうわからない。  そんな様子を、リーリャは部下と一緒に冷笑しながら見ていた。 「ハハハ! 平民ごときはドローンと相打ちがお似合いだな」  やがて兵員トラックが横付けされた戦闘車が沈黙し、中から一般兵がライトで合図を送る。 「よし、制圧が完了したぞ。ものども、続けぇーーーーッ!」 「ハッ!」  リーリャは配下を引き連れて、ノーザンライトの内部へ転がり込んだ。 342 :名無しさん@ピンキー:2007/03/09(金) 19:10:13 ID:aQwhpb5M またぞろクレイさん設定でやらせてもらってますが、 前よりさらに殺伐色が濃くなっております。 あと勝手な設定いれまくりでクレイさんには申し訳ないこと限りないです。 ハイネって何だよ(´Д`)ハイネスのもじりかよ。 またちょっと間をおくので、 キボンとか批判とかあったら今のうちにお願いします。 343 :名無しさん@ピンキー:2007/03/10(土) 02:14:12 ID:sfDcNvjh 乙と言いに来たら更に続編が書かれていた…乙乙!? リーリャさんイイですね。「機械じゃ駄目だ!血肉を見せろ!」って素敵w それにしても殺伐としてますね〜。女やられ道はシグルイなり。 >ハイネって何だよ(´Д`) …黄色いグフの人? 344 :名無しさん@ピンキー:2007/03/10(土) 08:31:05 ID:6Qxs3asX すごい力作ですねGJ! 少しエロスな所もほしい。 >ハイネって何だよ(´Д`) 西川の中の人? 345 :名無しさん@ピンキー:2007/03/10(土) 08:40:39 ID:UEElbZj/ >>342 乙乙乙乙!ついでに乙乙! 今度は列車側に控えていた強いヒロインが登場して一般兵を惨殺しまくってほしい。 しかし数の力に負けて徐々に後退。そこへ無線の男が登場。 ヒロインは技で応戦。足技で首をヘシ折る。男はパワーで応戦。鳩尾にパンチかまして内臓破裂! ・・・なんてどう? 346 :名無しさん@ピンキー:2007/03/11(日) 06:24:44 ID:xAsd7dT8 >>343-345 喜んでくれてありがとう。あとアイデアありがd。 できるだけ取り入れて書いていきます。 あ、あと絵掲にリーリャ様投稿してきたんで脳内変換ヨロ。 347 :名無しさん@ピンキー:2007/03/11(日) 06:57:50 ID:d2lc09zO あんまり詳しくないので・・・絵掲ってどこ? 348 :名無しさん@ピンキー:2007/03/11(日) 07:14:32 ID:j2keFZTP テンプレ読むべし 349 :名無しさん@ピンキー:2007/03/11(日) 07:38:53 ID:xAsd7dT8 >>347 ・∀・)つ■ ttp://w5.oekakibbs.com/bbs/akujolove/oekakibbs.cgi?mode=res_msg&resno=98&author=0&thumb=0&picwid=546&pichei=700&thisfile=98.jpg デザインはどこも文句ない? つかベルト描き忘れた。 350 :名無しさん@ピンキー:2007/03/12(月) 07:02:08 ID:VDVRoPge >>348 すんません >>349 ありがとう! お友達&知ってる人の書き込みがあって驚き桃の木。いやホント。世間って狭いな・・・。 めっちゃかわいいですがな。 351 :名無しさん@ピンキー:2007/03/12(月) 07:05:16 ID:VDVRoPge え・・・といいますか。よくよく読んでみると。。。 私が誰か探し当てないでくださいお願いしますお願いしますお願いします。 352 :名無しさん@ピンキー:2007/03/12(月) 07:48:45 ID:/O+YZXUt >>351 むっ、おぬしただの名無しさんではないな! くそー逃げられたか。 353 :名無しさん@ピンキー:2007/03/12(月) 21:55:50 ID:pMc1XEdv >>349 なぜそこでパンダだったかは分かりませんがリーリャ様が美人さんなので全てOK墨汁 …マジで美人だな。 354 :名無しさん@ピンキー:2007/03/12(月) 21:56:29 ID:pMc1XEdv "血風"のクリスタトスから抜け出た『足付き台座に運ばれていった"目玉"』の行方、 瀕死で起き上がり、立ち向かってきた"烈火"のスカラマンガの言い放った『クリスタトスはまだ死んでいない』という言葉… 不可解な出来事の連続でミユキは暗澹たる思いになっていた。 だが…タイツは違う。彼は至極さっぱりとした様子でこう言い放った。 「え〜っと、とりあえず…出ようか」 それは、まるで店から出る時のを思わせる無難な言葉だった。ちょっと拍子抜けしたミユキは「え、えぇ」と生返事で返して踵を返す。 出入り口はドアが吹き飛んだせいで簡単に出られる。その奥は廊下だろうか…暗くてよく分からない。 不安に駆られるミユキに、タイツは「罠があるなら立ち向かうだけだぜ」とこれまたあっさりと言ってのけた。 不本意だがここは彼の言うとおりだ、と思いつつ何気なく足取りを重くしてタイツに先行させるミユキ。 が、傍にいるブロフェルドが動かない。どうしたのかと不審に思い尋ねてみると彼女はこう返した。 「―――私は最後に出ます。先に出入り口から出て下さい、姉さん」と。表情は暗い。 常に冷静な娘である彼女が塞ぎ込んでいる。珍しいこともあるもんだとミユキは首をかしげた。 思えばクリスタトスが最後の台詞を吐き終えることも無く事切れた直後から彼女の様子が変わっていた。 あまりに気になったので探りを入れようとしたミユキの肩をタイツが掴む。これまた珍しいことだった。 思わず拒否反応を起こしそうになったミユキだったがタイツの顔(といってもタイツ越しなので正確な表情が掴めない)を見て従った。 彼は無言で(行くぞ)と言っている――そう感じた彼女はそのまま2人で出口へと向かった。 タイツは振り返ることなく出て行く。それに着いていく形になったミユキは出口に差し掛かる直前でちらりと妹の方を見やった。 …そのブロフェルドの手が掲げられ、倒れているクリスタトスらに向けられるのを見て、ハッとなって見るのを止めた。 そして出口を出て折り返したところで、「ドォン!」という炸裂音が―――「ドォン!」……2度、響いた。 僅かな振動、天井から落ちるホコリ。出口付近からブワッと白煙が舞う様。何があったかミユキはすぐに分かった。 ――出る瞬間に妹を見た、あの時にすでに直感で察していたのだ。ブロフェルドは仲間の後始末をするのだ、と。 最初は爆音のショックで肩をビクッと振るわせたがなるべく動じないように努めた。 死体は2つ、爆音は2回…始末は終わったはず。用を終えて戻ってくるはずの妹に格好悪いところを見られたくない。 それはミユキなりの見栄であった。タイツはそんな彼女の内心を知る由も無く、通路の先をただ見つめるだけだった。 その視線の先には、長そうな通路と闇が広がるのみ。これから先の見通しは…その光景どおり、暗い。 355 :名無しさん@ピンキー:2007/03/12(月) 21:57:41 ID:pMc1XEdv 爆音から少し経ったが、ブロフェルドは帰ってこない。ミユキは待つ間に彼女のことを考えていた。 思えば、あの娘も始めはタイツらを抹殺するために送られた者だった。成り行き+収拾がつかなくなったヤケクソ分+打ち切り補正で 何故か味方っぽく振る舞い、自らの主とミユキを追っていた組織の連中・そしてミユキまでも倒して今はタイツとミユキの妹を名乗る。 …ミユキは超人的なタフさで生き返り(!?)、ブロフェルドと再開した折、多少の口論の末に何故か彼女を家に招く羽目になり今に至る。 その時の経緯を数行で表すと、こうだ。 「あの時はよくもやってくれたわね!」 「落ち着いてください姉さん」 「これが落ち着けるかっての!死の淵をさ迷ったわよ!夢の中で誰かに蹴り殺された気がするし、散々な臨死体験だったわ!」 「はぁ。それはまた貴重な体験を…とにかく、一旦落ち着きましょう。姉さん」 「む〜〜…ええ〜い!誰が"姉さん"か!あたしは一人っ子だしアンタみたいなでっかい身内なんていn――」 「…落ち着きましょう。姉さん」 ポワワワァァ〜〜〜ン…… 「あ―――え、え〜っと、なんだか拍子抜けしちゃうわ。最初に出会ったときの人間凶器っぷりは何だったのかしら?」 「気のせいです。全ては悪い夢だったのです。姉さん」 「う…あんまり"姉さん""姉さん"って連呼しないでくれる?なんだかこっ恥ずかしいわ」 「――わかりました。姉者」 「…"姉さん"でいいわ……と・に・か・く、こんな街角でやってても埒が明かないわ。家に来なさいよ」 「は、はい。よろしくお願いします。姉さん」 「はいはい…ん?――ん〜〜〜〜っ……ま、いっか」 ……こんな感じである。ぶっちゃけると、ミユキは思念操作を食らっていたのだが本人は全くの無自覚だ。 とにかく、この後に行く当てがないことをブロフェルドの口から告げられたミユキは仕方なく彼女を居候させている、というわけだ。 もちろん彼女が無加工でミユキを説得していたかというと…怪しいものだが。 ミユキが回想に思いを馳せていた時、ブロフェルドは未だ出口から漏れ出続ける塵芥に紛れながらひょこっと姿を現した。 タイツもミユキも部屋の中がどうなったかなど知りたくもない気分だった。微かに漂ってきた嫌な臭いだけでも十二分に過ぎる。 「お待たせしました。行きましょう」 が、臭いで顔を曇らせた2人とは対照的に、戻ってきたブロフェルドはいつもの落ち着いた姿勢の彼女に戻っていた… 356 :名無しさん@ピンキー:2007/03/12(月) 22:06:50 ID:pMc1XEdv 今回はやられが無くて申し訳ない(;´д`) 次は初っ端から飛ばすつもりなので何卒ご容赦を… 357 :名無しさん@ピンキー:2007/03/13(火) 11:19:55 ID:RCfJqHiI >>356 無問題 プロローグ乙 さぁじゃんじゃんいきましょうw 358 :名無しさん@ピンキー:2007/03/13(火) 13:29:15 ID:dUGTP07C >>356 乙GJッ!!! ミユキさんのgdgdっぷりがナイスwww 次回も見逃せません。 ところで『捕まえてスレ』で好みの分類表とか作って盛り上がってるみたいだけど、 こっちでも屠りタイプ分類とか誰か作ってみないか。 359 :名無しさん@ピンキー:2007/03/13(火) 23:20:33 ID:dIasQY6o このスレ的に、遺跡や屋敷のトラップに引っかかってどうのこうのとかは どうdesuka。 なんか昔あったよね。トラップ屋敷の主人になって、侵入者を トラップ各種を駆使して滅殺してくゲーム。名前が思い出せねぇ・・・。 「へへっ。あったあった。お宝見っけ」 「でもさ、こいつカギ掛かってるぽいよ。ビクともしないや」 「うーん、こういうのはカギを開けるための仕掛けがどっかにあるはず  なんだけど・・・」 「ねぇ、あっちにあるいかにもってな感じの台が関係あるんじゃない?」 「お、この台に描かれてる模様、さっき頂いた置物と同じ模様だ!・・・ってことは!」 「ビンゴ!!」 「ちょっとちょっと。ワナかもしれないじゃない。解析班が来るまで待ってなって」 「やーよ。あいつらにまでお宝分けなきゃなんないじゃない。あたしらの取り分が  減っちゃうよ。・・・それ♪」 ゴト・・・ 「・・・・・・」 「・・・・・・」 「・・・何も起こらな・・・」 ズゴゴゴゴゴ・・・ 「え?」 「あ?」 「あ・・・あ・・・上・・・レリーフが崩れ・・・」 ゴオオオォォォーーーッッ!! 「きゃああああ!」 「うわああああ!」 グワシャアアアアァァァァン!! 「・・・・・・」 「そ、そんな・・・どうして・・・」 「ああっ!なんてこった!」 「どうした!?」 「この置物と台の模様・・・よく見るとこことここが違う!この置物はフェイクだ!」 軽はずみな一アクションが命取り。悪魔城ドラキュラの釣り天井はいつもビビり男。 360 :名無しさん@ピンキー:2007/03/14(水) 01:23:49 ID:B2Hz2okX >>358 あっちは和姦か強制かとか正義と悪女の力関係とかで展開や結末が色々変るけど、こっちはとにかく殺すことが大前提だからむずそうじゃね? ここは言い出しっぺに期待したい。 361 :名無しさん@ピンキー:2007/03/14(水) 15:31:02 ID:S8P4xJon 影牢 のことか? 362 :名無しさん@ピンキー:2007/03/14(水) 16:26:54 ID:6Nbt+DW0 刻命館にようこそ? 363 :名無しさん@ピンキー:2007/03/14(水) 19:37:48 ID:rHXdBMa0 >>359 影牢とか蒼魔灯とか刻命館とか、PCゲーでも出たらよかったのに。 そしたらMODぶちこんで侵入者皆女性化。 >>360 好きなジョブを選んでね! 極めると使える技が増えるよ^^ ☆シーネ派 ┣敵女は殺すよ(シーネ派原理主義者) ┃┣一人づつ静かに葬っていくよ(サイレントアサシン結社) ┃┣まとめて派手にぬっ殺すよ(爆弾・ランチャー使い) ┃┣そのきれいな顔をふっ飛ばしてやる!(格闘戦士ギルド) ┃┣片っ端から蜂の巣にしてやるぜ(トリガーハッピー銃士同盟) ┃┣次は…ない!(剣で真っ二つ騎士団) ┃┣お前はもう死んでいる(北斗真拳使い) ┃┣汚物は消毒だーッ!(お焦げ大好き火炎放射兵) ┃┣ミンチにしないと食べられない(スプラッタ愛好会) ┃┗エロ技で屠るよ(官能処刑隊) ┃  ┣おっぱいおっぱい!(ジョルジュ党) ┃  ┣マッサージで必殺(ゴッドハンド組) ┃  ┣秘孔を突いて性器がアベシ(性感爆裂拳使い) ┃  ┣ハニーブレイカー!(ハニーブレイク同好会) ┃  ┣ハニーショット!(ハニーショット愛好クラブ) ┃  ┗入れてやる俺のどす黒い息子(SPW財団後援、如意棒波紋戦士) ┃ ┣命まではとらんよ(穏健シーネ派) ┃ ┣ぶん殴って傷物にしてやる(肉弾クラッシャー) ┃ ┣捕えて法の裁きを待つよ(法律遵守会) ┃ ┗エッチで廃人だぜ(快楽仕置党) ┃ ┗味方やヒロインも殺すよ(女の死=エロス主義者)   ┣ザコなら敵味方かまわんよ(やられ最重視評議会)   ┣つか正義側うざくね?(アンチヒロイン党)   ┗とにかく女は全員殺すよ(女性全滅派) 364 :名無しさん@ピンキー:2007/03/14(水) 19:40:04 ID:rHXdBMa0 『どういう女が好きか』ってのは別にまた作るわ。 365 :名無しさん@ピンキー:2007/03/14(水) 20:08:52 ID:6Nbt+DW0 >>363-364 うまいな。自分がやったら確実にズレるw 366 :名無しさん@ピンキー:2007/03/15(木) 02:00:36 ID:nKv15YBU やっぱりこのスレの花形は官能処刑隊なのかな。 367 :名無しさん@ピンキー:2007/03/15(木) 23:25:35 ID:k7Nqd56k 3人は長らく闘っていた一室を抜け、暗い廊下に躍り出た。 出てみて分かったが、今までいた場所は突き当たりにある部屋だったようだ。 左手は行き止まりになっている。目の前にはドア(ブロフェルドが吹っ飛ばしたものと同型のもの)がある。 臆することなく戸を蹴飛ばすタイツ。だが、そこにはそれまでいた部屋とほぼ同じの、殺風景な一室があるだけだった。 「――ここってあたしが監禁されてた部屋じゃないの?」 タイツの脇から顔だけ覗かせたミユキが室内をキョロキョロと見渡す。確証は無いが何となくそんな気がするらしい。 「まぁ、とにかく無人だな。次、行ってみよー」 そう言うと戸を開けっ放しのままで部屋から視線を外して暗闇の支配する廊下に目を戻した。 相変わらず先行き不安を地で行くような薄暗い通路。と、その闇がじょじょに明るくなっていく… 上を見ると、蛍光灯が手前側から次々に点灯していくではないか。その光は次第に奥へ奥へと広がっていく。 通路の天井に一列に並んだ照明が最奥部(?)に達するまでそう時間はかからなかった。暗闇から一変。光が席巻する世界が広がる。 「へぇ。向こうから"こっちにおいでよ"と誘ってるわけだな。いい度胸してるぜw」 タイツは嬉しそうにそう呟くと意気揚々と歩を進めていく。他の2人もそれについて行く。 白い廊下が真っ直ぐ置くに向かって延びていて、壁には無数のドアが整然と並んでいる、という光景だ。 「ポルターガイスト3とかマトリックス リローデッドで見た光景ねー。スミス出ないよねスミス?」 「…言ってたら出るから止めれ。まあ、映画以外で例えるならホテルの廊下だな〜」 「人の気配が全くないですね。来る時は全然気にする余裕ありませんでしたけど…」 感心するミユキ。キョロキョロするタイツ。辺りを警戒するブロフェルド。廊下には彼らの立てる足音だけが静かに響く。 「あ!そう言えば!アンタは外から来たのよね!?どうやってここまで来たの!?」 突然、巧い事に気がついた!とばかりに開けた表情でミユキがブロフェルドに問いかける。 思い出してみれば、ブエロフェルドはミユキ(とタイツ)のピンチに駆けつけたのだった。 どうやって察知したかはこの際気にしないことにするが、ここは何処なのか、というのが気掛かりだった。 期待の眼差しのミユキ。しかしブロフェルドの反応は芳しいものではなかった。 「それが…急いでいたのでここが何処なのかはさっぱり分からないんです」 その返事を聞いたミユキは「だあぁ〜っ!」と嘆いてギャグ漫画みたいに引っくり返った。何じゃそりゃ、である。 「兄さんと姉さんの危機を感じて咄嗟に飛んできたものですから…ごめんなさいね、姉さん」 顔の前で手を合わせて詫びるブロフェルド。だがミユキはあまりにも間抜けなこの妹の答えに立ち直れずにいた。 そこでタイツが仕方なく彼女を宥(なだ)めようとした…その時、 「ちょっと〜、喧(やかま)しいわよ〜」 と…整然と並ぶドアの、その一つから女の声がした。そのドアまでは少し距離があったが『聞き覚えのある声だ』と3人は思った。 「廊下で騒いでるのは誰よぅ??」 再び声がする。冷たい響きと語尾が微妙に間延びした口調。露骨に迷惑そうな声音だが、確かに聴いたことのある声であった。 368 :名無しさん@ピンキー:2007/03/15(木) 23:27:00 ID:k7Nqd56k とんとんとんっと床板を踏みしめる音が響く。実にわざとらしい演出だがタイツは気にしない。 右手をそっと添えてラグナロクを屹立(きつりつ)させる…彼の抱く期待に応えるようにムクムクと大きくなる物体999! 思わずシコシコしそうになるのをグッと堪えるタイツ。だがその興奮に敏感に反応してしまい膨張するワルサーPPK!! 「くそっ。落ち着け。落ち着くんだ相棒ッ!」 誰にも聴こえない声だったが背中越しでも不審な様がハッキリと分かる慌てぶり。だが肝心のヌークは言うことを聞かない。 「ちっ!この聞かん棒めっ!ぴしぴし!」 「…一人で何言ってんのよ」 流石にミユキが探りを入れようとしてきたがタイツが尻を突き出してその手を拒絶した! 「な、なんでもないブリ!」 迂闊。声が上ずってしまった。女が出てきたら即、強姦する気なのだ。彼のセンサーは既に相手を"女戦士"と断定している!! ―――やがてその声のしたドアが"ギイィ…"と開き始め、その向こうからスリッパを履いた生足がぬっと出てくる。 そして、出てきたのは…浴衣姿の若い女だ。灰色の髪。氷のような美貌。背丈が高く、浴衣から見える白い肌が扇情的だ… ――声に覚えがあるはずだ。それは紛れもなく、先ほど死んだはずのクリスタトスに瓜二つの美女だった! ミユキは現れた彼女に吃驚している。ブロフェルドはすぐに身構えた………タイツは、走った! 「クリトリスの姉御!今度は抱かせてくれ!」 神速で浴衣から見える胸の谷間に顔をうずめるタイツ。その動きは見てからではかわせない! ヘッドスライディングの要領で人間魚雷と化して突っ込んでいくタイツ!向かう先はベースではなく、浴衣姿の女の腰だ! ドアから離れたクリスタトス(っぽい女)は注意しに出てきたようだが突然の襲撃(?)に完全に面食らってしまった。 そのせいで、彼女は棒立ち同然となり、タイツの力強い腕がその細い腰に巻きつくのに手間はかからなかった。 ガッシリと巻きつく変態タイツ仮面!彼は彼女の肢体を貪るように肌をすり寄せていく…っ! 369 :名無しさん@ピンキー:2007/03/15(木) 23:28:50 ID:k7Nqd56k ギュッ、と力強く抱きしめられるクリスタトス(なのか?)は接触からワンテンポ遅れて悲鳴を上げた。 「え?―――って、きゃ〜っ!?いやああああっ!」 ショックを受けて腰が引けてしまい、その場に尻餅を着いてしまうクリスタトス(かもしれない人)。 タイツは問答無用で浴衣姿のクリスタトス(仮)を押し倒し胸とかお腹とか太ももを攻め始める! だが、息子は待ち切れない様子。"せっかくだから"一気に貫くところまで往こうかとブツを露出する前に、妙な違和感を覚えた。 「…ん?"きゃー"?"いやああああ"!?」 前に会った"スーツにコートな"彼女なら挙げそうにない声だ。変に思って下に敷かれて仰向けになっている彼女を凝視する。 まじまじと押し倒したばかりの女の顔を凝視する。日本人離れした顔立ちに黒い瞳。そして眼帯。見覚えのある顔だ。 だが…服装は浴衣だ。相変わらずプロポーションは良い。先の勢いで浴衣がはだけて胸やらおヘソやら剥き出しになってて実にエロい。 「だ、だ、誰よ貴方!ちょッ…離してよっ!」 そのいやらしい格好の女はミユキと似たような口調で猛抗議してくる。パンチやキックが襲ってくるが、非力なのか全然痛くない。 あんまりにも変なんでタイツは一旦作業を止め、本人確認を試みる。改めてクリスタトス(っぽい人)の顔を見つめながら呟く。 「お前…クリスタトスだよな?」 「は?…な、なんで私の名前を知ってるのよぅ!?」 目の前のクリスタトス(らしい)はジタバタともがき続ける。だがヤる気満々だったタイツは彼女をがっちり固定して離さない。 「この胸の感触は間違いない…けどなんか…あ、眼帯が右にある!」 先ほどしっかりと顔を見たはずなのに今ごろになって前会ったクリスタトスと今いる彼女との違いに気付いた。 そう。眼帯が違うのだ。前は左眼を覆っていたものが、今度は右にある。そして左眼はタイツを敵意を込めて睨んでいる。 見た目はどう考えてもクリスタトスだ。だが何というか、漂っている雰囲気がまるで違う。口調もちょっと違うし、妙だ。 「――別人?」 「私は貴方なんか知らないわよ!早く離して!んでもってその汚らしいポークビッツを奥にやってよ!」 「ぽ、ポークビッツだぁ〜ッ!?このクソアマ…味を見てやる!」 ベロォリ…タイツが舌を突き出してクリスタトスの顔を舐める!「ぎゃ〜っ」という悲鳴が廊下に響く… 「この味は……嘘をついている味だぜ!お仕置きだ!(ゴソゴソ)」 そう言いながら彼女の浴衣を脱がして、接触を第2段階へ移行しようと試みるタイツ。一方、クリスタトスは半狂乱になった。 「ひゃあっ!汚い!汚らわしい!下劣!変態!変態!」とタイツを次々に罵る。嘗められたのがとても気に障ったようだ。 「―――兄さん、彼女は嘘なんかついていませんよ」 と、ブロフェルドの声が後ろから聞こえてきた。彼女はいつの間にかタイツのすぐ傍まで追って来ていたのだ。 「ああ。嘘だぜ。だが入り口は定まったようだn…「やめんかド変態ッッ!」 ガツン!ブロフェルドより遅れてやってきたミユキが独断でタイツの動きを悪行と決め付けてダッシュキックを放った! 「ぐふっ!な、何気に効くぅ」 タイツは後頭部に35のダメージを受けた。ミユキは3の経験値を得た。 しかし、逆効果。刺激を受けてタイツのYAMATOがピクリと動き、少しだがクリスタトスの下腹部に触れた! …ツン! それを目の当たりにした彼女は「ぎゃあああッ!」と今にショック死するのではと思う程の悲鳴を上げた。 370 :名無しさん@ピンキー:2007/03/15(木) 23:32:32 ID:k7Nqd56k 「へ〜っ。この人もクリスタトスって言うんだ。それにしてもキャラが違いすぎるんじゃない?」 タイツの下敷きになってキャーキャーと悲鳴を上げ続けるクリスタトス(浴衣Ver.)を見てミユキは首を傾げる。 さっき倒したスカラマンガの言葉が思い出されるが、目の前の彼女を見ると何か違和感があるのだ。 仕方なく、訳知り顔のブロフェルドに目を向ける。彼女は何か気まずそうな雰囲気をかもし出していて非常に気になる。 「え〜っと、ネタバレ希望」 そこで"キボン"と言えない辺りミユキ嬢もまだまだ甘い。 「…クリスタトスはまだ死んではいない。その言葉は正しいんですよ。姉さん…」 ブロフェルドは至極マジメな顔つきで呟く。ミユキはちょっと焦れてしまった。この先に、何があるというのだろう? 「はぁ?…でもさっきのあの女は確かに死んでたぜ?…よいしょっ」 タイツはブロフェルドの方をちょっとだけ見てから、すぐに視線をクリスタトスに戻した。ついでに腰の位置を調整する。 準備万端。いつでも突くぜ、の意思表示である。 「ぎゃーーーッ!」 この世の地獄を垣間見たかのような絶望に塗(まみ)れた表情でクリスタトスが叫びまくる。涙を流して喚く様はどう見ても被害者だ。 「そろそろスレ違いじゃないの!?この内容なら"女悪役を捕まえて〜"のスレで…」 だがタイツは取り合わない。すでに呪われた魔剣はクリスタトスの桃色の裂け目への突入を開始しようとしている。 「はああっっ!?だ、ダメ!それ駄目!だめ!DAMEーッ!」 それまで以上に暴れ狂うクリスタトス。半狂乱とも取れるその様はまさに"必死"の様相を呈している。 「観念するんだな!俺が女戦闘員を犯す、と決断した時には―――既に行動は終わっているんだぜ…」 ずぶり。タイツは最初から彼女の言葉に耳を傾けてなどいない。慣れた手つきで速やかにゲイボルグを挿入する。 そしてホンの少し、動きを止めたタイツは、そのまま迷うことなく腰に力を入れ、奥へと突いた。 「―――あっ。………がっ!だ、駄目って、言った、の……に…」 タイツのブリューナクによる強引な攻めは激しい痛みを伴ったようだ。交わった部分から血が流れた。 彼女はそのまま諦めたかのように脱力し、その場にダラリと伸びた。 「へっへっへ。気絶しちまいやが――「こ、この性犯罪者がッ!」 バキッ! 般若も裸足で逃げ出す修羅の面相をしたミユキが容赦なくタイツの横っ面をグーで殴る。 会心の一撃!タイツに128のダメージを与えた!8の経験値を得た。 …ミユキはレベルが1上がった!成長させるパラメータを選択して…「やかましいっ!」 ミユキは何処へともなく一喝。不思議なナレーションは消え去った。 「ちょっとタイツ!いくらなんでもやり過ぎでしょ!?この女もさっきとはまるで別人みたいだし、ちょっと拙いんじゃ…」 と、そこまで言ってミユキがピタリと動きを止めた。その目線はタイツの下半身に集中している。見る見るうちに表情が引きつる。 「ま、拙いんじゃない、の…?」 その視線はタイツとクリスタトスの結合部分を直視している。タイツも視線をそこに移してみた…すると、 なんと繋がっている部分に黒い靄(もや)がかかっているではないか!エロゲでもあるまいし!タイツは慌てて精器を離した! ぬるっと抜ける時の剣!だが黒い靄は付き纏うようにその邪聖剣を覆う!見る見るうちに黒化し、ドス黒いデスペニスが爆誕した! 「って…ぎゃー!なんじゃこりゃー!お、俺の、俺の、え〜っと……タマタマがぁ〜ッ!」 「言うに事欠いてそれかよっ!…って冗談じゃないわ!汚らしいブツがさらに黒く塗りつぶされて、更に不気味!」 「不気味とか言うな!俺の商売道具が…じゃなくて正義の肉棒が…」 南半球に住む方々でもここまで黒くはあるまい!ってほどに黒く変色していく金玉。じょじょに形も曖昧になっていく。 「ぬぅォォおおおああああぁぁぁあぁぁああああああ〜〜〜〜ッっッッ!?!?!?!?!?」 その異様な変化を前にした当のタイツはこれまた奇妙な声で嘆き悲しむ。なんとかしようと股間を手で押さえつけようとしたが、 なんと、手が男根をするりとすり抜けるではないか。まったく手応えがない。タイツの巨根からは当たり判定が失われていた! 「なんたる、なんた〜るアンタッチャブルぶりりりり……あばばばば〜」 「ちょっ……落ち着きなさいよ!バイドクでも回って狂ったの!?」 ミユキは「見てられない」とタイツを抑えようとしたが、彼は全く言うことを聞かない。 さしものタイツも混乱を禁じえない。何度試しても触れることすら敵わない。手は虚しく空を切る。ペニスは不気味に蠢き続ける。 371 :名無しさん@ピンキー:2007/03/15(木) 23:37:18 ID:k7Nqd56k 未知の性病に犯されたタイツのゴリアテ。黒い不定形の塊と成った"それ"は肉棒であった面影すらない… 「ふ…ふふふふふ」 その時、不気味な声が響いてきた。タイツの真下にいるクリスタトスが発している笑い声だ。 見ると、クリスタトスが以前のクリスタトスと同じように冷笑を浮かべている。 メダパニにかかっているタイツに代わってミユキが彼女と睨みあう。 「あ、あんた気絶したんじゃ――」 「私はこの時を狙っていたのよ。お馬鹿さぁん」 そう言って右の眼帯を外すクリスタトス。そこにはやはり、左の黒い瞳とは全く異なる金色の瞳があった。 「――"淫毒"のクリスタトス。"血風"に成り代わり、今ここでタイツの命を絶つ!」 カッと目を見開いて宣言するクリスタトス。やはり先の"血風"とは別人、ということで間違いないようだ。 「……随分と、身体を張った毒壷だなぁ。おい」 全身汗まみれで毒づくタイツ。股間はそうしている内にも肥大化と縮小化を繰り返し不安定に変化し続けている。 「ふふふ。ボウヤの性格なら絶対に食いつくと聞いていたからね…まさか押し倒されるとは思ってなかったのだけれど」 "血風"とは微妙に違う発音の『ぼうや』扱いにムッとするタイツ。そんな彼を冷ややかに見つめるクリスタトス。 出会った時の彼女の反応は調子に乗りやすいタイツをうまく乗せるための演技だったのか?と疑問に思うミユキの心を読んだのか、 クリスタトスはニヤニヤと笑って無言でその疑問を肯定した。ミユキは思わずドキッとしてしまう。 「不思議そうな顔ねぇ。貴女って顔に全部出てるから分かり易いわぁ」「姉さん、バレバレです」 何故かブロフェルドにまで指摘されてしまう。居た堪れなくなったミユキは肩を落として項垂れてしまう。(´・ω・`)ショボーン クリスタトスは仰向けになったままなので引っくり返ったカエルみたいで非常に格好悪い。しかも完全に無防備だ。 これならあたしでも倒せるし、ブロフェルドなら一撃なんじゃね?と、凹みながらも思うミユキ。だがまたしても"読まれた"… 「私を倒すなら倒せばいいわ。でもタイツはどうなるかしらね…」 「は? こいつの命なら惜しくないんだけど」 「おい…(泣)」「姉さん…」 珍しく優位に立てて図に乗るミユキ。思えばタイツは宿敵だったし、どうせ死んでも死ぬ"タマ"じゃないし〜。 「殺れるものなら殺ってみなさいよ。そんな無様な格好で調子付いてるアンタなんかにこの変態を倒せるもんですか」 はっきりと、宣言する。タイツの股間の変容は確かに禍々しくて恐ろしい。だが、多分コイツは倒れない、という確信があった。 「うふふ…なんてお馬鹿さん。ならさっさとやっちゃいましょ。―――其の内に潜むほの暗き黒を解き放ちたまへ」 勝ち誇ったように言うクリスタトスは歌うように呪文を唱える。するとどうだ。タイツの下半身がピタリと動きを止めた。 屹立した黒い塊がピクッと痙攣して、これもまた動きと変化を止めた。そのお陰で、タイツは少し余裕が出てきた。 「うっ!イクッ!?」 「――ちょっと黙ってなさぁい…今、ボウヤの中の混沌を引きずり出してあげる。貴方はアナタに喰われるのよ…ふふふ」 爛々と輝く瞳でタイツの下半身の黒に、まるで何かを命じるかのように熱い視線を送り続けるクリスタトス。 「現出せよ黒き黒!この塵芥が汚らわしき肉を触媒にし、己が主の血肉を喰らいその同類をも等しく死に至らしめよ!」 クリスタトスが高らかにそう告げると同時にタイツの股間が異様に萎縮したかと思うと、次の瞬間に大幅に膨張した! 「どおぅうわああああああああ!ち、ちびる〜〜〜…って、ちびろうにもチンポがこれじゃあなぁ…」 自分の事なのに危機感が足りないタイツ。一方ミユキは… 「ああ!やっぱりあたしたちも狙われてたんだぁ〜!」 などと今さらながら慌てていた。 372 :名無しさん@ピンキー:2007/03/15(木) 23:40:19 ID:k7Nqd56k ぐごごごごごごごご……岩が軋むような重厚な音がタイツの股間の黒から発せられる。 その形が徐々に指向性を持ち始める。なにか、ある形に成ろうとしているのが傍目から見ているミユキからでもはっきり分かった。 「ちょ…止めなさいとタイツ!」 「あ〜?触れないのにどうやって止めるんだよコノヤロ〜!」 「アンタそれでも正義の味方なの!?手が駄目なら心で念じて止めなさいよ!」 「無茶言うなこの…うわっ!」 ミユキとタイツが口論している間に股間が更に変化を起こす。先端が三つに分かれ始めたのだ! 「うおおおおおお!三つ又!これでこの場にいる3人を犯してやる〜!」 ヤケクソで吼えるタイツ。あまりに見事な開き直りっぷりなのでその場にいた女性陣が一斉に引いた。 「くっ。ふふふふ、虚勢を張っても無駄よ。この後でどうなるかは私にも分からない。けど貴方は確実に喰われるわ!」 カッと目を見開くクリスタトス!…だが――――その時、彼女らの脳裏に"直接"声が響いた! "我はダーク…ダーク・ファルス。死と破壊の権化。闇を生み出す者―――" それは男とも女とも取れない奇妙な声だった。機械での合成音声にも聴こえる… タイツもミユキもブロフェルドも、クリスタトスまでもが狼狽して辺りを見渡す。が、気配は無い。 考えられるとしたら、唯一つ。 「なんだ! これは?! とてつもなく まがまがしいちからを かんじる!」 突然、棒読みで叫ぶタイツ!その眼前で、黒いイチモツが急速に形を成す。3つに分かれていた先端が、明らかに頭と両腕になった! それらはとても暗い青色の肌へと変色する。顔は微妙に"男根"を思わせるシルエットを残しているが眼や口が現れ、不気味に変じる。 現れた眼は白く、光すら放つ。口には鋭い牙が並び明らかに肉を食い千切る獰猛さが如実に現れている。 両腕は頭よりも太く、筋肉繊維と管と骨とが複雑に絡み合った凶悪な姿をしている。その先には当然のように爪が備わる… "ハッハッハッハッハ!ようこそ じゃあくのわな パンドラのはこへ!" 声は段々と遠くへ去っていく…その代わりにやってきたのは――ー文字通り、死と破壊の権化のような禍々しい呪われた巨躯だった… "そいつ"は恐らく声の主なのだろう。だが今のそれに知性は感じられない。ただただ、凶暴を形にした怪物がそこにあるだけだ。 それを目の前にしてクリスタトスは勝利を確信する。なんと恐ろしい姿だろう。が、その闇におこのタイツは喰われるのだ! 「ははは…これがボウヤの心の闇…気持ち悪いわ。さぁ、自分の主…汝が根元…タイツ仮面を食べてしまいなさ―――きゃあっ!!!」 自信満々でタイツを指差して怪物に指示したクリスタトス…だが、 その丸太のような腕で薙ぎ払われたのは、彼女の方だった。 373 :名無しさん@ピンキー:2007/03/15(木) 23:41:41 ID:k7Nqd56k 廊下の床をズザァッと滑る裸身。怪物――ダーク・ファルスに吹き飛ばされたクリスタトスだ。 前のクリスタトス同様に……彼女もまた、思惑通りに行かない現実に直面してしまっていた。 「ば、ばばば馬鹿な!?」 クリスタトスが驚愕の声を上げる。吹っ飛ばされただけで怪我は無いが、浴衣は完全に剥がれ、全裸となっていた。 「"馬鹿な!"は俺の台詞だぜッ!なんじゃこりゃあ!お前なにをしやがった!?!?」 「わ、私はお前の心を具現してやっただけよっ!!それが…な、な、なんでこうなるの〜!?」 彼女自身、計算外だった。自滅するはずの業が、今は彼女を追い詰めてしまっているのだ。 そのうろたえる様にミユキは既視感を覚えた。確かタイツが"前の"クリスタトスの洗脳を無視して暴れだした時もこんな感じだった。 やっぱり同一人物(?)なのかなぁ、と思うミユキ。が、今回も労せずして勝利を掴めそうな、そんな予感がした。 一方、もはや『怪物』と称するしかない物体に成長(?)してしまったタイツの『男』。その姿に、股間らしき面影は残っていない。 黒々として禍々しい輝きを放つ肌をした"そいつ"はクリスタトスを跨(また)ぐ形で両腕(!?)を降ろした。 "ズズン!"とその巨体に似合う重厚な着地音。タイツの股間からこのような巨大な怪物が生えるとは…ミユキは目眩を覚えた。 「ああ…遂に怪物のカテゴリーに飛び込んだわねタイツ」 「なっ!何を言う!というか、クリちゃん2号!お前この変容が俺の心の闇とかいったな!?嘘だと言ってけれ!」 「ぐわあああおおおおおおお〜〜〜〜!!!!!」 必死で弁解を求めるタイツの声にこたえたのはクリちゃん2号ではなく、自身から身を生やした怪物だった。 地獄の底から聞こえるとはこんな感じか、と実感できそうなくらい現実からかけ離れたボイスを発するタイツの槍。 「ちっが〜う!断じて違うどー!こんな恐ろしげな姿が俺の心の化身だというのかぁ〜!」 「ぎゃおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!」 「やめろ〜ッ!そんな、なんとなく"そうだよ〜ん"って言ってるような咆哮を挙げないでくだちい〜っ(泣)」 涙がちょちょ切れる思いのタイツ。一方、股間のダークファルスは涎(!?)を垂らしながらクリスタトスに頭を近づける。 明らかに、狙われているのはタイツでなくて…クリスタトスの方だった。彼女はそれまでの態度から一変して恐怖におののく。 「ひっ!あひっ!!そ、そうだ!これは夢!夢よ!」 急に何かを閃いた!といった具合に開眼するクリスタトス。 「そう!これは夢!!そうに違いないわ!仮にも"正義の味方"の、汚らしいクソが……魔獣みたいになるなんて!!」 その場の状況にそぐわない、壊れた笑顔。狂ったのかとミユキもタイツも思ったが、真相は分からない。 「あは、あははは―――」 実際のところ、彼女は正気だった。前の彼女もそうだった。これが彼女達の素なのだ。危険な時、自然と――笑みがこぼれる。 だが…それで眼前の脅威が取り払われるわけではない。怪物ダーク・ファルス。"暗黒のイチモツ"が大口を開く! 「――あはは、あははう、うは―――――は…………い、いやあああああああああ!!!!!!!!」 「ぐぎゅゅゆゆわわわああああああぁぁぁぁぁあぁぁぁあああぁぁぁぁぁ〜〜〜〜〜ッッ!!!!!」 笑いから一転。無様に悲鳴を上げたクリスタトス2号の声を、ダーク・ファルスが大口を開けながら発する叫び声がかき消す… ばぐんッ! 彼女は、そのまま頭から覆い被さられる形でダーク・ファルスの口の中に吸い込まれていった。 「―――――ッッッ!?!?」 しかしまだ、クリスタトスの腰から下が口からはみ出ている。脚でジタバタともがき、丸出しの尻がぶるぶる震える。 だが、抵抗も虚しくダーク・ファルスが顎に力を込めた瞬間、「バギッ!」という派手な音と同時にその動きが止まった。 だらんと力なく垂れる両足。股間の辺りからはチロチロと小さく水の流れる音がする。 そして怪物が顎をしゃくらせて残った下半身を飲み込み終えた時――クリスタトスはこの世から完全に消えていた。 374 :名無しさん@ピンキー:2007/03/16(金) 00:01:14 ID:k7Nqd56k 「( ゚д゚)ポカーン」「( ゚д゚)ポカーン」「( ゚д゚)ポカーン」 "淫毒"のクリスタトスの、あまりにも呆気ない幕切れに3人はただただ呆然としていた。 それでも目の前には元・タイツの男根だった暗黒のイチモツがそそり立っている。 そいつは獣並みの荒い息遣いでグフーッ!グフーッ!と灰色の息を吐き出している。その息がまた、実に身体に悪そうだった。 「ダーク・ファルス――異界の"憎悪の具現"が、どうして兄さんの…おチンチンから出てくるんでせうか?」 「知らないわよ…なにこの人食いチンポ」 辛うじてショックから立ち直ったブロフェルドは答えを期待していなかったのか、「はぁ」と溜め息をついた。 「お前ら…もろに"チン"って言うな。これまで散々オブラートに包んで表現してきた苦労が水泡に帰すだろ」 「それも知らないわよ。というか、さっさと引っ込めてよソレ…」 タイツの向こうの大きな背中を見るミユキ。なんだかよく分からないが凄く助かった。 と、その時、怪物が振り向き始めた!まさかラスボス戦!?と3人が身構えた…刹那、その姿は霞のように消え始めた。 黒い霧に包まれたそれは、現れた時とは違いパッと霧散するように飛び散ると、空間に溶けるようにして消滅する。 圧倒的存在感はあっという間に去り、元の男根に戻ったタイツのそれはペロンと力なくその場にへたり込んだ。 「( ゚д゚)…… (゚д゚)あれ?」 「こっち見ないでよ」 タイツは自分の股間を触りながら不思議そうに首を傾げる。あまりに下品な光景にミユキは視線を逸らした。 「呼び出した本人が死んで、具現化する力を失ったんですね…」 額に浮かんだ汗を手で拭ったブロフェルドは、冷静にそう解釈した。 その瞳は…いつの間にか脱出していたのであろう"金細工の脚付き目玉"の逃走を見つめていた。 375 :タイツの人:2007/03/16(金) 00:06:15 ID:k7Nqd56k 早足で終了。バラバラに書いたものに加筆したものなので所々おかしいかもシレン。 で、ここで「中篇〜Regeneration of Dark Phallus〜」は終わりッス。次は後編w 376 :名無しさん@ピンキー:2007/03/16(金) 02:34:29 ID:1burD7zQ 人食いチンポてかw 毎度毎度よくアイディアが出てくる・・・乙!!! 後編よろしく〜 377 :名無しさん@ピンキー:2007/03/16(金) 05:45:37 ID:+6vTJqsD >>363 『気に入った一人以外を全滅させて残った一人だけ助けてやる派』は俺だけか… 378 :名無しさん@ピンキー:2007/03/16(金) 08:06:40 ID:VPI2Bcev うおお、自分の策にハマってしまって最期を迎えるとは。 せっかくエロ技の二号機だったのに勿体ないッ!!!! だがそれがいい!! 超GJです! >>377 実際に存在する限りはたとえ一人でも立派な派閥よ。 自分の性癖を、表に自由に追加してくれ。 適当になんか偉そうな名前つけるのも忘れるなw 379 :名無しさん@ピンキー:2007/03/16(金) 09:27:57 ID:oIhS35gn タイツの人、毎度GJ! クリ姉さんはミユキさんと同じく何度でも出てきそうな気がした。 徐々にギャグキャラ化してさらに強靱になって帰ってくるに違いない。 380 :名無しさん@ピンキー:2007/03/16(金) 23:14:05 ID:1burD7zQ >>377 時には考えることあるよ 洗脳を解いて改心させてオレとラブラブ生活 興味ない女は洗脳されてようが関係ない。無用で任務の障害でしかないからぶっ殺すw 381 :名無しさん@ピンキー:2007/03/18(日) 03:38:40 ID:0SivpA/x >>380 ちょっと変なこと聞きますよ。 おまいさんの理想の敵女ってどんなの? お姉さん? 美少女? 382 :380:2007/03/18(日) 08:17:00 ID:785UIvMW 捨て駒的な存在でワラワラ出てくるのが美少女 幹部がお姉さん 基本はこんな感じ。でも場合によって違うなぁ 383 :名無しさん@ピンキー:2007/03/18(日) 17:06:15 ID:X2Mehx6f ttp://www.youtube.com/watch?v=TC2y4dE_ZbI ttp://www.youtube.com/watch?v=Kj7jIq2333k ttp://www.youtube.com/watch?v=Rt2Va8uMzMw かわいい外見のわりに、はっきりと殺し合いだよな。 かわいいのベクトルがここで求められてるものと違うかもしれんが。 384 :名無しさん@ピンキー:2007/03/19(月) 20:04:28 ID:9TfAnhnV >>383 ぺたん座り&イヤイヤポーズをしながら爆死・・・ 385 :名無しさん@ピンキー:2007/03/19(月) 21:40:05 ID:x+scjaB2 >>383 ボンバーマンは見た目こそ可愛げだがその実、常にガチバトルだからなw そりゃドグラー博士も脳みそになりますよ(爆) 386 :名無しさん@ピンキー:2007/03/21(水) 04:59:53 ID:eRzPRZAQ 逃げる!逃げる!金細工の施された上等な装飾品のような美しいキャリアーに運ばれ、目玉が逃げる! (某実況板で"某アニメにベアード様のそっくりさんが出た"時の「このロリコンどもめ!」連レスは異常w) 真っ直ぐ伸びる廊下をひた走る目玉。その…かつての主はよりによって自分が呼び出した物に呑まれた。 無様に絶命した主にはもう用はない。早く『本来の主さま』のところへ戻らないと―― と、しばらく走ったところで同型の目玉が待っていた。その視線は逃げる同類を見つめている。 待ち人(待ち目玉?)の到来を首を長くして待ち望んでいた"血風"の目玉は、とにかく焦っていた。 その場で足踏みでもするかのようにカチャカチャと3脚を鳴らしている。焦れているのだ。 やがて、2つの目玉が同列に並んだ。そうして並んでいるのを見ると、そいつらは一対の目に見える。 いや、実際そうなのだ。彼らはもともと対なる存在。今や一心同体となった目玉たちは並んでまっすぐ廊下の最深部へと向かう。 今こそ『本来の主さま』の元へ赴く時……とにかく今はあるべき姿に戻らんがために足を動かし続ける他あるまい――― "新"タイツ仮面・後編 〜謳われぬ戦勝者たち〜 「―――なんだ。あの女の居た部屋はいたって普通の作りなんだな」 タイツがドアの開け放たれた一室を覗き込みながら呟く。 それは先ほどこの世から"肉体ごと"消え失せた女…"淫毒"のクリスタトスの出てきた部屋だった。 彼女の出てきた部屋はそれまで見てきた殺風景な2部屋とはまるで違っていた。 玄関の足元を見ればブーツやクマさんのスリッパが並んでおり、玄関脇には造花を飾った花瓶まである。 壁には陰陽を巧く表現した貴婦人人物画が掛けられており、足元には玄関マットまで丁寧に敷かれている。 それまでの部屋に比べれば"生活感"を十分に感じられるものだったので、タイツは意外に思って驚いていた。 「ねぇタイツ!見て見て!他の部屋も割と普通だよ?」 まるで新発見に胸躍らせる探検家の如く興奮気味に喋るミユキ。無遠慮に扉を開けて中を覗き見ている。 「おいおい。勝手に人ン家を開けまくっちゃいかんだろう。常識的に考えて…」 「だって、ブロフェルドが言ってたじゃない。"人の気配が全く無い"って」 果たしてそれはブロフェルドの言葉を裏づけるものだったか、各部屋ともに生活感こそ溢れていたが肝心の住人が居なかった。 部屋に荒らされた形跡などは無く、かといって奥に引きこもってるだけ…でも無さそうなのタイツも気配で察知できる。 本当に、部屋には誰も居ない。物は多いのに伽藍としている。例えるなら張子の虎のような状態なのだ。 かつて居た部屋からして舞台が廃マンションの類だったならばまだ納得できただろう。 だが、このマンションには生活の跡がある。臭いがある。今の今まで平和だった、その名残がタイツらには感じられる… 「一体住民は何処に――……」 ギイィ…タイツが言った直後、まるでそれに呼応するかのように廊下の最奥部の、赤い扉がひとりでに開かれた。 「……。向こうは早く来いと言ってるな。よぅし、いっちょ応えてやるか。」 タイツはそう自慢げに言い放つとケンシロウよろしく指をバキボキ鳴らしながら悠然と進み始めた。 387 :名無しさん@ピンキー:2007/03/21(水) 05:01:26 ID:eRzPRZAQ 「さぁて、この先には蛇が出るか鬼が出るか、女戦闘員が出るといいなぁ〜―――って、うわあああッ!?」 蝿みたいに手をスリスリ擦りながら扉を潜(くぐ)る一行。と、その直後に彼は悲鳴を上げた。 赤い扉の向こうにあったのは、広いホールだった。パーティでも開けそうな其処に…死屍累々を形にしたものが広がっていた。 ある者は拳を奪われ、ある者は記憶は奪われた!―――じゃないが、そこではあらゆる者が様々な方法で死に絶えている。 老若男女問わず酷い死に方をしている。絞殺・扼殺・刺殺・撲殺・毒殺・射殺・謀殺・忙殺(!?)・殴殺・自殺・抹殺・滅殺…鏖殺だ。 此処は正(まさ)しく殺しの総合商社…色々な殺し方が、まるでショーケースの展示品のように雑然と並んでいる。 その犠牲者達は、間違いなく先ほどタイツたちが覗き見た部屋の住人たちだろう。いずれも凄絶な表情で果てている。 見ているだけでも死に侵されそうだ。視覚的なものだけでなく、死体群から漂う腐臭が嗅覚からダイレクトに死臭を伝える。 「うっ…」とミユキが気分を悪くしてその場にうずくまった。ブロフェルドはそれを手で支える。 「最悪だな」と忌々しげに吐き捨てるタイツ。一気に胸糞が悪くなり、厚い胸板を大きな手で掴んで胸を襲う不快感を握り締める。 「そうとも、サイアクだとも」 と、妙に芝居がかった口調の美声が後ろから返ってきた。ハッとなって3人が振り向くと……そこには人が立っていた。 まったく気配を感じさせなかった、タイツは心底驚いた風に目を見開いていた。が、ブロフェルドはその人物そのものに驚いている。 「! "碧水"のクリスタトス!」 "壁水"と呼ばれた女は――真っ白なスーツに身を包んだ妙齢の女性だった。大柄だが体格は美しいく整っている。 「ま、またクリスタトス!?そういえばそっくりね」 ミユキは改めて相手をまじまじと見つめた。よく見れば彼女は前にあったクリスタトスと名乗る2人とそっくりだ。 肩まである灰色の髪。整った顔立ちは氷のように冷たい印象を与える。そして眼、眼は――今度は黒い目が2つ、ちゃんと付いてる。 「そう。彼女もクリスタトス。"血風"・"淫毒"に続くクリスタトス"3姉妹"の一人…彼女は次女に当たります」 「…その通り。愚劣なる妹よ。お久しぶり。そして…醜き被造物ども、はじめまして。」 慇懃無礼を絵に描いたようなお辞儀でタイツ&ミユキに挨拶する"碧水"と呼ばれたクリスタトス。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ※この物語はフィクションであり、劇中に出る名称と実在の団体・人物・地名等とは一切関係ありません。 「…突然なによこのナレーション」 「彼女の2つ名は作者が適当に考えたんですけど、ググると団体名などが多数出てきたんです。偶然ですね」 「ふぅん…って、直感かよ!ちょっとはひねりなさいよ作者!」 「ひねりなさい!ひねりなさい!ひねってひねってひねりなさい!ひねりなさいひねりなさい…ってやかましいわwww」 「兄さん五月蝿い」 「はぅ」 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 388 :名無しさん@ピンキー:2007/03/21(水) 05:02:50 ID:eRzPRZAQ …ゴホン。"クリスタトス3号"は大袈裟に咳払いをして見せた。 「ハニー&ガイを死に至らしめるため馳せ参じた。ワタシの用はキミら2人にあるがワタシの友はそうではない」 ペラペラと早口で喋る"碧水"。初対面であるはずのタイツらに馴れ馴れしく話しかけてくる。ミユキはさっそく疑問をぶつけた。 「友って、誰よ?」 「うむ。困った性格の子でね。暇潰しと称して此処のヒトたちを捕まえて、こんな風に……」 台詞の途中で彼女は足元にあった死体――もはや男か女かも分からないほどズタボロになっている――を蹴った。 「――ブッ殺し始めてしまった。ワタシゃ見てられなくて"淫毒"を連れて部屋を物色してた、ってワケよ」 飄々とした様子で喋り続ける。彼女との距離は腕を伸ばせば方を掴めそうなほどに近い。 タイツならその場を離れずに拳を当てられる距離だ。だが彼はそうしない。何故か。 「"淫毒"は途中で風呂に入りたがってネ。あの娘は綺麗好きの風呂女だから金目の物よりお風呂場を主にして見て回ってたねぇ」 アゴをさすりながら思い出すように話す。タイツはもう彼女の駄弁りに耳を貸してはいない。どうしてか。 それは……それは怒りだ!もう怒りしかない!タイツは相手への憤怒を溜めていたのだ!そしてそのチャージが、炸裂する! 「なんて分かりやすい悪役だ!何の気兼ねも無しに屠れるぜ!喰らえ!正義の肉ぼ―――「きゃああああーーー!!」 タイツが躍り出んとした刹那!部屋の片隅から悲鳴が聞こえてきた。タイツはビクリとしてその場で止まってしまった。 「貴様のその声が…妹に似ている」 ドスの効いた声。見ると、そこにセーラー服のおかっぱ少女の首を腕で絞めて羽交い絞めにしている異様な風体の女が立っていた。 そいつは、西洋人のような金髪を後ろで括ってポニーテールにして垂らしている、背丈の低い若い娘だ。 それだけなら至って普通だが、格好が異様すぎる。 まず、顔の半分近くを覆う大きな眼帯が両目を覆っている。水中眼鏡を思わせるそれはレンズも無く、蓋が完全に眼を隠している。 あれでは前がまるで見えない。タイツとミユキはその装備に奇異な印象を受けた。 次に格好。和服を着崩した感じの姿だ。胸元を締めずにだらっと流しているため、前が露出している。 しかも、下に何も着けていないのだろう、肌蹴た部分からは白い素肌がそのまま出てしまっている。小さいが形の良い乳房が見える… 「なにあの凄い格好。俺を誘ってるのか?犯すか?」 タイツがさっきまでの殺意を奥に追いやって前の女の恥ずかしい格好…の一部に注目し鼻息を荒くする。が、相手は取り合わない。 「い、いやああ!離して!おねがいぃ〜ッ!」 「本当によく似た声だ。あの妹もそんな風に情けない悲鳴を上げてくれたら心地好いのだが…くははは」 必死で抵抗する少女を弄びながら、和服に眼帯のポニテ女は意地悪く笑った。 389 :名無しさん@ピンキー:2007/03/21(水) 05:03:37 ID:eRzPRZAQ 「いつまで遊んでいるつもりだね。ドラッグス」 「んん〜?その声は、"碧水"の。」 声を聞いて顔をあちこちに向けてさ迷わせるドラッグスと呼ばれた女。その挙動の最中に腕に何気なく力が入り、 捕まっていた少女の、締められていた首がボギッと鈍い音を立てて折れた。ドラッグスは「あら」と気の抜けた声を上げる。 おかっぱ少女は顔から生気が失せ、半開きの口から血を滴らせた。即死だ。そのまま、つまならそうにしたドラッグスに捨てられた。 「あ〜ああ。まぁたうっかり殺しちまった。だから遊んでる最中に話しかけるなってのにww」 その女は――その死にたいしてまるで頓着が無い様子で軽々しく話し、少女の遺体を踏みつけた。 荒々しい口調は男っぽく、眼帯で覆った状態からでも窺える端正な顔立ちからはかけ離れた、低俗な印象を相手に与える。 「声からして、いるのは件の3人だな?よく来たな。待ち焦がれたぞ。待ちすぎてつい殺しすぎちまったがな。」 カカカ、と笑う姿も忌々しい。ミユキはそう思った。彼女は、実に分かりやすい"悪"だ。命をゴミか何かとしか考えてない感じだ。 「タイツ仮面って変態ヒーロー。ミユキとか言う戦闘員。そしてぇぇ……」 そこで一旦、口火を切った彼女はさっき殺した少女を踏み越えてこちらにまっすぐ近づく。 ガチャッ、ガチャッと重々しく、かつ派手に響く足音。見ると、彼女はレッグアーマー付きでカーキ色をしたブーツを履いている。 それぞれ片方(外側)の側面に4つの短いスパイク(棘)が仰々しく備わった攻撃的なフォルムをしている。架空の軍靴っぽい外見だ。 歩くたびに金属音が響く様も荒々しい。どこであんなの買うのか、もしくは特注か、とタイツは考えてしまった。 肌に直接着た着物と、前述のブーツが最高にミスマッチだ。そいつは傍まで寄ると、ゆっくりと恨みを込めて台詞の続きを吐いた。 「ブロフェルドォ〜…」 恐ろしい殺気が襲う。その怪しい風体の女に、クリスタトス3号は馴れ馴れしく話しかける。 「そうだよ。待ち人来たれり。これでようやく本懐を遂げられるわけだ。おめでとう。おめでとうドラッグス」 わざとらしく拍手してみせるクリスタトス。 「おっと。紹介しよう。彼女は――」 「"邪梵"のドラッグス…貴女も…」 ブロフェルドが忌々しいものに対するような声でクリスタトスの紹介に強引に割り込む。 「ドラッグス?」 2文字付けたら薬屋さんじゃん、という詮無い冗談を封じつつブロフェルドに問いかけるミユキ。 「『邪なるもの(邪)と聖なるもの(梵)の双方を併せ持つ属性』の、姉妹の一人です」 ブロフェルドは珍しく冷静さを欠いた様子でドラッグスを見ている。その尋常ならざる様にミユキもタイツも息を呑んだ。 「その通り、俺の名はドラッグス。"邪梵"のドラッグス。漸く逢えたな、ブロフェルドォォ〜〜」 自分の事を"俺"と言う娘も珍しいもんだ、とミユキ。『ボクっ娘』すら希少種だというのに『俺っ娘』とな。新ジャンルか? そんなミユキを他所に、ドラッグスとブロフェルドは睨みあいを続ける。 「くくく…俺は今まで一度も貴様への復讐を忘れたことはない…」 そう言ってドラッグスは両手を自身の顔…大きな眼帯へと向ける。留め金を外す金属音が2度立て続けに響き、ベルトが力無く垂れる。 もはや彼女の手だけでその位置に留まり続けているだけのその眼帯を、彼女は両手の指でゆっくりと外していく。 外された眼帯はゴミのポイ捨て同然に部屋の隅へ投げられた。ポーンと軽く飛んでいって床に落ちる眼帯。 ミユキは反射的に飛んでいった眼帯に眼を奪われていたが、すぐにドラッグスに視線を戻し―――驚愕した。 「この…貴様に穿たれた眼孔が疼く度に貴様への恨みを募らせて来たのだ〜ッ」 "穿たれた眼孔"――そう。文字通り、眼帯を外した彼女の顔には目玉が2つとも欠けていた。 本来それらが収まっているべき場所には虚無があり、瞼の奥には空洞がポッカリト空いているのみだ。 ドラッグスはその目でブロフェルドだけを見つめている。その顔は憎悪に歪み、眉間には深い皺がビキビキと音を立てて刻まれる。 その様子から、眼球は無いが空いた双眸から刺すような視線を浴びせているのが窺い知れる。 390 :名無しさん@ピンキー:2007/03/21(水) 05:04:54 ID:eRzPRZAQ 「なんか…凄く恨まれてるみたいよ?あんた…」 「…………」 ミユキは妹のことが心配になって声をかけた。その時、視界の隅、足元の方で何かがチョロチョロしていることに気がついた。 「あ、虫…じゃなくて、クリスタトスの目玉虫じゃねぇか。いつの間に?」 タイツが一早く相手の正体に気付いた。それは、2匹の脚付き台座だった。荷物は目玉。金色をした瞳だ。 そいつらはゴキブリ並みの素早い動きでドラッグスに近寄ると、あっという間に身体を登り、肩までやって来た。 更に肩から頬に跳び移り、ドラッグスの顔にぽっかり空いた2つの穴に2匹がそれぞれ辿り着く。 ドラッグスは両手を上げて目元全体を覆った。その下で目玉達が瞼に寄り添い、何やら蠢いている。 そして――ソケットに差し込むように、開いた眼孔に運んで来た物を収め始めている……ように見えた。 ギチュ……ギチ……と生々しい音が彼女の顔から聴こえ、その後すぐにCDを読み込むようなキュイイイィィィという音が鳴った。 動作と音はすぐに止み、動きを止めた2つの脚付き台座は力なく落下して床に落ちて砕けた。ドラッグスは瞼を閉じている。 あまりに不気味な光景にミユキは再び不快感を覚え、吐き気をもよおす。それを堪えて顔を上げた。 ドラッグスには――2つの目玉が備わっていた。それは金色の、綺麗だが同時に不気味さも孕んでいる美しい瞳だった。 「ふふふふふ。やっと目玉が帰って来たか。俺の目がお前に潰されたが代替品であるこいつらがお前らの戦いぶりを見ていたぞ!」 カッと目を見開くドラッグス。その目は攻撃的な色を帯びて3人を見据える。 義眼(?)であろう2つの瞳。それに違和感は無い。完全にドラッグスの"目"となって"其れ"は"其処"に"存在する"。 「"碧水"の姉妹は挑戦者であり、観察者でもあったわけだ。なぁ"碧水"の」 "碧水"はドラッグスの言葉に肩をすくめるだけだった。やれやれ、といった風情で冗談めかした態度をとっている。 「姉妹たち2人は共に隻眼でしたが、そこに貴女の義眼を入れると聞いたときは驚きましたよ…これも復讐の為、だとねw」 彼女は姉妹が捨て駒同然だったことに対しなんの感慨も持ち合わせていないのだ。ははは、と簡単に笑って済ませる。 「彼女達は大いに役立ってくれた。ブロフェルドの乱入は想定内のことだったからな。スカラマンガは気付かなかったろうが…」 「あれはオマケだったんでね。ブロフェルドの力に心が屈服してるあたり所詮は小娘。無様だったね」 「違いない。が、これでやっと復讐を成就できる。抉られた目玉の、借りを返すぞブロフェルド!」 一通り会話を済ませるとくるっとこちらに視線を戻して凄むドラッグス。3人は身構えた。 それにしても…悪代官と越後屋みたいな会話だ、とミユキは感じた。そこで、ブロフェルドに問いかけることにした。 「ねぇブロフェルド…このドラッグスって女との間に、一体何があったっていうのよ?」 「それは……」 ミユキの問いに、ブロフェルドは困惑してしまう。しかしすぐに、パッと過去の出来事をまとめて言葉に置換した。 「うふふふ…俺こそが椎根聖拳(しいねせいけん)継承者に相応しいのだ。妹なぞ吹っ飛ばしてくれるわ〜」 「まてェい!ドラッグス!そうはさせないわ!」 「なにやつ!?――て、お前は!?ブロフェルド!?」 「とぅ!たぁ!でりゃあ〜!(ビシビシッ)」 「きゃーッ!目、目、目がぁーーーッッ!!??」 「――と、こんな感じだったんです」 ブロフェルドは手短にそう語った。ミユキはそれに対して一言「はぁ?」と返すのが精一杯だった。 391 :名無しさん@ピンキー:2007/03/21(水) 05:05:59 ID:eRzPRZAQ 「……イミフwwww」 タイツが思わず吹いた。端折られすぎて何が何だが分からなかったのだ。というか本当に意味不明。 「と、とにかく。貴女の命を狙ったドラッグスを討って、その目を潰したわけね。でも椎根聖拳って?」 単語の断片から流れを推察するミユキ。 「簡単に説明すると、私がいつも使ってる技です。この拳法には椎根(しいね)・寸那(すんな)という2つの流派がありまして…」 ブロフェルドの話にうんうんともっともらしく頷くミユキ。頭の中では(あれって拳法だったのか)などと考えている。 「――で、私たちの拳法は正確には椎根聖拳の流れをくむ"椎根蛇賦拳(しいねたふけん)"なんですけど。主に飛び道具が…」 「創始者である蛇賦汰夫(たふたふ)がネットの海の『えむえぬえる』なる天を突く偉大なる大山で修行をして拓いた拳法で…」 「代々一子相伝を常としてその長い歴史の間で継承者争いが絶えず巻き起こり選ばれなかった者には過酷な運命が待ってて…」 ペラペラペラペラ。まさにマシンガントーク。止(と)まらぬ。止(と)めぬ。止(や)みません。ブロフェルドの解説は続く。 「あ〜はいはい。もう分かったから…とにかく!それで今はブロフェルドが継承者だと。よく出来た妹だな!」 面倒くさくなったタイツが一気に捲くし立てた。このまま放っておいたらいつまでも続く気がしたからだ。その時、 「姉より優れた妹なぞいねぇ!」 突然"くわっ"と形相を険しくして叫ぶドラッグス。空気がビリビリと激しく振動しその場の4人を無差別に威圧する。 「俺はこの女の甘さでは椎根聖拳は継げないと踏んだ。だが師父は何故かこいつを選んだ!…許せない!」 一方的に恨みをぶつけるドラッグス。元の目の代わりとなる"金色の瞳"がほとばしる狂気によって爛々と輝く。 「闇討ちで潰そうとしたらよりによってコイツが嗅ぎつけて逆に俺を潰し、挙句、目を、俺の光を!奪いやがった!」 「おかげで俺は継承者の道を外れ、拳を忘れよと師父に宣告され裸で道場を負われた!裸でだ!文無しでだ!」 「他の姉妹達も追い出されたのは同じだったが連中には別の力があった!暗器だの!超能力だの!毒だの!白だの!黒だの!」 「俺とブロフェルドだけがノーマルだった!だから椎根聖拳が闘う術の全てだった!だから俺は遮二無二(しゃにむに)なった!」 「だのに!技も実力も俺のほうが上だったんだ!俺が!俺こそが!それでも師父は俺を認めようとしなかった!」 「妹は不出来だ!己が持つ"妹"の属性に引かれて誰でも兄姉と思わざるを得ない出来損ないの甘ちゃんのくせに!くせに!」 「何故か師父のボケによって継承者に選ばれやがった!組み手で一度も俺に勝ったことのない弱者が!こんな餓鬼が、だぞ!!」 「殺してやる!そう思った!だがコイツは俺の目を奪って去りやがった!姉である俺にこんな酷ぇ仕打ちを!クソッタレが!!!」 ―――妹以上のマシンガン…いや、チェーンガントーク!止まらない!どう聞いても逆恨み。しかも話がループした。 一通り吐いた彼女は肩で息をし出した。はぁはぁ、と怒りの治まらない自分を落ち着かせようともせずに荒い息を吐き続ける。 「だがぁ〜、時を待った甲斐があった。妹たちから最大の標的であるタイツともども貴様を潰す計画が持ち上がった」 くい、と俯いていた顔を上げ、不安定で歪んだ笑みを浮かべて嬉しそうに話すドラッグス。"碧水"も薄く笑う。 「その後すぐにマスターから指令が下った。連中はタイツとミユキを消す。俺はブロフェルドを消す。それで共同戦線を張った」 「だが奴らは結局、誰一人倒せずに死んでいったようだな。情けない話だが仕方ない。結局、頼れるのは己だけってわけだ」 そう言うとドラッグスは前に出た。ブロフェルドも前に出る。と、同時にタイツとミユキの全身を両腕で制止した。 「――兄さん、姉さん。下がっていてください。これは私とドラッグスとの戦いです。邪魔をしないで」 最後は昔の彼女を思わせる冷たい態度になってタイツ&ミユキを言葉でもで制する。2人はかける言葉も見つからず、従う。 「今こそ俺がブロフェルドを越える時!あの時のようにはいかんぞぉ!くはははは!」 ドラッグスは足元に落ちた目玉を運んで来たキャリアーを踏みつけると高らかに笑いながら、飛びきりの恨みを込めて叫んだ。 「ハァーハハハハハァーーッ!!……あの世で俺に詫び続けろォー!!ブロフェルドォォーーッッ!!!!」 "邪梵"のドラッグスが"地縛"のブロフェルドに向かって突進する!――戦闘開始ッ! 392 :名無しさん@ピンキー:2007/03/21(水) 05:20:41 ID:eRzPRZAQ しばらく来れなくなる前に決着を着けようと猛執筆中。 クリちゃんをミユキ2号にする声が多いのに驚きました(感想有り難う御座います!) 今回に限っては…彼女らは3姉妹止まりです(ゴメン) "血風"…殺傷力のある小物や不意打ちが大好き。ヘビースモーカー。レズ。 "碧水"…慇懃無礼。似非淑女。悪趣味。手癖が悪い。口調がキモイ。 "淫毒"…再生する処女膜(呪われてます)。風呂好き。プチ演技派。痴女(ビッチ)。 393 :名無しさん@ピンキー:2007/03/21(水) 06:18:57 ID:cc8vmW7s 井上一夫訳の原作本全部読んでる身としては、キャラ名の元ネタ思い出してはニヤニヤw 乙、逝け逝け 394 :名無しさん@ピンキー:2007/03/21(水) 06:42:04 ID:6SqECHbw しばらく来れないなんて残念 ネタ溜め込んでおいてくださいね とりあえず完結編が楽しみ 395 :名無しさん@ピンキー:2007/03/22(木) 03:30:00 ID:aSYBm4R7 タイツ作者さん&ブロたんがんがれ、超がんがれ。 わたしゃ決着つくころに投下しにきます。てかそれ位までできない('A`) それにしても椎根聖拳ww 396 :名無しさん@ピンキー:2007/03/22(木) 20:10:25 ID:UQAtz4PK >>393 名前考えるのが面倒くさかったなんて言えない。言えないお…('A`) ベスト・オブ・ボンドは手放せない名アルバムです。 >>394 溜め込んできたネタは四葉に置いてきましたw必ず帰ってきますww >>395 邪淫兵の作者様?いつの間にかブロたんが主役になってますが…そのためのクリ姉3号w 完結編も北斗成分全開なのでこうご期待! 397 :名無しさん@ピンキー:2007/03/23(金) 05:15:51 ID:t5szMJGH 「ずっとこの時を待っていた!必ず死なす!」 ブロフェルドに攻撃を仕掛けるドラッグス!ガチャガチャと小うるさく鳴る足音も勇ましく猛突進する! 同じ拳法だというから気を練って放出するブロフェルドと同様の遠距離攻撃に出ると思ったが…以外にも彼女は走り寄る! その足は常人の速さを超える。道行く原付バイク程度なら悠々と抜けるくらいだろうか…とにかく初速が違う。 大して離れていなかった(数メートル程度)間隔を数秒と数える間もなく縮め、ブロフェルド向けて拳を振るうドラッグス。 「――椎根獄屠掌(しいねごくとしょう)ッ!」 格闘ゲームよろしく技名を叫びつつ、開いた掌をそのままブロフェルドの胸板へと突き出す。 それを引きつけて寸前で避け…るかに見えたブロフェルドだったが2人の身体は一瞬の閃きを残して重なり合い、すり抜けた! まるで互いの肢体が溶け合って絡み合い、次の瞬間には透過して離れたようにミユキには見えた。彼女は目を瞬かせた。 「ほぅ。平和ボケしてると思ったが腕は落ちていないようだな」 交錯した後、先に振り向いたのはドラッグスだった。移動による着衣の乱れを気にも留めず、勝ち誇ったような笑みを浮かべる。 それから遅れて振り向いたブロフェルドの――右の肩口がバッと勢いよく服ごと避けた! 彼女自身はそれに対して何のリアクションも起こさなかったが、代わりにミユキが「なっ!?」と驚きをあらわにした。 以前の採掘場の戦いで傷一つ付くことなく組織(ミユキが在籍していた世界制服を目論むいかがわしい軍団)の手の者を ことごとく殲滅していた彼女に先制して手傷を…信じがたい光景だった。 「そちらこそ……腕を上げましたね。ドラッグス」 裂けた肩に目をくれることなく平然とした顔で言うブロフェルド。 「くくく、俺も以前のドラッグスではない。"あの時"は不覚を取ったが……今度はそうは行かんぞ!」 ガッ!と特製ブーツで地面を踏みしめて構えを取る。腰を引いて"ちょっと待って"と言ってるようなポーズで止まり、呼吸を整える。 フゥオオオオオ〜〜……独特の息遣いで集中力を高める。闘気がその身から立ち上り、乱れた着物が持ち上がっていく。 「今こそ貴様に椎根蛇腑拳の真髄を見せてくれるわ〜。ふはははは!」 にやり。愉悦に歪んだドラッグス。その様にミユキは彼女の醜い性(さが)を垣間見て寒気を覚える。 ブロフェルドは――構えない。彼女の戦法に構えは無い。同じ拳法・同じ流派でもその姿勢が違っている、ということだろう。 棒立ちでよく見ると、彼女の右肩の負傷からの流血が完全に止まっている…恐るべき治癒能力!これも戦慄を覚えるに値する姿だ。 「椎根羅嬢撃(しいね・らじょうげき)ィィィ!!」 ブゥオガガガガガガガガ!!!!!! ドラッグスはカッと目を見開いた直後、雄叫びを上げて両腕を高速で振り回し始めた! 女子の細腕から鳴るものとは思えぬ凄まじい旋風を伴う轟々という音。 回り続ける豪腕は手の構えを絶えず変えつつ舞う。当たれば死が待っているのは言うまでもない… 「ふはははは!どうだ!俺様の素早い突きがかわせるかぁ〜ッ!?」 戦闘の高揚感からか、彼女の"俺"が"俺様"になっている。その内"我"と書いて"オレ"とか言い出しそうだ。 ここで、ブロフェルドがはじめて技を放った。無為の姿勢から一転。手を突き出して放たれる青い閃光ッ! ドォン!ドォン!一撃、二撃と炸裂する光線。ミス○ーサ○ンが"トリック"と言い出しそうな遠隔攻撃がドラッグスに直撃! 少なくともミユキはそう思った。が――炸裂で立ち上った煙の灰色からドラッグスは拳を振り回しながら抜け出てくる! 「効かんなぁ!何故効かぬのか分かるまい!!…死ねぇッ!」嘲笑とともに拳が嵐の様にブロフェルドの身に降りかかる。 「…くっ!」ここで、ブロフェルドは初めて苦悶の声を上げた。 398 :名無しさん@ピンキー:2007/03/23(金) 05:16:21 ID:t5szMJGH ガッキン!ガッキン! 拳と波動が交わり合う、2人だけの小さな戦場。その光景を、ミユキは呆然と観戦する他なかった。 自分が出て行ったら瞬殺だろうな。お茶の間の皆さんからしたら今のあたしってどうなんだろう。 彼女は悩んだ。今の自分って別に悪いことしてないし〜。女戦士(弱い)だが敵女悪女ではないだろう。う〜ん。 そんなミユキの心中を他所に、妹と着物ポニテは拳を打ち合っている。何にせよ、2人の戦いの前に彼女の出る幕はない。 だが、タイツは許さない!…面白くない!混ざりたい!混乱に乗じて近親ソーカンしたい!SEX!SEX!…サクセックス! 「くぉら小娘ども!主役は俺だおーッ!」 ザッと前に出るタイツ――その正義の味方の乱入を防ぐ影あり…"碧水"のクリスタトス。真っ白い礼服が無言で壁となり立ちはだかる。 「いかん。いかんよ。無粋な真似はよし給え」 相変わらず人を食ったような喋り方をするクリスタトス"3号"!やれやれ、というポーズも腹立たしい。 斜に構えた彼女の黒い瞳はタイツだけでなくミユキも視野に入れている。目だけで"どちらからでもいい。かかって来い"と訴えている。 彼女のスーツは本当に白い。ワイシャツまで真っ白だ。締めているネクタイだけが青い。 全体に黒と金色の斜線が入っているのが少し華やかな印象を与える…が、よく見ると熊さんの刺しゅうが施されている。可愛い。 「邪魔するってか。面白い!その真っ白なスーツと輪郭だけのプー○んマークを鮮血で染めてやるぜ!」 タイツは殺る気満々だ。ブフーッとピザみたいな鼻息を荒く流しつつ新たな標的と化したこの女に狙いを定める。 「血と汗と愛液を流せ!」 どこぞの四魔貴族みたいな台詞と共に勃起しつつ突撃。SATSUGAI、実行開始! その先制攻撃を、彼女はあっさり避けの動作で避ける。思わず『KOF』を思い出しそうな、惚れ惚れとする動作だ。 「惜しい。実に惜しいぞボーヤ」 これまた独特の発音でタイツを子ども扱いするクリスタトス3号(番号付けで書くと、なんかキャ○メル○ンみたいだ) で、"血風"が『ぼうや』。"淫毒"が『ボウヤ』だったが、"碧水"は『ボーヤ』らしい。タイツは怒り心頭だ。 「また俺"ぼうや"扱いかYp〜。俺のどこがボーヤなのか言ってみろ!いや、そのお○ンコに直接聞いてくれるわ〜!」 憤慨もそこそこにして2度目のSATSUGAIを股間を狙いって強攻!攻め攻めで征くわよぉ〜! 無駄にテンションが高いタイツ。だがクリスタトス3号は平静だ。そのニヤニヤ笑いは"血風"とは性質の違う物を感じる。 なんというか…おフランスとかザンス、ザマスの系統っぽい。一言で表すなら『イヤミ』だな。 「実に面白いぞボーヤ。面白いから…姉妹が世話になった礼も含めてお返しをさせてもらうとしよう。」 その瞬間、キュンッ!と澄んだ高音を残してクリスタトス3号の姿が…"消えた"! 「高速移動か!だが速さなら負けないぜ!それっ!」 瞬時にクリスタトス3号の移動した方向を察して走るタイツ。その目はクリスタトス3号の姿をハッキリと捕らえているッ!…しかし! 「ちょっ!なな、なんでコッチ来るのよォ!」 「うお!どけぇ〜ッ!」 移動する先に、"超"偶然だがミユキがいた。なんという不運。ミユキは世界を呪いたい気分だった。 だが今さら針路変更などできない。タイツはそのままミユキのいる方向へ走る!走る!…かーるいすっ!! 「こっちクンニ!」 「来んな、でしょうが!――ってしまっ……(バキッ!)……うわらば!」 ミユキは抗うどころか成す術もなくタイツの鉄拳をマトモに顔面に浴びて吹っ飛んだ! 即座に目を向くミユキ。鼻血が乱れ飛ぶ!前歯が一本折れた!意識が煉獄に堕ちる!「ぎゃー!」と怪鳥のような悲鳴が木霊するぜ! (―――嗚呼、そうだった。哀しいけど、やっぱ自分って"やられ役"なのよネ…あはははは……はぁ) 頬を伝い宙へ躍り出ていく涙。本懐を遂げたミユキだったがその心中は諦観で占められていた。最後のは溜め息だ。 なんとなく笑顔。顔面粉砕は免れた、というかタイツの拳は容赦ない。これで何度目のSATSUGAIだろう。数えるのも馬鹿らしいぜ。 『オワタ\(^o^)/』とか『_| ̄|○ だめぽ』とかじゃない。もっとしょうもない物の片鱗を味わいつつ―――ドッギャア! ……ホールの壁に思いっきり衝突!彼女はそのままへばり付いたヤモリみたいにその場に留まっていたが2,3秒ではがれて倒れた。 ―――ミユキ、退場。 399 :タイツの人:2007/03/23(金) 05:26:45 ID:t5szMJGH ゴメ。眠い。 「超展開の前に滅せい!ミユキ!」 「ふざけんなぁ!(泣)」 400 :名無しさん@ピンキー:2007/03/23(金) 15:32:24 ID:PSFUX7Uy なんという巻き添え……(^o^) 思わずミユキさんに同情してしまった。これは間違いなく犬死に。 でもタイツの激闘はまだ続くのね。 401 :クレイバンの人:2007/03/24(土) 00:21:45 ID:6MJWwknI ご無沙汰してます。時雨丸シリーズの続編投下します。 今回も挿絵(というかこっちが挿しテキストですね)がありますので、 まとめブログあたりには同時に掲載されると思います。 402 :名無しさん@ピンキー:2007/03/24(土) 00:23:57 ID:6MJWwknI 7. 「何者だいっ」 そう時雨丸にむかって叫ぶ般若面のくの一。 「時雨丸……おまえらの悪逆非道を許さぬ者…。天に代わって誅してやる……」 ただ、それだけを言って時雨丸は刀を構えなおす。 「アヒャヒャヒャッ、時雨丸とやら。おおかた藩お抱えの忍といったところだろうが舐めた口を聞くじゃないか。  今まで、私の仲間を殺ったのはどうせ闇討ちか不意打ちってなところだろうに。  よーくみてごらん。ここにゃあ私をいれてまだ十一人いるんだ。勝ち目なんてりゃしないよ」 嘲るように般若面のくの一は時雨丸を挑発する。手下のくの一たちも隙なく刀をこちらにむけていた。 「やってみなければわからんだろう……」 時雨丸は動揺を微塵もみせずに答える。 「フフフッ、えらい自信だねぇっ。気に入ったよ。どうだいっ時雨丸。  どいつの命令か知らないが、こんなつまらない争いなんて止めにしてさ。私たちの仲間にならないかい。  おまえは腕も確かなようだし、歓迎するよ。金も財宝も……望むんだったら私たちを抱いてもいい……」 「…………」 驚いたのは狐面のくの一たちである。いっせいに般若面のくの一に顔をむける。 仲間を殺した敵を引き込もうとする頭領の言葉が信じられなかったのだ。 般若面のくの一はそんなことは意に介さず、時雨丸の沈黙を迷いとみたのかなおも篭絡しようと言葉を続ける。 「……どうせ雀の涙みたいな禄で働かされてるんだろう。何も迷うこたぁないよ。たった一度の人生楽しもうじゃないか。  そこらへんの夜鷹なんかより私たちの方がはるかに極楽みせてあげられるよ。  くの一の房中術のスゴさは知ってるだろ。剣術よりもそっちが得意ってのも大勢いるんだ、飽きさせないよぉ」 そういいながら般若面のくの一は豊満な肉体をくねらせ、その細い指を白い肌につたわせる。 なんとも艶かしい姿であるが、もし彼女のそばに人がいたなら、その指遣いがあまりに複雑であることに気付いたかもしれない。 それは、肉体を誇示するだけとはとても思えない……まるで何かを操っているかのような動きであった。 時雨丸も彼女との距離があまりにありすぎて、そのことに気付かない。 「外道を抱こうと思うほど女に飢えてはおらん。そんなに男が欲しければ地獄の鬼にでもたっぷり責めてもらえ……」 彼の返答はもちろん否であった。普通の人間ならば震え上がるほどの冷たい声で時雨丸は彼女たちに言い放つ。 403 :名無しさん@ピンキー:2007/03/24(土) 00:31:10 ID:6MJWwknI 「あら残念っ。無理は身体に毒よ。私たちを本当は抱きしめたくてタマらないんだろう。  ひょっとしたら女を殺すことに興奮するタチかしら……しかし、まぁどうやら、交渉は決裂のようだねぇ……  いいわ、たっぷり時間も稼げたことだしお手並み拝見といこうじゃないか」 その声と同時に先ほど時雨丸が盾にしたくの一に深々と突き刺さっていたはずの奇妙な武器―鬼輪刃―が動き…… 時雨丸に襲い掛かった。とっさのことで避けることが精一杯である。 鬼輪刃はなおも奇妙な軌道を描き、反応の遅れた時雨丸が持つ刀を短い刃の間に引っ掛けて絡めとった。 時雨丸の手から離れた刀は彼とくの一たちの中間に落ち、鬼輪刃はどういった仕掛けなのか般若面のくの一の手に収まった。 「フフフアハハハハッ、驚いたかい。私との話に夢中になってたのがおまえの敗因だよっ。  やっぱり、私の誘いにグラッときちまったんだろう。さぁ、おまえたちっ、今だよ殺っちまいな」 「面妖な技を使う。さすがに雑魚とは違うというわけか……」 時雨丸は少し驚いたものの、動揺した様子はみせない。 そんな彼に刀を振り上げたくの一たちが襲い掛からんとしていた。 先頭を走るくの一との距離が二間ほどになった瞬間、彼女のつけていた狐面が真っ二つに割れた。 「あぎゃっ」 短い叫びとともに露わになった彼女の額には苦無が刺し込まれていた。 いかにも陰険そうな顔をさらに醜悪に歪ませながら絶命するくの一。 しかし、時雨丸に迫らんとしていたその勢いは止まらず、大きく股を広げ滑り込むような形で彼の足元に転がりこむ。 時雨丸は倒れているくの一の股間を思い切り踏みつけると同時に、 なおも神速の投擲術をもって苦無を二本、同時に斬りかかろうとしていた二人のくの一にそれぞれ投げつける。 「げぅっ」 「キャァァッ」 狙いすましたかのように、一本の苦無はくの一の首筋を貫いた。勢いあまってもんどりうって倒れこむくの一。 即死ではないが、致命傷となる一撃は彼女の動きを止めるには十分であった。 ただ、もう一本の苦無は、とっさにくの一が身体をひねったため、わき腹を突き刺すだけにとどまった。 訓練された忍であればその程度の痛みなどは無視して、時雨丸に避けきれぬ一撃を与えていただろう。 けれど、このくの一はそうではなかった。刀を地面に落とすと、わき腹を手でかばいながら叫びのたうちまわっている。 「痛いっ、痛いよー……ひぃ、ひぃっ誰か誰か抜いて、これ抜いてぇぇっ」 覚悟もない寄せ集めのくの一集団であることを露呈するかのような態度をみせるくの一に、 頭領である般若面のくの一は苦虫をつぶす思いであったが、そんな醜態をさらすくの一の命はやはり長くはなかった。 逃げようともせずにわめき散らしている彼女に引導をわたすべく時雨丸は近づくと、 彼女の願いを叶えるかのごとく、わき腹に刺さった苦無を引き抜き、今度は豊かな乳房の隙間から心臓を一突きにした。 「あっ、あっ、イヤァっ、死ぬのイヤァァァッッ」 暴れるくの一。その弾みで胴衣からこぼれ落ちた乳房がユッサユッサと揺れ、かぶっていた狐の面がポトリと落ちる。 そこには熟れた肉体には不似合いな幼い可愛らしい顔を涙や鼻水でグシャグシャにした少女がいた。 「あきらめろ……」 そう、彼女に聞こえるかのような小さな声で時雨丸はつぶやくと、 一瞬にして三人もの仲間が殺られ呆気にとられている他のくの一たちを尻目に、 まるで逃げるかのように彼女たちに背を向けて走り出した。 「やだよぉ……」 そうか細い声を出すと、幼顔のくの一は胸に刺さった苦無を両手で握りしめつつ、 膝を折った状態で崩れ落ちると、そのまま黄泉路へと旅立った。涙の雫がポトリと落ちて地面を濡らす。 それが金縛りを解く合図であったかのように、動きを止めてしまっていたくの一たちがやっと追走を開始した。 404 :名無しさん@ピンキー:2007/03/24(土) 00:37:00 ID:6MJWwknI しかし、時雨丸の姿は屋敷の角を曲がった瞬間、かき消えるように見えなくなった。 「ど、どこに行ったの」 豊かな二つの乳房をブルンブルンッと卑猥に揺らしながらも先行していたくの一は、 身体を火照らせながら少し荒い息遣いのままにそうつぶやき、キョロキョロと辺りを見回す。 その動きを真上から冷静に見下ろしている男がいた。時雨丸である。 曲がった瞬間に蔵の横に植わっていた大木へと飛び移っていたのである。一瞬の早業であった。 狐面のくの一がまさかと思いながらも視線を上にむけたのとほぼ同時に、時雨丸は音もなく彼女の背後に降り立っていた。 時雨丸の両腕がくの一の脇の下を通り、ガシっと自分の身体に密着させるように彼女を羽交い絞めにした。 女の体臭が時雨丸の鼻腔をくすぐり、柔らかく暖かな肉体の感触が全身に伝わる。 「ちょっ、離しなさいよっ」 そういいながらもがいているくの一の頭を時雨丸の両手が固定し――力任せにひねった。 グキリッという鈍い音を響かせながら、首が半回転する。 「ひぎゃっ、何、何なのよ。何で後ろにいたおまえがあたいの眼の前にいるのっ」 首に強烈な痛みを感じながらも、そうかすれた声で叫ぶくの一。時雨丸は何も答えずに彼女を解放した。 「最初からそうすればいいのよ。さぁっ観念しなさいって……え、なんであたいのお乳が、自慢のお乳がなくなってる」 哀れなまでに彼女は今の自分の状況を理解していなかった。 今、彼女の眼が捉えているのは鏡でしかみることのできないはずの背中である。乳房などついているはずはない。 「なんで、前に進んでいるのにおまえが離れていくのっ。おかしい、あたいおかしいよ」 手には力も入らなくなっているのか、持っていた刀を落とし、ヨタヨタと前に前にと歩いていく。 尿意を肉体が制御できなくなったのか、白い褌を黄色い小水で濡らし、 チョロチョロと吸収できなくなった尿が地面にこぼれ落ちていく。 狐面で見えぬ彼女の顔は気が動転し今にも泣きそうになっていた。 時雨丸もくの一の声色からそれが読み取れた。そしてあきらめろとでもいうかのように、首を横に静かに振る。 「えっ、嘘、こんなの嘘。信じない、あたいは信じないよっ」それが彼女の最期の言葉であった。 自らの肉体にもたらされた非情なる現実を認識した瞬間、くの一は操り人形の糸が切れたかのようにその場に崩れ落ちた。 405 :名無しさん@ピンキー:2007/03/24(土) 00:42:13 ID:6MJWwknI 短いですが以上です。残るくの一はボス入れて七人。完走できるよう頑張ります。 406 :名無しさん@ピンキー:2007/03/24(土) 00:56:02 ID:fbVS2Xx+ えっっっっろぉおおおおおおおいい!! おまた全開とか心臓一突きのロリ巨乳もさることながら、 首逆転のままテンパって喋ってる(と本人が思ってるだけ?)もエロ杉です。 これは哀れすぎて抜けるわwww クレイさん毎度ありがとうございます。続きも期待してます! 407 :名無しさん@ピンキー:2007/03/24(土) 01:01:19 ID:fbVS2Xx+ ところで…… 疲れてウトウトしながらテレビ見てたら一瞬眠ってしまったらしく、 『BL無双』なんていうCMの幻を見てしまいました。 ザコ ザコ ザコ ザコ  ザコ ザコ ザコ 死体 死体 死体 ザコ    ダークキッド ザコ 死体 死体 ザコ  ザコ ザコ ザコ ザコ ザコ ザコ ザコ みたいな。肥のシステム盗んで同人で作りてぇ! 408 :名無しさん@ピンキー:2007/03/24(土) 06:33:38 ID:CUDb3l75 『タイツ』っていう名称見る度笑ってしまう 409 :名無しさん@ピンキー:2007/03/24(土) 18:21:38 ID:GD87WWKQ 幼顔のくの一萌え。毎度ながらエロ過ぎる! 屠られるザコへの時雨丸の態度がこれまた渋いですね。 410 :タイツの人:2007/03/24(土) 19:02:41 ID:DsrE02St ぬぉう。クレイさんの時雨丸の続きを出発前日に見られるとは、眼福眼福! しかもエロやられ。これは萌えるw >>408 見事な侵食率ですね〜――読み通り!(嘘) ちなみに私のはエロさを何処かに置き忘れてきました(駄目駄目です) 411 :名無しさん@ピンキー:2007/03/24(土) 19:04:20 ID:DsrE02St タイツの誤射のせいで壁に衝突したミユキ。ギャグ漫画でよくあるガニマタ姿でうつ伏せに倒れている。 「KOか!TKOだな!さすが俺www」と自画自賛するタイツ。いちおう、目視で生死の確認をする。 ――ピクリとも動かない。というかなんか地面に赤い染みが…一撃必殺とはこのことか。タイツはボケてみた。 「ここで衝撃の事実!ミユキの正式名称は"魅癒鬼(みゆき)"だったのです!すなわち鬼、いわゆるオウガ」 「…ッ!――んなわけないでしょ!」 ガバッと起き上がり即座に突っ込みを入れる魅癒鬼!…額からダラダラと血が流れているが元気はあるようだ。 「ちょっ…名前の表記を戻しなさいよ!――うっ…」 魅癒鬼は一瞬だけ抗議の意思を示したが、すぐに力尽きて後ろにぶっ倒れた。今度こそ気絶した…らしい。 「ふっく…くっははははは!面白い見世物だ!くははははは……」 キュンッ!と空を切る音と共に姿を現したのは"碧水"のクリスタトス。出てきた直後にはもう腹を抱えて笑っている。 「お前がウロチョロするせいで貴重な解説役&驚き役の女が伸びちまったじゃないか」 「ぷっくくくく……私ではなくそちらが勝手にぶつかりに行ったのだろう。くくくくく……」 「笑うな!www」 よほどツボだったのだろう。しつこく笑い続けるクリスタトス3号。 そして腹を抱えて内股になった姿勢のまま、ふたたび風を切って高速で移動した。即座に姿がタイツの視界から消える! すぐさま追いかけたタイツの速さも尋常なものではない。双方とも加速してカマイタチのように場を斬り裂いていく。 彼方此方で地面が裂け、倒れている死体が割れ、何処からともなく闘う音が聴こえてくる。 "碧水"の攻撃は素手での"突き"に特化している。その繰り出される指たるや槍の如し。 「どうだ!どうだね!私は1秒間に20回も相手を突き刺すことができる。」 ボボボボボボボボボボ!!!間断なく飛んで来る肉弾の槍!時にナイフのようにも変じて見えるのは果たして錯覚か。 止まった時は即、死!それでもタイツはあえて、あえて回避の途中で止まった! 「――もらったぁ!」 ボッ!!止まったタイツの四方八方から矢のように乱れ飛んでくる突きの嵐ッ! 体中の秘孔・破孔を突かれそうな勢い。その生死の最中の時間でタイツが捕らえていたのは、やはり金属の刃。 「ヤラァッ!」 奇妙な掛け声と共に腕を一閃。無数の突きの、その一角を担う物を指先で掴み取った! ギョッとするクリスタトス3号をよそに、タイツが盗み取ったのは…やはり細身のナイフだった。 安物のペーパーナイフのような貧相な外見。いや、それは紛れもなくペーパーナイフだ。刃には肉を裂く切れ味が感じられない。 「姑息だな。その性分って血筋か?」 「ぬ、ぬぅ。流石だぞボーヤ。だがぁ〜?」 少しだけ悔しそうにした彼女はすぐさま表情を明るくして両腕を軽く掲げた。その両手には先と同じ刃が何本も――― 「…へっ?」 何本も―――………無い。一本もないッ!? 「あれ!?」 差し出されたのはグーを握った手が2つ、だけ。クリスタトス3号が左右を交互に見比べて呆然とする。 わきわきと指を動かすがナイフは出ない。脂汗が彼女の頬を伝う。意味も無く笑みが浮かぶ… 「なんだ。E.G.マインの物真似か?」 ニヤニヤ笑うタイツ。その手にはジャラジャラとペーパーナイフが。間違いない、クリスタトス3号の武器…だった品だ。 「い…「いつの間に、ってか?ははは。」 両手いっぱいに持った刃を、飽きた玩具を捨てるように投げ捨てる。 もしブロフェルドが観戦していたとして、果たして見えただろうか。その、"一瞬"では受け止めきれぬ程の速さを。 「速さを最初に見せつけたのが運の尽きだ。足も早かったな、アンタ」 「むぐ…これは一本、いや、沢山取られましたな。ははははは」 引きつった笑みをこぼすクリスタトス3号。こんな時も姉妹達と同じ反応を起こしている。 「――は」 だが3度目の正直。姉妹とは違う。その意志が彼女を突き動かす。彼女は再び加速してタイツの前から消えた。 「待たんか!」と怒号を飛ばしつつタイツも消えた。ちなみになんでコイツがこんなに速いのかの説明は…無い!w 412 :名無しさん@ピンキー:2007/03/24(土) 19:05:20 ID:DsrE02St その頃、ブロフェルドVSドラッグスも白熱してきていた。 「ぬぅおあ!椎根猛禽掌・跋舎羅(しいねもうきんしょう・ばっしゃら)!!」 ボッ!!開かれた手の平がブロフェルドに向けてまっすぐ突き出される。 靄(もや)の様な闘気がかかったその手は何倍にも膨れて見える!その手にかかれば彼女は絶命!だがブロフェルドはわざと引きつけた。 「剣山劉斬弾(けんざんりゅうざんだん)ッ!」 乾坤一擲。バッと身構えたと思ったら次の瞬間には右の空手チョップが神速で繰り出される!狙うは打って来たドラッグスの脳天! 岩をも切り裂くこの手にかかればドラッグスの頭はかち割れ、その命はここで尽きるだろう。だが彼女は一筋縄ではいかない。 そして平手と手刀が交わる寸前、ドラッグスが口から何かを発したのが見えた。細い、小さな……銀の糸! シュシュシュッと3本の矢がブロフェルドの目の周囲を狙って放たれる。だが一瞬、空いていた彼女の左手が閃いたかと思った直後、 「げっ!」 ドラッグスは驚いて平手の勢いを殺してしまった。ブロフェルドの空いていた左手はいつの間にか彼女の顔を前方でガードし、 飛んできた卑劣な罠を完全に指の間で受け止めてしまっていたのだ。 「――あいも変わらず、汚い手を使うのですね……ドラッグス!」 ゴッ!とドラッグスの呆けた横っ面をブロフェルドの拳が襲う。瞬時に攻撃を切り替えたブロフェルドの、鮮やかな一撃だった。 頬を張られて「ぶっ!?」と鼻血を流したドラッグス。だが、次の手を連続して繰り出す妹を見て咄嗟に腕を交錯させ防御する。 追撃の、最初の一は防ぎきった。それでも腕にビリビリと痺れが走る! 立て続けに数発の拳!堪らず吹っ飛ぶドラッグス!「ぎゃあっは!」と無様に悲鳴を上げて宙を舞う。 「いつも私は貴女のその卑劣な手で破れてきました。だが私は以前の私ではありませ――くっ!?」 胸を張ってドラッグスに引導を渡す台詞を決めようとしたブロフェルドだが、突然腕を襲った痛みに顔を歪めた。 腕が、先ほど含み針を受け止めた左手から肘にかけて奇妙な疼きが湧いてくる。彼女はすぐに異変の正体を察知した。 「こ、これは……毒っ!?」 その言葉を受けてドラッグスは笑みを浮かべる。してやったりといった風な、実にいやらしい笑みだ。 「まだまだ読みが甘いわブロフェルドォ〜ッ!確かに針は喰らわなくなったが受け止めたのが拙かったなぁ!」 今こそ勝機を掴む時!今度はドラッグスがコンボを決める番だ!この時を何度夢見たことか! バサバサと着物がはためく。特製ブーツが硬質な音を鳴り響かせる。ポニーテールが走る勢いで真横になびく。 が、ブロフェルドも一筋縄ではいかない。即座に毒を抜く秘孔を突く!これも、椎根聖拳だ! その行動は同じ流派のドラッグスも承知の上。彼女の狙いはその行動に要する一瞬の隙! ブロフェルドも負けじと相手を吹き飛ばす波動を放つ――が、全く効かない!仕方なく拳と拳でぶつかり合う! かなり打ち込んだにもかかわらず彼女に目立ったダメージは見受けられない。なかなか頑丈だな、とブロフェルドは感じた。 「くっ!な、何故、どうして効かないの!?」 「ばかめ!耐性がついているのだよ!耐性がなぁ!」 ドラッグスはしたり顔でブロフェルドを見つめる。勝利は目前、そう確信して疑っていない目をしていた。 413 :名無しさん@ピンキー:2007/03/24(土) 19:06:22 ID:DsrE02St 高速で打ち合うタイツ&"碧水"のクリスタトス。流水の如く動き、水撃の如く突きを放つ彼女だが、今や完全に圧倒されている。 タイツと彼女では完全に格が違う。実際、彼女自身の実力は長女("血風")に及ばないのだ。とんだ食わせ者である。 しばらく高速で流れる鬩ぎ合いを続けていたが数手で劣勢になって汗を流し始めていた。 突きという突きが阻まれ、ある時は激しく返されて手傷を追っている。このままでは勝てない、彼女は焦った。 「ぐっ!まだだ。まだ終わらんよぉ〜っ!?」 馴染み深い台詞だが芝居がかった彼女の口調だと奇妙に聴こえる。 必殺の突き!それまで異常に速いその突きは痛みを全く感じさせずに開いての心臓を抉り出せることだろう。 だが!それに合わせてタイツもパンチを繰り出す。なんの飾り気もない正拳突き! 通常技は必殺技と真正面からぶつかり合う!刺すのか、砕くのか。矛と槌との対決! ベギン!と派手な炸裂音がして――悲鳴を上げたのはクリスタトス3号のほうだった! 「うげああああああぁぁぁぁ!??」 粉砕されて五指全てが悉く明後日の方を向く。もはや手として機能することはないだろう。 「綺麗に砕けたな。だがそれだけじゃないぜ…」 凄みを利かせるタイツ。 「ヤ〜ララララララララララ!!!」 どっかの伝承者みたいな声で突きを連打する!これはクリスタトス3号の"貫く"突きとは違い"打つ"突きだ! ドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴ!! その洗礼を前に成す術のないクリスタトス3号!あっという間に全身が拳の衝撃で激しく歪む! 「ヤ〜ラララヤララ!イレヤラララライレレレ…ヤララララ、ララララララァァーーーッッ!!」 久しぶりに刻まれるヤラレ魂の原始的なビート!!力強く逞(たくま)しいその叫びに連動して拳も勢いを増す! ドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴ――――キュドドドドドドドドドドォォ!! 「ぐげああぁぁああッッ!?」 もう既に女の悲鳴を通り越した奇声となっているクリスタトス3号の絶叫。 振り上げられる拳は彼女の額をかち割り、トドメに打ち込まれた一撃で腹が破れる!血反吐がぶち撒けられる。 「ぶっ…は、ぶぅ〜〜……」 鬼のような拳の弾幕が終わった後、あまりの速さに彼女は倒れることすら出来ずにその場に立ち尽くしていた。 あちこちからピューとホースから放水される水のように血が飛ぶ。文字通りの満身創痍だった。 白かったスーツは彼女の血で赤く変色し、攻撃の集中した前はワイシャツごと吹き飛んで胸が黒い下着ごとポロンとこぼれている。 が、破れた腹からは致死量以上の命のエキスが流れ出ている。頭からも同様に生が地に吸われるように流れ出る。 「終わったな。姉妹の後を追いな」 タイツが決め台詞を吐く。珍しく真面目な台詞だ。疲れているので遊び心が引っ込んでしまっているのだ。 「ぶぷっ!こ、この拳…まさか椎根・寸那の源流となる耶羅隷(やられ)宗家の―――はばッ!」 何か呟こうとしたクリスタトス3号。だが途中で大きく血を吐いてその場に仰向けにぶっ倒れ……そのまま動かなくなった。 「どうでもいいだろ。そんなの」 タイツはその死を静かに見届けた。そしてミユキを見て、全然起きる気配がないのを感じて諦めて妹の方に視線を移した。 ――目の前の2人はまだ闘い続けている。 414 :名無しさん@ピンキー:2007/03/24(土) 19:07:46 ID:DsrE02St ドラッグスには彼女の主力である波動による飛び道具が、全く効かない! それは彼女らの操る拳法の技の、ホンの一角だ。それでも恐るべき殺傷能力と破壊力を秘めている。 だが、同じ流派に属するもの……その力から身を守る術があってもおかしくはない… 「フハハハハ〜…貴様の最大の力は封じられたわ!」 勝ち誇るドラッグス。歯噛みしつつ力をぶつけるブロフェルドだが、どれだけ撃ち込んでも彼女はびくともしなかった。 その動揺が動きを鈍らせた。ドラッグスの突きが彼女を消耗させる!調子に乗ったドラッグスは強かった。 たちまち身体に裂傷が刻み付けられる。エリート気質はショックに弱いのぉ、という冷ややかな批判が混じる。 その言葉どおり、ブロフェルドの動きは精彩を欠いてきていた。少しでも本調子から外れると拙い。 ドラッグスはそれほどの使い手なのだ。拳の切れが以前より格段に進歩した姉に、ブロフェルドは苦戦する。 「媚びろ、媚びろぉ〜。我は天ッ才だぁ〜」 増長する彼女は好き勝手ほざいている。波動も効かず、技も効かない。ちょっと危ない状況だ。 「この金の瞳は状況を見ていただけではない。貴様の動きも捉えていたのだ」 と、自身の目を指差してトントンと軽く叩く。 「タイツの分もしっかり見ておったわ。貴様を潰した後はあっちだな…」 そう言って金色の瞳をタイツの方に向ける。"碧水"のクリスタトスはとっくに死んでいたが、彼女にとってはどうでもいい事だった。 「…惰弱な。所詮は見た目だけか!」 カッと目を見開いて死者を侮辱する。弱者には死が似合う、そう豪語する。 「へっ。お前だってそんなに強くないじゃん。底が見えてきてるぜ」とタイツ。飛び切り嫌味を込めて言ってやった。 「ぬぅあにぃ〜ッ?」 聞き捨てならない暴言にドラッグスが殺意を込めてタイツを睨む。 「ならば見ているがいい!愚かな妹など今すぐこの場でジャンクにしてくれるわ!」 そう言いきった彼女の目には明らかな苛立ちが浮かんでいた。即座に行動!彼女は侮辱の類が大嫌いだ。 ブロフェルドに走りより手を突き出す。が、その接近にブロフェルドも感づいていた。 タイツがドラッグスを冷やかして激昂させてくれた、その間に彼女も調子を整えていたのだ。 だがドラッグスの優位に立っている気分は揺らがない。相手の秘孔を突いて、殺す。それだけだ! 「それだけが満足感よぉ!喰らえぃ!」 そのまま、高速で指先を走らせるドラッグス!それを迎撃せんがためにブロフェルドが手刀を一閃させる! 「獣魔剛掌(じゅうまごうしょう)ッ!」 シュカアッ!と澄んだ斬撃音が響く。ついで、ブシュッと鮮血が迸る。 袈裟懸けに斬られたドラッグスの肩口が裂けたのだ。だが皮一枚切らせて致命の一撃避けていた彼女はニヤリと微笑む。 同時に、ブロフェルドの様子が変わった。股間を押さえ、顔を赤らめ始めたのだ… 「こ、この拳は…」 そう言う声も弱弱しい。先の一撃を交わした時、技を受けたのはドラッグスだけではなかった、という事だ。 そしてこの、身体が疼き気分が高揚する作用にブロフェルドは心当たりがあった。それは――― 「そうだ。寸那神拳(すんなしんけん)よ。相手を殺さず動きを奪い、淫靡に狂わせ弄ぶ拳……」 ふふふ…と狡賢い笑みを浮かべる。ドラッグスは自慢げに指をクキクキと鳴らす。 「以前の我とは違うといったはずだ。俺の椎根聖拳は知っていても寸那神拳は知るまい。」 「今こそ目を奪われた時の借りを返す時。あの時に俺を殺せなかったのが貴様の甘さよ」 「淫らな貴様を目で楽しみながら屠る。ふはははは!なかなか楽しい。楽しいぞ、妹よ!」 415 :名無しさん@ピンキー:2007/03/24(土) 19:08:24 ID:DsrE02St 自身の身体の変調に耐え切れず、遂に膝を着くブロフェルド。 それを見下ろしながらいい気になってペラペラと喋るドラッグス。 「おうタイツ。どうだ。これでも俺を侮るかぁ〜?」 絶好調の気分をそのままにタイツに改めて視線を向ける。だがタイツは動かない。それをドラッグスは勘違いした。 「おうおう。見ろよ妹よ。お前のよく出来た兄貴は不出来な妹の窮地を救っては下さらないとよ〜」 「やはり姉より優れた妹なぞいなかった。椎根聖拳は俺が継いでやる!お前は無様に乱れたまま狂い死ぬがいいさ!」 一気にそこまで喋り終えるとドラッグスは中指でファックの形を作った。そのまま手をブロフェルドに向ける。 「これが精神に異常を来たす秘孔…恥姦白濁(ちかんはくだく)だぁ〜ッ!狂いに狂って俺に奉仕しろッ!とどめッ!」 狂えと言いながらもその実、狂っているのは彼女自身だ。愉悦に歪んだ形相を隠しもせずにブロフェルドに指を突き出す! そしてうずくまったブロフェルドにその細い指が届く直前―――彼女の顔が上がった! ドラッグスがあっと思った次の瞬間には彼女は吹っ飛ばされていた。ブロフェルドの波動は彼女の身体には効かない。が…… 爆風で吹き上げることは出来る! 「なんとッ!」 驚愕しつつもすぐさま反撃に出るドラッグス!空中で自身の身体を一つの大きな矛に変えて降下する! 「ぎえぇ〜ッ!滅覇王牙(めっぱおうが)ッ!」 「くああああああっ!!椎根蛇賦拳奥義!破魔掠指(はまりゃくし)ッ!」 それに対しブロフェルドが取ったのは――ただ人差し指を突き出すだけ! だがただの指ではない!ドラッグスは確信したが、知らぬ技だった!それもそのはず、継承者のみに伝わる奥義なのだ。 いつもなら「指ごと砕いてくれるッ!」と打って出る彼女が……一瞬だけ弱気に囚われた! それでも矛は揺らがず!岩をも通すその一撃を――ブロフェルドの腕がすり抜ける。 ドラッグスは見たその時の、彼女の腕の動きがまるで蛇のようにうねって見えたのを――錯覚と誤認しかけた直後、 その着物から露出したむき出しの胸板にブロフェルドの指が深々と突き刺さったのだ! ドラッグスの矛は彼女の頬と肩を僅かに切り裂いたに過ぎない。この瞬間で、勝負は呆気なく決まってしまった――――…… 「うげぇッ!」 「付け焼刃の寸那神拳で私を封じれると思いましたか!―――"邪梵"堕ちるべし!」 416 :名無しさん@ピンキー:2007/03/24(土) 19:08:54 ID:DsrE02St ドサリ。勢いを無くしたドラッグスはそのまま床に落ちた。 ドラッグスの和服が衝撃で肌蹴て、彼女の上半身が露になる。そこにはそれまでの威勢の良さからはかけ離れた姿があった。 華奢で鍛え上げられていたようには見えない細い身体、その白い肌と綺麗に丸く膨らんだ乳房が露になる。 バサリとポニーテールが解(ほど)けてただの長髪となって垂れ下がる。 金の瞳は信じられない、といった様子で己が妹を見つめる……ブロフェルドは静かに宣告した。 「確実に死の破孔を突きました。終わりです。ドラッグス」 その台詞を裏付けるかの如く、ドラッグスの身体に変化が現れた。変形する肢体。途轍もない苦痛が彼女を襲う! 「げ、げはぁ!?」 その痛みに耐え切れず気炎を吐くドラッグス。その息には赤いものが混じっている。既に内部から崩壊が始まっているのだ。 「ぐえっ!――な…何故だ。お、俺の何が、何処が妹に劣るというのだ……」 ベコベコッ!段ボール箱が鳴らすような悲鳴を彼女の肉体が上げている。肉が陥没し、骨が露出する。 「"妹"属性に縛られクズどもの傍で"偽りの肉親"として惰眠を貪る………こんな愚妹にッ………へべっ!?」 変容は遂に彼女を崩壊へと導く。頭蓋が凹んで人相が跡形も無く歪む。 「お、お、お前はそれでいいのか!? こ、後悔せんのか!…ッ……か……かかか、か………ッッ」 悔し紛れに怨嗟の声を上げる。妹の主力の波動では傷付かぬ体を身に付けたのに、結局は元の椎根聖拳で滅ぶとは――― 「あぃぎッ………ぶわらぼッ!?」 ドォン!限界を超えた崩壊が彼女の背から突き抜けて爆裂した。爆散する血肉!飛散する魂…… 「……………………お姉さん」 ブロフェルドはドラッグスの最期の問いには答えなかった。ただ一言、最後に彼女を"姉"と呼んだ。それだけだった。 今の自分には兄と姉がいる。少々変わった連中だが、今の生活は心安らぐものがある。自分はそれを守りたい。それだけなのだ。 ドシャア…ぐちゃぐちゃになったドラッグスを、ブロフェルドはいつに無く冷ややかな目で見つめていた。 身体が疼く。付け焼刃だったがドラッグスの寸那神拳は彼女の思惑通りの結果を叩き出していた。 淫らな怖気が彼女を襲う。立って、いられない。 ガクリと膝を着いた彼女の傍にタイツが寄る。いけない。このままでは彼に欲情してしまう。 「やったな、おい―――うわっ!?」 近寄るタイツの腕をすり抜けて壁際まで飛ぶブロフェルド。彼との接触は危険だ。今の自分は触れられただけでも危ういだろう。 ダン!と壁に派手にぶつかる。受け身を取ろうとしたが…一瞬、体の自由が利かなかった。 声を聞くだけで身体の何処かが痒くなる。このままでは彼を、その精気を欲してしまいそう。 「うぐ…に、兄さん。悪いけど少し眠らせてもらいます〜」 彼女は"もう堪えきれない"といった顔をしている。タイツから見ても休息が必要なのが一目で分かった。 「ん?あ、ああ。もう刺客も全部倒したようだし、そっち(ミユキ)も寝てるし、寝とけよ」 タイツは仁王立ちになって言った。周りに敵の気配もないし、あとは出るだけだ…そう思ったのだ。 「起きるまで待っててやるからよ」とヒラヒラと手を振って"さっさと寝ちまえ"と促す。 すると、ブロフェルドはニコリと微笑むとその場で横になり、本当に寝てしまった。 自身の中に渦巻く衝動に耐えようと身体を腕で抱きしめる。やがて、すぐにスゥスゥという寝息を聞こえ始めた。 その傍ではミユキがゴロリと寝返りを打った。未だ寝続けるこちらもグゥ〜とイビキをかいている。 「……。しょうがないなぁ」 タイツはその平和な光景に頭を掻いて呆れる。とりあえず、待つしかないと思った。が、時は彼に平穏を与えはしなかった。 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……静かな、だが恐ろしげな地鳴りが彼の耳に飛び込んできたのだ……… 417 :名無しさん@ピンキー:2007/03/24(土) 21:58:19 ID:fbVS2Xx+ うわー、二人ともとうとう屠られてしまった。 もったいなや勿体無や(´Д`*) 十二分にエロいです。 これだけの力作をありがとうございます…… って、まだボーナストラックがあるの!? 418 :名無しさん@ピンキー:2007/03/25(日) 15:18:30 ID:IdVTRPOJ 投稿中にPROXY規制を食らいますた('A`) …また会おう! 419 :名無しさん@ピンキー:2007/03/25(日) 20:46:07 ID:gidiE16U タイツ作者さん無事に戻ってきてくださいノシ 420 :名無しさん@ピンキー:2007/03/26(月) 23:23:12 ID:Dvx5eH/y 久しぶりにマンガ紹介。ソフトやられ(バカやられ)だけど。 山田秀樹「魔乳秘剣帖」エンターブレイン社 乳が大きければ大きいほど世間に良しとされる価値観のパラレル江戸時代が舞台。 刀で女の乳を斬れば無乳になるという秘技を持つ魔乳一族の抜け忍(女)が主人公。 主人公が毎回、追手のくの一たちや悪女の乳を斬り無乳にしていく話。 ちなみに主人公は敵女の乳を斬れば斬るほどそれを吸収して自分の乳がデカくなっていく。 思いっきりオバカな話だけど、ザコくの一も登場するし、 ヤラレたっていう描写(まぁ結果は乳無くなるだけなんだけど)も結構上手いのでオススメ。 421 :名無しさん@ピンキー:2007/03/27(火) 00:13:13 ID:rr+LQtnA >>420 d ……投下が来ても感想なし、大作が来てもGJなしか…… もうこのスレに名無しは俺しか居ないのか。 422 :名無しさん@ピンキー:2007/03/27(火) 09:20:13 ID:vrnKz5YO >>421 んなこたーない…と思う…。 423 :名無しさん@ピンキー:2007/03/27(火) 13:32:38 ID:CWAr8VPK ただの勘だけど、名無しの感想レスの少なくとも三割はタイツの人と邪淫兵の人。 その割にこのスレを読んでる人が沢山いることは、まとめのカウンタを見ればわかる。 読みたくないならともかく、来てるなら感想の一言、GJの二文字くらい書こうよと。 そういうのをみて職人さん達も奮起するんだよ。たぶん・・・ 424 :名無しさん@ピンキー:2007/03/27(火) 22:33:22 ID:KJIoGu0p ただの勘を根拠にそこまで言える君に乾杯 425 :名無しさん@ピンキー:2007/03/27(火) 23:29:20 ID:CWAr8VPK 下三行も呼んでネ♪ 426 :名無しさん@ピンキー:2007/03/27(火) 23:36:16 ID:KJIoGu0p 読んだが?感想も書いてるしGJもしている。変な言いがかりをやめろと言っている。 427 :名無しさん@ピンキー:2007/03/28(水) 00:20:46 ID:CvY/rl/l まあまあ、>>421>>423はスレの将来を案じて、または職人さんのモチベーションを考えて言ってくれてるんだから。 そこを考慮して頭ごなしに否定するのもよくないだろう。 ただ、SSが好みじゃないのに感想書けというのも酷な話ではある(まぁ乙やGJがあってもいいと思うこともあるが)。 やられといっても、その実際の嗜好は結構バラけているのはみんなも承知のとおりだろうし。 ここの職人さんって、特にレスつかなくても定期的に投下してくれるし、ほとんど不平不満漏らさないからなあ。 それを当たり前と思うってのは読み手の驕りかもしれない(もちろん自戒の意味を込めて言ってる)。 ただ、こういう感想レス云々で揉めることこそ、投下しにくい状況をつくってしまう気がする。 ということで萌え語りでもしないか。今まで語ってないのといえば・・・屠る側のキャラはどんな感じが好きか。 男とか女じゃなく、性格ね。 黙々と屠る冷血キャラとか、悪でも女を屠ることにためらいをもちながらも結局殺してしまうウジウジキャラとか・・・ どんなキャラクターに悪女が屠られるのが一番萌えるかをキャラクター面から語ってみるのはどうだろう。 428 :名無しさん@ピンキー:2007/03/28(水) 21:56:56 ID:By3qSx3E 保守!! 429 :名無しさん@ピンキー:2007/03/28(水) 22:30:20 ID:IN/eQdwr >>427 蒸し返して悪いが、名無しが感想を書いていないという話はどこから出てきているのかな? ざっと読み返してみたが普通に書かれていると思うんだけど・・・ 妄想だけを根拠におかしなことを言えばそれがスレを案じての事であっても怒られるのは当然かと 430 :名無しさん@ピンキー:2007/03/28(水) 22:48:52 ID:mm8zvA+s せっかく仲裁が入ったのに・・・ >>429 議論や論争は悪いことじゃないけど、そのせいでギスギスしてスレが廃れるってのがよくある。 リョナやグロの人たちと違って、悪女やられ好きには専用板も無し、このスレしか居場所がない。 荒れないで欲しいのよ。だからこの辺でやめにしないか?そもそももっとほのぼのというか、平和に会話しようぜ。 431 :名無しさん@ピンキー:2007/03/29(木) 00:17:59 ID:CeBkUDyb こっちも流れ妙だな 俺は向こうの住人だが同じスレ守りたい一人として忠告。 善意のレスかもしれないが、これ以上はほんと平成な感じにした方が良い 荒らしに狙われる可能性大。 432 :名無しさん@ピンキー:2007/03/29(木) 00:38:34 ID:wVQIJBbn >>427 任務の時はあくまでも冷酷だけど、 それを離れると時々自分の業の深さに思い悩んだりする…とか。 そんな感じの屠り役に悪女さんがやられるのが萌えかも。 433 :名無しさん@ピンキー:2007/03/29(木) 02:30:54 ID:wTczJXHH あっ、いいこと考えた。 俺がしたらば借りて、そこで喧嘩罵倒専用スレ作れば全部解決じゃね? >>427 仕方なくとか、成り行きで何となく主人公やってる奴に倒される敵女は哀れで萌ゆる。 434 :名無しさん@ピンキー:2007/03/29(木) 03:02:06 ID:Ifx3t6lg >>429 怒られるのは当然「かと」 222 名無しさん@ピンキー sage 2007/03/05(月) 19:02:22 ID:G3BEDsXT ○○-○○○○の話って逆レイプされて死ぬんだな なら擬人化した凶暴な(ryスレにいったほうがいいんじゃない「かと」 234 名無しさん@ピンキー sage 2007/03/06(火) 00:01:23 ID:G3BEDsXT ○○とか○○とか屠るスレにいってほしい ってか作者自体が 向こうのスレ荒らしてるのお前じゃないだろな? >>427 バリバリの正義感男に完膚なきまでに・・・と言うのが萌えるw 435 :名無しさん@ピンキー:2007/03/29(木) 03:20:50 ID:xEMoUz7c かと、くらい俺も使うよwひどい言い掛かりかとw どこか知らないけど余所の荒らしとここの人間を結び付けないほうが良いかと。 436 :名無しさん@ピンキー:2007/03/29(木) 03:27:59 ID:CVy33sqg 今月のヴァルキリーにはヤラレあるんだろうか。 公式ページでサンプルみる限りでは悪女自体、ディスバニッシュの女幹部が敵のボスにお仕置きされてるくらいしかなかった。 ただ蛇女シスターのヤラレで有名なローズマリーのCDドラマがついてるそうで吸血鬼:田村ゆかりとなってる。 ゆかり嬢のヤラレ悲鳴とか聞けるなら買う価値あるかもしれん。 >>427 俺は正義感がすごく強い男に性別なんて全く気にされず怒りの刃で屠られるってのが好きかも。 437 :名無しさん@ピンキー:2007/03/29(木) 09:30:34 ID:Q01SuHyL みんな落ち着け… これは何処かの悪の組織の女性の陰謀だ。 そうやって仲違いさせて我々の戦力を割いて その隙に何かを行うつもりに違いない。 「悪の女戦士の陰謀」と書こうとしてなんか締まらないなぁと思った… 「悪の組織の女性」でもなんだか締まらないのだが… どう書いたらスマートになるだろうか… 438 :名無しさん@ピンキー:2007/03/29(木) 20:05:07 ID:CVy33sqg 「女だけで構成された悪の組織の陰謀」かな。ちょっと長いな〜 なんか俺、マンガの紹介ばっかしてる気もするが、 マガジンZのサクラ大戦が女幹部紅のミロク戦なんだが、 サクラたち正義集団を一人で相手してたがさすがに息切れ。 今週巻末でダブルライダーキック極められたので、多分来週冒頭あたりに断末魔が聞けると思う。 なんていうかサクラ大戦は女であろうと悪には容赦ないので好きだ。 439 :名無しさん@ピンキー:2007/03/29(木) 20:27:11 ID:CVy33sqg すまん月刊誌だから、今週→今月、来週→来月だね。 440 :名無しさん@ピンキー:2007/03/29(木) 20:28:02 ID:kzwcWK8h 今後、感動できなかった人は次回作に期待する。良かったと思った人は遠慮なく「GJ」のひとことを言う。 以上! >>437 真剣に考えて小一時間w 「秘密結社ブラックチェリー」とか。 可愛いものとダークなものを合わせるとエロ怪しい雰囲気が漂って好きなんだけど。 「ブラックエンジェル(ス)」とか言いたいとこだけど既存だし。 441 :名無しさん@ピンキー:2007/03/29(木) 21:23:40 ID:Ifx3t6lg >>440 激萌ランジェリーズとか? 可愛すぎるか…。 愛撫の音(オナ二ー)で男を気持ち良くさせて悩殺(死)させる下着姿の女軍団。 下着破られると…ボンッ…と爆発、はい!さよならw と…想像したw >>437 の趣旨から脱線してるorz 442 :名無しさん@ピンキー:2007/03/29(木) 21:57:17 ID:p5EOX6ZC 「素股の『ショーツィ』」 「足コキの『スティッキン』」 「パイずり『ブラージャ』」 「我ら『激萌えランジェリーズ』、三幹部!!」 「お前たちの命貰いに来た」 「さあ、あたしたちの音をお聞き、そして悶絶死するのよ」 「え、何、止めて」 「裂ける、裂けちゃうー」 「嘘でしょ、ショーツィとスティッキンなら分かるけどなんで私まで…」 ボン、ボン、ボン 443 :ジョボボのジョー!:2007/03/29(木) 22:00:09 ID:Ifx3t6lg 「私のエッチな音聞いてぇ〜!」 「うあぁぁ!」 『ニュース速報です! 突如都会の真ん中に湧いて出た下着が眩しい女の軍団が! それはやらしいポーズで オナニーの音を・・・ああ♪』 男アナウンサー倒れる。ランジェリー姿の女達が出すやらしい悩殺音が男を天国に送ったのだ。 「何だこりゃ!? よぉし! やらしい染みだらけの下着が弱点臭いから破くぞ!」 それを見ていたカメラマン『自称:下着破りのジョー』はカメラを投げ捨てて女達に飛び掛る。 「クリゃぁぁぁぁ!」 「へ? 何こいつぅ? 私のオマンコの音で天国に逝きなさいよ!」 ブチャア!グチャァアアアアアアアアア! 「ぬぉ!? だが負けん!」 「あ、ひぃんっ!」 ビリィィィィィィィィィ! 女が股間を指でまさぐり、衝撃波のような音がジョーに襲い掛かるが、一瞬早くジョーの指が ランジェリーに突き刺る。 「あはぁん、指感じる…え? 私のパンティーに穴?」 パンティーの穴の奥にある穴に、ジョーの指が突き刺さっていた。それを見て女が真っ青になる。 「ぬ、抜かないでぇ! 塞ぐ物がなくなったら爆発しちゃうぅぅ!」 「処女か…悪は滅するのみ! スクリューハンド!」 「あきゃぁぁ!」 ジョボボボッ! ジョーの指が更に下着の穴を広げ、中の穴が広がる。快楽と恐怖で女の股間から大量の赤色の尿が流れだす。 「もう…らめぇ…」 「決まった…スクリューアッパー!」 グリュ…ズボッッッンッ! 「ひぃぃぃぃぃぃん!」 女がアッパーカット気味にジョーに打ち上げられ、大量の尿を螺旋状に撒き散らして宙を飛んだっ! 「天に昇る気分だわぁ〜」 ボォォォォォォォン。 最後に天に昇った女の股間が太陽光線を放ち、その体が爆発する。 「滅!」 濡れた右手を肩と水平にして真横に振ると、爆発した女を背にジョーは格好良くポーズを決める。 自称改め…下着破りのジョーが誕生した瞬間だっ!! 想像しとったら久し振りに書いてもたorz 参加する気ゼロやったんやが…。じゃあなおまいらw  タイツ早く帰ってこんかなぁ…。 444 :名無しさん@ピンキー:2007/03/29(木) 22:00:48 ID:Ifx3t6lg >>442 そのネタええなw 445 :名無しさん@ピンキー:2007/03/29(木) 22:46:31 ID:CeBkUDyb まずはgj 無関係だと信じるが、向こうの職人匂わせる >>434 マジ止めて、こっち来たかと誤解した 446 :名無しさん@ピンキー:2007/03/30(金) 00:44:32 ID:5FDTnwYg >>98以降のストーリーで仕置人にやられる悪徳女医のストーリーを投稿させていただいたものです 僕は悪女を犯す趣味はないけど、殺すのではなく大勢の前で晒し者にして生き恥をかかせる、というストーリーが大好きなんですが このスレで再び投稿してもいいですかね? すれ違い? 447 :名無しさん@ピンキー:2007/03/30(金) 01:07:34 ID:lKKcWJNB それ系は向こうだか受けるかどうか・・・ >>1 戦闘不能が意識不明レベルか、そうでないかによるかと・・・ 448 :名無しさん@ピンキー:2007/03/30(金) 02:45:29 ID:L3CQj5L8 >>446 いや、こっちでいいんじゃないかな。ソフトだがやられに区分されると思うが。 大体、前回もこっちに投下して住人に受け入れられてたわけだし。 あっち(Hスレ)はかなり甘い感じが好まれるようになってきてるので受けも悪い気がするしな。 ただ、あくまで個人的見解なので446氏自身がどちらに投下するかの最終判断をしたらいいんじゃないか。 他に該当するスレがあるならそこでもいいが。 あと446氏、お願いが一つあるんだが、sageてくれないだろうか。 前回も言われたと思うんだが、ここはかなり人を選ぶスレでちょっと読んだだけで嫌悪感を持つ人もいるだろう。 ageると人目に触れる機会が多くなるので、投下時に荒らされない保険のためにもぜひメ欄にsageと書き込んで欲しい。 449 :名無しさん@ピンキー:2007/03/30(金) 03:10:48 ID:lKKcWJNB >>443 てか、久しぶり?前にも書いてたの? 俺色んなところ行くけど見たことない・・・・ 俺的にはもっと読みたいネタも良いし・・・・ >>446 投下するならこんな感じで[sage]てなw 450 :名無しさん@ピンキー:2007/03/31(土) 02:24:17 ID:6qoYlFRr はぁ 451 :名無しさん@ピンキー:2007/04/01(日) 14:18:52 ID:1pA/mZbR こんなの見つけた。 ttp://www.youtube.com/watch?v=u0V--nlcSPI 特撮女怪人の袋叩きって萌える。喘ぎ声もいいしな。 シュリケンジャーはフラビジェンヌの方が好みだけど。 452 :名無しさん@ピンキー:2007/04/02(月) 00:47:11 ID:aiwCL+Uh >>451 うえー、なんつーかすごく惜しい。 これでもうちょっと女らしい格好なら俺の精子は尽きていた。 453 :名無しさん@ピンキー:2007/04/02(月) 02:30:01 ID:hlomag7D 特撮の女怪人って惜しいのが多いんだよな。 声はいいけど姿はイマイチとか。その逆もまた。 個人的に女怪人で一番好きなのはギンガマンのヒエラヒエラなんだけど 彼女もやられ方がなぁ。 完全に倒れきる前に爆発しちゃうし、今際の叫びもないし。 ttp://www.toei.co.jp/tv/user/program/browse3.asp?Command=Old&StrNum=28&SID=16 こんなショボやられなら、いっそやられない方がマシ・・とか言ったらあっちのスレに なってしまいそうなのでやめとく。 454 :名無しさん@ピンキー:2007/04/02(月) 23:21:26 ID:pAgRd2W6 >>451-453 俺はさすがに着ぐるみは無理だなあ。同じ怪人でもマンガや小説、 あとは声だけのラジオドラマみたいなのなら確実に抜けるんだけど。 そういや人間体ばかりで怪人やられのSSってこのスレでは読んだことないかもしれん。 455 :名無しさん@ピンキー:2007/04/03(火) 20:04:58 ID:TwwcO7aY Hスレに300レスも開きがあるのにこっちもそろそろ400KBいくんだな。 それだけレス内のSS率が高いってことだが、裏を返せば雑談が少ないってことにもなる。 それなりに盛況な掲示板の数でいえばシーネ派の方が多いからかな。 考えてみればやられを排除し、かつMC系も無視し、純粋に悪の女を愛でる(スンナ派)だけのサイトって少ないかもしれん。 456 :名無しさん@ピンキー:2007/04/03(火) 20:11:53 ID:H+ZnLbF2 >>455 なんつーか「だから?」としか返しようが無いんだが… 457 :名無しさん@ピンキー:2007/04/03(火) 20:16:04 ID:6Kfda681 こまかい事はいいんじゃない?確かにあっちでするべき話しだけどな さて、こっちもそろそろテンプレ相談しないとな 俺は今までのままでいいかな 458 :名無しさん@ピンキー:2007/04/03(火) 23:06:34 ID:DYc27f/z ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……地鳴り。そして地の底から生じる振動。 地震か、とタイツが感じたが、すぐに"違う"と察した。"眼前の異常"が彼にそう確信させる。 彼の目の前…何もない空間だ。死体以外何もなかった。誰もいなかった。誰も生きていない。空間しかない。空気しか流れていない。 しかし―――今は違う。"何か"がいる。そいつは突如として現れた。いや、立ち上がったのだ。 「……迷って出たか?クリスタトスの姐御?」 タイツの目の前には、先ほどまで死体として地に倒れていた女が立っている。 バイオハ○ードで通路に待機しているゾンビみたいな不安定な立ち姿。 キザな着こなしだった白いスーツは彼女自身の血で紅く染め上げられ、以前の流麗さは感じられない。 「辞世の句を吐けなかったからって無理して出るなよ。怖いぜ」 ボタボタボタ……致命傷となった頭と腹から血と共に何かが漏れ出る。それが"何か"なんて考えたくもない、とタイツは思った。 「どう見ても死んでるよなぁ…マジか?」 あまりにも無防備に突っ立てるのでタイツは少し屈んで相手の顔をうかがってみた。 ……死んでいる。半開きの口からは吐息は流れていない。目は虚ろでどこも見ていないし何も捉えていない。 と、その死体が動いた!本気で化けて出たか!とタイツが身構えたが、相手は彼に向けて行動を起こしたわけではないようだ。 うううぅぅぅぅうぉおおぉぉぉおあおあおあおあおあおおあおああああああああ……… 459 :名無しさん@ピンキー:2007/04/03(火) 23:07:20 ID:DYc27f/z 息も吐かぬ朽ちた唇から何か、声か叫びめいたものが発せられる。 それに呼応して地鳴りと地響きが再び巻き起こる。まるで"それ"がこの地震を呼んでいるかのようだ。 更に異変は続く。広いホールの惨劇を彩る死体や破壊された机や椅子などの調度品が動き始めたのだ。 それはズルズルと見えない糸で吊られて引きずられている。向かう先は一つ、タイツの前に立つ"かつて誰かだった"もの… そいつは絶えず静かに叫び続けている。まるで近づく幾多の残骸たちを呼び寄せるように。 ――まるで、「ともにあらん」と呼びかけているかのように。 そいつはそれらと接触すると、そいつ自体もそれらと混ざり合った。 合体。融合。接続。連結……そうして"そいつ"は大きく、不気味に、ひたすら醜く肥大して変態していく。 死した者は一つになる。だがとうに果てたものに命は無い。命無き"彼女達"がいくら集まろうと、決して『命には成り得ない』…… やがて、有機体と無機物が混ざり団子の様になっていく傍らで、"そいつ"のいる空間が歪み始めた。 構えるタイツを無視してそいつは空間の歪みから何か、いや…誰かを呼び寄せている。叫びは異界からも何かを呼ぶ。 ……その返答はすぐに来た。歪みの向こうから来た者は『とうに死んだ誰か』の集まりだった。 出てきたときから死んでいる。呼ばれた場所で既に死んでいた。"死んだ彼女たち"は号令に応じて"そいつ"のために寄り集まった。 連中は死体だが蠢いている。リビングデッドに意志は無い。唯一つの意図に突き動かされている。 明らかな指向性を持って集結する『かつて誰かに倒された女たち』はやがて"一つの形"を成し始める。 「――作者のアホめ!ようつべで何か観たな!?」 『……ぬうぅぅぅぅうおおおおおあああああああああぁぁぁぁッッ!!!』 それは、何処の…どの口から発せられる叫びであろうか。 女と女と女と女と女が複雑に絡み合い、死体や肢体が交わりあって――唯一つの躯体が完成する。 『ぶるううぅぅうぅああああああああッッ!!!!』 若○ボイスっぽい声がシャウトする。その叫びに呼応して身体を取り巻く死せる女どもの口が次々に声を上げていく。 恐怖・憎悪・愉悦・快楽・怠惰・悪意・絶望・羨望・強欲・呪詛・怨嗟・懇願・悲哀・恋慕・偏愛・殺意……破滅の呼び声が鳴る。 ありとあらゆる感情、念の籠もった叫びは様々な色を帯び、混ざりに混ざって混沌を極める。 いかなる鮮やかな色でも染まりに染まれば……行き着く色は一つ…途方も無く深い"黒"だ。 女たちは叫び続ける。何処へも向けぬ。誰にも対することはない。何の意味も意図もない。全ての音が空間の虚無に消え失せる。 ガッチャッ!ガッチャッ!――ホールに散乱していた死体や調度品の残骸が寄せ集まって出来た骨と金属の足が地を踏みしめる。 床はいつの間にか、血かなにかで真っ赤に染まっている。気付けば壁も紅く染まっている。 そして天井……タイツは上を見上げて目を見張った。今まで当たり前のように存在した天井や照明が…真っ黒な闇に変わっている! 其処にはホールを閉じている"蓋"そのものが抜け落ちている。暗黒はホールの上方を果てしないものに置き換えてしまった。 照明はシャンデリアごと何処かへ去り、暗黒がそれに成り代わって漆黒の黒で場を照らしている。 「おいおい…夢見すぎだぜ。それにしてもなんか見覚えのある顔が多いなオイ」 とりあえず目の前の"それ"に話しかけてみるタイツ。ここ最近、ずっと連戦だったので少々疲労が溜まってきている。 だが…なんとなくこれが最終戦だと直感で感じ取っていた。 460 :名無しさん@ピンキー:2007/04/03(火) 23:08:05 ID:DYc27f/z 『ぶるるるるるううぅうぅぅあああぁぁぁぁぁああぁぁぁあ…………』 木霊する女声版○本ボイス。女声が重なり合ってドスの効いた叫びへと合成されて鳴っているのだ。 美しき乙女たちの残滓の寄せ集めが奇異な肉塊と化し、一匹の怪物と成ってタイツを標的に動き出す…… あるものは巨乳と大きな銀縁眼鏡が特徴の、黄色い衣装を纏った高慢そうな年増女だ。裂けた喉から際限なく血が流れている。 あるものは上から下まで銀色で統一された装備と髪の色をした格闘タイプの戦闘員だ。額が腫れ、目鼻から血を流す。 あるものは胸の谷間が奇妙に陥没している。深緑の長髪に尖った耳。鎧と水着を合わせた格好をして、両の鉤爪を喧しく鳴らす。 あるものは漆黒のボンテージに身を包んだ、プライドの高そうな三つ編みの三十路女だ。身体が真っ二つに割れ、片手の鞭がしなる。 あるものは腹から剣を生やして血を流している。"悪魔っ娘"という表現が似合うその娘は、手足に電撃を帯びて魔力を練っている。 あるものは藍色の布の服を着た黒髪の少女だ。胸がばっくり裂けて割れている。手には氷の魔力が込められた魔剣を携えている。 あるものは全身に水晶か氷を思わせる鎧を着込んだ美女だ。ところどころ溶けており、股間から氷の粒子が舞い散っていく。 あるものはボーイッシュな顔立ちをしている。格好からしてクノイチか。首が折れ、頭がブラブラと力なく揺れる。 あるものはとても貧相な体格をしている。だが両腕のみが奇妙に肥大して蠢き、鬼の腕のように振るわれる。 あるものは裸同然の姿に外骨格を足した姿だ。ポニーテールの愛らしさと獣のような獰猛な形相がアンバランスな美を生んでいる。 あるものは白黒で扇情的な衣装に身を包んでいる。その淫靡な肢体に外傷はないが下半身から白濁色の水を垂れ流し続けている。 あるものは胸と尻が剥き出しになった派手な色のタイツに身を包んだおかっぱ女だ。これは下半身から光る粒子の滝を流している。 あるものは少々オシャレな格好の若い女の子だ。怨嗟に歪んだ顔面が半分以上砕けている。熱を帯びた紅い手腕はとても熱そうだ。 あるものは砕けた両腕から幾重もの武器を生やしている。左の眼孔が空いた女の灰色の髪とトレンチコートがはためいている。 あるものは2人組の若い娘だ。双方とも首から下を包むラバースーツを着込み、血を流しながら手にしたナイフを振り回している。 あるものは右の眼孔が開いている。胸丸出しの上半身と露出した下半身が完全に分離している。裂け目から青黒い触手が見え隠れする。 あるものは真っ白いスーツを鮮血で朱に染めた大柄でスタイルの良い女だ。頭と腹から肉片と血がドロドロと垂れ流されている。 あるものは身体がほとんど砕けてしまっている着物姿に奇妙なブーツのポニテ娘だ。奇妙に捻じ曲がった腕が前後する。 ……他にも多数の戦闘員らしき女、犠牲になったビルの住民らしき女が塊の中に埋没し身体の一部を不気味に蠢かせている。 『『るうううぅぅぅぅうあううあうあうあうあうあうぁぁぁ〜〜〜〜』』 それらが一斉に吼える。まるで威嚇するかのように………それらの目に色はない。恐らく何処も見ていないのだろう… ――――ゴクリ。タイツは目前の怪物を一通り見渡して、その凄惨な様に思わず息を呑んだ。 「今まで見た女戦士で一番醜悪だぜ…最悪だな。」 チラリと視界の隅で倒れているであろう連れ2人に目をやる。視界は赤と黒で彩られていたが、2人は確かに存在していた。 ミユキは相変わらずカエルみたいに引っくり返っている。ブロフェルドはタイツが横たえた場所でスゥスゥと眠りについている。 「……引くわけにはいかねぇよなぁ。正義の味方で、常に正しい俺様が"家族"を見捨てて逃げるだと?」 ガッシャ!ガッシャ!…怪物の前進は遅々として捗(はかど)らない。あまりの体積にバランスが取れずにいるのだ。 だが"彼女たち"…いや、"そいつ"はその難点を気にも留めない。緩慢に脚を突き出して赤い大地を闊歩する。 時々、そいつを構成している女たちの手足が地面について怪物の歩行や安定に一役買っている。それでも、怪物の歩みは遅い。 「――えぇい!面倒だ!犯す気も屠る気も起きんけど、テメェは俺がSATSUGAIして誅殺して成敗してアレしてナニしてやる!」 半ばやけっぱちで、タイツは怪物に突っ込んでいった!!! 461 :名無しさん@ピンキー:2007/04/03(火) 23:08:53 ID:DYc27f/z 「色気や魅力なんかとっくに抜け落ちてるのに綺麗な顔とか体格を寄せ集めやがって!」 怪物の前に躍り出つつ悪態をつくタイツ!疲労はあるが幸い身体に戦闘で支障をきたす様な傷は負っていない。 万全とは言いがたいが十分闘える力は残っている。問題は…倒せるか否か、だ! 女体で構築された醜悪な肉達磨の、一部の視線がタイツを睨むあ。その目は生者でなく亡者のそれだ。 手に武器を持ったモノは得物をその場で振り乱し、素手のモノは胸を震わせながら叫び声を挙げて相手を威嚇する。 『ジュアアアァァァァァァァァァッッ!!!』 それまでのボイスから一変。映画で見るエイリアンが上げるような金きり声を挙げる女だらけの怪物!("ドキッ!"とはしない…) 悪魔ッ娘の雷撃が地を撃つ!エルフ耳の強化人間の爪が無闇矢鱈と繰り出される!灰色の髪のコート女が手裏剣を飛ばす! それら全てを紙一重で避け、時に全く動かずにやり過ごすタイツ。"碧水"を凌駕した動きで怪物をも翻弄する。 『ぶぉう!』『ギャオ!』『ポゥ!』『ギャゴォ!』『がぁお!』 女性どころか人間の発する物とは思えぬ叫び声が立て続けにタイツの耳を打つ。様々な感情が複雑に交錯する! 「…っだあぁ!五月蝿いぞお前ら!」 堪らず耳を押さえて抗議する彼に向けて2人一組の刃が同時に降りかかる!果物ナイフと軍用ナイフの斬撃が空を切る! 身を掠(かす)らせる事なく難を逃れたタイツに貫手が差し出される。見ると、銀髪に銀衣装の娘がこちらを見ていた! タイツはまずこの小生意気な奴の腹を手始めに打ってみた。"ドム!"と確かな手応え。確かに、人間の肌だ。 だが…効いてはいないようだ。その銀色女は身体を仰け反って肉塊にその細身を埋(うず)めたが…即座に跳ね返ってきた。 驚いたタイツの側面に別の視線がかかる。と、その先を見る前に両肩をゴツい腕が鷲掴みにしてきた! もろに身体を抑えられたタイツ。頭上に華奢な顔つきと忍び衣装の女が待ち構えている。更に真ん前にも灰色の髪の裸身がいる。 そいつは灰色の髪の向こうから右目に穴の開いた綺麗な顔をぐにゃりと歪ませてタイツを見ている…ように見える。 その腰の辺りは鮫か何かに食い千切られたように破れており、青黒いというか真っ黒の筋肉繊維が見えている。下半身は毒の壷だ! 「う、うおおおおおおお!!!!」 劣勢と見て腕と足で百烈拳と百烈脚を連打、連打。連打! 狙わなくとも当てられる巨体のあちこちにタイツの殴打による傷が刻まれていく! その衝撃でメガネ女のどてっ腹に穴が穿たれ、ボンテージ三十路女の光刃で切断された傷が更に裂けて真っ黒な血を吐く。 外骨格に身を包んだ裸身の女の肩や腰が骨ごと粉砕され、首が折れていたクノイチの左胸が衝撃で弾け飛んだ。 『『ぶるるるううぅぅぅうあうああああわわあああああああああああぁぁぁぁぁあぁあああぁぁぁぁッッッ!!?!?!?!』』 連打!連打!!連打!!!連打!!!!連打ッ!!!!! 打ち込んでいるうちに鬼の腕の拘束力が緩んだ。付け根のところにいる華奢だが美しい少女の顔が苦痛で歪む。 そいつもまた、聞き取りづらい悲鳴を上げている。顔に血管が浮かび上がり眼球が朱色と化し鬼の形相もかくやという様相を呈す。 その形相をタイツは足の裏で塞ぎ、マリ○みたく踏みつけた。顔面の上半分がいとも容易く砕け散った。 タイツが次を狙おうとした刹那、冷たい刃が横槍を入れてくる。黒髪に青い服の娘だ。身体を前傾すると胸がばっくり割れた。 気持ち悪い姿に取り乱す事無く、タイツは回し蹴りで横っ面をしばく、首が180度曲がった…が、異音とともに顔がこちらを向く。 「―――ホンットに趣味悪いな。まとめの人が怯えるじゃねぇか!この!このっ!」 駄々っ子みたいな文句を上げながら両腕を振り回して斧のように相手の頭上に振り下ろす! "血風"の両腕を打ち砕いた豪腕は簡単に相手に届く。一本は女体の交錯する部分を、もう一本は氷の鎧を着た美女を直撃した。 叩き切られた衝撃で絶叫を上げる氷の女は雹のような氷のつぶてを手から発する…だが狙いが全く定まっておらず、外れてしまう。 また、砕けた部分からは血と肉と骨が漏れ出る。内部に埋もれた死体群が露出し、新たな産声を絶望を込めて上げる。 「くそっ。軟いのか硬いのか、どっちなんだYo!」 462 :名無しさん@ピンキー:2007/04/03(火) 23:10:24 ID:DYc27f/z 邪悪な怪物はその身を怪物たらしめている女体の塊を構成するダメージを受けているのも関わらず ぬぬぬぅ…タイツの方に向きを変える怪物。正面…と言っていいのか分からない部位が前に来た。 怪物はその前部に一部の女体を移動させた。 灰色の髪の――同じような顔つきの3姉妹。左にズタボロのコート姿・中央に血濡れの白スーツ・右に崩れた裸身…… 生前はニヤニヤ笑いやうろたえた姿が印象的だったが今の彼女たちは苦悶と憤怒と恐怖に醜く歪んでいる。 四つの瞳は全て紅く染まっており、左と右の女の、空いている眼孔からは小さな炎めいたものがチロチロと灯っている。 『『『ぬうううぅうぅぅうおおあおおぉぉあおおあおあああ〜〜〜〜〜ッッッッ!!!!!』』』 3人揃って叫ぶと飛○ボイスっぽい。発想の元からして○田が声当ててるアミバ似の誰かさんだし… タイツが攻める前にその前面の3体が同時に攻めてきた! 得体の知れない暗器の刃の群れが、槍と化した手刀による無数の突きが、食い千切られた腹から生じた”憎悪の具現”が、 目の前にいるたった一人の変態ルックの男一人に向けて次々に降りかかる。 タイツが飛びのいたその場には突き出された見た目以上の数の穴が穿たれた。地がバリバリと音を立てて抉られ、切り裂かれる! スタッと後方に降り立ったタイツ。無事か思えた。だが、よく見ると地面に赤い斑点が点在している。これは…… 「うげっ、ちょっとやられちゃってるじゃんよー!」 悔しそうに歯噛みするタイツ。背中に手を当ててみると…真っ赤な血がベッタリと付着している。 だが、ちょっとどころではない。背中がざっくりと幾重にも渡って斬られていた。 「おいおい。生前より強いぞコr――うお!鬼の手っ!」 ギュン!…あと一歩反応が遅かったらタイツの首が飛んでいたであろう爪の斬撃が頭上を通過する! 見ると、先ほど打ち据えた裸に黒い外骨格の女が爪を尖らせてこちらを睨んでいた。その様、まさに鬼人。 『くぅああぁああ!』『きゅおおぉぉおお!』『ぐががががががっ』『ゴッボボボ……』 ラバースーツの2人組と銀色の女が嬌声らしきものを喉から発する。呼応して喉を裂かれているメガネ女が不気味にうなる。 ガッチャガッチャ!骨組みと鉄の柱で構成された曲がりくねった脚部が喧しい異音を立てながら歩んでくる。 と、途中で歩を止めた怪物はその足の一本を大きく振りかぶった―――タイツを踏みつける気だ! …ズン!と足が振り下ろされた。先の連続攻撃と比べれば眠ってしまいそうなほど緩慢な動きだ。 その隙だらけの足の側面にタイツは「ヤラァ!」と一撃をくわえる!…ガッ! 「ぐえっ!か、KATEEEEEEEEEEEEE!!!」 途端、悲鳴を上げて飛び退いたタイツの拳は痛めてしまって赤く腫れていた。 …意外!骨も鉄もかなりの硬度で、タイツの鉄拳を持ってしても砕くことは出来なかった。 『―――――うううううぅぅぅううううああああおおおあおおあおあああおあおおあああああッッッ!!!』 怪物はタイツのその様を見て勝機と判断したか、全身の女たちが絶叫を上げ、数えるのも面倒な多腕を振り乱し始めた。 身体の中心辺りで3姉妹の手が前方の一点に向けて掲げられる。そして、前ならえのような形まで下ろしてその場で止めた。 未だ絶叫を続ける怪物。体中の女たちからスパークが散る。自ら発しているようにも、電撃刑を受けているようにも見える。 死して磔刑に処せられし女どもは、前方の人間一人をコロスために力を寄せ集めている。 「―――なんだ。せっかちな連中だな。もう決め技使っちまうのかぁ?w」 痛めた右手をブラブラ振りながらタイツが仰ぎ見るように相手を睨む。怪物の一部がその視線を赤い瞳で睨み返す。 更に上体を起こして鞭や火の玉や鉤爪を振り回す。カマキリの威嚇のようなポーズを取るものもいる。唾を飛ばして叫ぶものもいる。 その形相と狂乱に「おお、こわ」と身を引っ込めるタイツ。怪物の身体から発するスパークは勢いを増すばかりだ。 そして、徐々に突き出された手が虚空から何かを掴みだした。"それ"はスパークの迸りから生まれたようにも見える…… 不鮮明だったその"何か"はすぐに一つの形を成し、そいつの得物となった――それは、血に塗れた一振りの骨の剣だった。 463 :名無しさん@ピンキー:2007/04/03(火) 23:11:42 ID:DYc27f/z まぁた…けったいな得物を出したなぁ」 ガッシャガッシャ。タイツの声を無視して怪物が迫る。その手――3姉妹の腕のどれか2つが掴んでいる赤い骨の剣が妖しく光る。 そいつは本当に、大きな動物の骨を削って作ってあるようにしか見えない代物で、実に原始的な印象を受ける。 現出したそのときから既に血塗れで呪われている。その剣を生んだ電撃は今もその刀身を青白い閃光で照らす。 スッ…見かけの醜悪さとは違って、武士がするように静かで機敏な動きで太刀を構える怪物。 その身体の周りでは未だに女戦士たちの哀れにさえ思える叫びが続いている。 死んでも死にきれない慟哭か。死んでなお戦い続ける自身に対する悲哀なのか。いや、それらに感情はない。 叫ぶ声に激情が込められていようと、それらにはもう、意思らしき意思など介在しようもないのだ。 何故ならその精神はとうに果てているから。その心は各人に例外なく訪れた"あの瞬間"に逝ってしまったから。 だからそこには何の心もない。女戦士たちの残骸は動くたびに胸が揺れ、髪が風で流れ、綺麗な顔が奇妙に歪む。 それでも、なんの色気も生気もない。グロテスクとエロティックが混在する死体と金属の混合体は、何者でもないのだ。 ただ、そこに在るのみ。 "そいつ"は骨を振り上げる。上方に掲げ上げられた剣はスパークを帯びて青白く、赤い刀身を染める。 「当たれば死ぬな」とタイツは思った。それで弱気を覚える彼ではないが眼前の異様に、僅かに目を細めた。 その細めた目でそっと後ろを見てみた。後方には2人の女が寝ているはずだが、何時の間にか辺りを霧が包んでおり周りが見えない。 その霧も、血しぶきのように赤い。視界全てが血で塗り固められた呪われた光景になっている。 自分とそいつだけの戦場だ。 こいつがなんで俺を倒そうとするのかわからない。 だが"一応"女戦士だ。ジャンクコーナーから拾った中古パーツで組まれた自作パソコンみたいな怪物だ。 ――なら倒すしかないじゃないか。その為に俺はここに存在している。 悪の女戦士をぶっ飛ばすタイツ姿の正義の味方!それが俺の存在意義だし、それが俺の生き方だ! ダン!と血と地を踏みしめ、自身をその場に固定する! そのタイツの思い切った行動に、だがしかし怪物は怯みもしなければ反応もしない。 剣は変わらず振り上げられている。そのまま、振り下ろせばタイツは真っ二つになるだろう。 避ければ逃れられるかもしれない。しかしタイツは自らその"逃げ"を放棄した。受けて立つ!…そういう構えだ。 背中に受けた傷はとうに血が止まっている。彼の体力は人並み外れている。いや、彼も十分"怪人"だ。 怪物の一太刀を前に、タイツは肝を据えてその場に踏みとどまり、真正面から怪物を睨む。 怪物は中央の3姉妹を頭部のように動かしてタイツを真正面から睨みつける。 …その、一瞬。その顔が、顔どもが、笑みを―――浮かべた。タイツは反応しない。彼はもうそれらを見ていない。 それは笑みなのではない。動く瞬間の、挙動の一つに過ぎないことを悟っている。 そして、怪物が手にした大剣を、一気にタイツに向けて、振り下ろした。ブンと、空を切り裂く音がした。 464 :名無しさん@ピンキー:2007/04/03(火) 23:14:43 ID:be1u2CYe 怪物の骨の剣の一撃は、やはりただの一撃ではなかった。 その大きな剣が地面に"着弾"すると同時に、爆音が響き閃光が迸った。 爆発――――赤い霧を吹き飛ばし、怪物自身を巻き込んで辺り一体を消し去る滅びの一撃。 雷撃の光球がそこに生まれてすぐに炸裂し、呪われた場を粉砕していく。 爆風と熱気が怪物自身を焼く。いくつかの女体がその余波を受けて吹き飛ぶ。 一瞬の破壊劇。戦場の叙事詩。稲光の喝采が終わった後には、身体が削れて幾分かスリムになった怪物だけがいる。 異界から呼び寄せし死体は綺麗に消し飛び、残っている体は……ズタボロのコートの女一人。 …着弾の瞬間、タイツはそこに間違いなく、いた。確かに直撃した。剣に切り裂かれた。真っ二つになった。 怪物たちは目撃していた。剣が、突っ立ているタイツの肩を通り綺麗に股間まで裂いて抜けたのを。 破壊が一過する最中、怪物たちは自身をも滅ぼして怪物に成り果てた。 崩れたコートを来た長身の女…だった肢体は身を振るわせる。そして声無き絶叫。 『――――――――ッッ!』 単体になっても、その声からは混沌とした感情が渦巻いている。嘲り・罵り・呪い・蔑み、そいつは叫んでいる。 見る影もなく穢れた灰色の髪が、自身の震えでパラパラと散っていく。 空いた左眼の眼孔が赤く輝く。未だ、その穴に灯っている赤い鬼火は勢いを失ってはいない。 怪物は満身創痍だったが元より朽ち果てた身。今さら問題とするつもりもないようだ。 とにかく、敵は排除した。視界の隅には破壊を免れた2人の女が今も呑気に眠っている。後はこいつらも―――― ドゴッ! 『―――ッ!?』 "コートの女"姿の怪物は、かつて誰かだったそれは、突如その朽ちた身を襲った衝撃に動きを止めた。 ………目の前には、男がいる。灰色混じりの黒髪が流れる。はじめて見る相手だ。そいつは全裸で、突然目の前に現れたのだ。 顔つきは精悍で、正義感にあふれた表情をしている。生き生きとしていて、体つきもたくましい。下半身も、大きい。 「懐ががら空きだぜ。クリスタトスの姐御」 『――――……』 そいつは聞き覚えのある声でそう言った。力強い声だ。自身満々の、力強い声だ。 だが怪物にはその皮肉に返す言葉はなかった。そもそも、言葉を解する意識はとうにない。 全裸の男の腕は真っ直ぐに怪物の胸板を貫いている。出血はない。生きていない体から噴き出すものなど何もない。 「俺の顔を見たのはアンタが初めてだぜ」 男は怪物でなく怪物の身体にそう言った。その女はもう其処には居ない。だが男は言った。そこには、なんの意図もない。 『………………………』 死んだ者は二度死ぬことはない。貫かれた場所は心臓を通っていたが、死んでいるそいつに致命の場所は在り得ない。 だがその肢体はそれっきり動きを止めて後方に倒れた。ドサリと、大の字になって倒れた――元通りの死に様だった。 「あばよ。あの世に行ったら土産話にみんなに話してやれ」 465 :名無しさん@ピンキー:2007/04/03(火) 23:17:41 ID:DYc27f/z 「う、うう〜ん」 ミユキは軽い頭痛を感じつつ体を起こした。どのくらい気絶していただろう。 「あ、姉さん」 声がかかった。聞き慣れた声だ…傍を見てみると、見慣れた妹が正座していた。 「ん?ブロ?」 日常でよく使う愛称で返事をする。彼女の名前は長いので、面倒だから二文字で呼ぶ。 疑問形なのは、頭がまだボーっとしているせいだろう。 「おはようございます。姉さん」 ブロフェルドは座したままで頭を下げた。灰色の髪の大和撫子、といった風情だ。 「ん、おはよ」 目を擦りながらミユキは笑って手をヒラヒラさせた。 よく見ると、ブロフェルドの制服はあちこちが切り裂かれたり破けたりしてボロボロだ。激戦の痕だ。 「アンタがそんなにボロボロになってるの、はじめて見たわ」 「…でしょうね」 苦笑しあう2人。空では鳥がチチチチ…とささやかな鳴き声を挙げている。 「…終わったの?」 「はい。兄さんが、やってくれたみたいです」 そう言ってブロフェルドが促す先には、確かにタイツが仁王立ちで彼方を見つめている。 その先には街が広がっている。ビル郡が立ち並び、壮観な風景となって眼前に展開されている。 「…って、なんで全裸なのよアイツ」 今さら驚かないけど、と後ろに付け加えつつ露骨に嫌そうな顔をする。前方のタイツはマッパだった。 綺麗でごついお尻がこっちを向いている。背中は筋肉と骨の固まりだ。強そう。 「なんでも、最終決戦でタイツを失ったらしいです。空蝉を使ったとか行ってました」 「……忍者かアイツ。つーか全裸だったらタイツじゃないじゃん」 あえて相手に聴こえるように声を大きくした。青く透き通った空に、彼女の声が溶けていく。 「それはどうかな!」 ここで、初めてタイツがこちらを向いた。しっかりと皮肉を受け取ったようだ。 「ただの変体全裸仮面じゃん…って、あれ?仮面??」 コイツに新たな名前を付けてやるか、と軽い気持ちで振り向く彼に更なる皮肉を放った彼女は、その時ある違和感を覚えた。 タイツは全裸だったが仮面だけは元のままだ。いや、よく見るとそのマスクは真新しい。 「仮面のスペアは私が持ってました」と ブロフェルド。上方で、カラスがガァーガァーと小うるさく鳴いて飛び回る。 「ふぅ〜ん」とミユキ。空ではバラバラバラバラ…と、今度はかなり大きく喧しい音が近づいてきている。 「残念ながら兄さんのお顔は見られなかったんですけどね」と本当に残念そうな妹。乱れた髪を櫛で直している。 「チン○ならいくらでも見せてやるぜ!」とイチモツをブラブラさせる全裸仮面。それなりの大きさのブツが揺れる。 相変わらずな2人。いろいろ忙しかったが、何とか事は終息したようだ。やられっぱなしだったミユキはホッとした。 と、先ほどのバラバラと五月蝿い音が、今度は轟音となって頭上を通過した。ついでに何か大きな物が過ぎていく。 更に、なにか…上で喧しく声が振ってくる。何か、報道じみた内容の――――そこで、ミユキは漸く重大な事に気付いた。 「……って、ゲェッーーーーー!!!なんじゃこりゃああああーーーーーーー!!!」 眼前は完全に"開けていた"。そう、あの閉塞感が完全に抜けている…文字通り。 ビルは、上半分が完全に消失していた。 466 :名無しさん@ピンキー:2007/04/03(火) 23:19:19 ID:be1u2CYe 「で、兄さん。一つ聞きたいことがあるんですけれど」 「ん〜?」 頭上の報道ヘリと下界の喧騒――すごい数の野次馬が集まっている――を前に、タイツは余韻に浸っている。 ブロフェルドはそんな彼の剥き出しのブツを気にも留めずに真剣な顔で声を掛けてきた。 ちなみに、ミユキは逃げる場所などないのにあちこち走り回っている。結婚前の乙女なのに…という悲鳴が聞こえる。 それを面白がったのか、かえってカメラの集中を浴びる結果になっている。こんな所でもやられてるんですか、姉さん。 ブロフェルドは一回せき払いをすると、改めてタイツを見た。"顔だけタイツ仮面"は頭上を回るヘリにピースしている。 「どうやって、あれを倒したのですか」 「ん〜?何のことかな?」 わざと甲高い奇妙な声で返事を返す。質問を質問で返すなど、人が人ならタイツは既に殴りつけられている。 「…彼女たちですよ。亡者と化した連中を、どうやって…?」 そう言って彼女は視線を地面のある一転に向けた。 そこには何時ぞやと同じように仰向け大の字で倒れている女の体がある…かつて"姉"だった者の死体だ。 「――女戦士だからだろ。俺を誰だと思ってんだ?」 くるっとこちらを振り返り真顔でそう言い放つタイツ。近場で見るとちょっと"しっとマスク"っぽい。 「連中が大技で消耗したのは幸運だったな。あとは屠るだけだっぜ」 「……」 答えになってなかった。ブロフェルドは少々恨めしそうにタイツを見たが、すぐに諦めて視線を外した。 そして自分の考えで答えに辿り着こうと試みた時…すぐにその答えに気がついた。 "屠る"椎根と"弄ぶ"寸那。その源流となる拳・耶羅隷(やられ)宗家――なんという後付け設定。 源流と呼ばれる所以を、ブロフェルドはこの時に悟った。 その拳は屠ることも弄ぶことも出来る。生かすも殺すも可能。其は"倒す"ことを極意とするもの也―――― 「……愚問でした」 自身の無知を恥ずかしく思いつつブロフェルドは頭を下げた。 タイツは「ん」とだけ言って、再び空と地から向けられる視線と声に向けて"全身"でアピールしていた。 「なに真面目に締めてんのよーー!さっさとズラかるわよーーーッ!?」 ミユキは、未だ無駄な足掻きを続けながらそう文句をつけてきた。 ――――この後、ビルの屋上…になった場所から、3人は姿を消した。 崩れた瓦礫をどけて階下への階段を見つけ出し、その闇に消えたと報道記者は後に語る…… 無論、逃げ回ったせいで目立ってしまい顔もバッチリ撮られていた魅癒鬼が後日逮捕されたのは言うまでもない。 「名前の表記を戻せーッ!」 "新"タイツ仮面・完 魅癒鬼「これで終わりかよ!って、あたしは何もやってないぃ〜ッ!」 〜終わり。マジで〜 467 :名無しさん@ピンキー:2007/04/03(火) 23:24:22 ID:wNUkF98a スレ末期に大量投入してしまってすまない。タイツ作者です。 今、ネットカフェからこれを投下してます。落ち着かないねココは…… 次に何時来られるか分からないので一気にやっちまいました。 長いしエロくないしまたグロいしで変な仕上がりになってしまいましたが、なんとか完結しました('A`) またお会いしましょう。それまで、お元気で。 468 :名無しさん@ピンキー:2007/04/03(火) 23:36:03 ID:klo3s0rA タイツ復活おめ!!ではないのか。環境が整って完全復活するのを待ってるよ。 とにかく、まずは長編完結お疲れ様といいたい。 今回はなんといっても>>460が圧巻で最高だった。 一行ごとの悪女(タイツ氏の歴代ヤラレキャラかな)の描写&ヤラレは想像するだけで萌えた。 469 :名無しさん@ピンキー:2007/04/03(火) 23:40:43 ID:SqMlDbP1 普通にモンスターがかっこよすぎる。震えた。 そして相変わらずミユキ萌えw 470 :名無しさん@ピンキー:2007/04/03(火) 23:47:05 ID:6Kfda681 >>467 待ってたかいあった!レスの最後の行が気になるけど・・・まさかね ともあれ良作乙!そしてGJ!! ! 471 :まとめ人:2007/04/04(水) 08:05:37 ID:KTKpJpiW 完結おめ。必ず戻ってきて下さい! 472 :名無しさん@ピンキー:2007/04/04(水) 21:17:06 ID:qrgXJsWf あまりのピンチに正座して読んでしまったwww 今回はもう読み応えたっぷりやられたっぷりで大満足です。 のみならずスレの空気もガラっと変わって、まさに快晴という感じ。 タイツ作者さん乙GJッ!! 次回の連載を楽しみにしてますぜ! 473 :名無しさん@ピンキー:2007/04/06(金) 18:54:05 ID:jaYglW+o タイツ作者です。昨日寄ったネット喫茶では規制されてて書けなかったぜ!ぶぶ漬け! >>468-470 レ、レスが早すぎますwww恐悦至極! >>471 いつもご苦労様です!必ず帰ってきます。 >>472 正座お疲れ様でしタッ!次回作では"真面目な雑魚やられ物"を書きたいッス。 皆さんご愛読ありがとうございました! 474 :名無しさん@ピンキー:2007/04/09(月) 00:16:22 ID:GvjpeWHo ビデオカメラなのが残念 ttp://www.youtube.com/watch?v=ILUiU-JMRcA 475 :名無しさん@ピンキー:2007/04/09(月) 03:14:33 ID:So/PpY+C >>473 お疲れさんでした。「真面目な雑魚やられ物」も楽しみにしてますよ。 >>474 アメリカの声優ってみんなおばさん声に聞こえるのはオレだけ?アニメにしろゲームにしろ。 476 :名無しさん@ピンキー:2007/04/10(火) 20:55:23 ID:CToGgimx 475 逆に洋ゲーとかに慣れると、ナムコのゲームとかやったときみんな幼女に聞こえるよ 477 :クレイバンの人:2007/04/11(水) 01:29:51 ID:/wZjZ69W ちょっと短編投下します。四レスくらいかな。ベルトアクション系です。 478 :デスリープファイト:2007/04/11(水) 01:36:25 ID:/wZjZ69W ――――ここは暴力だけが法である世紀末都市デスリープシティ…… 妹を『ブラッディパイソンズ』によって殺されたレイジは、組織を潰して復讐を成し遂げたものの、 最愛の妹を失った悲しみは深く絶望の底にいた。そんな意気消沈していた彼を慰めつづけたのが恋人のアイラであった。 彼女の献身的な行動はだんだんとレイジの心を癒していった。 そんな矢先、悲劇がおこった。 レイジが日雇いの仕事に出かけている間に、家にいたアイラが何者かに攫われたのである。 妹を失った恐怖が甦ったレイジは昼夜をいとわず街中を探し回った……しかし、いっこうに足取りは掴めない。 そして三日後、ある荒れ果てたストリートの路地裏でアイラは変わり果てた姿で発見された。 生々しいまでのレイプの痕。身体中が責めぬかれたのか擦過傷は数え切れないほど。 そして何よりもモデルのようだったアイラの美乳が切り取られ、股間もグシャグシャにつぶされ、 美しく清楚な顔には大きくナイフで×字に傷をつけられ……みるも無惨な状態であった。 号泣し、物言わぬアイラにすがりつくレイジ。 その心には絶望にも似た哀しみ……そしてそれを覆い尽くすほどの怒りが沸き起こっていた。 もう人を殺めぬというおのれの拳への戒めを解き、レイジは再び復讐の鬼となる。 かすかな情報を辿り、アイラを殺した組織が明らかとなった。 その組織の名は『ギガントオーガ』、羅刹と称されるガットルをボスとし、ヤクを売りさばきをシノギとする暴力集団である。 何故、そんな組織がアイラを襲ったのかはわからなかったが、レイジの復讐のターゲットは決まった。 たった一人で彼らが根城とする廃ビルに堂々と正面から入るレイジ。 彼の怒りの鉄拳が次々とナイフやカタナで武装したチンピラたちを打ち倒し、地獄へと送っていく。 数十人もの男たちを屠ったレイジがついに辿りついた最上階。 そこにはガットルといういかめしい顔つきの大男と……黒いビキニタイプのボンデージに身を包んだ情婦らしい女がいた。 金髪にきつめのアイシャドウ、そしてはちきれんばかりに大きな胸、妖しげな笑みを浮かべるその女にレイジは見覚えがあった。 妹を殺した『ブラッディパイソンズ』の女ボス、ラネルによく似ていたのだ。リネルと名乗った彼女はラネルの妹であった。 逆恨みをしたリネルは姉の仇とばかりに篭絡したガットルをそそのかし、レイジの恋人であったアイラを殺させたのである。 高らかに笑うリネル、怒りに震え、返り血を浴びた拳をリネルに叩き込もうとするがその拳はガットルによって止められた。 最後の死闘、ある暗殺拳を修めていたガットルは強く、レイジは苦戦するも奥義をくりだし、なんとか勝利をおさめる。 ガットルが負けるとは露にも思わなかったリネルは悲鳴をあげながら、 屋上への階段をたっぷりと肉のついた乳と尻を揺らせながら駆け上がる。彼女にレイジによる裁きが下されようとしていた―――― 479 :名無しさん@ピンキー:2007/04/11(水) 01:39:38 ID:/wZjZ69W 風が吹き荒れる廃ビルの屋上で胸と股間をわずかに隠すばかりの扇情的な姿でリネルは震えていた。 それは寒さではなく……もちろん恐怖で。 「ひぃぃぃっ、来るんじゃ、来るんじゃないよぉぉっ」 リネルのブルブルと震える手には二連装の拳銃が握られていた。 「貴様だけは許さん。……さぁ、最後のチャンスだ、撃ってみろ……」 満身創痍ながらもゆっくりと彼女にむけて歩を進めるレイジ。烈火のごとき怒りの形相である。 「し、死んじまいなぁっ」 パンッパンッ 渇いた発砲音が二つ。リネルの命を賭した二発の弾は、わずか一発がレイジの頬をかすっただけであっった。 彼我の距離はわずか数mであったが、狙いの定まらない銃撃は両者の立場を逆転させるには至らなかった。 「あ、ああっ」 その場にペタンと尻餅をつきかけたリネルであったが、レイジはそれさえ許さなかった。 並みの男性の太股と同じくらいに太く筋肉質な腕を前にグイッと突き出し、その大きな両手でリネルの乳房を鷲掴みにしたのだ。 指のすきまから乳肉がはみでるほどの柔らかな爆乳がどんどんと持ち上げられていき、ついにはリネルの足が宙に浮いた。 「ひぃぃ、痛い、痛いぃぃっ。おっぱいちぎれちゃうよぉぉっ」 あまりの痛みに悲鳴をあげ、悶え苦しむリネル。レイジは構わずにゆっくりとビルの縁にむかって歩みを止めない。 「アイラの乳房は切り取られていた……その痛みにくらべればこんなものどうということはないだろう……」 一切の同情なく淡々とレイジはいう。顔を蒼白にさせるリネル。 どんなに男たちに犯し責めさせてもレイジの助けを信じ続けているアイラが癪に障り、 鋭利なナイフで泣き叫ぶアイラの両乳房を切り取ったのはリネル自身であったからだ。 「いたひぃっ、あたいの自慢のお乳がのびちまうよ、垂れちまうよぉぉっ  ね、た、助けとくれよ。あ、姉貴とあんたの恋人でおあいこでいいじゃないか。  あたい、強い男が好きなんだよぉぉ。ガットルに勝ったあんたは最高だっ。  ほら、もっとゆっくり優しくあたいのおっぱい味わったらどうだい、あたいのオマンコにぶちこみたいだろぉっ」 姉であるラネルをフラッシュバックさせるような彼女の命乞いは、レイジの怒りの炎に油を注いだようなものである。 480 :名無しさん@ピンキー:2007/04/11(水) 01:48:20 ID:/wZjZ69W 「おまえも、おまえの姉も……女じゃねぇ、人間じゃねぇっ。  ヒトの皮をかぶった悪魔だ……さぁ、ついたぞ。俺の手で奈落に落としてやる」 リネルがおそるおそる視線を下にやると、そこには地面がなかった。いや、あまりに遠かった。 六階建てのビルの屋上から地上まで意識を失うくらいの距離がそこにはあった。 「お、落ちたら死んじまうよぉぉっ、あんた、あたいをここ、ここから落とそうなんて……も、もったいないと思わないのかい」 「全然思わんな。おまえが息をして空気を吸ってるってこと自体がもったいない。  生きてて害にしかならん畜生は死んだほうがはるかに地球のためになる」 「いやぁぁぁっ」 もがくリネル。そして、彼女の生きたいという欲求がほんの少し彼女を生きながらえさせた。 自らの爆乳を支点に、振り子の原理で自らの細くて長い足をレイジの腰に絡みつかせたのである。 ずっと続いていた、ひきちぎられんばかりの乳房の痛みもやっと足による支えができたことでやわらぐ。 「は、はなさないよっ。死ぬんならあんたも一緒に落ちるんだ。あたい一人じゃ絶対に死なないっ」 「無駄なあがきを……」 心底あきれはてたかのようにつぶやくレイジ。 「ね、ねぇ。も、もう一度考えとくれよ。あたいを好きにしていいんだ。こんな魅力的な女を抱きたいと思わないのかい」 そういいながらも足と腰を巧みに使い、フニフニと柔らかな股間をレイジの腹に擦り付けてくる。 汗か、少し漏らしたのか黒革のビキニパンツが湿っていた。 「……あきらめろ」 無言のまま、握りつぶさんばかりに鷲掴みにしていたリネルの爆乳からレイジは手を放した。 「きゃっ」 赤く紅葉のように手形のついた乳房が解放された瞬間、 リネルは足だけでおのれの身体を支えていることになり、頭が下をむいた。遠く固そうな地面が眼に飛び込んでくる。 「ひゃぁぁぁっ」 必死で足だけでレイジの腰にしがみつこうとする。 しかし、そんなリネルの必死の行動にも何ら躊躇することなく、 レイジはゆっくりと自由になった両手を使って絡みついた彼女の細い足をほどいていく。 「いやぁぁぁっ、落ちる落ちちゃうぅぅっ、ダメぇぇぇぇっ」 逆さ吊りになったリネル。後ろから足首を掴まれた状態の彼女にはもはやレイジの顔さえみえない。 逆にレイジにも泣き叫ぶリネルの顔をみることはできなかった。 彼の眼の前には黒ビキニがお尻に食い込み、フルフルと揺れる弾力感ありそうな彼女の巨尻だけである。 「そろそろ地獄に旅立つ時間だ……しかし、一つだけ地獄の鬼には任せられないことがある」 「ダメ、ダメだよ。落とさないで、離さないでぇっ。あたい死にたくない、怖いよ、死ぬの怖いよぉぉぉぉぉっ」 「死んでアイラに詫びでもいれろ。それから、姉貴と地獄でよろしくやりな」 レイジは彼女の心の底から生きたいという願いをあっさりと拒絶すると、とまどうことなくその手を離した。 「ひぃっ」 地球の重力に逆らえるはずもなく落下せんとするリネル。 しかし、その落下速度よりも早いスピードでレイジの渾身の手刀がリネルの股間に振り下ろされた。 「ひぎゃぁぁぁっああぁぁぁぁぁぁぁぁっ」 リネルの女の部分、散々男を咥えこんできた会陰が裂ける、 なおも勢いがおさまることなく、キュッとしまったウエストにまでレイジの右手が到達したあと、 絶望的な痛みに苦しみ悲鳴をあげつつ、リネルはやっと固い固い地面にむけて落ちていった…… 地面に叩きつけられる鈍く激しい音とともに、リネルの挑発的な美貌が、いやらしい姿態がグチャグチャにつぶれた――― 481 :名無しさん@ピンキー:2007/04/11(水) 01:49:41 ID:/wZjZ69W 「やったぞ、アイラ……」 レイジはそう静かにつぶやいたが、その声はビルの強い風に吹き消された。彼の第二の復讐劇は終わった…… しかし、死んでしまった最愛の妹や恋人がもどってくるわけではない。むなしさと疲労で膝をつくレイジ。 「うぉぉぉぉぉぉぉぉっ」 レイジは前のめりに突っ伏したかと思うと、おたけびのような叫びをあげた。とめどもなく流れ落ちる涙。 たった一人になってしまったレイジがこれから行き着く先はどこなのか。 ここは地獄のデスリープシティ。 暴力がすべてを支配する街……                                                                     了 482 :名無しさん@ピンキー:2007/04/11(水) 01:51:48 ID:/wZjZ69W 一応、続編といえば続編です。 今回はやられだけをきちんとSSにして、前段階をあらすじっぽく簡単に終わらす感じにしてみました。 483 :名無しさん@ピンキー:2007/04/11(水) 21:13:17 ID:6A+FTdoo クレイさんめちゃGJッ! おっぱいを痛めつけたところへハニーブレイク、これはエロい。 お忙しいところありがとうございます。 しかしレイジさんテラ不幸続き……www 484 :名無しさん@ピンキー:2007/04/11(水) 23:34:29 ID:snVFeWjJ 姉妹共々クズで美人な上に惨殺されるとは…GJ! やっぱハニーブレイクはすごいなあ…。 485 :名無しさん@ピンキー:2007/04/12(木) 20:19:03 ID:Fecvt7mV クレイさんGJ! そしておまいら、絵掲に新たな神が降臨してますよ。 486 :名無しさん@ピンキー:2007/04/12(木) 23:11:09 ID:4Hg7F2/3 ミトラ氏の絵萌え〜。 487 :名無しさん@ピンキー:2007/04/14(土) 10:34:55 ID:NASGAPsJ >>482 GJ!外道で惨めでエロい! 10年前の俺は↓こんなのに(*´Д`)ハァハァ言ってたんだなぁ・・・ ttp://www.youtube.com/watch?v=fxfeX6v2v0c 488 :名無しさん@ピンキー:2007/04/15(日) 00:45:39 ID:VrO+qt0A 俺もハァハァしたよそれ、懐かしいな。 というか今でもするけどな。 489 :名無しさん@ピンキー:2007/04/15(日) 09:19:49 ID:F836qzpi >>487 あー俺もそいつにはハァハァしたわ。 直前のセーブデータ残してたけど、戦闘までのイベントがクソ長くてイライラしたw フサフサな股間やうつ伏せに倒れたときの乳房とか、あと独占欲が強そうなとこもいいな。 リメイクではゴスロリキャラに差し替えられたそうだが現物はまだ見てない。 490 :名無しさん@ピンキー:2007/04/15(日) 23:51:14 ID:CTlP3pwY ファミコン版ダブドラのリンダでハァハァしてたんだもんなぁ。 大人になってからレトロゲーセンでアーケード版やって、結構エロくて驚いた。 なんつーか、悪の女という属性さえあれば二頭身でも想像働かして十分な時代だった。 491 :名無しさん@ピンキー:2007/04/16(月) 07:08:07 ID:vbtLubbj メガCD版のファイナルファイト、久々に立ち上げてみたが ポイズンの脚とか尻とかドット絵で細かくリアルでエロく描かれているなあと つくづく感心した。 スレ違いかもしれんがDBの18号って一方の未来ではクリリンと結婚して 一方の未来ではトランクスに木っ端微塵にされて スンナとシーネを両方兼ねてるなあ 492 :名無しさん@ピンキー:2007/04/17(火) 22:47:56 ID:XiqG+2dP  藩へ仕官する条件として簡単な仕事をもらい、藤田照右衛門は喜んでいた。 『なに、造作もない。この文を届けるだけで良い』  そう言って家老に差し出されたのは、紋入り漆の箱に入った書簡。  今は貰った風呂敷に包み、背中に巻いてある。  接ぎの当たった茶色い着物に、褪せてよれた袴。菅笠は虫食いが空いたまま。  極めつけは汚らしい無精髭で、これがまた土埃臭い印象を強めている。  みすぼらしい大男が豪奢な包みを持っているのは如何にも不自然だが、当人は全く気にやまない。  路銀でずっしり重くなった財布を懐に、彼は上機嫌で街道をゆく。 「もし、お侍様」  不意に声を掛けられ、照右衛門は足を止めて周囲を見渡した。  道端にある茶屋の腰掛に、一人の男が俯いたまま座っている。  夏の日差しが強いせいか、庇の影にいる男にそれまで全く気付けなかった。  持物や風体は旅の薬屋といった処だが、奇妙な事に菅笠を取ろうともしない。  声を掛けたのがこの男なのかどうか判別しかねている間に、男は再び口を開いた。 「そんな高価そうな風呂敷を、見せびらかして歩いちゃあいけませんぜ。近頃物騒ですから」  言われて照右衛門は背中の風呂敷を見遣り、向き直って破顔した。 「ははは、大した物は入っておらん。ただの文じゃ。それに」腰の大小をぽんぽんと叩く。 「よしんば物盗りに遭うても、腕には覚えがあるでな」 「へぇ、左様で」  再び歩き始めた照右衛門の姿を見送りながら、薬屋はぐっと眉間に皺を寄せた。 「あんな浪人に書を運ばせるなんざ、郷田の家老もえげつねぇ事しやがる……」  湯のみの水を飲み干すと、彼は現れた時と同じく、すっと影に溶けた。  照右衛門がどうやら道に迷ったと気付いたのは、懐から地図を五十六回取り出して眺めてからだった。  日は既に傾き始め、人里離れた山中では道を訊く事も叶わない。 「果てさて、どうしたものかのう」  楽天家の照右衛門も流石に困り果て、伸び放題の頭をがりがりと掻く。  已む無く元来た道を戻ろうとした矢先、目の前の藪が揺れた。  さあ熊か蛇かと身構えると、飛び出して来たのは娘が一人。  柿染の着物に黒帯を締め、ぼさぼさの髪を後ろで無造作に束ねている。  手首と足首に脚絆を巻き、手には抜き身の小太刀が一振。鞘は帯の後ろだ。  着物の丈が短すぎるせいで、きつく締めた白褌は全部、大きめの乳房は半分以上が丸見えになっている。  山里の百姓育ちらしく、太腿の筋肉が発達し、がっちりした下半身の娘であった。  顔は美しいが、相に何やら一種独特の険がある。歳は二十歳かそこらだろうか。 「やい浪人! 死にたくなかったら金と荷を置いて失せな!」  怒鳴られて照右衛門は目を見開き、娘の草履から髪の先までしげしげと眺めた。 「何じゃお主は。おなごが野盗でもあるまいに」 「お生憎様、野盗だよ。解ったら素直に金を寄越せ。それとも……先に死ぬか?」  言いながら娘は小太刀を上段に構え、目にも留まらぬ速さでびゅうと振り下ろした。  一瞬、娘の行動が解せぬ照右衛門であったが、上を見上げてようやく気付き、慌てて後ろへ飛び退く。 「うわっ」  ほぼ同時に今の今まで彼の居た処へ、どうと大振りの丸太が落ちた。  ――まずい、これはまずいわ。  道に迷うついでに、照右衛門は野盗の罠の中へ飛び込んでしまったらしい。 「ちっ、運の良い野郎だ」  両目をぎらぎら光らせながら、娘は再び上段に構えた。  ことわっておくが、照右衛門が丸太を避けられたのは運に寄るものではない。  確かな武道の心得があってこその賜物だが、其れ程の彼が何故にまずいと恐れるのか。  それは娘の、先刻見せた振り下ろしにあった。  重い丸太を引く縄ならば、ぴんと張るゆえ小太刀で切るのは難しい。  それを軽々と叩き切ったと言う事は、荒削りながらも居合の『兜割り』が使える証だ。  しかも丸太を木の上まで吊り上げるとなれば、相応の腕力が要る。技だけではない、力もある。  太刀筋を見るまでもなく、もう明らかだ。ただの荒くれ小娘と侮れば、照右衛門は死ぬ。 「どうした。掛かって来い」  微妙に立ち位置をずらしながら、娘の視線は一寸も違わず照右衛門の眼を射抜いてくる。  その娘と自分を結ぶ線上に見え隠れする罠は、背を向けて逃げると言う選択肢を捨てれば何という事はない。 493 :名無しさん@ピンキー:2007/04/17(火) 22:51:17 ID:XiqG+2dP  兎も角、立ち向かうに留意すべきはあの振り下ろしだ。  間合いに入らねば相手は斬れぬが、入ればたちどころに頭を割られる。  ここに来て漸く、照右衛門は菅笠を捨てて刀を抜いた。  浪人然とした惨めな着物に比べて、彼の刀は不自然な程に業物だ。  刃紋は水に濡れるが如くしっとりと見え、夕日を受けてほんのりと暖かく光る。  一振りの刀と言うよりは、刀の形をした清流が出現した様であった。 「訊いておきたい事がある」  ゆっくりと正中に構えつつ、照右衛門は口を開く。 「お主、今まで何人殺めた」娘が応える。 「さあな。十から先は数えちゃいねぇ。数えられもしねぇしな」  どす黒い殺意に身を包みながら、影の落ちた美しい顔がニヤリと嗤った。  無知性から来る暴力的な歪みを剥き出しに、娘は照右衛門を待ち受けている。  その顎(あぎと)へ向けて、出し抜けに彼は走り出した。  娘が勢いをつけようと、更に小太刀を上に構える。  若く逞しい腕の筋肉が、バネの如く蓄勢された刹那、照右衛門はふっと右足を前に出し、地面を尻で滑った。 「――ッ!?」  予想外の動きに驚き、咄嗟に動きが取れぬ娘。  その大きく開いた股座が目の前に来た時、白褌で包まれた秘所へ刃先が消えた。  ずぶりと子宮まで突き上げられ、娘の目が驚愕で見開かれる。 「カハァッ!」  悲鳴を上げようと開けた口から、代わりに出たのは潰れた声。 「あ、あああああ……!」  肉の奥へと容赦なく進む刀が、褌を押し上げて幅を狭め、黒々と茂った陰毛が露わになる。  そして桜色の陰唇が見える頃には、刀身の半ばまでが膣へ入っていた。  娘は身体の正中を串刺しにされ、日焼けした内股の肉をひくひく震わせて戦慄く。 「はぁああ……そんな……お、お前、どこ刺して……よくもぉ……」  取り止めの無い言葉を紡ぎ、手から小太刀が離れ落ちるが、彼女にはもう自覚なぞ無い。  一度も誰にも許さなかった女の花弁を刃で貫かれ、体の力が抜けてゆく。  途方も無い激痛である筈なのに、脳が死を悟って分泌液を増やしたか、娘は女悦に喘いでいた。 「あ、ああン……しっ、死ぬぅ……死んじまうよぉ〜。ひぃいン」  自然と眼は裏返って口からは舌が飛び出し、小さくなった褌には勃起した陰核が浮き出る。  娘はがに股のまま稚児のごとくいやいやをし、揺れた乳房が着物からまろび出た。  両の乳首はつんと天を向いている。  そんな様子に哀れみを催し、照右衛門は早く楽にしてやろうと、刀を更に上へと押し上げた。 「あああ、逝くっ! もう逝く、逝く! あひぃ、あひひぃい!」  照右衛門の刃が心の臓に達すると同時に、野盗の娘は絶頂を迎えた。 「うぁあーーっ!」  ブツリと音を立てて血袋が破けると、彼女は生まれて初めて、そして最後の快楽に呑まれた。  天を仰いで喜悦の声を上げ、股からはじょろじょろと小便が漏れる。 「ぐうぅ、ああ……お、おっ父……おっ母……。今、そっちに……」  最期に親の幻でも見たか、娘は二、三歩ヨロヨロと前に歩いてどうと倒れた。  すかさず刀を抜くと、まくれ上がった大きな尻からどくどくと血が溢れる。 「許せ。お主は強すぎた故、生かして成敗できなんだ」  仕込まれた罠を外すと隠されていた道標が現れ、そこには山寺の場所が記されている。  照右衛門は娘の亡骸を大切に抱きかかえると、寺へ向けて歩き出した。 「あれは椎根(しいね)流奥儀の〃花芯突き〃か。ほほっ、おれの見立てもたまには外れる」  一部始終を見納めた薬屋は、遠眼鏡から目を離した。 「いやぁ、しかしお見事、お見事。これは思ったよりやってくれるわ」  遠眼鏡を懐へ仕舞うと、満面の笑みで西洋の巻煙草に火をつける。  いざとなれば照右衛門を助けに飛び出す心積もりだったが、此度は自分が出るまでもなかった。 「この調子で進んでくれると良いがな。宜しく頼むぞ、ご同門……」  満足げに呟くと、男は三たび闇に消えた。 494 :名無しさん@ピンキー:2007/04/17(火) 22:54:42 ID:XiqG+2dP 絵掲の絵がマジで神すぎたもんだから、つい書いてしまった。 とくに後悔はしていないwww ttp://w5.oekakibbs.com/bbs/akujolove/oekakibbs.cgi?mode=res_msg&resno=119&author=0&thumb=0&picwid=532&pichei=800&thisfile=119.jpg GJするなら俺にゃいらねぇ。 俺の心に火をつけた神絵師・ラストライダーさんに頼むぜぇ! 495 :名無しさん@ピンキー:2007/04/17(火) 23:00:20 ID:DKs2r8lO あえて>494にGJ。 しかしとんだ奥義もあったもんだw 496 :名無しさん@ピンキー:2007/04/18(水) 00:08:42 ID:FbR/oW0Z 絵もすごいけど、>>494あんたもすごい。マジGJ! 文章力もさることながら、やられ女のキャラクターが新鮮。 エロさも、ヤラレもかなりツボにはまったし、ハァハァできた。これからもよろしく頼みます。 497 :名無しさん@ピンキー:2007/04/18(水) 08:45:07 ID:cVJsRto9 >>494 こういうテイストのやられ物を期待していた。 毅然とした生娘がやらしくも無残に屠られるのにすばらしくGJを送りたい! 498 :名無しさん@ピンキー:2007/04/18(水) 20:52:02 ID:2fwtQrE+ やんややんや。 椎根(しいね)流奥儀”花芯突き”しかと見届け申した。 それにつけても天晴れな文でござった。 499 :名無しさん@ピンキー:2007/04/24(火) 00:21:34 ID:aVf+wrGT 雑談のお時間がやってまいりました。 というか人いる? 500 :名無しさん@ピンキー:2007/04/24(火) 02:44:51 ID:Yl/g1M93 ノ いるよ で、なんについて雑談する? やられる女戦士の私生活について話してみるとか…? 例えば、 何かことがあるといけないので癖やほくろの位置までいっしょな妹と暮らしているとか… いつも「悪の女戦士」ってコスチュームを身に着けてるけど、オフとなると子供っぽいぱんつを穿いてるとか… 501 :名無しさん@ピンキー:2007/04/24(火) 23:11:30 ID:aVf+wrGT 私生活かぁ。いつもは無茶苦茶そそる制服なのに、 休日はテレビ見ながら汚いジャージ着て寝転んでたりして。 502 :名無しさん@ピンキー:2007/04/25(水) 10:07:59 ID:KDLg9xa6 うわ…人知れず屠られてしまったら大変そう。 大家 「ここ3ヶ月ばかりここの住人見てないって言うんですよ、      振り込みも止まってるし、片付けお願いします」 片付け業者「はーい」 大家 「ではお願いします」 業者 「ところで、ここに住んでいた人ってどんな人でした」 大家 「美人の人でしたよ、男でも作って出て行ったのかも知れませんね、ぐへへへ」 下卑た笑いを浮かべる大家を置いて部屋に入る。 片付いてるとは言いがたい部屋。でもそれほど汚く見えないのは物があまりない所為か。 寝乱れたままのベット。乱雑に脱ぎ放された薄汚れたジャージ。 ベットの下には子供っぽいショーツが丸まったまま転がっていた。 業者 「とりあえず…クローゼットから片付けるか」 そこに入っている悪の女戦士コスチューム 業者「そういうコスプレするようなお店に勤めて見えたのかな?」 503 :名無しさん@ピンキー:2007/04/25(水) 18:57:01 ID:bCjk/ia7 業者ワロチwwww 本人はもう採石場で土に還ってるのか、それとも冷蔵庫に…… 504 :名無しさん@ピンキー:2007/04/28(土) 01:03:14 ID:D6IiF3Cw 俺もなんか書いてみようかな 漫画みたいなの 画力は無いけど 505 :名無しさん@ピンキー:2007/04/28(土) 03:02:17 ID:SF7J+0AZ おう、どんどん描いてー。連載上等。 俺も下手だから心配するな。 あの絵掲、金かかってるんだから使わないと勿体無いよ。 絵がむつかしかったら、そこらの漫画見て描き方真似ればいいよ。 みんな真似して上手くなっていくんだから。 506 :名無しさん@ピンキー:2007/04/28(土) 07:07:52 ID:D6IiF3Cw >>505 ありがとう なんかここの住人っていい人多いですね なんでだろ 507 :名無しさん@ピンキー:2007/04/28(土) 09:03:50 ID:8LCwiXqc >>506 オレもこういう空気好きだな 良い意味で住人が少ないからなんだろうか エログロリョナ系大手は大概荒れてるもんなぁ 508 :名無しさん@ピンキー:2007/04/28(土) 09:17:45 ID:D6IiF3Cw >>507 俺も叩かれたことあるよ あそこはロストワールド 509 :名無しさん@ピンキー:2007/05/02(水) 00:59:16 ID:b2GIW4fa オレの場合は知ってる人が混じってるであろう場所で下手なこと言えないw でも確かに良い雰囲気だ 510 :名無しさん@ピンキー:2007/05/02(水) 10:03:19 ID:qziy+aGc マンガ二本紹介。 今週のジャンプでブリーチで織姫痛めつけてた貧乳ザコ敵女二人が同じ組織のグリム・ジョーに屠られてた。 もしグリム・ジョーが正義側だったら、その情け容赦なさがタマらなかったんだが。 あとマガジンZのサクラ大戦で機体をボロボロにされた女幹部紅のミロクが、 捨てセリフ残して逃げようとしたところ、後ろから機体を撃ちぬかれて爆散した。 断末魔もヤラレの表情の描写もなくてすごく淡白。悲鳴があるだけで違うのに…… 511 :名無しさん@ピンキー:2007/05/02(水) 18:07:17 ID:Wts/JQW7 >>98から>>134に出てくる極悪女医:大森美咲って、誰が演じたら一番はまるでしょうねぇ? 512 :名無しさん@ピンキー:2007/05/02(水) 19:07:00 ID:b2GIW4fa >>510 情報htx 情け容赦ない制裁は善でも悪でも好き >>511 西川史子 本物の女医だって点がなんとも言えん。生意気キャラで売ってるけど本当は優しいらしいね。 極悪非道なことをさんざんやって役立たずな部下も無情に処刑するんだけど最後は改心してオレとラブラブ生活。 でもって反逆者を抹殺にくるザコ兵士どもを血祭りにあげる西川史子。ええですがな。 脱線スマソ 513 :名無しさん@ピンキー:2007/05/02(水) 20:34:06 ID:Wts/JQW7 >>512 西川史子、いいですね。 役立たずな部下を処刑でという設定なり、善良な医師か看護師を口封じの為に臓器を抜きとって殺してるっていう設定があったら悪逆ぶりが際立ったかも知んないですね。 あとは、年下の男子医大生なり男子医学生なりをペット化・奴隷化して、豪邸で自分の側にはべらせてるとか……。 同じく脱線スマソ。 514 :名無しさん@ピンキー:2007/05/04(金) 23:43:20 ID:5EFE/0II 前にも出てたが屠られることが決まっている悪の女のHってなんであんなに興奮するんだろうな。 515 :名無しさん@ピンキー:2007/05/05(土) 07:20:01 ID:cki69V2G >>513 脱線のお付き合いありがとうw >>514 そりゃなんてったって"もったいない"ってのがあるでしょ 大切に扱い、美しくあるべき女体をボコボコにしちゃうって、こんなもったいない話はない 516 :名無しさん@ピンキー:2007/05/05(土) 13:48:14 ID:xhmBmIiP 最高の贅沢ってやつですか?ww 517 :名無しさん@ピンキー:2007/05/06(日) 11:15:22 ID:s0QGmS+f Silent Dragon ttp://www.youtube.com/watch?v=RDtisHfPlEE 銀河任侠伝 ttp://www.youtube.com/watch?v=fuo5O5n8C5U 半熟英雄 ttp://www.youtube.com/watch?v=77wJT0ftAYY Silent Dragonは出来は悪いけど、気圧の差で外に放り出されたりするところが良い。 ラスボス前の前座は女キャラのみしてほしかったが。 あと半熟英雄のフォーリシアは、やっぱ俺の中の最萌えキャラの一人だわ。 518 :名無しさん@ピンキー:2007/05/06(日) 20:00:49 ID:Hbr6UpkB 紹介乙。 フォーリシアいいよな。半熟英雄はギャグ満載なのに本気で屠ってるのがイイ! youtube動画だとなんか月の魔人に何発も何発もボコスカにされて殴り殺されたんじゃないかと妄想してしまった。 519 :名無しさん@ピンキー:2007/05/07(月) 05:09:44 ID:1sQfm2Ot 気圧の差かぁ、SFでのやられに最適だな。 よーし、いっちょやってみっか! ……と行きたいところだが、執筆の時間と体力がNEEEE! 既存作品も放りっぱなしですまんす。 520 :名無しさん@ピンキー:2007/05/07(月) 23:14:39 ID:c2p14pXb おちよしひこ版のフォーリシアの可愛さは反則だった・・・ フォーリシアは屠られなくても萌える。屠られたらもっと萌える。 >>519 正座しながらwktkして待ってるぜ! FCだけど見つけた動画を紹介。 ガキのころは興奮したなー。今見ると尻突き出して倒れるんだな。 この後、這って逃げようとしたりしてくれると、好感度が更にうpw ttp://www.youtube.com/watch?v=D2jqCW9KFDA 521 :名無しさん@ピンキー:2007/05/10(木) 21:45:43 ID:St3erq41 >>520 懐かしすぎる……。・゚・(ノД`)・゚・。 それやりすぎて母ちゃんにファミコン隠された。 522 :名無しさん@ピンキー:2007/05/16(水) 10:04:28 ID:9F6K4j6W >>517のリンク先から初めてみたがバトルサーキットのバイク女いいな。 バイクごと爆発してて確実に死んじゃってそうなのが哀れで萌える。 523 :名無しさん@ピンキー:2007/05/16(水) 17:46:08 ID:w1aLQWeH バイクごと爆発して絶対死んでそうなのと言えば「美神伝説ZOKU」 アクションパートはバイクとか関係ないので、ともかくとして… レースパートで敵と接触してダメージを与え続けると…爆発するし… 何より、レースパートの基本速度は250Km/h… こりゃ助からんでしょ… 524 :名無しさん@ピンキー:2007/05/19(土) 22:45:11 ID:yN02UJEU マンガ・アニメ・ゲーム・特撮なんでもいいが、一番悪の女を屠ったヒーローって誰だろう。 やっぱ、艦隊規模でマゾーン燃やしてるハーロックが一番かな。 525 :名無しさん@ピンキー:2007/05/20(日) 09:50:52 ID:yQhIrE8f 詫びを入れても許さずトドメさしちゃうのが大好きなオレのNo.1はミニスカ特捜隊L.E.G.S 古っw 526 :名無しさん@ピンキー:2007/05/21(月) 23:10:03 ID:/ndttNYQ >>523 そのゲーム、バトルパートだとほとんどのボスキャラは倒しても地面に倒れるだけなのに、双子キャラだけは倒すと消えてしまったような気がする・・・ 527 :名無しさん@ピンキー:2007/05/22(火) 22:38:51 ID:rNFqWKcl ほ 528 :名無しさん@ピンキー:2007/05/25(金) 18:56:24 ID:biyFfk41 ふ 529 :名無しさん@ピンキー:2007/05/25(金) 19:13:13 ID:xqsXJ8ds る 530 :名無しさん@ピンキー:2007/05/25(金) 20:53:26 ID:F1t3B5Gy おまえらすげぇwwwwwwww 531 :名無しさん@ピンキー:2007/05/25(金) 22:43:45 ID:qZqFToRL スレタイの一部だというのにこの発想はなかったw 532 :名無しさん@ピンキー:2007/05/26(土) 02:41:10 ID:FYY4fPs9 かつては賑やかだったろうその砂漠の町は今、大量の女達で埋め尽くされていた。 彼女達の手にはアサルトライフルや軽機関銃など各種武器、頭部は物々しいヘッドセットで覆われている。 それでいて体を覆うものはノースリーブでハイレグのレオタードにブーツと手袋だけと、非常にアンバランスだ。 それでも彼女達のきびきびした動きや発する雰囲気は、しごく一般的な兵士のそれであった。 彼女たちはメナード共和国の兵士たちである。共和国を纏めるイデオロギーは、「女性による支配」であった。 テクノロジーの発達による単性生殖の実現とためらいの無い遺伝子操作によって誕生した共和国の美しき「アマゾン」たちは、 女性の持つ潜在的な狂信性と残酷性を存分に発揮し、世界の男性を恐怖に陥れていた。 いま、10名ほどの女性兵士の分隊がある通りに差し掛かっていた。以前は住宅街であった場所だ。 色とりどりのカーテンも、素朴だが味のあった壁面装飾も今は消え去り、街並みは見る影も無い。 「ここからは未確認地域よ。警戒を厳重に。姿勢を低く!」分隊長のささやき声が電気信号に変換され、各兵士の聴覚組織に伝達される。 「ステーシー、解析結果は?」 分隊の一人、左腕に小型のタッチパネルを装着した女性兵士に隊長が尋ねる。彼女は、無人偵察機からの送信を受け取り解読する通信兵だ。 「敵影ありません」ステーシーの呟きが、隊長に伝わる。 「アリシア、目視で確認して」 呼ばれた女性兵士は、若干戸惑った様子で恐る恐る向こう側を覗き込み、ヘルメットの望遠スイッチに手をかける。 無理も無い。普段ならこんな面倒で原始的な手法はとらない。無人偵察機とステルス攻撃ヘリの組み合わせで、汚らわしい男どもを全滅しない程度に無力化、 後は一方的な殺戮の始まりだ。全ての共和国兵士達にとって、日常的であると同時に無上のカタルシスである。 もちろん捕虜は取らない。いや厳密にいうと彼女たちにとって捕虜とは、じっくりと嬲り殺すためのものなのだ。 だが今回は違った。以前共和国によって廃墟と化した筈の都市にレジスタンスが入り込んだとして、一個中隊200人が制圧に向った。 533 :名無しさん@ピンキー:2007/05/26(土) 02:43:18 ID:FYY4fPs9 いつものように空から探りを入れるが、敵は見当たらない。指揮官達は男どもの臆病さを嘲り、部隊はネズミ狩りでも行う感覚で無造作に市街地へと入っていった。 そして一時間が経過した今、中隊で残っているのは50人足らずであった。 そう、町は女達で埋め尽くされていたが、ほとんどはいまや死体なのである。戦闘ヘリも、パイロットが撃ち殺されるという原始的な方法で全滅した。 事実、彼女達の分隊が通ってきた道も、体のあちこちを撃ち抜かれて死んだ女、死に切れない女がゴロゴロ転がっていた。それでいて、男の死体は一向に見当たらない。 敵が、途方も無い精鋭である証拠であった。 見えない敵は必要以上の恐怖を呼び起こす。おまけに彼女たちは、「狩られる側」の立場になることに慣れていない。指揮官もほとんどが戦死し、残った女達はパニックに陥った。 彼女―――アンジェリカ―――は、心神喪失を免れた最後の九人をかき集めて、単独行動を始めたのだった。本隊と残ったらすぐに全滅するのが目に見えていたからである。 「敵は見当たりません」 アリシアが不安そうな声で報告する。敵が見えないからといって、決して安心はできない。これまでも見えなかったのだ。 「よし、前進するわよ。警戒を怠らないように」指揮官が怯えれば、兵も怯える。なるべくいつもどおりの平易な言葉遣いに徹するのが正解である。 女達は順調に前進していった。注意深く周囲に目を配っていたはずであった。ところが・・・ 534 :名無しさん@ピンキー:2007/05/26(土) 02:44:28 ID:FYY4fPs9 ビシッ 先頭を歩く女性兵士の頭部を、7.62mm弾がヘッドセットごと貫通した。後ろを歩いていた同僚達に、血や脳漿が降りかかる。 力が抜け切った彼女の体は一瞬その場に立ち尽くしたかと思うと、ガクッとひざを突き、風穴の開いた顔を砂にうずめた。 誰かが叫んだ。「狙撃兵!!」 女兵士達の行動も速かった。先頭が撃たれたとみるや、女達は左右に散らばり、身を隠す場所を探す。 だがそんな中で、何も出来ずに立ち尽くしている兵士が一人だけいた。彼女は同僚の血で、視界を奪われてしまったのである。 ヘルメットいっぱいにこびりついた血のせいで視界は真っ赤、しかもドロドロしておりなかなか落ちない。そして何より、精神的なダメージが大きかった。 「いっいやあぁ、何、何コレ・・・誰かとってぇ・・・」突然の仲間の死と相俟って、軽いパニックを起こしていた。もちろん戦場では命取りである。 手探りで物陰に入ろうとするが、廃墟と化した砂漠の街路にはそんな都合のよいものは無い。彼女が二番目の標的となった。 ブズッ 「ぉぐうっ・・・!」 引き締まってはいるが柔らかい腹部に弾丸が容赦なくめり込む。上体を曲げ腹を押さえると、ドバッと血を吐いて倒れ込んだ。 「はぁっ・・・ぅくうっ・・・!!・・・がはっ・・・」 即死ではなかった。うつ伏せに倒れ、剥き出しのお尻を突き上げるように痙攣させ悶え苦しんでいる。 だが、狙撃手はもう彼女を無力化したと判断したようだった。彼女に、「慈悲」が加えられることは無かった。 535 :名無しさん@ピンキー:2007/05/26(土) 02:45:31 ID:FYY4fPs9 そうしている間にも、分隊長は次の行動に移っていた。隊員達に指示を出す。 「身を隠せ!アルマ、前へ!他の者は援護射撃!」同時に自分も射撃を開始する。 アルマは小隊一の射撃の名手で、その腕を買われ、狙撃用にカスタマイズされた銃を支給されていた。 勘もよく、敵が二回目の射撃を行う頃には、大体の位置は特定できていた。体を伏せ、冷静に、スコープを覗き込む。 勝算はあった。共和国軍の狙撃ライフルは、一般のアサルトライフルと見分けがつかない。自分が撃たれる確立は八分の一だ――― アルマは標的を撃ち抜く瞬間がたまらなく好きだった。自分が標的の運命を握っているという感覚、命中させたときに感じる確かな手応え――― そして何よりも、たった一発の弾丸で人間の体から命が抜ける、その体がおもちゃみたいにおかしな動きをするのをみると、最高に興奮してしまうのだった。 実際、たった今死んだ二人の仲間の死に様ですら興奮してしまった。久しぶりに狙撃が出来ることも相俟って、彼女の秘所はねっとりと湿ってきていた。 だが、彼女が標的をスコープに捉える前に、彼女の生は終った。銃弾はスコープごと彼女の右目を撃ち抜く。 アルマの体がびくん!と跳ね、幾度かお尻をひくつかせると、動かなくなった。と同時に、微かに濡れていた彼女の壷から潮が勢い良く噴き出した。 それはあたかも、彼女が最後に自分の死をもって絶頂に達したかのようだった。 536 :名無しさん@ピンキー:2007/05/26(土) 02:53:09 ID:FYY4fPs9 大御所の方々の爆撃がなかなか来ないので、慰みに書き殴ってみました。 普通に書いたら悪っぽくなくなったので、後から外道設定を付け足したり・・・ 結局疲れて途中でやめました。やられシーン少なくてスンマセン。 自分で書いてみてわかったけど、こんなに短いスパンでSSを投下し続ける大御所の方々はホントにすごい。 みんなもっと感謝&応援しましょう 537 :名無しさん@ピンキー:2007/05/26(土) 06:42:00 ID:P++8Z/l2 >>536 いやいや、君も良い線いってるではないか。続きが見たい。 某ザコスレとの住み分けが難しいところだけど、良いものは良いんだから仕方ないw GJ! 538 :名無しさん@ピンキー:2007/05/26(土) 23:29:06 ID:wW3fUvPj >>536 激しくGJを送りたいッ! 使える奴だけ集めて本隊と分かれるっていう、 比較的冷静な判断を下したにも関わらず屠られてしまったかw 死ぬ瞬間の描写がエロスでいいよーいいよー。 それにしても、アルマでF.E.A.R.を思い出したのは秘密www 539 :名無しさん@ピンキー:2007/05/27(日) 00:12:45 ID:1GLYSFtD GJっ スコープを撃たれるってのは素敵だな 540 :名無しさん@ピンキー:2007/05/27(日) 20:20:55 ID:sqzatFlC GJ!続編をwktkしながら待ってるぜ。 姿なきスナイパー?に屠られているっていうシチュも新鮮で萌える。 541 :名無しさん@ピンキー:2007/05/28(月) 18:28:22 ID:U2fZbA4e 来週アニマックスでティコの総集編するんだな。 高慢な悪の女社長(非戦闘員)の爆死があるので興味ある方はどうぞ。 たぶん後編になるから再来週だろうけど。 これ最後だけ見ると世界名作劇場とは思えないジェノサイドっぷり。 542 :名無しさん@ピンキー:2007/05/29(火) 11:49:11 ID:tYkTN0gx 新人さんも順調でいいですな。 中断してるシリーズたちにもこれからも期待 543 :名無しさん@ピンキー:2007/05/30(水) 00:17:02 ID:7XXDmLm1 >>541 CV川島千代子さんの人ね。 wikiにも「名劇唯一の爆死」とあって吹いた。 もう引退してしまったのは残念だが、 このスレ的には聖闘士星矢の幽霊聖闘士ガイストもお勧め。 544 :名無しさん@ピンキー:2007/05/30(水) 01:04:16 ID:O/bTPvkD ガイストってやっぱ死んじゃったんだろうか。 いや、その方がこのスレ的にはいいんだろうが、気絶したのか死んだのかわからなかったからな。 ところでこのスレでは版権ものだと、原作とは異なるエロ屠りみたいなSSになるのかな。 545 :名無しさん@ピンキー:2007/05/30(水) 07:59:00 ID:AgGwhIQs アンジェリカは悟った。これは勝てない。無理だ。 外見で区別できないにも関らず、敵は分隊の行動を観察して瞬時にアルマを狙撃兵だと特定したのだ。ついでに狙撃中まで使い物にならなくなった。 プロ中のプロだ。通りを途中まで進ませたのも、素早い撤退を妨げるためだろう。もと来た道を全力疾走しても、おそらく全員撃ち殺される――― さて、彼女が考えているうちにも、敵は次の標的を定めつつあった。 今はほとんど遺跡と言ってもいいような無人の町には、身を隠すものなどほとんど転がっていない。廃屋の壊れたドアをこじ開けでもしない限り、360度狙い放題だ。 成る程、こういう場所に誘い込まれて中隊は壊滅したわけだ―――などと感心している場合ではない。もっと早く気づけばよかったのだが。 遮蔽物を見つけられずに右往左往していた女性兵士は、アルマの死に様を見て完全に動転してしまった。 「い、いやあぁぁぁああ!!」もと来た方向に向き直ると、銃を投げ捨てて逃げ出した。 なんで、どうして私がこんな目に。また殺しまくれると思ってたのに。いつも何も抵抗できないあいつらがどうしてこんな――― 綺麗なお尻を振り振り、巨乳をユサユサ揺らしながら疾走する。 その後頭部に、銃弾が容赦なく侵入した。 546 :名無しさん@ピンキー:2007/05/30(水) 08:00:46 ID:AgGwhIQs 今度は貫通しなかった。弾の運動エネルギーをモロに受け、彼女は砂の中に勢いよく頭を突っ込むと、そのまま一回転してバフン!と音をたて仰向けに叩き付けられた。 先ほどまでの生の余韻か、一度だけ股間を大きく跳ね上げ、股間から黄金色の水を「ドピュッ」と噴き上げると、永遠に動かなくなった。 もう一人、遮蔽物を見つけられず立ち往生している女性兵士がいたが、同僚たちのあっけない死の連続によって完全に兵士としての自分を失ってしまった。 彼女が生き延びていられたのは、敵がアルマという脅威を優先的に排除していたからに過ぎない。次は彼女の番だった。 「あ、ああぁぁあっ・・・」情けない声を漏らしながら、ぺたんと腰を落として座り込む。バイザーで顔は見えないが、恐怖に歪んでいることであろう。 肩の力も完全に抜け、彼女の座る場所の砂に生温かい水が吸い込まれていく。ヘルメットから覗く艶かしい唇は恐怖で震え、歪んでいる。 仲間は皆、後方に散らばって行ってしまった。いや実際には、アンジェリカが身を隠している場所から10メートルと離れていないのだが、この女兵士には10倍にも感じられた。 分隊長が後ろから何か叫んでいるが、もう頭の中に入って来ない。 逃げ切る努力が無駄であるのは仲間が証明してくれた。そして彼女も、「狩られる側」に立つのは初めてだった。 547 :名無しさん@ピンキー:2007/05/30(水) 08:01:32 ID:AgGwhIQs と何を思ったか、キリスト教徒が祈るときのように両手を組むと・・・どこにいるかもいまだにわからない敵を見つめ、いやいやと首を振り始めた。 「お願い・・・助けて・・・」虚空に向かって、震える声で懇願する。首を動かすたびに美しいロングの金髪が翻り、砂漠のきつい日差しを照らして冴え渡る。 「わっ・・・私まだ・・・死にたっヒくっ・・・なぃ・・・」震える声には次第に嗚咽がまじり初め、横隔膜の痙攣に合わせて肩と大きな乳が揺れる。なぜか敵からの射撃はない。 「・・・わたし・・・だってヘック・・・望んでぇっ・・・兵士になった・・・ぇぐっ・・・わけじゃ・・・」 ひょっとしたら、敵も彼女を殺す気は無かったのかも知れない。それほど彼女の様子は哀れで情けないものであった。 同時に、だらしなく股を広げて座り込んだ様はこの上なく淫らであった。狙撃者が男であれば、その姿態を楽しんでいたという可能性も有り得る。 分隊には奇妙な空気が流れていた。全身を曝している仲間が、撃たれていない。 無防備な女に対して、敵は攻撃を加えようとしない。アンジェリカの頭には新たな選択肢が浮かびつつあった。 548 :名無しさん@ピンキー:2007/05/30(水) 08:03:56 ID:AgGwhIQs 降伏。 メナード軍の兵士たちにとって、降伏は理念・現実両方の面から考えて、有り得ないことであった。 まず第一に、メナードの法で厳しく禁じられている。共和国への裏切りへの罰は、通常よりも遥かに過酷な苦痛を伴う死罪によって報われる。 それにたとえ降伏したとしても、すぐに優勢なメナード軍によって「奪還」されてしまう確立が高いのだ。そうなると、軍法会議が始まるまでの間、恐ろしい非合法の拷問が待っている。 更に、メナード兵は捕虜や非戦闘員への筆舌に尽し難い残虐な対応で有名だ。そんな彼女たちが「降伏」してきた場合、紳士的に取り扱ってくれるものだろうか? そもそもこれまでメナード軍は負け知らずだったし、降伏の例は数えるほどもない。アンジェリカにも、どういう結果になるかは未知数だ。 だが・・・この状況を見る限り、敵は意外と感傷的な人間なのかもしれない。ひょっとしたらひょっとするのかもしれない。 ところがその展望は結局、この状況をつくり上げた当人によって木っ端微塵に砕かれてしまった。 549 :名無しさん@ピンキー:2007/05/30(水) 08:05:31 ID:AgGwhIQs 「なっなん・・・あたし、だけぇ、こん、こんなめに・・・」哀れな女兵士―――だったひとりの娘―――の懇願は、いつの間にやら「恨み節」の様相を呈してきていた。 「あたし・・・っだけ、しな死ななきゃいけないなんて・・・ふ、ふこうへいじゃなぃ・・・」 おそらく軽い錯乱状態にあったのだろう。最初は(聞こえているわけが無いにしろ)ある程度相手を意識して喋っていたものが、最早ただの悪態に近くなっていった。そして――― 「なんでわたしが男なんかに!あんな価値の無い薄汚い劣等性種にころs」 発狂したかのようにいきなりまくし立て始めた言葉は最後まで言うことはできなかった。もちろん、最後など無く延々としゃべり続けていたではあろうが。 「ふべっ」という不自然な発生は、銃弾が彼女の口内を通過したことを示していた。直後ベチャッという嫌な音がして、彼女の背後の壁に赤黒い大きな花が咲いた。 衝撃に頭を後ろに振るが、途中で止まる。神経を損傷した彼女の体は脈打ち、前へ後ろへガクンガクンと上体が揺れ動く。 それにあわせてたわわに実った乳房も上下に揺れる。生への名残を惜しむかのようにツンと勃った乳首がいやらしげに踊り狂う。 だがその死の狂乱も次第にスローテンポになり、ついにブルッとカラダをひとつ震わせると、ガクッと首をうなだれ仲間の後を追った。 既に彼女の小水で湿った砂の上に、生前の涙がポタポタと垂れ落ちていった。 550 :まとめ人:2007/05/30(水) 08:26:57 ID:AgGwhIQs GJに励まされて続き書きました。前回コメくれた人たちありがたふ ナレーションがgdgd長すぎてすまんね。ザコスレの方がいいのかとも思ったけど、このスレが好きでw あとほんとにどうでもいいことだけど、新人じゃないんだ、すまない(´・ω・`) 1スレ目でちょこっと書きました。 あと空気読めないコテを使うことにしたけど、スルーして下さい。自分の文を第三者顔してまとめに載せるのがなんか嫌で・・・ 皆さんも妄想を持て余したらどんどん文にして他人と共有するのが吉じゃないかと思います 551 :名無しさん@ピンキー:2007/05/30(水) 12:49:39 ID:TOwMq1+4 どうりで上手いと思った。状況が目に浮かぶもんね〜。こういう人がまとめ人でよかったよ。 これはこれとして、続きを期待していいんですかね?というか希望! ヘボい文になるかもしれないが、いつか書いてみたい・・・ 552 :名無しさん@ピンキー:2007/06/02(土) 11:45:57 ID:k1cP/ip3 >>550 この情け容赦含有量ゼロ具合はもしやあんたじゃないかと思ってたが、 やっぱそうだったかこの鬼畜!(褒め言葉) 激しくGJッ!!!!11 これ続けるにしろ新しく書くにしろ、応援しまっせ。 553 :名無しさん@ピンキー:2007/06/05(火) 08:11:39 ID:SwY89qJw ほ 554 :名無しさん@ピンキー:2007/06/07(木) 00:34:58 ID:8xEqx4PC >>550 非情なストーリー展開と凄惨な描写に絶句するのみ… 力作乙。 >>544 倒れたところへ後ろからもろにペガサス流星拳! のけぞって痙攣しながら悲鳴を上げる姿が痛々しい。 気絶しただけでももはや再起不能だろうし、 任務失敗となれば処刑されるかもしれない… 星矢に抱き起こされ、黒幕の名を問われたガイスト。 自分を屠った男に抱かれるというのはどういうものなのだろう。 555 :名無しさん@ピンキー:2007/06/09(土) 16:34:22 ID:ouoChgfi 一方、姉のシャイナは味方となって準ヒロイン格に昇格 まさにシーネとスンナ 556 :名無しさん@ピンキー:2007/06/09(土) 16:57:00 ID:Pl0Rhz9w ガイストは結構、一般人にとっても衝撃だったと思うんだよな。 あのフェミニスト星矢が一切の躊躇なく倒れた彼女にむけて流星拳だもん。 ところで、この頃、三次のグラビアやヌードみても、 こいつは実は悪女でヒーローに屠られるなんて想像しないと抜けなくなった。もはや末期w 557 :名無しさん@ピンキー:2007/06/09(土) 21:40:57 ID:u9U97Bk6 >>556 同志乙 特に外人のネーチャンのグラビアとか、敵女妄想しか頭に上ってこないぜ! こことか見てみるといいと思うんだ ttp://www.bullz-eye.com/channels/oppositesex.htm 558 :名無しさん@ピンキー:2007/06/09(土) 22:20:00 ID:vRpkmZNU それを言い出すなら、まずはActiongirlsじゃなかろうか。 559 :名無しさん@ピンキー:2007/06/10(日) 03:43:22 ID:wFhkoKOn アニメの星矢は、シャイナさんに遠慮なくローリングクラッシュかます男だからな 560 :名無しさん@ピンキー:2007/06/10(日) 23:39:26 ID:UOVlIvnN ファングとかいうマイナー雑誌の今月号(ひょっとしたら先月号になってるかも)の ゲーム原作ファンタジーマンガにやられがあった。 扇も使う剣士のj巨乳お姉さんが主人公っぽい女に剣を腹部に突き刺され切り払われ絶命。 女であることを一切考慮されず、怒りのままに屠られていたので結構キタ。 561 :名無しさん@ピンキー:2007/06/10(日) 23:53:39 ID:UOVlIvnN ググッてみた。 「エルヴァンディアストーリー」かな。 ゲームのサイトで確認すると、ドーラかドリーのどっちかが屠られてたように思う。 なんか、このサイトのキャラクターみると他にも盗賊ジャーとか夜盗リギアとか悪の女っぽいのがいた。 562 :クレイバンの人:2007/06/11(月) 20:02:08 ID:gLhzT8sL 本当にご無沙汰してます。時雨丸の続きを投下します。 いつもと同じく合作なので、まとめブログには絵つきで掲載されると思います。 563 :名無しさん@ピンキー:2007/06/11(月) 20:04:11 ID:gLhzT8sL 8. 多対一では不利と考えたか、時雨丸は逃げつつも一人ずつ確実に屠る方法をとった。 頭領たる般若面のくの一は動こうとせず、なりゆきを見守っていたが、 残る六人のくの一は、二人一組となって屋敷内を探索している。 あたりをキョロキョロと見回しながら時雨丸を探し出そうと躍起になっている。 「どこだ」「どこにいったの」「隠れてないで出てきなさい」「怖気づいたか」 くの一たちは口々に挑発するものの、そこには隠し切れない怯えが混じっていた。 最初に時雨丸によって地獄に落とされたのは蔵の裏側を見回っているくの一たちであった…… 「ふぅぅ、もっと楽しく金を手に入れて、気に入らない金持ちたちを殺せるはずだったのになぁ」 溜め息まじりにくの一はつぶやく。幼さの残る声からしてまだ二十歳にもなっていないのかもしれない。 そんな彼女に気配を完全に消し去り、背後に忍び寄る時雨丸がいた。 「フンッ」 まずは思いきり、そのつま先を彼女の股間に叩き込む。 「ぶぎぃぃぃっ」 会陰に悶絶するような痛みが走り、醜い悲鳴をあげながら膝を折るくの一。 すかさず、時雨丸は鍛え上げられた腕を彼女の細首に巻きつける。 「んぐぐうぅっ」 女である部分を痛めつけられた衝撃も冷めやらぬうちに呼吸困難になるほどに締め付けられる首。 必死でひきはがそうとするが、多少鍛えているといっても女の細腕。どうにかなるものではない。 「やめなさいっ」 事態の急変に気付いたもう一人のくの一が走り寄ろうとするが、 それよりも前にゴキンという鈍い音とともに、くの一の首をひねり折る時雨丸。 絶命した彼女の股間からは黄金色の小水が漏れ出す。 時雨丸が絡めた両腕を放すと、くの一はゆっくりと屋敷内に生えた雑草にむかって倒れこんだ。 豊満な乳房がグニュリといやらしく地面との接触によって押しつぶされる。 564 :名無しさん@ピンキー:2007/06/11(月) 20:11:17 ID:gLhzT8sL 「よくもぉぉっ」 激昂し、時雨丸に突撃してくるくの一、その手には月光によって鈍く輝く刀。 突いてきた刀を時雨丸は一瞬の早業で脇に挟み固定する。 「なんでっ、ありえないっ」 脇を使った刀取りにくの一は驚愕する。 「ちぃぃっ」 反撃を恐れたくの一はどんなに力を入れようがビクとも動かない刀を捨て、後方に跳躍する。 勝機とばかりに時雨丸は脇に挟んだ刀を地面に落とし、 懐から残り少なくなった苦無を取り出して、着地したばかりのくの一にむかって突進する。 「させるものかいっ」 そう叫びつつも、くの一は必死に両手を振り下ろす。 彼女はこの面をつけた奇妙なくの一集団の中でもなかなかの手だれであった。 軌道を変えた時雨丸の苦無が、ちょうど彼女の腹部にある花模様をあしらった帯に突き刺さるように誘導したのだ。 「くぅっ」 固く締められた帯によって苦無はくの一の内臓を傷つけるまでには至らず、 わずか一寸にも満たない程度にしか刺しこまれなかった。 「フフ、ちょうどさっきと同じ状況ねぇっ、今ならっ」 痛みをこらえ、くの一は鋭い手刀を時雨丸の首筋に叩き込もうとする……が、時雨丸はそれより一枚上手であった。 彼女の手刀が振り下ろされるよりも速く全体重を彼女に浴びせかけるように、 一度は帯によって止まってしまった得物を押しこんだのだ。 時雨丸はそのままくの一の肉のたっぷりついた身体を抱え上げるようにそのまま直進しつづける。 あまりの勢いにくの一の狐面が外れ、二十半ば、眼の大きく鼻筋の通った女の素顔があらわになった。美人である。 時雨丸は気付くことはなかったが、彼女の表の顔は城下町において人気の衰えを知らない色街の遊女であった。 「そ、そんなぁ、ふぎぃぃぃぃぃっっ、がはぁっ」 くの一はそのまま背中を蔵の壁に強打し、数瞬、呼吸が困難になる。 時雨丸は彼女を逃さぬように、頭部をくの一の露わになった豊かな乳房にすりつけるような格好をとっていた。 大きな胸の谷間に埋もれるようになった時雨丸の顔には、弾力にとんだ張りのある胸の感触が、 女のかぐわしい体臭が鼻腔をくすぐっているはずであるが、まったく意に介さない。 「いぎゃぁぁっ、離せ、離しなさいっ、私を誰だと思っているのよ」 くの一は拳を固めボカボカと時雨丸の背中を叩くが、態勢も上手くとれず、 焦りもともなって状況を打開するような一撃はなかなか繰り出せない。 「あぁっ、私が死ぬなんて……嘘っ」 短く悲鳴をあげ、信じられないとくの一。恐怖と痛みからか、乳房の先端にある突起物が勃起しはじめる。 「お前が誰だろうがどうでもよい…………さっさと……死ね」 地の底を這うような低い時雨丸の声がその胸の谷間から彼女の耳に届く。 その間も淡々と苦無でグリグリと内臓をかきまわし、彼女に致命的な傷を与えていく。 「く、くそぉっ……こんなはずじゃあ……」 涙がこぼれ、虚空に何かを描くように片腕をまわしたあと、くの一の全身からダランッと力が抜けた。 そして、時雨丸を両手で抱きかかえるような態勢のまま事切れる。 「…………」 無言のまま時雨丸はゆっくりとくの一から身体を離した。 時雨丸の頭で押さえこまれていた胸が解放され、その巨乳がブルンッとむなしく揺れる。 何の抵抗もなくなった彼女の亡骸は、 ズルズルと背中から滲み出た血を蔵の壁に塗りつけつつ、股をガバリと開脚させるように倒れた。 彼女と床入れするために誰もが金と時間を使った……そんな色街の華の無惨な最期であった。 「残るはあの般若面をいれて五人か……」 時雨丸はそうつぶやくと悲鳴を聞きつけ、駆けつけてきている足音から逃げるかのように姿を闇に隠した。 565 :名無しさん@ピンキー:2007/06/11(月) 20:12:54 ID:gLhzT8sL 本当に短いですが以上です。妄想は山ほどしてるんですが、なかなかSS書くまでには至らず。 こんな感じですが、これからもよろしくお願いします。 566 :名無しさん@ピンキー:2007/06/11(月) 23:26:14 ID:EWWKpCva クレイさんキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!! 短くても密度の濃さはさすがです!ごちそうさまでした!! 567 :名無しさん@ピンキー:2007/06/12(火) 18:40:15 ID:OotVDPqp 実は遊女ってのがポイント高いぜ。GJ! 568 :名無しさん@ピンキー:2007/06/13(水) 17:17:56 ID:R9/e2zRI 悪の女戦士たちって結構スタイル良い人多いですよね。 もともとスタイル良いひとを勧誘してくるのかもしれませんが…。 皆さんどうやってあの体型を維持してるんでしょうか? …ひょっとして、ビリ○ブ○トキャンプ… 569 :名無しさん@ピンキー:2007/06/14(木) 00:56:37 ID:Gf+elrpy その伏字に何が入るのか知らんけど、ブラックレディースはたしか実績に応じて美容外科手術とかをやってもらえるんだよね。 しかし600レス足らずでもうすぐ500KBか。密度が濃くて良いスレだよね。 SS以外のレスが少ないとも言えるけど。 570 :名無しさん@ピンキー:2007/06/14(木) 05:35:06 ID:uuIAAWwf つ【伏字の元ネタ】 ttp://www.google.com/search?hl=ja&lr=lang_ja&ie=UTF-8&oe=UTF-8&q=%E3%83%93%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%BA%E3%83%96%E3%83%BC%E3%83%88%E3%82%AD%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%83%97&num=50 (´・ω・`)ビリーってまだメジャーじゃなかったりするのか……結構好きなんだけど 通販番組好きとニコ動ユーザーには馴染みかもねw 571 :名無しさん@ピンキー:2007/06/14(木) 05:37:34 ID:uuIAAWwf ちゅーか、スレ違いゴメンw レオタ戦闘員のお姉さんズがブートキャンプしてる妄想して寝る。 572 :名無しさん@ピンキー:2007/06/15(金) 20:52:27 ID:DgtuWU3D 今月のフラッパーのヴァンパイアマンガで、 レオタード?が破れて肌の露出が激しい吸血鬼姐さんが、杭打ち込まれて消滅してた。 この頃、マイナー雑誌だけどチマチマとやられがあって嬉しい。 573 :名無しさん@ピンキー:2007/06/16(土) 00:32:44 ID:W2B1nvTn >>556 ガイストに流星拳を背中から打ち込む星矢はリアルで見ていて衝撃だった 「あ、姉さん同様美人」→(2秒後)「殺すのかよーー!!」 574 :名無しさん@ピンキー:2007/06/16(土) 01:06:02 ID:CGEgfycq 星矢スレよりはるかにこのスレの方がガイストを連呼してるんだろうなw 大体合計で二話しか出てないアニメオリジナルなのに、ここまでスレ住人の心を掴んでるってのがスゴイね。 575 :名無しさん@ピンキー:2007/06/16(土) 01:47:09 ID:qTMNZcS9 うっわー、めっちゃ出遅れた! クレイさん激GJッ!! 実は遊女というのがまたエロい。 また貴重なおっぱいが散ってしまいましたねwww >>570 ケツにくいこむ黒レオタとレッグウォーマーでサーコー!!サーコー!! ワンモワセッ!! 576 :名無しさん@ピンキー:2007/06/16(土) 02:09:50 ID:CGEgfycq そろそろ次スレの季節だな。ってことでテンプレ修正してみた。 【  】内だけど戦闘をやめて敵女にしたらどうかと意見してみる。 結構、悪女なみに敵女という表現も検索されやすい気がするんだよね。 【戦闘】悪の女戦士を屠るスレ 4【やられ】 悪の組織その他、悪辣な女悪役が、 正義役に屠られるのが基本ライン。 ・創作/二次創作、どちらも歓迎。ただし実在人物はNG。 ・エロ・グロ表現の有無・程度は書き手の任意。 ・スレタイは「屠る」となっていますが、  屠るかどうか(死 or 戦闘不能)も書き手次第。 ・雑談や感想レスなど、書き手が投下しやすい環境を心がけましょう。 ・特殊属性につきsage推奨。 ◆前スレ 【戦闘】悪の女戦士を屠るスレ 3【やられ】 http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1164572421/ ◆まとめサイト・絵板 悪の女戦士を屠るスレ まとめblog  ttp://akujolove.blog74.fc2.com/ † 悪の美女を屠る絵掲 †  ttp://w5.oekakibbs.com/bbs/akujolove/oekakibbs.cgi <ここから2レス目に> ◆歴代スレ  1:★強い悪の女戦士を屠る創作スレ★     http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1112600419/  2: 【戦闘】強い悪の女戦士を屠るスレ 2【やられ】     http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1152028736/  3: 【戦闘】悪の女戦士を屠るスレ 3【やられ】 http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1164572421/ ◆姉妹スレ 【裏切りと】悪の女とH 第4期目【愛の狭間で】 http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1176801678/                    悪の女との「えっち」がメインの場合はこちらに。 悪の女をつかまえて INエロゲ板     http://idol.bbspink.com/test/read.cgi/hgame/1152888591/                    悪の女が登場するエロゲに関してはこちらで。 577 :名無しさん@ピンキー:2007/06/16(土) 23:33:10 ID:p0rkM9RZ 乙。たしかに「敵女」のほうがよさげですな 578 :名無しさん@ピンキー:2007/06/17(日) 00:08:41 ID:redUS+uY スレにとどめさすかもしれないですが、SS投下します。もし、埋まってしまったら新スレお願いします。 579 :名無しさん@ピンキー:2007/06/17(日) 00:11:19 ID:redUS+uY 「ふぁぁぁん……んぅ……ああっ……」 ある金融会社の入った三階建てのビル。その二階にある小さな給湯室から漏れ聞こえる女の喘ぎ声。 薄い桃色の制服を着た若い女がただでも短いスカートをたくしあげ、ボールペンの先で秘所を弄っていた。 オナニーに没頭する彼女――カレンは生来の殺人衝動の持ち主であった。 カレンは小学校、中学校と自分可愛さに必死でその衝動に耐えていた。しかし、高校二年生の夏、ついに我慢の限界を迎えた。 援助交際でひっかかった四十近くの男を廃ビルに連れ込み、ホームセンターで購入した包丁でメッタ刺しにしたのである。 その殺人へ駆り立てる狂気は性衝動にもリンクしていたようで、血まみれで絶命している男の前に座り込み、オナニーに没頭した。 カレンは何度かイった後で、うしろに誰かの気配を感じた。 振り返るとそこには三十路を越えたくらいの、肉感的な身体を時代遅れのボディコンスーツに包んだ女がいた。 女は怖がるどころかニヤニヤといやらしい笑みを浮かべてカレンをみていた。 言い逃れはできないと瞬間的に感じた彼女は、気付けば熟しきった魅力を隠そうともしない女にむかって、 血に濡れた包丁を突き出していた。しかし、なんなくかわされると腕をひねられ地面に押さえ込まれる。 カレンは一人しか殺せないで捕まってしまうのかと残念がっていると、思いもしない言葉が女から投げかけられた。 女は殺し屋なのだという、あなたには才能があるから仲間になるならここの始末は引き受けてもよいといったのだ。 カレンは神か仏に会ったような救われた表情で女をみて、迷いもなくその申し出を快諾した。 それから三年。女が紹介した忍者の末裔という肩書きをもった無精ひげの男に、 修行と称した訓練によって暗殺技術を叩き込まれ、一人前の殺し屋にカレンは成長していた。 おのれの欲望を満たしてくれるこの職は彼女にとってまさに天職であり、 例え老人であろうが、赤子であろうが、依頼とあれば、いや依頼でなくとも喜んで殺した…… 580 :名無しさん@ピンキー:2007/06/17(日) 00:18:26 ID:redUS+uY カレンは現在、廃ビルで彼女を拾った女が経営する金融会社で事務員として働いていた。 もちろんそれは表向きの業務であり、裏では殺人請負から臓器売買まで手広く引き受けている。 その給湯室で、勤務中にもかかわらず我慢できなくなった彼女はひたすらに自分を慰めていた。 ネタは一週間前、臓器摘出のために生きたまま解体すると時に恐怖で泣きじゃくっていた少年少女の最期である。 「ああ、ふわぁぁっ、こ、恐いのね、死にたくないよね……ああっ、イイよぉ……もっともっと泣き叫んでぇぇ……」 恐怖と狂気に満ちた現場を思い出しつつ、制服ごしに片手で豊かに実った乳房を揉みしだきつつ、 ペンをそのジュクジュクに濡れた膣に挿れこみ、かきまわしている…… そんな痴態をみせるカレンを給湯室の扉のすきまから覗く男が一人。男といってもまだ顔立ちをみれば高校生くらいの少年である。 彼は始末屋。いや、今日初めて始末屋としてデビューする予定の少年――名は旋。 この平成の世でも元締めなどと前時代的な名称を用いる始末屋組織に彼はひょんなことから所属することになったのだ。 どうしようもない、警察も取り締まれないような悪を地獄に送り込むのが主な『仕事』である。 ビル二階のトイレから侵入し、最初に耳に飛び込んできたのがカレンの喘ぎ声であった。 今回の『仕事』はこの屋内にいる全ての者が抹殺対象である。彼女も例外ではない。 旋は初めての殺しが女になったことを呪いつつも、カレンのオナニーに興奮しゴクッと息を呑んだ。 581 :名無しさん@ピンキー:2007/06/17(日) 00:20:52 ID:redUS+uY しかし、これだけ隙だらけならば、始末も楽だ。 そう考えた旋は自分の得物である先端を研ぎ鋭くした五寸釘を腰から一本引き抜くと痛いほどに握りしめた。 狙うは女の横腹。まさに絶頂に達しようとした瞬間を狙うことに決める。 給湯室は奥まった場所にあり、人の来る気配もない。 荒くなった息を整えつつ、機会を待つ。 「ああっ、痛いよね。ンハァァァッ、すごいよっもっと泣いてよ、ああっ、んんっ、イイよっ、ひぃぃ」 カレンのオナニーもどんどんと激しさを増していく。 彼女から漏れ聞こえる言葉に旋は怒りを覚えつつも、性的な興奮をおさえきれない。 「死んじゃうんだ、ああっ、もう逝くんだ。かわい・・・そう……  ダメ、すごい。イクよあたしもイッちゃうよ。あぁっぁぁぁぁぁぁぁっ」 妄想が極限にまで達したカレンは、肉体も限界にきたようでついにイく。いや少なくとも旋にはイったようにみえた。 今だ、とばかりに旋は扉を開けると五寸釘を構え、カレンに飛びかかり、狙い通りの横腹に刺しこむ。 彼の手に女の身体を刺した感触が伝わって……こなかった。 旋がよくよくみれば貫いたのは彼女が着ていた桃色の制服だけである。 「か、変わり身ぃっ」 時代劇でしかみたことのないような業を目の当たりにし、動きが止まる。 「フン、甘いわねぇっ」 狭い給湯室で一体どうやったのか、何故か背中から先ほどまでオナニーにいそしんでいた女の声が聞こえた。 カレンがそういった瞬間、旋の腕を後ろから極めて、部屋の外に投げ飛ばした。 受け身のとれない態勢のまま、旋は床に叩きつけられる。 「ぐほぉっ」 呼吸ができずに咳き込む。このままではやられると横に回転しつつ起き上がろうとするが、 肉体にダメージが残っているのか上手く立ち上がれず尻もちをついてしまう。 582 :名無しさん@ピンキー:2007/06/17(日) 00:29:13 ID:redUS+uY 「あらあら、視られると興奮しちゃうから放っておいたんだけど、なんか殺気を感じたから身構えていたら……案の定だったわね」 「く、くそぉっ……」 「フーン、まだ坊やじゃない。恨みを買ったどっかの企業の始末屋かと思ったけど、  結構個人的な理由なのかしら。お姉ちゃんが……とか、両親が……みたいな……どう?」 余裕の表情を浮かべながら、カレンは旋に微笑んでくる。しかし、旋の視線は彼女の首から下に釘付けになっていた。 細い脚を太股まで網タイツで隠している……そこまではさっきからわかっていた。問題はその上である。 パンツもなくブラもなく、ただスレンダーな裸身の上に網目の……時代がかって言うならば帷子を着込んでいたのだ。 これは鎖帷子のような実用性にかける重いものではなく、特殊繊維で編まれた防刃スーツであった。 網目の隙間からはバスト90は軽く越えているであろう豊かな乳房が乳首とともにチラチラとみえる。 しかも、そのスーツはそれは臍のあたりまでしかなかった。そう、大事な女の部分がすべてむきだしなのである。 整え削られた薄い毛の中に濡れ光る縦スジがくっきりとみえていた。 「フフッ、けど坊やはまだ『殺し』に慣れていないわね。初めてなの……それともあたしのオナニーに見惚れちゃったかな」 クスクス笑いながら、現代のくの一、カレンは旋に近づいてくる。その手にはどこに隠し持っていたのか短刀が握られていた。 「まあ、どちらでもいっか。お姉さん、坊やの顔って好みだからちょっと惜しい気もするけど……  ただの坊やじゃなさそうだし、反撃されるとやっかいだしね。さっさと殺しちゃうわ。  うん、心配しなくていいのよ。サクッと楽に逝かせてあげるから」 「あ、ああっ……」 防刃スーツから、細身の身体には似合わない、柔らかそうな乳肉がはみだすほど大きな胸を小刻みに揺らしながら、 旋を見下ろすような距離にまで迫り寄ってきた。彼女の濡れた恥毛、太股をつたいしたたり落ちる淫らな蜜、 チラリとみえる興奮のためか勃起した薄紫色の乳首は妖しいまでのいやらしさを醸しだしていた。 旋は動けなかった。先ほどの投げで受けたダメージ以上にカレンの扇情的でエロティックな姿にやられていたのだ。 殺伐としたこの世界に足を踏み入れたばかりの旋は、それまではただの気弱な学生であり、 その性格もあってか、生まれてこのかた女性と関係を持ったことなど一度もなかった。 アダルトビデオをみながらのオナニーがせいぜいである。 そんな彼が至近で色っぽい女の半裸をみさせられたのだから、動きが鈍くなるのも無理はなかった。 「ウフフッ、じゃあね、バイバイ坊やっ」 年端のいかない少年を一方的に殺せることに悦びをおぼえ、カレンの表情は喜悦に満ちている。 心の中では後でこれをネタにオナニーをしようか、もしくは死姦もいいな、などと妄想をふくらませていた。 短刀を逆手に持ちかえると、尻もちをついたままのついに動けなかった旋にその凶刃を振り下ろさんとする。 「くっ」 縮こまり、眼をつぶる旋。しかし、その刃が彼の肉体を傷つけることはなかった。 583 :名無しさん@ピンキー:2007/06/17(日) 00:32:32 ID:redUS+uY 「え、な、何これっ」 驚きの声に反応して旋が恐る恐る眼をあけるとそこには、大きな胸の谷間から鈍く光る銀色の刃が飛び出ていた。 「甘いのは、あ・ん・た。こんなガキ一人に『始末』を任せるはずないじゃない。油断大敵だよ」 嘲りを含んだ、妙齢の女の声がくの一の背後から聞こえる。 「ま、舞華……」 「そ、そんなっ……」 信じられないという表情のまま、虚空をみつめ裸体をブルブルと痙攣させるカレン。 「舞華さんだろっ。旋、帰ったらお仕置きだよ。おおかた女ってことで鈍っちまったんだろ、ホント甘っちょろいガキなんだから」 カレンの身体ごしに旋にむかって静かな怒声が飛ぶ。 「ご、ごめん……」 「謝るくらいなら、しっかりしなっ」 そういいつつも、舞華と呼ばれた女は空いた手でカレンの背中を押さえつけ、刀を引き抜く。 「くはぁっ」 血反吐を吐きながら座り込んだままの旋にカレンは倒れこんでくる。 そんな彼女の影からあらわれたのはメタリック色の身体のラインがそのまま浮き出るスーツに身を包んだ女であった。 歳は二十代の半ばくらいだろうか。気の強さが全身から滲みでている。挑戦的な眼が特徴的な美人である。 その手にはカレンの胸を刺し貫いた時についただけとは思えない、たくさんの血と脂がこびりついた物騒な刀を持っている。 始末屋であり、旋の師でもある舞華であった。裏稼業とは思えぬその派手な格好が彼女の性格をよくあらわしている。 584 :名無しさん@ピンキー:2007/06/17(日) 00:37:37 ID:redUS+uY まだ旋は舞華の姿を見ていない。倒れこんできたカレンを抱きかかえるような態勢になったからである。 「んあぁっ」 苦しそうな彼女の喘ぎが旋の耳元で発せられる。香水と汗、そして血が混ざった匂いが旋の鼻腔をくすぐり、 温かい彼女の体温が、押しつぶされた胸の柔らかさが網目の細かな防刃スーツごしに伝わってくる。 「うわっ、うわぁぁぁあっ」 興奮と恐怖で必死に瀕死のくの一から逃れようとする旋。 くの一は虚ろな表情のまま、旋にしがみつこうともがく。 「情けなくて、涙が出てきちまうよ。実戦と訓練は違うってことかねぇ……たかが女の一人や二人で……」 舞華は旋の醜態を嘆きながらも、何か閃いたのか、ニヤリと口の端を歪めた。 「おい、旋。その女にトドメをさしな。」 「えっ、あっ……」 「殺れってんだよ、これができないようじゃ……もう帰りな。あんたにゃこの『仕事』はむいてない。家帰ってマスでもかいて寝ろ」 「……わかりました」 意を決した表情で旋は苦悶の表情のまま自分にすがりつくカレンの肩を持つと組み伏せようとする。 「い、いやっ、まだ死にたくない……よっ」 放っておいてもこのままでは、カレンは死ぬ。しかし、彼女はまだ生きることに執着があるし、その事実を受け入れていない。 持てる限りの力を使って旋に抵抗する。しかし、刺された身体では全力は出せない、しかも男と女、少年とはいえ旋に分があった。 「あきらめるんだ……」 自分にも言い聞かせるように旋はカレンにむかって言う。しかし、彼には明らかに動揺がみられた。 これからの『殺し』への緊張だけでなく、さっきまでオナニーをしていたエロティックな半裸のお姉さんと絡み合うことで、 異常な興奮状態に陥っていたのだ。旋の『息子』もガチガチに勃起していた。 カレンは力では敵わぬとみたか、いきなり抱きついたかと思うと、その大きく柔らかな乳房をすりつけ、 その赤い口唇で旋の口をふさいだ……彼にとっては初めてのキスであった。 「お、おね……がいっ、坊や見逃して……今なら処置すれば間に合うかもしれないの。許してっ……」 勝手きわまるカレンの命乞いであったが、旋は固まってしまう。 「だ、だめだっ」 「そんな……こといわないでっ」 媚びるような上目遣いの視線で吐息を漏らすようにカレンはいう。 そして、旋の両手を優しく掴むと、片方を胸に、片方を女の秘部に持っていく。どちらの感触も旋には初めてのものであった。 「坊や。あたしを……抱きたくない? 優しく、一から女の肉体のこと教えたげるから。  それに、もう悪いことはしないわ。お願いっ。後ろのお姉さんにもあたしと一緒にお願いしてちょうだい」 カレンはトドメとばかりに旋の指を自らの肉壷に導き入れる。 ヌチュっとした滑りとともにフニュフニュとした秘肉の独特の柔らかさが旋の指に伝わってくる。 「ハァッ、いいのぉっ。フフッねぇ、ココに坊やのオチンチンいれてもいいのよ。ねっ」 いやらしげな顔をつくりつつ、優しく微笑むカレン。 「えっと、あの……」 旋はあまりにも初心であった。綺麗な半裸のお姉さんに言い寄られて気が動転し、どうしていいかわからなくなっていたのだ…… 585 :名無しさん@ピンキー:2007/06/17(日) 00:44:35 ID:redUS+uY 舞華が面白そうな、けれどすごく不機嫌にもみえる複雑な表情で二人の絡み合いを凝視していたが、 仕方がないといった表情をつくると口を開いた。 「ふぅぅぅっ、本当に世話の焼ける子だね……。旋っ。これが最後だ。一つだけ教えたげる。  あんたにみせたガキの虐殺現場の写真あったろ。あんたが一緒に遊んでた何だっけ?  ミッちゃんとかいうマセたガキがおっ死んでたヤツ。あれ、やったのこの女だよ……」 「え、ミッちゃん……」 狼狽していた今までが嘘だったかのように旋の表情が能面のように無表情になる。カレンには舞華の話に心当たりがあった。 二週間ほど前、連れ去ろうとした際、暴れまくった幼稚園児を五人ほど、ついカッとなって殺してしまったのである。 「あの……ち、違うよ。あたしじゃない。それはあたしじゃない……ヒィィッ」 必死にカレンは否定するがそれが、顔に焦りとなって出てしまっていた。 そして、初心な坊やだと思っていた旋が急に冷たいゴミクズをみるような視線を投げかけてきたことに戦慄する。 旋からはカレンのいやらしい肉体に対する若さ溢れる欲望や、 死に一歩ずつ近づいている彼女への憐憫の情などは一切消え去っていた。 「やめっ……ひぁぁっ」 まるで機械のような精確な動きで旋はカレンを組み伏せる。 そして、性的な意味をまったく感じさせない、ただ単純に手ごろな大きさで持ちやすいから、といでもいいたげな動きで、 カレンのたわわに実り、もうすぐ成熟しそうな乳房を鷲掴みにして彼女を押さえ込んだ。 「あんっ……やめっ…やめてぇっ」 次に腰に吊り下げられた五寸釘を引き抜くと、躊躇なくカレンの濡れそぼった膣内に力強く押し込んだ。 「グビャァァァァッ」 膣を、子宮を傷つけられた痛みを我慢できず、のたうちまわるカレン。眼からは涙が溢れてくる。 「いやっ、誰かっ、誰か来てぇぇっ」 彼女は必死に叫ぶが誰もこない。 「ああ、二階までは私がもうすべて殺っちゃってるから……三階は……死圧の兄さんが社長に引導渡してる頃じゃないかしらね」 舞華は彼女に一切の希望を持たせぬような絶望的な事実を突きつける。 「クッソォォッ、あ、あたしは特別なんだ。あたしが殺してもあたしが殺されるなんてことあっちゃいけないのよ。  ガキィィッ、よくもやってくれたね。覚えてろよ。優しくすりゃ調子にのりやがって。呪ってやるわ。地獄で呪ってやるぅぅっ」 今までのお姉さんぶった態度をかなぐり捨て、汚い言葉で呪詛をまき散らすカレン。 それでも旋の表情は変わらない。怒りも哀しみも全て忘れ去ったような氷の表情で、もう二本、腰から五寸釘を引き抜いた。 「そ、それで、どこを刺そうってんだい……よしなよ。ね、ダメよ、ダメなんだから……やめてぇぇっ……ぐびぃっ」 旋が刺しこんだのは彼女の喉笛であった。ドクドクと首から血を流すカレン。ヒューヒューと空気が漏れる。 言葉を発することが二度と不可能になったカレンであったが、なおもパクパクと口を動かしている。 旋は一言も話さない。ロボットを思わせるようなたんたんとした動きで最後の五寸釘を握りしめると、 ビクンビクンと激しく痙攣し、涙と鼻水、そして血反吐でグジュグジュになったカレンの顔を睨みつけつつも その額にゆっくりと突き入れる。 「……フヒャァッァ」 息の吐き出すような声にならない悲鳴をあげ、ついにカレンは絶命した…… 586 :名無しさん@ピンキー:2007/06/17(日) 00:46:19 ID:redUS+uY 計算上は大丈夫なはずだったんですが……ごめんなさい新スレ立て挑戦してきます。 587 :名無しさん@ピンキー:2007/06/17(日) 00:53:04 ID:redUS+uY 【敵女】 悪の女戦士を屠るスレ 4【やられ】 http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1182008998/l50 スレ立てました。よろしくお願いします。 588 :名無しさん@ピンキー:2007/06/20(水) 00:34:32 ID:iNU9XxHU     〃                 i,        ,. -‐    r'   ィ=ゝー-、-、、r=‐ヮォ.〈    /     !  :l      ,リ|}    |. }   /   .う .   {.   |          ′    | }    l     レ-、{∠ニ'==ァ   、==ニゞ<    |    め     !∩|.}. '"旬゙`   ./''旬 ` f^|    |    l(( ゙′` ̄'"   f::` ̄  |l.|   |     な .    ヽ.ヽ        {:.    lリ     | .    }.iーi       ^ r'    ,'    ノ    い      !| ヽ.   ー===-   /    ⌒ヽ .   /}   \    ー‐   ,イ       l    か  __/ ‖  .  ヽ、_!__/:::|\       ヽ 589 :名無しさん@ピンキー:2007/06/26(火) 02:41:43 ID:iPfaPbdu 「やめっ、やめなさい、イヤァッ、やめてぇぇっ」 ビキニと見間違うばかりの露出の激しい戦闘服に身を包んだ女が、 肉感的な身体をブルブル震わせながら泣き叫んでいる。 彼女は世界征服を企む悪の秘密結社の戦闘員である。 「女であろうと悪に加担したヤツを生かしておくほど俺は甘くない」 対峙するのは敵をその肉体一つで叩き潰してきた男。彼はそうつぶやくと一瞬の後、女戦闘員の視界から消える。 「えっ」 男は背後から女戦闘員の豊かな両乳房を強く握りしめると、そのまま勢いよく身体を後ろに反らせ、彼女の頭を地面に叩きつけた。 自慢のオッパイがちぎれとぶような痛み、それが女戦闘員が感じた最期のものとなった……彼女の意識は闇へと消える…… ダラリと、女戦闘員のいやらしい肉体から力が抜けた。しかし、彼女は倒れない。 そう、首から上が固い土の中に深く埋まっていたのだ……